中村 民雄 (ナカムラ タミオ)

写真a

所属

法学学術院 法学部

職名

教授

兼担 【 表示 / 非表示

  • 法学学術院   大学院法学研究科

  • 附属機関・学校   グローバルエデュケーションセンター

学歴 【 表示 / 非表示

  •  
    -
    1991年

    東京大学   法学政治学研究科   英米法  

  •  
    -
    1991年

    東京大学   法学政治学研究科   英米法  

  •  
    -
    1987年

    その他(海外の大学等)   法学研究科   法学  

  •  
    -
    1986年

    東京大学   法学政治学研究科   英米法  

  •  
    -
    1986年

    東京大学   法学政治学研究科   英米法  

全件表示 >>

学位 【 表示 / 非表示

  • University of Tokyo   Master of Law

  • 東京大学   法学修士

  • University of London   LL.M

  • その他(海外の大学等)   法学修士

  • University of Tokyo   Ph.D

全件表示 >>

経歴 【 表示 / 非表示

  • 2010年04月
    -
     

    早稲田大学法学学術院   教授

  • 2006年04月
    -
    2010年03月

    東京大学社会科学研究所   教授

  • 2010年
    -
     

    (4月)- 早稲田大学法学学術院教授

  • 1999年09月
    -
    2006年03月

    東京大学社会科学研究所   助教授

  • 2006年
    -
     

    (4月)-2010(3月) 東京大学社会科学研究所教授

全件表示 >>

所属学協会 【 表示 / 非表示

  •  
     
     

    日本EU学会

  •  
     
     

    日米法学会

  •  
     
     

    比較法学会

 

研究分野 【 表示 / 非表示

  • 新領域法学

  • 基礎法学

研究キーワード 【 表示 / 非表示

  • イギリス法、EU法

論文 【 表示 / 非表示

  • 持続可能な世界への法─Law and Sustainabilityの推進─

    中村民雄

    『持続可能な世界への法―Law and Sustainabilityの推進』     3 - 35  2020年08月

  • 変貌する時代のEU―統合の新たな探求

    中村民雄

    日本EU学会年報   ( 40 ) 1 - 18  2020年05月

  • ウェールズの将来世代コミッショナー

    中村民雄

    比較法学   53 ( 3 ) 113 - 127  2020年03月

  • 英国の国家主権・国会主権・人民主権とEU―Brexitが露呈した不文憲法体制の混迷―

    中村民雄

    早稲田法学   95 ( 2 ) 51 - 123  2020年03月  [査読有り]

     概要を見る

    英国のEU加盟から脱退までの全過程を対象に、主権概念がいかに使われてきたかを検証する。また通説である「国会主権」が政治の実践において人民主権的な実践(国民投票の多用)により揺らいでいることも指摘する。

  • Brexitと英EU通商交渉の行方―英国・EU包括的経済政治連携協定?

    中村民雄

    日本国際経済法学会年報   ( 27 ) 54 - 74  2018年11月  [招待有り]

全件表示 >>

書籍等出版物 【 表示 / 非表示

  • 持続可能な世界への法 : Law and sustainabilityの推進

    中村, 民雄( 担当: 編集,  担当範囲: はしがき; 第1章 持続可能な世界への法─Law and Sustainabilityの推進─)

    早稲田大学比較法研究所,成文堂 (発売)  2020年08月 ISBN: 9784792334017

  • EUとは何か(第3版)

    中村民雄( 担当: 単著)

    信山社  2019年09月

     概要を見る

    EUの入門書

  • EU法基本判例集(第3版)

    中村民雄, 須網隆夫( 担当: 編集)

    日本評論社  2019年03月 ISBN: 9784535523463

     概要を見る

    EU法の歴史的発展と現在を示す重要判例39を紹介し、詳しい解説を付した中・上級向けの判例学習書

  • 民事法の解釈適用と憲法原則―中国民法編纂に向けた日中比較―

    中村民雄( 担当: 編集)

    早稲田大学比較法研究所  2018年03月 ISBN: 9784792327156

     概要を見る

    総合的な民法典を編纂しつつある中国において、憲法と民事法との関係を明確にし、体系的な解釈技法を深めるとの問題意識から、日本の経験との比較を試みたもの。

  • EUとは何か(第2版)

    中村民雄( 担当: 単著)

    信山社  2016年10月 ISBN: 9784797236262

     概要を見る

    韓国語版『EU란 무엇인가』(나카무라 타미오 지음 | 박덕영, 윤재훈, 정정민 옮김 | 박영사 | 2018년 05월 30일 출간)(博英社 Pakyoung Publishing Company、2018年5月)全181頁(日本語第2版翻訳)

全件表示 >>

共同研究・競争的資金等の研究課題 【 表示 / 非表示

  • グローバル行政法の理論構築―Brexitを契機としたEU・イギリスの規制法変化―

    研究期間:

    2018年04月
    -
    2021年03月
     

     概要を見る

    この研究は、2018年度から2020年度にかけて、イギリスのEU脱退(Brexit)の前と後を比較し、イギリスとEUの各法制が、越境的な広がりを持つ共通の問題についてグローバル次元でいかなる法を形成するかを観察する。そしてその観察に基づいて、グローバル行政法の基礎理論を考えようとするものである。本研究申請時の当初計画では、2018年度に環境規制(とくに温暖化対策)、2019年度に食品安全規制(とくに遺伝子組み換え食品規制)、2020年度に金融規制(とくに銀行業規制)の三分野を対象に順次研究するものとしていた。そのBrexitが2019年末まで英国政治の混乱により遅れ(2020年1月末脱退)、本研究最初の2年間、実証的観察を予定通りにはしがたいものとなった。そこで当該両年度は、いずれの分野の実証研究にも共通し、また今後のグローバル行政法の基礎理論を考える際にも必要となる論点を研究した。すなわち、(1)EU脱退協定、(2)イギリス憲法の変化、(3)Brexit後のEU法の変化(環境、食品規制分野)を研究し、(4)グローバル行政法の基礎理論に示唆を与える実例研究も併せて行った。なお、本研究の残余期間について、金融規制の変化は見通せないまま終わるとの確信を得たので、環境規制と食品安全規制に限定して実証的観察を進めることにした。この2分野は脱退協定において、イギリスとEUの間で関心事項として言及されたからである。そこで、(1)(2)(3)について学会発表をし、論稿を執筆した。さらに環境規制の変化の観察面については、2019年度にイギリスの環境政策および環境法の改正準備の動きに関する情報・資料収集をし、イギリスにおける面会調査を通して、環境法の専門家の見解および環境訴訟を提起したNGOの見解を聴取した。(4)についても、論稿を発表した。Brexitの大幅遅延はあったものの、第1年度末に適切に軌道修正をし、実証的観察にもとづく研究対象を2分野に限定することで、Brexit遅延の中でも有意味の研究を2019年度は進めることができた。それだけでもなく、2019年度にはグローバル行政法の基礎理論の構築に必要な論点についても研究を進めることができた。以上から、当初計画その通りではないものの、予想外の現実の困難の中では最大限に順調に研究を進めることができたといえる。研究対象分野を環境規制と食品安全規制に絞り、2020年度(最終年度)においても、その分野でのイギリス法とEU法の変化についての実証研究を進める。もっとも、2020年度はコロナ・ウィルス感染の世界的拡大のため、海外渡航は制限され、また当面自粛が求められているため、20年度内にどれほど現地調査ができるかは、2020年4月時点では見通しが立たない。そこで2020年度についてはオンラインでの面会調査なども視野にいれて、研究を進めていきたい

  • パワー・シフトの進む国際環境における日EU協力の包括的研究

    基盤研究(A)

    研究期間:

    2011年
    -
    2015年
     

     概要を見る

    本年度は、本科研費研究の第3年度に当たり、前年度までの成果を基礎に、引き続き、国内では、外部からの報告者を交えて全員参加の研究会を開催するとともに、上智大学と共催で国際シンポを開催した。国外では、例年通り、日・EU会議をブリュッセルで開催し、さらに法学系ワークショップをやはりベルギーで開催した。詳細は、以下の通りである。
    第一に、国内研究会・研究打ち合わせを4回開催した。すなわち、6月1日は、外務省よりの報告者からの日EUEPA交渉の現状につき報告して頂き、質疑した。7月30日は、秋に予定する国内会議の内容を分担者・協力者で議論し、9月11日は、欧州ビジネス協会の報告者から、欧州企業の観点からの日EU関係の現状を報告して頂き、質疑した。最後に、12月4日には、外務省よりの報告者による日EU定期首脳会議の報告とともに、最終年度の国際会議を含めた、今後の進め方を討議した。第二に、前述のように12月13~14日に、「人の移動と地域統合」をテーマに、公開の国際シンポを開催し、高度人材の越境移動、移民・外国人労働力の受け入れなど、人の移動に関する側面につき、7名の分担者・協力者が、これまでの研究成果を公表した。第三に、11月25日に日EU会議をブリュッセルで開催し、日EU経済関係とともに、災害対応・人道問題での日EU協力の可能性を主に議論した。第四に、国内の研究協力者の参加を得て、法学系ワークショップの準備会合を年末までに3回開催し、その成果を踏まえて、2月21日~22日、ヨーロッパ(ドイツ、ノルウェー、ベルギー)、東アジア(中国・韓国・台湾)の協力者とともに、ルーヴァン大学(ベルギー)で、第1回ワークショップを開催し、グローバル立憲主義をテーマに、国際関係秩序の変容の方向性を議論した。
    そして年度末より、最終年度に向けた研究の統合のために、分野横断的な議論の準備を開始した。

  • 東アジア地域主義の法制度像-地域法秩序の多層的形成の比較分析

    基盤研究(B)

    研究期間:

    2006年
    -
    2007年
     

     概要を見る

    本研究は二カ年度にわたる。初年度は、1990年代から生成してきた東アジア(ASEAN+日中韓)の域主義について、欧州と米州の地域主義と比較して、普遍的な特徴と固有の特徴を分析することであった。EU、 NAFTA・Mercosur、東アジアの三地域主義の比較は、2006年7月5、16日に国際会議を開催して集中的に行った。国際会議での報告をもとに執筆した原稿と会議での討論要旨を一冊の英文の研究報告書として公刊した(2007年2月)。Tamio Nakamura (ed.) The Dynamics of East Asian Regio nalism in Comparative Perspective (Institute of Social Science, University of Tokyo, 2007)である。
    第二年度である本年度の研究目的は、東アジア諸国間の共同体制度を具体的に提案し、欧米・東アジアの研究者と討論することであった。前年度の後半から今年度の前半まで、東アジア共同体憲章案の起草のために、中村民雄・須網隆夫・佐藤義明・臼井陽一郎の4名が10回にわたり研究会を開き、憲章案を起草した。最終案はDiscussion Paperとして刊行した。英文で起草した東アジア共同体憲章案を、欧米および東アジア諸国からの研究者と国際会議を一般聴衆にも公開して開いて討論した(2007年7月21日)。国際会議の議事録はTamio Nakamura (ed.) Future East Asian Regionalism: Proposal for an East Asian Gharter (Institute of Social Science, University of Tokyo, February 2008)として公刊した。

  • 21世紀型システムの研究(法と政策)ヨーロッパ統合モデルの射程

     概要を見る

    欧州統合の進展は、その積極・消極両方の側面を顕在化させてきた.まず,積極的側面としては,従来の地域統合においては考えられなかったほどの,EC法の拘束力及びその実効性担保の為の法理論が形成され,法による統合の一つの有力なモデルを提示することに成功したこと,直前まで発足が危ぶまれた経済通貨同盟の実現にも成功したこと、それによりEC内部の単一市場形成の完成に大きく近づいたこと等を指摘できる.しかし,その反面において,EC法の拘束力が強化されるに従い,特に加盟国の国内法との関係において,EC法の民主的正統性が強く要求されるようになった.例えば,EC法令制定過程における「欧州市民」の不在が批判され,他方でマーストリヒト条件により明文規定された「欧州連合市民権」の概念も,実施主体である加盟国側の根強い抵抗と加盟国民自身の「欧州市民」としての自覚の稀薄さにより,確かな実体を持つに至っていないことが指摘されている.他方で,実質的な民主制の実現との関連において,基本権保障の見地から,欧州統合の正統性を強化しようとする動きがあることが注目される.既に80年代から欧州議会を中心として基本権条項を含む欧州連合「憲法」制定論があったが,近時,今後の東へのEU拡大を前に,EUレヴェルでの基本権憲章制定の動きが現実化してきた.オーストリアにおける極右政党参加政権の成立に対する,EU側の厳しい反応もこのような文脈において理解される必要があろう。このような欧州統合の動きは,翻って他の地域にとっても決して無関係ではなく,国家の枠を超えた市民の民主的参加,ピノチェト事件に見るような国際政治における人権価値の重要化等,21世紀型システムの構想に大きな示唆を与えるものと思われる.但し,いずれの問題についても,今後のより堀り下げた学際的分析が必要であり,将来の特定領域研究の課題としたい

  • 欧州統合の法政策過程の実証的分析

     概要を見る

    1992年の域内市場統合の完成後,今やEU拡大が課題となった.拡大を睨んで,EUは,大きな制度設計の季節を迎えており,動態的かつ学際的研究が不可欠となっている.本研究は,法学研究者と行政学・政治学研究者との学際的連携により,一方で,法政策決定過程・執行過程を,ECレヴェルおよび加盟国レヴェルの双方につき分析しうる研究態勢を組織すること,他方で複数領域にまたがる政策調整の問題,例えば会社法と労働法との抵触問題等の分析を目的とするものであった.共同研究者が順次,各自の問題意識を整理・報告する会合を重ねる過程において,専攻を異にする法学研究者と行政学・政治学研究者とでは,等しくヨーロッパ統合を研究する場合でも,着眼点が異なることが明らかになった点は,相互にとって極めて刺激的かつ有益であった.例えば,EC法研究者の関心の中心は,当然ながらEC裁判所による法形成にあるのに対して,行政学・政治学の専攻者の関心は,むしろECおよび加盟国レヴェルの政策決定過程にある.その結果,前者がEC法による加盟国国内法の「ヨーロッパ法化」に着目するのに対して,後者は,むしろECレヴェルにおける政策決定過程における政策間調整の困難,議会外の街頭行動に注目する傾向が強く,同じくヨーロッパ統合研究といっても,全体的なイメージが大きく異なることが,認識できたからである.今後近い将来においても,EC法研究は更に重要な意義を持つことになるものと思われる.例えば,欧州憲法起草会議(Convention)は,本年6月には欧州憲法草案を提出することになっており,今後とも欧州統合の推移をフォローしていきたいと考えている

全件表示 >>

講演・口頭発表等 【 表示 / 非表示

  • 英国のEU脱退(Brexit)の法的諸問題―英国・EU双方の視点から

    中村民雄  [招待有り]

    国際連携本部主催 英国研究イベント 連続講演 on Brexit   (東京)  明治大学  

    発表年月: 2019年07月

     概要を見る

    2019年度英国研究イベントでは、様々な専門分野の方々によるBrexitに関する連続講演を行います。第3回は、中村民雄教授に、Brexitの法的諸問題について講演していただきます。成文憲法典のないイギリスでは、欧州統合への加担(EC加盟)も脱出(EU脱退)も憲法論争を呼びました。かたや史上前例のない地域統EC/EUの形成も、構成各国憲法との関係で常に問題を生んできました。講演ではイギリス・EU双方の憲法問題を論じます。

  • 想定外の大災害時の初動救援−災害ボランティアと自治体の協働−

    基礎法学総合シンポジウム「巨大自然災害・原発災害と法−基礎法学の視点から—」(日本学術会議講堂)  

    発表年月: 2012年07月

  • EUの対アジア経済外交のあり方を問う:EU韓国枠組協定の問題点

    EUSAアジア太平洋学会  

    発表年月: 2012年06月

特定課題研究 【 表示 / 非表示

  • 現代イギリス憲法理論の再検討―イギリスのEU加盟と脱退を切り口として

    2017年  

     概要を見る

    研究成果①を雑誌『レヴァイアサン』60号(2017年5月刊)に投稿し掲載された。研究成果②を国際経済法学会(2017年11月15日)において報告した。(2018年後半には、同学会年報に掲載される予定である。)

  • 戦後世代の戦争責任-日韓戦後世代間の法対話の可能性-

    2015年  

     概要を見る

     本研究は、グローバル立憲主義の可能性に関する一つの事例研究として日韓の従軍慰安婦をめぐる法的責任言説に焦点をあて、戦後世代の平和移行責任(世代を超えて引き受けるべき戦争責任)の論理構成を、日韓共通の法的価値と日韓の戦後世代の共通利益の発見を通して考え、日韓戦後世代の法的対話の可能性が認められるかどうかを考えた。 日本の裁判所はほとんどが従軍慰安婦が日本で提起した損害賠償訴訟について責任を認めないが、例外的に国の不作為を違法としそれに対する損害賠償責任を認める例もあり、その判決を精査し、そこに日韓共通の戦後世代の平和移行責任を根拠づける法的原則や法的価値が表明されていないかどうかを検討した。

  • 災害ボランティアの法的地位比較―実効的な公私協働救援制度の構築に向けて―

    2013年  

     概要を見る

     東日本大震災での震災・津波被害(原子力発電所事故の被害は除く)の発生から1か月の初動期の救援を迅速かつ効果的にするには、災害救援に第一次的な責任を負う公的機関(とくに地方自治体)と、市民のボランティア(災害ボランティア)との協力が不可欠である。しかし、日本では、災害ボランティアが実際にはどの範囲のことを、どのように公的機関と協力できるのか、ボランティアはその自発性にもとづきつつ公的機関といかに協力すべきなのかについて、とくに学問的な視座からの考察がまだ十分ではない。そこで、この研究では、一方でイギリスの防災法制度におけるボランティアの位置づけについて調査した。他方で、日本の災害対策基本法(災対法)が東日本大震災時の救援の混乱を反省して、2012・13年に改正されたので、その改正の意義と残る問題点を研究した。 イギリスについては、特定の救援活動(救急活動や、食糧・衣服の支給など)ごとに、民間の団体や慈善団体が地方自治体と協力して活動している。とくに救急業務についての活動が最も定着している。現地の聞き取り調査で分かったことは、各自治体の区域を担当する各国民健康サービス(NHS)の救急活動が公的機関の救急サービスに相当するが、これが大規模災害等でサービスが不足するとき、民間の救急支援団体(British Red Cross, St John Ambulance, St Andrews Ambulance)の救急サービスも業務を補完するとの位置づけがなされており、自治体は平時から当該団体と業務提携協定を結んでいるとのことであった。食糧衣料の救援はOxfamなど民間の慈善団体がしばしば行っている。これについてはとくに自治体との連携協定を結ばずに自発的に行っているようであるが、必ずしも十分には解明できなかった。イギリス社会は伝統的に私的自治・自助の精神が強く、救援をすべて公的機関に任せるという発想ではないようである。したがって、民間団体の活動を公的機関との関係でどう位置づけるかという問題意識そのものが希薄であるようにみえた。 日本の災対法についての考察に研究期間の後半をあてた。この研究成果は、日本学術会議の『学術の動向』2014年2月号に公表した。要点を述べるとこうである。今回の災対法改正で意義があると評価できるのは、次の点である。1)災対法は基本法でありながら、災害対策の基本原則や基本理念を定めていなかった。これを改め、基本理念をいくつか列挙した。2)広域災害の場合、自治体間の救援連携が必要となるが、従来は近隣自治体間の連携を念頭に置いていたが、遠方の自治体との連携も必要となることが判明したので、それを日頃から行えるほうに法文が整えられた。3)災害ボランティアが災害救援活動において有益な力であることを、初めて法文で認めた。4)市町村が定める「地域防災計画」よりもさらに小さな単位で、地区の住民が自発的に「地区防災計画」を作成し、それを市町村の「地域防災計画」に織り込んでもらえるようになった。下からの自発性が生かされる道が開かれた。 他方、今次の改正で残された課題も多いことが分かった。1)災対法はたしかに基本理念を示しはしたが、これは防災諸法規の目的を寄せ集めたものであり、整理されておらず、なにより、何をもっとも優先させて防災や救援をするかが、すべての救援当事者に明確に示されるような法文になっていない。そのため、公的機関と災害ボランティアが一致して同じ基本理念にもとづいて行動する基礎が作られていない。2)災害ボランティアについての規定は、その重要性を認める旨の規定であって、公的機関にもボランティアにも、実践活動での協力のための指針は何ら示していない。これは「地域防災計画」に委ねられている。ゆえに、石巻市など、自治体・社会福祉協議会・災害ボランティア諸団体の三者がうまく協同できたところなどが、率先してモデル計画を策定し、それを他の自治体にも普及させるような活動を意識的に行う必要がある。また、その際に、災害ボランティア団体も、一部に不祥事を起こした団体もあり、公益的な活動主体としての自律規範(災害ボランティア憲章など)を、団体間で討議して、策定するなどの、自治的な活動が必要であろう。すでに私は、前回の特定課題研究で、ボランティアの公益活動主体としての自律規範のモデル案を発表したが、今回の災対法改正で、ますますモデル案などをボランティア諸団体が自主的に討議することが望ましくなったといえる。

  • リスクと法整備をつなぐ比較法と法の発信

    2012年  

     概要を見る

    本研究課題は、2012年度科学研究費補助金(新学術領域研究)へ申請したが採択されなかった研究課題「リスク法学・先端法学の創造・発信・挑戦―比較法力で迫る災害・金融リスクの対策支援―」(以下、リスク・先端法学研究という)の一部である。リスク・先端法学研究は、大型共同研究として大きな問題をたてた。すなわち、経済がグローバル化した現代においては、自然災害だけでなく、金融危機や環境問題など高度に発達した資本主義経済活動に付随して生じうる各種のリスクを先進国も途上国も等しく背負う。ところが、途上国の多くは資本市場が成熟しておらず、法の支配・法治も不十分の国も少なくない。そのため、経済活動から生じうるさまざまのリスクについて、その発生を予防し、抑止し、発生時には速やかに対処し、軽減し、解消するための法や制度の整備も執行も不十分である。先進国も決して十分にそのような法整備と執行ができているわけではないが、日本でいえば1990年代初頭のバブル崩壊による金融破綻の経験、欧米ではリーマンショック・金融危機の経験から、金融監督制度の強化等が図られている。かつては先進国が途上国に法整備を「支援する」という発想だったが、今日の市場経済のグローバル化はマクロ地域全体やグローバル社会全体という視点でリスク対処のための法整備を先進国も途上国も対等に共同で考えることを迫っている。そこで、この研究では、とくに日本を含むアジア経済圏において金融や環境など各種のグローバル経済社会に生起しうるリスクに迅速的確に適応できるような法整備を、日本をはじめとするアジア諸国と相互に学び合って進めることを目標に、①基礎となる「リスク」の法学的把握と法的対応手法を考え、また②アジア諸国の法制度全般の整備状況と特定「リスク」対応に関連する法制度の整備状況と問題点を把握し、そのうえで、③今後のアジア地域全体としてグローバル化する経済に生起する各種リスクに対応する法整備の構想へと向かうことを計画していた。 しかし、リスク・先端法学研究の科学研究費獲得はならなかった。そこで、特定課題Bの本研究においては、基礎的な研究を進めた。第一は、リスクの法学的把握と法的対応手法についての理論的な研究である。この面では筆者に研究の蓄積がないため、自然科学でのリスクの捉え方を論じた文献、それを法学の中に取り込むにはどうすればよいかを論じた文献を中心に、資料を収集し、これまでの議論を整理する研究ノートを作成した。第二は、具体的な事例を通して理論面の研究と結び付ける実践応用研究である。この面では、2011年度に筆者は東日本大震災復興のための特定課題研究の補助を受け(2011A-705)、すでに大規模自然災害に対する公私協働対応を実現するための法整備について、事例研究をしていた。そこで、その成果をこのリスク・先端法学研究に結びつけ、大規模な自然災害リスクへの対応のための法整備において、国境を超えた(マクロ地域的な)公私協働を実現するという局面の法整備課題を考えることにした。 2012年度は、以上の基礎作業に徹したが、具体的な研究成果は二種類をあげることができた。第一は、2011年度の特定課題研究と今回の2012年のそれ(上記の研究の第二の面)とを結びつけて得た成果である。①2012年7月7日 第6回基礎法学総合シンポジウム『巨大自然災害・原発災害と法―基礎法学の視点から―』(於、日本学術会議講堂)中村民雄「想定外の大災害時の初動救援―災害ボランティアと自治体の協働-」②2012年12月21日 日仏会館フランス事務所主催セミナー『3・11 と今後の災害法―防災と復興・補償』(於、日仏会館)中村民雄「災害時のボランティア活動の意義と法的課題―3・11 の経験から考える―」③中村民雄「公私協働の防災法制度の設計に向けて―初動体制ガイドラインの提案―」法律時報85巻3号95-100頁(2013年3月) 第二は、本研究課題での作業をもとに、2013年度以降の中規模または大規模の共同研究を構想できたことである。まず、2013年度の科学研究費補助金に以下の通り応募することができた。・基盤研究B「災害ボランティアの法的地位比較―実効的な公私協働救援制度の構築に向けて―」(研究代表者:中村民雄)・基盤研究S「市場のグローバル化と国家の役割-金融・環境・貧困リスクへの比較法的アプローチ-」(研究代表者:上村達男、研究分担者の一人として中村民雄)・基盤研究A「市場のグローバル化と国家の役割-金融・環境・貧困リスクへの比較法的アプローチ-」(研究代表者:上村達男、研究分担者の一人として中村民雄)次に、筆者が属する比較法学会に、2014年度の研究大会シンポジウムの企画(下記)を提出し、2012年度末の理事会において承認を得たため、2013年度から準備を始めることになった。・2014年度比較法学会 学術大会シンポジウム「福島事故と原子力安全規制の今後―比較法の観点から」(企画責任者:中村民雄)(2014年6月8日(於 立命館大学)に開催予定) 以上の通り、自然災害リスクから危険事業の安全規制リスクへと次第に事例の考察対象を広げつつ、同時にリスクの法学的把握と対応という理論的な面の蓄積を進めている。これはアジア諸国との共同のリスク対応先端法制度整備事業へと発展させる基礎的な研究である。2012年度の特定課題研究Bは、これらのために有効に活用した。

  • 大規模災害復興のための官民協働枠組の法的設計

    2011年  

     概要を見る

     本研究は、大規模災害復興の初期から中期の段階(災害発生から最初の1カ月から半年程度)に必要な官民協働のための法的枠組を設計することを目的とした。具体的には、2011年3月11日の東日本大震災から最初の半年間ほどについて、被災地域の自治体と全国・全世界から結集した災害ボランティア団体や個人との連携を効率的かつ効果的に高める一定の体制を標準モデルとして提示することを目標にした。 研究の成果は、2つある。第1は、実証研究を通して、日本社会がもつ災害救援の最善実務を突き止めたこと。第2は、実証研究をもとに、災害復興のための、官民協働・基本ガイドライン案を提示したことである。 第一の実証研究とは、阪神・淡路および東日本の2つの大震災からの復興時に実践された、ボランティアと自治体その他の公共機関との協働復興の事例研究である。とくに2011年9月に、東日本大震災の被災地救援・復興のために、ボランティアが自治体等と連携しながら組織的に効果的な救援活動をうまく行った、石巻、そして遠野の事例を現地調査し、また仙台市の社会福祉協議会についても、比較対象のために面会調査した。この実証研究の結果、既存の日本の官民協働モデルは、改善するほうがより、効果的になることが判明した。ボランティアを被災地の社会福祉協議会が災害ボランティアセンターを立ち上げて、そこに集中的に受け付けや仕事の配分を任せるという、社会福祉協議会中心型のモデルは、大規模で広域の災害の場合、被災者の数もボランティアの数や種類もあまりに多いため、まったく機能不全に陥ることが、仙台市社会福祉協議会への面会調査から判明した。その一方で、石巻や遠野や、かつての阪神・淡路大震災の際の神戸に見られたような、ボランティア団体が中心となって、ボランティア団体や個人の水平的な自主的連携組織を作り、そこに社会福祉協議会や自治体や警察や自衛隊などの公的機関も情報共有のために参加するという、ボランティア・社会福祉協議会・自治体(公共機関)の三者協議会モデルが、初動(最初の1カ月)からきわめて効果的かつ効率的な救援効果を発揮することが分かった。 第二のガイドライン案の提示については、第一の実証研究から得た、三者協議会モデルを災害復興のための初動段階から中期までなめらかに移行できる、基本形として、ガイドラインとして提示するという研究成果である。この第二の成果が、社会的に重要である理由は、3つある。 1つは、日本社会が経験した災害救援の知恵のうちベストのものを文章化し、災害救援の経験の有無をとわず、だれもが共有できる、共有の知恵に転換した点が重要である。事前の経験がまったくない人が自治体の災害担当者であったとしても、このガイドラインに即して、ボランティア団体と協力していけば、初動から実効的に救援ができるからである。東日本大震災での石巻で、三者協議会が初期から出来たのは、神戸の震災を経験したボランティアが救援に来て、当時のノウハウを伝授したからであるが、これは人と人のつながりに限定されてしまう。そのノウハウをガイドラインとして、社会一般に共有できるものとすれば、たとえ神戸や石巻のボランティア経験がない人であっても、有効に被災地で初期から連携を確保できる。 2つは、ボランティアの力を自治体が積極的に活用するためにはどうすればよいかを具体的に示した点だ。多くの自治体は、ボランティアを行政の手足や補助としか捉えていないが、行政にできないことをボランティアは柔軟かつ多様にする力がある。ガイドラインではボランティアを独立の主体として捉えており、自治体に対して、新たな認識を持つように提言する点でも重要である。 3つには、震災・水害・火山噴火など自然災害のほとんどに応用できる、救援体制の基本形を示した最小限のガイドラインであって、各地の地形や災害の規模・種類など、日本各地の多様性に応じて、柔軟に各地で工夫を追加できるように、開かれた形で作られているので、きわめて使いやすく、かつ今後も改善改訂していけるようにできている。この点でも重要である。  以上が研究成果であるが、社会の経験知・ノウハウをルール化する点で法学の手法を用いたのであり、法学部ならではの社会貢献になったと自負している。

全件表示 >>

海外研究活動 【 表示 / 非表示

  • グローバル行政法の理論構築―Brexitを契機としたEU・イギリスの規制法変化

    2020年09月
    -
    2021年09月

    英国   Oxford University, St. Anthony's College

 

現在担当している科目 【 表示 / 非表示

全件表示 >>

 

委員歴 【 表示 / 非表示

  • 2019年04月
    -
    2021年03月

    European Union Studies Association Japan  President

  • 2019年04月
    -
    2021年03月

    日本EU学会  理事長

  • 2016年04月
    -
     

    Japanese American Society for Legal Studies  Director

  • 2016年04月
    -
     

    日米法学会  理事

  • 2010年04月
    -
     

    Japan Society of Comparative Law  Director

全件表示 >>

社会貢献活動 【 表示 / 非表示

  • NHK BS1「今日の世界」

    NHK BS1「今日の世界」 

    2007年01月
    -
     

     概要を見る

    「EU憲法は”再生”できるか」の解説