2024/05/27 更新

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コモリ ヒロミ
小森 宏美
所属
教育・総合科学学術院 教育学部
職名
教授
学位
学位

経歴

  • 2011年
    -
     

    早稲田大学教育・総合科学学術院

  • 2006年
    -
    2011年

    京都大学地域研究統合情報センター

  • 2002年
    -
    2006年

    国立民族学博物館地域研究企画交流センター

学歴

  •  
     
     

    早稲田大学   文学研究科  

  •  
     
     

    早稲田大学   文学研究科  

所属学協会

  •  
     
     

    ロシア東欧学会

  •  
     
     

    比較政治学会

  •  
     
     

    日本国際政治学会

  •  
     
     

    東欧史研究会

  •  
     
     

    ロシア史研究会

研究分野

  • ヨーロッパ史、アメリカ史

研究キーワード

  • 旧ソ連・バルト三国現代史

 

論文

  • 自由、共和国、革命ーロシア帝国バルト諸県の1905年

    小森宏美

    王のいる共和政ージャコバン再考(中澤達哉編)     142142 - 156  2022年06月

  • Passportisation and Identification of “Russian” minority in Post-Soviet Estonia

    Hiromi Komori

    Japanese Slavic and East European Studies   42   42 - 52  2022年03月  [査読有り]

    DOI

  • 変化する安全保障環境とエストニア

    小森宏美

    現代ヨーロッパの安全保障ーポスト2014:パワーバランスの構図を読む     119 - 133  2019年11月

  • エストニアにおける複合型福祉枠組みの構築とその特徴

    小森宏美

    世界の福祉5ー旧ソ連・東欧     202 - 216  2019年08月

  • エストニアにおける国民化政策の変遷ー戦間期と冷戦後の比較から

    小森宏美

    ロシア・東欧研究   ( 47 ) 54 - 64  2019年03月

  • バルト海東岸からのまなざし―エストニアのスウェーデン・イメージ

    小森宏美

    岡澤憲夫監修「日本・スウェーデン交流150年―足跡と今、そしてこれから」    2018年04月

  • 国民形成と歴史叙述―両大戦間期のエストニアを事例として

    小森宏美

    森原隆編『ヨーロッパの政治文化史―統合・分裂・戦争』     259 - 274  2018年03月

  • エストニアとラトヴィアの社会統合―歴史教育による国民化と社会的包摂の行方

    小森宏美

    橋本伸也編『せめぎあう中東欧・ロシアの歴史認識問題―ナチズムと社会主義の過去をめぐる葛藤』     236 - 255  2017年12月

  • バルト三国の独立再考―ソ連解体への道程

    小森宏美

    宇山智彦編『ロシア革命とソ連の世紀 第5巻―越境する革命と民族』     263 - 288  2017年10月

  • エストニア史学史における1905年革命――歴史家に見る社会的記憶化と忘却に関する一考察

    小森宏美

    井内敏夫編『ロシア・東欧史における国家と国民の相貌』     165 - 182  2017年06月

  • 危機意識に支えられるエストニアの『ネオリベラリズム』

    小森宏美

    仙石学編『脱新自由主義の時代?新しい政治経済秩序の模索』    2017年03月  [査読有り]

  • 『非・国民』-新たな選択肢、あるいはラトヴィアの特殊性について

    小森宏美

    村上勇介・ 帯谷知可編『融解と再創造の世界秩序』     116 - 136  2016年03月

  • 規範の交錯するバルト海――エストニアとラトヴィアの「国民」

    小森宏美

    竹中克行編『グローバル化と文化の境界』    2015年

  • 『北欧』の境界地域における国民形成――フィンランドとエストニアの国民観を事例として

    小森宏美

    岡澤憲夫編『北欧学のフロンティア――その成果と可能性』     80 - 95  2015年

  • 再国民化と脱国民化に直面するエストニアの歴史教育―教科書比較の視座から―

    小森宏美

    早稲田教育評論   29 ( 1 ) 151 - 165  2015年  [査読有り]

    CiNii

  • エストニア学生協会と民族知識人の醸成

    小森宏美

    橋本伸也編『ロシア帝国の民族知識人』     104 - 127  2014年

  • 少数民族にとっての文化自治――エストニアの極小マイノリティであるユダヤ人を事例として

    小森宏美

    孝忠延夫・安武真隆・西平等編『多元的世界における「他者」』     291 - 309  2013年

  • 過去の克服としての「新自由主義なるもの」――エストニアの社会正義観と改革党の成功

    小森宏美

    村上勇介、仙石学編『ネオリベラリズムの実践現場』     111 - 136  2013年

  • エストニアとラトヴィアの政党政治比較−歴史的要因としてのロシア語系住民問題を軸に

    小森宏美

    林忠行・仙石学『ポスト社会主義期の政治と経済』     203 - 231  2011年03月

  • Mälu ja tunnustamine. 2011 kui kahekordne tähtaasta Jaapani ja Eesti suhetes(記憶と承認。日本・エストニア関係における二重の重要性を持つ2011年)

    小森宏美

    Tuna     53 - 60  2011年

  • バルト三国の言語政策

    小森宏美

    山本忠行・河原俊昭『世界の言語政策』第3集     29 - 54  2010年10月

  • Eesti uurimisest Jaapanis(日本におけるエストニア研究)

    小森宏美

    OES aastaraamat 2004-2005     83 - 93  2006年

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書籍等出版物

  • パスポート学

    陳天璽, 大西広之, 小森宏美, 佐々木てる

    北海道大学出版会  2017年10月

  • 『変動期ヨーロッパの社会科教育-多様性と統合―』

    小森宏美( 担当: 編集)

    学文社  2016年

  • バルト三国の歴史——エストニア・ラトヴィア・リトアニ ア 石器時代から現代まで(アンドレス・カセカンプ著)

    小森宏美( 担当: 共訳)

    明石書店  2014年

  • 越境とアイデンティフィケーション――国籍・パスポート・IDカード

    小森宏美( 担当: 共編者(共編著者))

    新曜社  2012年

  • エストニアを知るための59章

    小森宏美( 担当: 編集)

    明石書店  2012年

  • エストニアの政治と歴史認識

    小森宏美

    三元社  2009年03月

  • 日本・ノルウェー交流史

    小森宏美( 担当: 単著)

    早稲田大学出版部  2007年

  • 地域のヨーロッパ:多層化・再編・再生

    小森宏美( 担当: 共編者(共編著者))

    人文書院  2007年

  • ノルウェーの歴史--氷河期から今日まで(エイヴィン・ステーネシェン、イーヴァル・リーベク著)

    小森宏美( 担当: 単訳)

    早稲田大学出版部  2005年

  • アイスランド小史(グンナー・カールソン著)

    小森宏美( 担当: 単訳)

    早稲田大学出版部  2002年

  • バルト諸国の歴史と現在

    小森宏美( 担当: 共著)

    東洋書店  2002年

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講演・口頭発表等

  • エストニアにおける少数民族政策の変遷ー戦間期と冷戦後の比較から

    小森宏美

    ロシア・東欧学会研究大会   ロシア・東欧学会  

    発表年月: 2018年10月

  • From Estonian Studies to COmparative Historical Studies: A View of a Japanese Scholar

    KOMORI, Hiromi  [招待有り]

    Estonia and Japan: Contemporary Challenges in Humanities and Social Sciences   (エストニア・タルト)  タルト大学アジア研究センター  

    発表年月: 2018年09月

  • Language and memory gap; A case of Estonia in the Perestroika period,

    小森宏美

    Twenty years after the fall of the Berlin Wall; The politics of memory and democratization   (ラトヴィア(リーガ)) 

    発表年月: 2009年09月

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 大国主義の現代史

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2023年04月
    -
    2027年03月
     

    宇山 智彦, 江藤 名保子, 小森 宏美, 澤江 史子, 野島 陽子, 赤尾 光春, 中溝 和弥

  • 共和政の再検討:近代史の総合的再構築をめざして

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2021年04月
    -
    2026年03月
     

    中澤 達哉, 近藤 和彦, 森原 隆, 高澤 紀恵, 小山 哲, 小森 宏美, 池田 嘉郎, 石川 敬史, 古谷 大輔, 松原 宏之, 小原 淳, 正木 慶介

     概要を見る

    2021年度は、以下の4つの班に分かれて、共通の分析枠の構築を図った。
    1.「共和政と君主政の乖離」班は、中東欧・仏米における「王のいる共和政」論の検証を行うための分析枠を検討した。まず石川敬史は独立革命期に存在したアメリカ政体論を検証し、小山哲と中澤達哉は米仏との相互影響を踏まえ、中東欧における「王のいる共和政」から「王のいない共和政」への移行過程を検討した。正木慶介は、上述の双方の共和主義の要素をもつ立憲君主政の実態を分析した。その上で共通の分析枠や視点の構築に努めた。
    2.「共和政と民主政との連動」班は、共和政が民主政と連動する過程を市民権および人民主権の動態から分析するための主軸を検討した。松原宏之は独立革命後も主導権を保持した名望家に代わり新たに新興実業家が上昇し徒弟が労働者化するという社会変動にあわせ、アメリカで市民権と共和政が再定義される過程に焦点を当てることにした。高澤紀恵と近藤和彦はソシアビリテから市民権と人民主権の動態を検証し、フランスおよびイングランド共和政の思想と実態を社会史的文脈から検証することを軸に分析枠を構築することに努めた。
    3.「共和政と国民国家との結節」班は、1990年代以来、構築主義による国民国家批判を通じて国民の創造に関する研究が蓄積されてきた状況を受けつつも、「王のいる共和政」から「王のいない共和政」への構造転換と国民国家との関係を権利関係の再編から論じる方法の構築に努めた。小原淳と小森宏美は国民形成の観点から、中澤は民族集団の構築における社団の機能からこれを検討することになった。
    4.「共和政と連邦制の親和」班は、池田嘉郎と森原隆を中心に、近世に複合国家編成を採った地域の近代に「王のいる共和政」論が集中的に出現し、連邦共和国を志向したという事実に基づき、議会主義の観点からこれを分析する方法を検討した。

  • 旧社会主義国の体制転換と新自由主義の受容に関する史的研究:エストニアの事例

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2021年04月
    -
    2024年03月
     

    小森 宏美, 仙石 学

     概要を見る

    2021年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、現地調査が実施できなかったものの、計画はその事情をあらかじめ考慮して立てていたものであるため、おおむね計画通りに研究を実施することができた。
    具体的には、Web上で資料収集を行いつつ分析調査を進め、学会発表(国際政治学会、ロシア・東欧学会)を行い、また、分担者が2021年4月に刊行した本研究に関連するモノグラフ(『中東欧の政治』)を基に、議論を重ねた。加えて社会統合政策に関する研究ノート(英語)を学会誌にて発表した。
    2021年度に主として明らかにしたのは、エストニアにおける独立回復後30年間の間でも、この数年間に生じた記憶をめぐる政治の変化と現実社会の関係である。ペレストロイカ期の1980年代末から2010年代半ばまで優勢であった「犠牲としてのアイデンティティ」に対する競合的ないし補完的なナラティブが登場し、その変化がとくに博物館などの公的空間の歴史表象に見て取れた。また政党政治の領域においても、長らく安定した構図であった二大政党間の対立軸に変化が生じ、両政党が協力に転じた。むろん、後者は記憶をめぐる政治の変容のみが影響したものではない。というよりは、記憶をめぐる政治の変化を生じさせた背景にあったのは、世代の交代に加え、2004年までのEU加盟過程、さらには加盟後の統合の進展を受けての社会の変容であった。とはいえ、こうした変化は単純で不可逆的なものでもなく、実際、2022年2月24日に始まったロシア軍によるウクライナ侵攻を受け、状況は極めて流動的になっている。とりわけ、ウクライナ避難民の流入が、小国エストニアにとっては今後多方面で軋轢を引き起こす可能性があることに留意しないわけにはいかない。

  • 政党政治の変動と社会政策の変容の連関:新興民主主義国の比較

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2020年04月
    -
    2024年03月
     

    仙石 学, 松本 充豊, 井上 睦, 馬場 香織, 油本 真理, 磯崎 典世, 横田 正顕, 出岡 直也, 小森 宏美, 中田 瑞穂, 上谷 直克

     概要を見る

    本研究課題「政党政治の変動と社会政策の変容の連関:新興民主主義国の比較」は、世界金融危機の発生以後の新興民主主義国(主に東欧・南欧・ラテンアメリカ・東アジア)における社会政策・福祉枠組みの変容について、危機後の政治経済状況の変化に起因する「政党政治の変動」を軸に検討していくことを目的とする。特に世界金融危機の後に生じた既存政党の弱体化とポピュリスト系を中心とする新興政党の台頭が、危機以前に存在していた社会政策や福祉のあり方をどのように変革させたかという点に注目し、各国ごとの政党政治と制度変容の展開を検討すると同時に、これを体系的な形で比較分析を行うことを進めることとする

  • ロシア帝国末期におけるナショナリズムと帝国統治構造の変容:西部境界地域を事例に

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2018年04月
    -
    2021年03月
     

    青島 陽子, 松里 公孝, 小森 宏美, 福嶋 千穂, 梶 さやか

     概要を見る

    2018年度は、当該研究プロジェクトのスタートの年度であるが、2018年2月に行われた国際シンポジウムを継承する形で当該研究を開始したために、スムースに研究活動を進めることができた。特に、2018年度は、ロシア語での研究対話を重視し、2018年2月の国際シンポで招聘できなかった、研究対象の主要国であるベラルーシとロシアの研究者との対話を深めることができたことは意義深かったと言える。2018年5月には、研究代表者が、ロシアの科学アカデミーペテルブルク支部開催の国際シンポジウムに参加し、20世紀初頭のロシア帝国の民族政策に関する報告を行った。また、2018年6月には、共同研究を行っているリトアニアの歴史学研究所との共催で、ベラルーシの歴史研究者7名をヴィルニュスの歴史学研究所に招き、ロシア語でロシア帝国の民族政策を検討する国際会議を開催した。前者のロシアでの国際シンポジウムの成果は書籍にまとめられ、研究代表者も論考を寄稿した。さらに、研究プロジェクト全体の研究成果となる書籍の出版に向けてすでに動き出し、英文論文を集め、互いに意見を述べ合うことで、内容の精査と深化を目指した。英語のネイティヴ・スピーカーが少ないので、英語の洗練にも力を入れた。この作業は予定よりも遅れ、2019年度にも継続されたものの、満足のいく形で作業を終えることができた。また、研究代表者は、19世紀の統治官僚の改革政策を全般的に分析し、彼らが帝国全体の改革と帝国辺境の諸問題をどのように関係づけていたのかを明らかにした。分担者も、それぞれの担当地域における民族問題や宗教問題を分析し、成果につなげた。現代の情勢との連関や、史学史的な問題に関する探究もなされ、研究プロジェクトをさらに進化させることとなった。2018年度の研究プロジェクトの進捗状況は、おおむね順調に進展したと言える。上述の通り、2018年度は英語圏での学術対話のみならず、ロシア語圏での学術対話を進化させることができた。また、研究プロジェクトの成果発表向けて英文論文を蒐集し、それらに関する執筆者相互の意見交換を進めた。この作業は、個々の論文の執筆者の諸問題から遅延が生じたため、当初の計画から遅れ、作業全体が2019年度にずれ込むことになった。しかし、2019年度中には予定通りの作業が行われることになり、最終的にはこの作業は1年の遅れで終えることができた。現在のCovid-19の感染拡大によって、2019年度末に予定していたロシアへの資料収集のための出張を取りやめざるを得なくなった。現在、ロシア・ヨーロッパの感染状況は不安定であり、どの段階で渡航し、資料調査・収集が可能となるか、今の段階では不透明である。しかし、当該プロジェクトの完遂を考えると、現地での資料調査・収集は不可欠であり、状況の改善を待つことになる。その間、すでに進行中の論集のプロジェクトを進めることで、現在までの研究成果の確実な発表に向けて鋭意努力することは重要であろう。また、手持ちの資料や海外からの図書の取り寄せなどによって、現地調査が可能になった際に効率的に研究を進められる準備を行っていくことに力を入れることになろう

  • 権力分有の変遷から描く補完的ヨーロッパ史:エストニア、スペイン、モルドヴァの事例

    研究期間:

    2018年04月
    -
    2021年03月
     

     概要を見る

    2019年度は現地調査(分担者・協力者合同および分担者単独)と、国内の外部研究会への参加を行った。具体的な内容は以下の通りである。(1)①合同現地調査(年8月22日~26日):Oazu Nantoi国会議員、OSCE職員、歴史研究者Igor Casuと面談調査。トランスニストリア(沿ドニエストル)現地視察、歴史博物館等や学童施設の視察。(中期的成果)今回の現地調査は、8月下旬というモルドヴァにとって極めて重要な歴史的記念日の続く時期に実施した。同様に第二次世界大戦中にソ連に併合されたバルト三国とは異なり、モルドヴァの歴史認識の特徴は、民族的少数派と同多数派の間の相違だけではなく、多数派民族内での複数性と共存状態にある。ソ連による併合が同時にルーマニアからの解放でもあるのだが、それは単にレトリックの問題ではなく、現在のモルドヴァの国家の正統性に直結する政治問題でもある。非承認国家状態が続くトランスニストリアは、よく言われている通り、最も訪問しやすい非承認国家である。入域は、日帰りならばパスポートの簡単なチェックのみで可能である。同住民の歴史認識については、これまで研究蓄積がほとんどない状態である。1990年代初頭のトランスニストリア紛争について、歴史博物館における犠牲者認識の表象、自由と解放を求める「人間の鎖」という普遍的な表象は特筆に値する。「インターナショナル」の捉え方についても、独自なものがありより考察を深める必要があることが確認された。②分担者による現地調査(9月5日~10月3日):(概要)カタルーニャの独立運動の状況、集合的アイデンティティの史的形成等についてインタビュー調査や文献調査を実施。(2)地域紛争研究会への参加(同志社大学、2019年12月21日):共同研究者の奥野良知がカタルーニャの事例について報告し、旧ユーゴスラヴィアなどの事例との比較を行った。2019年度前半から中盤にかけては、研究計画通りに、メンバー全員での現地調査(合同調査は今年度はモルドヴァ)と国内の他の関連研究会での報告を実施することができた。現地調査では、資料収集やインタビューもおおむね順調に進んだ。しかしながら、2020年3月に開催が予定されていたESSHC(ヨーロッパ社会科学史会議、於オランダ・ライデン)が、新型コロナウィルス感染症拡大の影響で1年延期となり、予定していた報告を行うことができなかった。最終年度にあたる2020年度は、研究分担者と研究協力者合同のカタルーニャ現地調査と現地における知見の共有を予定している。しかしながら、当初は、2020年9月に予定していたこの現地調査は、新型コロナウィルス感染症拡大の影響でほぼ実施が不可能となっているため、日程を遅らせるのか、あるいは現地調査は行わず、遠隔会議システムなどを利用した意見交換等の場を設けるのかについて、研究分担者と相談しつつ決定する予定である。また、延期になっている、ESSHC(国際会議)については、変更後の予定通り2021年3月に開催されれば、成果発信の機会としたいが、現時点では不明である

  • 重国籍制度および重国籍者に関する学際的研究

    研究期間:

    2017年04月
    -
    2020年03月
     

     概要を見る

    2019年度は「重国籍に関する意識調査」の結果をまとめ、学会報告やプレスリリースなどを行い、研究成果を社会的に還元した。特にプレスリリースでは新聞などに取り上げられ、重国籍を認める制度の必要性を議論するための土台作りになった。またその結果は現在係争中の裁判にも参照されることとなった。学会報告では、重国籍に関するはじめての調査ということもあり、反響があった。特に国籍取得に関する出生地主義への寛容度が高いことが注目すべき点であった。研究会などは学会報告、プレスリリースのための打ち合わせが中心であった。研究会は3回行った。研究会の内容はそれぞれのテーマに関するもの、学会準備、報告書を作成するための内容確認などのためを行った。最終的に2020年の2月~3月は新型コロナウィルスの影響で、研究会は行わなったかが、成果は充分得られたといえる。2019年度は最終年度であったため、全体をまとめる報告書『重国籍制度および重国籍者に関する学際的研究』を作成したことが具体的な成果といえる。執筆者は研究分担者、協力者を含め14名。「日本の重国籍をめぐる社会状況」「重国籍をめぐる法制度とその運用」「重国籍をめぐる世界的な動向」について、分担者がそれぞれ執筆した。内容としては日本やその他の国の状況を網羅し、比較することができた点が特徴的である。この問題は、当該社会の歴史的文脈照らすことで、制度の正当性や意味付けが変わることが、明確になった。なお本報告書の内容は、今後出版することを予定している。令和元年度が最終年度であるため、記入しない。令和元年度が最終年度であるため、記入しない

  • ジャコバン主義の再検討:「王のいる共和政」の国際比較研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2016年04月
    -
    2020年03月
     

    中澤 達哉, 近藤 和彦, 森原 隆, 小山 哲, 小森 宏美, 池田 嘉郎, 古谷 大輔, 小原 淳, 阿南 大

     概要を見る

    研究初年度にあたる平成28年度は、以下の3つを軸に研究を進めた。①国際比較研究の基盤となる方法論的な分析枠を構築するために、研究代表者・研究分担者はまず個別に以下の作業を行った。A)ジャコバン主義に関する各国の最新の先行研究の収集・整理とその批判的検討およびB)ヨーロッパに広がるジャコバン・ネットワークに関する研究文献の整理とその批判的検討である。②個別的な実証研究を進めるための一次史料を収集しその分析を開始した。当該年度はおもに各国ジャコバン主義の「王のいる共和政」論の検証を行った。特にレスプブリカ論を中心に、ジャコバン主義のヨーロッパ史的系譜を確認した。また、ジャコバン主義者間の接触およびジャコバン・ネットワークの機能に関しては、スロヴァキア科学アカデミー歴史学研究所主任研究員のEva Kowalskaとプラハ・カレル大学哲学部准教授のDaniela Tinkovaの著書をもとに分析を進めた。この結果、非フランス世界のジャコバン主義は、ロベスピエールとの接触だけでなく、カント哲学からの思想的影響も頗る大きかったという事実が判明した。③当該年度は「王のいる共和政」およびジャコバン・ネットワーク研究の進捗と知見をすべての研究者が共有し、各国の事例を比較検証するために、平成28年5月と平成29年3月に、東京で1回、和歌山で1回の研究会を開催した。まず各国でジャコバン主義という語がどのように使用されていたのか、その様態を把握・共有することに専念した。これと関連して、平成28年10月には国際シンポジウム“The role of boundary mechanisms and symbolic resources in nationalism”を共催し、より一層この議論を深めた。また、平成29年3月の和歌山での研究では、上記のKowalska氏とTinkova氏を、今年9月開催の国際シンポジウムに招聘することを決定し、その詳細な計画を練った。各自必要な史料を蒐集し読解に努めた。この結果、非フランス世界のジャコバン主義の実態が徐々に明らかになりつつある。例えば、ドイツ・オーストリア・ハンガリー・スウェーデンのジャコバン主義における「王のいる共和政」論と「王のいない共和政」論の混在、さらに世襲王政の共和国論を確立するにあたってのカント哲学の役割を解明した点において、従来のジャコバン主義研究史にみられない進展がみられた。たとえば、18世紀末以降のスウェーデン王国を「ジャコバン主義の王国」と理解する説の提唱は、本科研初年度の大きな成果といえよう。もとより、本科研がめざす「王のいる共和政」の国際比較によるヨーロッパ・ジャコバン主義の再検討は、単に環大西洋革命論の拡張に留まるものではない。周知のように、1970年代から90年代にかけて日欧の歴史学界に登場した社団国家論・複合国家論・礫岩国家論は、従来の近世国家像に大いなる変容を迫った。伝統的な絶対王政論が相対化されたのであるから、絶対王政の存在を前提としてこの絶対王政に対置する革命思想として解釈されてきたジャコバン主義も再検討されて然るべきである。フランス革命やアメリカ独立革命(環大西洋革命)で示された共和主義の言説が各国政体に受容される過程と各政体を構成する諸階層の対応を比較する際に、ジャコバン主義は近代ヨーロッパ全体を包括的かつ斬新に比較検討するための分析概念としてきわめて有用なのである。この文脈において、上記の研究成果は意義深く、本研究は順調に進展していると結論づけられる。研究2年目の平成29年度は以下の要領で研究を遂行する。①個別的な実証研究を進めるための一次史料の収集とその分析を継続する。前年度中に確立された方法論的な分析枠に基づき、当該年度はおもに各国ジャコバン主義に対する近世複合的国家編成の影響分析およびジャコバン・ネットワークの機能分析、同時に当該テーマの研究文献の収集を行う。②当該年度は各国ジャコバン主義に対する近世複合的国家編成の影響分析の進捗と知見をすべての研究者が共有し、各国の事例を比較検証するために、平成29年7月および平成30年3月に東京と大阪で各1回の研究会を開催する。③現在連携中のヨーロッパの研究者2名を招聘して、9月に東京で国際ワークショップを開催する。このワークショップは、現地研究者の先端的知見に学ぶだけではなく、現地研究者が専門外とする地域を研究対象とする本科研メンバーの知見をもって、現地研究者に対して日本側からジャコバン主義の総合的再検討への議論を新たに提言する目的で実施される。研究3年目(平成30年度)および最終年度(平成31年度)も、各自分析を進めていくが、30年度にはヨーロッパでの国際ワークショップの開催を計画している。また、31年度には、外国研究者2名を招聘し、総まとめとして東京で国際シンポジウムを開催する予定である

  • ポストネオリベラル期における新興民主主義国の経済政策

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2016年04月
    -
    2020年03月
     

    仙石 学, 松本 充豊, 馬場 香織, 油本 真理, 磯崎 典世, 横田 正顕, 出岡 直也, 小森 宏美, 村上 勇介, 中田 瑞穂, 上谷 直克, 平田 武

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    2018年度は研究の3年目として、2年目に引き続き主要国におけるネオリベラル的な政策と政治との関係を、ポピュリズムの拡張を中心とする多面的な視点から検討することを試みた。今年度の主要な成果としては、出版社の都合により年度内の刊行ができなかったが、旧ソ連および東欧諸国の福祉政策のあり方についてネオリベラル的な政策との関連も踏まえて検討した論文集の作成がある(仙石学編『世界の社会福祉・新版 第5巻 旧ソ連・東欧』旬報社、現在校正中)。ここでは東欧とロシア、ウクライナの世界経済危機後の福祉政策の比較が行われ、東欧ではこれまで比較的福祉が拡充していたスロヴェニアやハンガリーで福祉のネオリベラル化が進む一方で、ポーランドやエストニアではこれまで脆弱であった福祉、特に家族政策の拡充が進んでいること、他方の旧ソ連ではロシア、ウクライナともに福祉の基盤は脆弱である上に、ロシアでは家族主義的な社会の動向が、ウクライナでは財政問題によるネオリベラル的な制約がその拡張を妨げていることが明らかにされた。なお東欧の動向に関しては、研究代表者の仙石が国際学会European Social Policy Network Conference 2018(Vilnius, 31 August 2018)において報告を行っている。また2018年度には、他のプロジェクトとの合同での研究会を2回実施した。7月の研究会では研究分担者の中田がチェコ、横田が南欧のポピュリズムと経済の関係に関する報告を行った。2019年1月には京都大学東南アジア地域研究研究所・CIRASセンターとの合同でワークショップを開催し、ここでは研究協力者の林がスロヴァキアの、7月に引き続き横田が南欧のポピュリズムについての報告を行い、研究分担者の村上がペルーの、同じく分担研究者の馬場がメキシコの政党制の変容に関する報告を行った。今年度の研究計画としては昨年度と同様に、各自がそれぞれの対象とする地域に関する政策研究を継続すると同時に、比較及び一般化のための体系的・理論的な検討も進め、また合わせて、段階的に研究成果を学会及び一般に公表していくということを掲げていたが、これについては一定の成果を上げていると判断することができる。個別の事例研究については、業績報告にあげているように研究代表者および研究分担者それぞれに相応の業績があり、ある程度の進展を確認することができる。比較および一般化に向けての検討としては、今年度は上の概要にもあげたように、特に旧ソ連・東欧地域における福祉政策を一つの軸として多面的な地域比較を行い、経済危機後のネオリベラリズムと福祉政策の関連について成果をまとめつつあるとともに、その成果の一部は国際学会においても報告された。また今年度は中間的なまとめとして研究会よりやや規模が大きいワークショップを、京都大学東南アジア地域研究研究所CIRASセンターのプロジェクトと合同で実施することとしていたが、こちらについても概要に記載したように予定通り実施された。課題としていた地域大国プロジェクトとの連携については、今回はポスト社会主義圏の福祉研究を通してロシアの研究者とある程度協力して成果を上げることができた。これらの点を考慮するならば、本科研についてはおおむね順調に進展していると判断することが可能である。2019年度は科研の最終年度となるため、その研究成果の取りまとめを行う方針である。研究報告としては、研究代表者が所属する北海道大学のスラブ・ユーラシア研究センターの夏期国際シンポジウムにおいて、当科研の組織するセッションを実施し、海外からの招聘者による報告も含めた包括的な研究報告を行う予定である。また一般に公開される研究会についても、引き続き2回ほど実施の予定である。他にこれまでの成果を総括するものとして、研究分担者の研究成果による論文集も作成の予定である

  • ソ連・東欧におけるホロコーストの比較研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2016年04月
    -
    2019年03月
     

    高尾 千津子, 鶴見 太郎, 野村 真理, 武井 彩佳, 宮崎 悠, 井出 匠, 小森 宏美, Wolff David, 重松 尚

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    独ソ戦によってナチの支配下におかれた地域のホロコーストの特徴は、ユダヤ人の殺害が現地で執行されたこと、ナチによる占領の初期段階で、現地住民の一部がユダヤ人に対するポグロムに関与したことに求められる。本研究は、ソ連・東欧におけるホロコーストの事例研究に取り組み、現地住民のナチ協力に関しては、新たにソ連の支配下に入ったバルト3国やポーランド東部地域とソ連本国内の東ベラルーシ等とで相違があることを明らかにした。日本では、アンネ・フランクの日記はよく読まれており、アウシュヴィッツ強制収容所の存在もよく知られている。しかし、ホロコースト犠牲者の多数を占めるのは、アンネのようなドイツのユダヤ人ではなく、ポーランドやロシアのユダヤ人であったこと、ホロコーストの主要な現場はアウシュヴィッツ等の収容所の他に、独ソ戦の戦場現地であったことは、一般にはほとんど知られず、また研究においても、独ソ戦下のホロコーストの事例研究は決定的に不足している。このような現状に鑑みて、本研究では、一般社会ならびに学界に対し、ホロコーストに関する正確な知見を発信につとめた

  • ヨーロッパ東部境界地域における他者概念の形成と空間的再構成

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2015年04月
    -
    2019年03月
     

    篠原 琢, 鈴木 健太, 吉岡 潤, 青島 陽子, 林 佳世子, 古谷 大輔, 小森 宏美, 秋山 晋吾, 中澤 達哉, 小山 哲, 池田 嘉郎, 前田 弘毅

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    近年のヨーロッパの大陸帝国史研究は、帝国統治システムの構築と国民形成の相互作用をますます強調している。本研究はこの動向の上に立って、帝国を、宗派、言語・文化、身分、階級、地域などの差異によって把握される様々な住民集団相互、および住民集団と統治エリートとが複雑に交渉・競合・抗争する空間として把握した。本研究の成果は、こうした過程で他者性、近代にいたっては諸国民の社会が生成される動態を解明したことにある。さらに帝国崩壊、20世紀の破局後のヨーロッパ東部社会の集合的記憶の構造を解明し、帝国空間の再編を明らかにした。境界形成におけるロシア帝国西部とハプスブルク帝国の比較研究も大きな成果である。ヨーロッパ東部の20世紀史は破局によって特徴付けられる。1990年代のユーゴスラヴィア戦争、今日のウクライナ危機やEUの境界をめぐる紛争などにみられるように、破局の歴史は依然として現在性を持っている。本研究は近年の帝国史研究の動向を受けながら、言語、法規範、宗派、知的・思想的規範などの差異は、それ自体として「境界」を生成するものではなく、政治的変化、社会経済的変動と密接に結びついた広義の文化変容のなかで他者認識のパターンを構築するものと考え、この過程を「境界性」として把握し、その動態を強調した。この成果によって、20世紀の破局や「境界地域」の危機の把握にあたって新たな光が与えられるだろう

  • 両大戦間期東欧の多民族性と非領域的文化自治―バルト三国を事例として

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2015年04月
    -
    2018年03月
     

    小森 宏美, 中井 遼, 大中 真, 重松 尚, カセカンプ アンドレス

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    本研究では、両大戦間期のバルト三国で実現した非領域的(民族的)文化自治を事例として、東欧諸国の民族政策が歴史的文脈の中で構築され、またその評価も歴史的文脈の中でなされていることを明らかにした。これは、東欧諸国のナショナリズムに対する本質主義的理解を批判的に再検討したものである。こうした研究を通じて、ナショナリズムや民族政策に関するリベラル/非リベラルを分ける境界線の精緻な捉えなおしが必要であることが主張された

  • ヨーロッパ辺境地域における文化の政治が表象する社会空間

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2014年04月
    -
    2017年03月
     

    定松 文, 中島 崇文, 西脇 靖洋, 小森 宏美, 中力 えり, 佐野 直子

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    グローバリゼーションの中での地域社会の変容を論じる分野において、ヨーロッパの境界地域を対象に、地域文化の越境性と境界性を分析した。具体的にはルーマニア-モルドバ、スペイン-モロッコ-ジブラルタル、ポーランド-カリーニングラード-リトアニアというEUの境界が引かれている国家間の現地調査を行った。それぞれの国の文化が時代ごとの政治的立場において意図的に選択され、隣接する国との差異化を図りつつ、経済的、とりわけ観光で利益を得るためにヨーロッパにつながる文化を表象していることがわかった。また、EUの国境警備は年々厳しくなっており、それぞれの地域で暮す人にとって不利益をもたらす様相もみられた

  • 社会主義期東欧ロシアの歴史学

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2012年04月
    -
    2017年03月
     

    渡邊 昭子, 吉岡 潤, 長與 進, 中澤 達哉, 山本 明代, 小山 哲, 平田 武, 中島 崇文, 百瀬 亮司, 石田 信一, 池田 嘉郎, 山崎 信一, 立石 洋子, 鈴木 健太, 小森 宏美, 木村 真, モルナール ヤーノシュ

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    社会主義期東欧ロシアの歴史学について、基本的な情報を調査し提示するとともに、個別テーマを設定して分析した。各地域の歴史研究を検討するうえで歴史学の専門誌は重要な基礎となることから、参加者が担当地域での歴史学雑誌や歴史研究の公開媒体について、社会主義期を中心に調査して検討した。個別テーマでは、歴史叙述の歴史や、歴史学を支えたり規定したりする機関、そして個々の歴史家などを取り上げて検討した

  • 東中欧・ロシアにおける歴史と記憶の政治とその紛争

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2013年04月
    -
    2016年03月
     

    橋本 伸也, 野村 真理, 小森 宏美, 吉岡 潤, 福田 宏, 姉川 雄大, 梶 さやか

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    東中欧諸国・ロシアで深刻の度を増している第二次世界大戦と社会主義時代の歴史と記憶をめぐる政治化と紛争化について、現地調査や国際研究集会の開催などを通じて、実相解明を進めた。6回の国内研究会の開催、個別研究論文の執筆に加えて、2014年度にはエストニアのタリン大学で夏季ワークショップを開催して成果をproceedingsとして公開するとともに、2015年には関西学院大学で国際会議を開催して、東アジアの歴史認識紛争との対比により問題構造の多元的把握に努めた。研究代表者の単著(既刊)や雑誌特集号に加えて、2017年中に国際的な論集と研究分担者らの執筆した共著書2点の刊行が決まっている

  • ユーラシアにおけるユダヤ現代史の比較研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2012年04月
    -
    2015年03月
     

    高尾 千津子, 野村 真理, 小森 宏美, 中嶋 毅, 原 暉之, 鶴見 太郎, ウルフ デイビッド, シュラトフ ヤロスラフ, 宮沢 正典

     概要を見る

    本研究はロシア革命後ユーラシアの東西に離散した亡命ロシア人社会と、それに付随して世界に拡散したロシアの「ユダヤ人問題」と反ユダヤ主義の諸相を、満洲、極東に焦点を当てて考察した。特にシベリア出兵期に日本に伝播した反ユダヤ主義、日本統治下満洲における亡命ロシア人社会とロシア・ファシズムの発展、シベリアと満洲におけるシオニズム運動の展開、ホロコースト前夜のユダヤ難民問題における日ソ両国の役割を解明した

  • ヨーロッパ辺境地域における地域文化の越境性と境界性

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2011年04月
    -
    2014年03月
     

    定松 文, 小森 宏美, 百瀬 亮司

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    本調査研究において、リトアニア、スロベニア、コルシカの国と地域はEUの加盟過程でそれぞれの文化の再解釈を行い、それぞれが対峙する他者が異なるために異なる文化的実践を行っていると暫定的に確認された。EU基準への準拠、世界遺産への登録や観光地化、市場経済、人の移動によって、標準化のような越境性の空間的実践が多くみられる中、領域をまとめる集合的紐帯の文化実践では、隣国の権力の強弱、人口規模、主要産業、政治体制の安定性、占領経験を含めた歴史、EU制度との親和性の差異が文化の表象よ表現に差異をもたらしている。特に旧共産圏において、旧ソ連そして現ロシアとの政治的・経済的関係に影響されている

  • ヨーロッパ境界地域の歴史的経験とパトリア意識/市民権

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2010年04月
    -
    2014年03月
     

    篠原 琢, 戸谷 浩, 吉岡 潤, 割田 聖史, 青島 陽子, 古谷 大輔, 小森 宏美, 秋山 晋吾, 中澤 達哉, 小山 哲, 池田 嘉郎, 平田 武, 梶 さやか

     概要を見る

    本プロジェクトは、ポーランド=リトアニア連合王国(ロシア帝国西部諸県)、ハプスブルク帝国、沿バルト地域を中心に、近世から現代にいたるネーション、およびナショナリズムの動態を分析してきた。ここでは近世から20世紀にいたる各時代の政治社会におけるネーションの多次元的な機能と構成が分析された。近世期のネーションは、多様な政治的、文化的文脈で構築され、さまざまな価値と関連付けられ、ネーション理解は単一の政治社会に収斂しない。近代のネーションは政治社会における多様な交渉を全的に文脈化する傾向をもつ。本研究は個別研究と比較史の方法で境界地域におけるこの過程を明らかにした

  • ポスト社会主義諸国の歴史と記憶に関する実証的研究:バルト諸国の事例

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2009年04月
    -
    2013年03月
     

    小森 宏美

     概要を見る

    バルト諸国の事例から歴史と社会の関係における次のことが確認された。現代社会においては多様な「記憶の装置」の存在により、対立する複数の歴史的記憶というよりは、むしろ流動的で重なりとずれのある歴史的記憶が形成されている。そうした状況においては、「公定」国史が社会的記憶と完全に一致することはない。また、この社会的記憶の共有と非共有の間の境界線も必ずしも不動ではない

  • ロシア帝国支配地域における民族知識人形成と大学網の発展に関する研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2009年
    -
    2011年
     

    橋本 伸也, 長縄 宣博, 丹本 裕子, 小森 宏美, 伊藤 順二, 梶 さやか, 福嶋 千穂, 巽 由樹子, 米岡 大輔, 青島 陽子, 磯貝 真澄, 立石 洋子, 今村 労, オクサーナ ヴァフロメーエヴァ, タチャーナ ジュコフスカヤ, タリャーリーサ ルーカネン, エレーナ アスターフィエヴァ

     概要を見る

    ロシア帝国支配下にあった諸民族地域(非ロシア人住民が主として居住する地域)における民族知識人形成と大学網の発展に関して、フィンランド大公国、沿バルト諸県(エストニア、ラトヴィア)、西部諸県(ポーランド・リトアニア)、ウクライナ、カフカス、ヴォルガ川沿岸地域のタタール人地域の事例に即して解明するとともに、首都サンクト・ペテルブルグの高等教育機関における非ロシア人教授・学生の活動を明らかにした

  • ユーラシア・ユダヤ現代史の構築

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2009年
    -
    2011年
     

    高尾 千津子, 原 暉之, ウルフ デイビッド, 野村 真理, 中嶋 毅, 小森 宏美, 赤尾 光春, 富田 武, 鶴見 太郎, 宮澤 正典

     概要を見る

    本研究はユーラシア・ユダヤ史という新たな枠組みから、ロシア・ソ連と日本との利害が衝突したシベリア、極東、満洲に研究の軸点を置き、ユーラシア諸地域におけるユダヤ人のディアスポラの状況、大戦前後の難民・DP問題に関する研究を実施した。研究組織は日本、ロシア、イスラエル、アメリカ各地に散在する文書館史料調査とフィールドワークを主体に研究を行い、また2009年度、2011年度に外国人研究者を招聘して公開講演会やワークショップを開催した

  • 文化伝達の逆流現象と「エイジング」の変容に関する人類学的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2006年
    -
    2008年
     

    野村 雅一, 樫永 真佐夫, 川島 昭夫, 藤本 憲一, 甲斐 健人, 玉置 育子, 小森 宏美, 川島 昭夫, 藤本 憲一, 甲斐 健人, 玉置 育子

     概要を見る

    老後と呼び慣わされる人生の段階に至っても、青年・壮年期に形成された個々人のアイデンティティの連続性は保持される。それが若い世代のライフスタイルを受容する文化伝達の逆流現象が生じるゆえんである。認知症の患者には、錯誤により、女性は若い「娘」時代に、男性は職業的経歴の頂点だった壮年期の現実に回帰して生きることがよくある。人生の行程は直線ではなく、ループ状であることを病者が典型的に示唆している

  • 多民族共生の実相と理論;エストニアの民族間関係に関する実証的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2006年
    -
    2008年
     

    小森 宏美

     概要を見る

    歴史史資料、諸法律、国際条約、映像その他の収集・分析と、現地での面談調査等を通じて、エストニアにおける民族をめぐる政治(国籍政策、言語政策、社会統合)は、時代を通じて大きな衝突を引き起こすことは少なく、表面上安定して見えるものの、その歴史的背景に起因する「ネイション」観や、歴史認識が社会の中に容易には越えられない亀裂を生み出しているため、二国間関係や国際関係等の理由により、その亀裂が社会の不安定化の要素として顕在化する場面があることが明らかになった。また、少数者の側から見た場合、「移民/少数民族」という二分法の適用が難しい事例があることも示された

  • グローバル化と開発途上国のガバナンス構築-アンデス諸国の比較研究-

    科学研究費助成事業(国立民族学博物館)  科学研究費助成事業(基盤研究(A))

    研究期間:

    2006年
    -
    2008年
     

    村上 勇介, 狐崎 知己, 細谷 広美, 安原 毅, 柳原 透, 重冨 恵子, 遅野井 茂雄, 新木 秀和, 小森 宏美, 後藤 雄介, 佐野 誠, 幡谷 則子, 二村 久則, 箕輪 真理, 山本 博之, 山崎 圭一, 山脇 千賀子, 新木 秀和, 幡谷 則子, 二村 久則, 山崎 圭一

     概要を見る

    発展途上地域で最も早い時期から「民主化」と市場経済化を経験したラテンアメリカにおいて、近年、政治が最も不安定化しているアンデス諸国(ボリビア、コロンビア、エクアドル、ペルー、ベネズエラの5ヶ国)に関し、現地調査を踏まえつつ、ポスト新自由主義の時代に突入したアンデス諸国の現代的位相を歴史経路や構造的条件を重視しながら解明したうえで、近年の動向や情勢を分析した。そして、5ヶ国を比較する研究を行い、対象国間の共通点と相違点を洗い出し、事例の相対化を図り比較分析の枠組を検討した。

  • ロシアおよびその周辺の少数言語のコーパスの構築と記述的・歴史的研究

    科学研究費助成事業(東京大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(A))

    研究期間:

    2006年
    -
    2008年
     

    松村 一登, 後藤 斉, 千葉 庄寿, 小森 宏美, 滝沢 直宏, 畑野 智栄, 滝沢 直宏, 小野 智香子

     概要を見る

    ロシア連邦およびその周辺諸国で話される非スラブ系の小規模言語・少数言語(ウラル諸語,チュクチ・カムチャツカ諸語ほか)のいくつかの言語資料を現地で収集し,Unicode のエンコーディングの電子的な文字データとしたものを,コーパスとして利用可能なデータ形式に整形加工した。また,電子化された言語資源が乏しい(ないし,十分とはいえない)言語の研究において,電子的な言語資料を利用した研究方法が果たしうる役割を示すことを目的として,作成したコーパスを用いてこれらの言語の記述的・歴史的な実際に研究する試みを行った。

  • ポスト・グローバル化時代の現代世界:社会の脆弱化と共存空間

    科学研究費助成事業(国立民族学博物館)  科学研究費助成事業(基盤研究(A))

    研究期間:

    2006年
    -
    2008年
     

    押川 文子, 村上 勇介, 山本 博之, 帯谷 知可, 小森 宏美, 田中 耕司, 林 行夫, 柳澤 雅之, 篠原 拓嗣, 臼杵 陽, 大津留 智恵子, 石井 正子

     概要を見る

    本科研は、複数地域を研究対象とする研究者による地域間比較や相互関連を重視したアプローチを用いることによって、グローバル化を経た世界各地の地域社会や政治の変容を実証的に検証し、それらが国内外を結ぶ格差の重層的構造によって結合されていること、その結果として加速するモビリティの拡大のなかで、人々が孤立する社会の「脆弱化」だけでなく、あらたなアイデンティティ形成や政治的結集を求める動きが各地で活性化していることを明らかにした。

  • EU拡大後のエストニア・ラトヴィアにおける国家統合と複合民族社会形成に関する研究

    科学研究費助成事業(広島大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(A))

    研究期間:

    2005年
    -
    2008年
     

    橋本 伸也, 溝端 佐登史, 志摩 園子, 小森 宏美, 小畑 郁, 梶 さやか, 小畑 郁

     概要を見る

    2004年5月に懸案のEU加盟を果たして国家形成上の新段階に入ったエストニア・ラトヴィア両国が、独立回復以降重大な政治的・社会的課題として抱えてきたロシア語話者マイノリティの統合をいかに処理し、複合民族社会形成を行ってきたのかを、両国におけるフィールドワーク、周辺諸国や国際関連機関での調査、招聘外国人研究者を交えた国際会議などにより明らかにした。エストニアのタリンでは、研究期間中の2007年4月に「ブロンズの兵士像」移転をめぐる騒乱が発生したことから、特に、両国の民族間関係と歴史認識問題の解明に集中的に取り組んだ。

  • エストニア・ラトヴィアにおけるロシア系住民の歴史と現状に関する総合的研究

    科学研究費助成事業(京都府立大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2001年
    -
    2004年
     

    橋本 伸也, 小畑 郁, 溝端 佐登史, 小森 宏美

     概要を見る

    本研究では、エストニア・ラトヴィアにおけるロシア語話者住民処遇問題(国籍、言語、就労、教育、アイデンティティ等)を眼前で動きつづけるリアルタイムなものとして追跡・考察するとともに、それをたんに現下の国内的な政策問題としてだけではなくて、地域に固有の歴史的文脈に配慮し、さらに国際関係的な視点をもまじえて、包括的総合的な観点から調査・分析し、以下のような成果を得た。
    (1)エストニア・ラトヴィア両国で毎年実施したフィールドワーク(インタヴュー、外国人共同研究者による社会調査)などにより、両国のロシア語話者住民をめぐる政策転換(「統合」政策への移行)が進むとともに、ロシア語話者内部の階層分化などの社会変容が促進され、かつての「民族問題」的次元ではなく、より社会問題的な次元への転換が進んでいることが確認された。
    (2)他方で、ラトヴィアの教育改革問題に典型的に見られるように、軽微とはいえ紛争化しかねない問題がなお存続していることも確認された。
    (3)欧州連合(EU)、欧州審議会(COE)、全欧安全保障協力機構(OSCE)等の国際機関への調査を介して、問題の性格転換においてEUのみならずその他の欧州国際機関の果たした役割を明らかにするとともに、2004年にEU加盟の果たされた後は、EUが当該問題に関与する可能性がむしろ少ないことを明らかにした。
    (4)両国に居住するロシア語話者住民の文化史について相当の蓄積を得た。
    (5)研究期間を通じて、エストニアで数度に及ぶ研究会を開催したのに加えて、最終年度には日本国内で他機関の協力もえてエストニア・ラトヴィア等から8名の研究者を招聘し、国際シンポジウム等を開催した。
    (6)毎年の調査結果について中間報告書を3冊刊行するとともに、国際シンポジウムの報告内容については欧文プロシーディングを刊行して、当該問題についての国際的な議論の場に素材として供した。

  • 言語政策史の国際比較に関する総合的研究

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    政府による施策ばかりでなく、民衆レベルの言語運動まで含める、広義に定義した言語政策史を、言語政策の先進地域である欧州と、それ以外の地域(とりわけアジア)とを、言語の様態を3つに分類した上で(国語民族語、交易語帝国言語、少数言語)比較した。政府の施策は重要だが、決定的ではなく、それ以外のレベル、たとえば民衆レベルでの積極的受け入れ、ないし働きかけこそ重要であることが判明した

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現在担当している科目

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他学部・他研究科等兼任情報

  • 教育・総合科学学術院   大学院教育学研究科

  • 附属機関・学校   グローバルエデュケーションセンター

  • 文学学術院   文学部

学内研究所・附属機関兼任歴

  • 2011年
    -
     

    教育総合研究所   兼任研究員

特定課題制度(学内資金)

  • 「越境的国民」形成の実証的研究ー旧ソ連諸国を事例として

    2023年  

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     本研究は、在外同胞やディアスポラなどと類似の概念でありながら、近年ヨーロッパで普及しつつある複数国籍という法制度上の変化を受けて、「国民」と国家の法的なつながりが従来にはなかった形で重層化・多義化している状態について歴史的に後づけることを目的としたものである。そこで留意すべきは、複数国籍の容認が、国あるいは地域によって持つ意味と実際的な影響の違いである。一般に複数国籍の容認はリベラルな政策とみなされている傾向に対して、旧ソ連・東欧諸国の国籍政策は、国外に居住する同胞とのつながりやまた当該同胞が居住する国家への影響力等を目的としているがゆえに、別の見方を提示するものである。 2023年度の研究では、ソ連解体期のエストニアとソ連中央政府やロシア政府との関係に焦点を合わせ、この地域で複数国籍が制度化されることになる歴史的背景を、近年公開されたアーカイヴ資料等も用いることで明らかにすることを試みた。人口規模・経済規模等で圧倒的に小国であるエストニアにとって、ソ連からの独立回復は直接の交渉で達成できるものではなく、一方で西側諸国の支援のみならずロシアとの良好な関係、他方で、ロシアとの間に衝突を招きかねない歴史的正義の回復というレトリックの両方が必要であった。 冷戦後の国際秩序の性格は、実は、ソ連末期の(ソ連構成共和国も含めた)国際関係にすでに現れていたのであり、これを記述することが、現代世界の諸問題を見る上での一つの土台となる。

  • ICT教育の普及と歴史教育ーエストニアを事例として

    2021年  

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     エストニアは、電子政府の推進や電子投票の実施をはじめ、電子化を積極的に進めている。教科書の電子版作成が教科書会社に義務付けられ、また2020年から遠隔授業が増えたため、システム的の点からはこの間に大きな進展がった。とはいえ、日本で「IT先進国」のモデル事例として注目され、専門家らによって紹介されている様子とは異なり、まだその実際の使用はさほど普及しているとは言えない。その理由として、デジタル・デバイドの問題に加え、電子教材利用の具体的な利用方法については教員に基本的にゆだねられていることなどが考えられる。このシステムとそれを利用する側の人間の関係については、エストニアに限らず、日本においても検討すべき点である。

  • 歴史学と記憶に関する実践的研究-スターリン時代を生きた個人の記憶と展示

    2018年  

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     本研究は、博物館展示という歴史表象の一つを扱うことで、歴史と社会の関わりを実践的に検討することを目的としたものである。具体的には、オスロのホロコースト・マイノリティ研究センターとの協力の下、同センターが世界各地で展示を行っている「グラーグ:祖父が語らなかったこと」の展示を、学生らとの共同作業を通じて、早稲田大学の施設で実現するという方法をとった。 「グラーグ」はスターリン時代のソ連に存在した強制収容施設であり、そこでは、無実の罪で多くのソ連人や外国人が、非人道的環境の中で重労働を強制された。本展示は、ヘルムート・ヴァイスという個人の人生から、当時のソ連を理解しようというものである。 本研究の目的が、学生との共同作業であることから、カタログの翻訳は学生に第一次的作業を依頼し、その推敲・校正を通じて、ソ連に対する理解を深めた。展示は、会場等の都合から、2019年10月に行う予定である。

  • 両大戦間期バルト諸国の多民族性と非領域的文化自治に関する研究

    2015年  

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     本研究では、文化自治の実現/非実現の基礎的要因である民族間関係に関する資料調査を行った。エストニアならびにラトヴィアについて、独立前、独立期、独立喪失後(占領期)のそれぞれについて整理する必要があるが、1年間という研究期間にかんがみ、独立喪失後(占領期)を中心に研究を行った。それぞれについての成果概要は次のとおり。 エストニアについては、占領博物館において、占領期に発行されたパスポートから民族的多様性とそのアイデンティティの変容・非変容に与える影響について確認した。ラトヴィアについては、ダウガウピルス大学において、オーラルヒストリー研究所の資料を分析し、地域的な多様性とその自己・他者認識を確認した。

  • 後期社会主義期のエストニア社会と歴史認識に関する実証的研究

    2014年  

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     本特定課題研究は、ソ連期のエストニアに関し、相対的に研究蓄積の少ない後期社会主義期に焦点を合わせ、歴史認識から社会の諸側面を描き出そうとするものである。方法としては、主として同時代の主要な歴史研究を用いて、歴史叙述の中で、ある時代がどのように描かれているかを見ることにより、研究が公表された当時の社会分析を試みた。本研究で対象としたのは1939年~1945年という時代である。独立喪失までの一連の出来事をめぐる評価は、歴史が政治イデオロギーに拘束されていたとされるソ連期の間にも一定ではなかった。 本研究を行うに当たっては、他の東欧諸国との比較、ならびに現在の歴史認識との比較が不可欠である。その点で、大きな枠組みでは同様の経験をした地域としてくくられる東欧諸国の中でも、現在の社会の中での認識で2つに分けることができる。エストニアを含むバルト三国やポーランドのようにソ連による「占領/支配」を強調する立場をとる国と、終戦時点でのソ連によるナチス・ドイツからの解放の側面を強調するスロヴァキアやハンガリーのような国である。こうした違いが後期社会主義期にも見られるのか、今後の課題として研究を進めたい。

  • ソ連体制の受容と抵抗に関する実証的研究:後スターリン期のエストニアを事例として

    2013年  

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     本研究は、後スターリン期のエストニアの歴史家を取り上げ、同期の社会について実証的に明らかにしようとする試みである。近年、ソ連全体を見れば、エゴ・ドキュメントを利用した、後スターリン期の研究が多数発表されているが、エストニアをはじめとするバルト三国については、関心の方向性がやや異なっているため、他の旧ソ連諸国と比べ、この分野での研究蓄積は多くはない。それは、当然のことながら現時点でのソ連時代に関する認識の差に起因するが、エストニア社会の中を見ても、そうした認識の亀裂は存在している。そうした中で、本研究では、歴史家という、ある種の公共の歴史認識構築に一定以上の役割を果たすアクターに焦点を合わせている。それは、エストニアでは、ソ連時代の歴史叙述を等閑視する傾向があると考えるからである。後で述べるように、ソ連時代の歴史家も、共産党の歴史認識に常に唯々諾々と従っていたわけではない。 本特定課題の下では、以下を行った。〔資料調査・収集〕・現地にて、対象となる歴史家(ユリ・アント、オラフ・クーリ、トーマス・カリヤハルム、エア・ヤンセンら)の著作に関し、ソ連時代に出版されたものも含めて調査を行い、購入可能なものは購入した。・現地公文書館にて、対象となる歴史家に関する史料を閲覧した(具体的には、ユダヤ人歴史家で、両大戦間期に修士号を取得し、後に、いったんは更迭されるもエストニアのソ連史学ではエストニア共産党史の専門家として復権したアベ・リープマン)。〔研究打ち合わせ〕・現地にて、公文書館のタチアナ・ショール研究員と意見交換を行った。・現地にて、社会学部研究員のエネ・セラルトと意見交換を行った。〔国内での研究〕・本研究では、社会における歴史認識の構築過程ならびにその共有範囲も関心の対象になっている。そのため、これまでに収集済みの歴史小説や回想録等について整理を行った。〔成果〕 本特定課題では、研究をさらに進めるための予備的な結論をもって、成果としたい。その予備的な結論は次の通りである、すなわち、ソ連全体を見れば、スターリン期と比較して後スターリン期は社会に対する規制が緩和された、換言すれば規律が緩んだ時代であったとされる。エストニアにおいてもそうした特徴は見られるが、歴史教育、歴史叙述に関しては、むしろ画一化、統合の中により深く組み込まれた可能性がある。そうした中でも、歴史家は、場やテーマによって対応を変えることによって抗い、必ずしも共産党の歴史観に従った叙述のみを行っていたわけではない。

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