2023/12/04 更新

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ナカタニ ノリヒト
中谷 礼仁
所属
理工学術院 創造理工学部
職名
教授
学位
博士(工学) ( 早稲田大学 )
プロフィール
建築史、歴史工学、生環境構築史

学歴

  •  
    -
    1995年

    早稲田大学   建築史研究  

  •  
    -
    1989年

    早稲田大学   建設工学  

所属学協会

  •  
     
     

    日本ペンクラブ

  •  
     
     

    建築史学会

  •  
     
     

    日本建築学会

研究分野

  • 建築史、意匠

研究キーワード

  • 建築による共同体形成史の研究

  • ゾミアにおける建築史研究

  • 長期持続地域〈千年村〉研究と認証

  • 民家史

  • 生環境構築史

  • 建築史およびその理論、建築表現における時間的経緯のもたらす研究

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受賞

  • 著作賞

    2020年04月   日本建築学会   未来のコミューン-家、家族、共存のかたち  

    受賞者: 中谷礼仁

  • 日本建築学会作品選奨

    2019年04月   日本建築学会   時間の倉庫  

    受賞者: 福島加津也, 新谷真人, 本橋仁, 山田 俊亮

  • 日本建築学会著作賞

    2018年04月   日本建築学会  

  • 今和次郎賞

    2013年04月   日本生活学会  

  • 日本建築学会著作賞

    2013年04月   日本建築学会  

  • 奨励賞(論文)、日本建築学会

    2000年08月  

  • 『建築文化』懸賞論文佳作

    1993年08月  

  • 夢本コンテスト、卒業、修士論文最優秀賞、富士通主催

    1993年08月  

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メディア報道

  • 建築雑誌編集長

    日本建築学会   建築雑誌  

    2010年01月

 

論文

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書籍等出版物

  • 未来のコミューン : 家、家族、共存のかたち

    中谷 礼仁

    インスクリプト  2019年 ISBN: 9784900997738

  • 時のかたち : 事物の歴史をめぐって

    ジョージ・クブラー著, 中谷礼仁, 田中伸幸訳

    鹿島出版会  2018年 ISBN: 9784306052703

  • 動く大地、住まいのかたち : プレート境界を旅する

    中谷 礼仁

    岩波書店  2017年 ISBN: 9784000222358

  • 実況近代建築史講義

    中谷 礼仁

    LIXIL出版  2017年 ISBN: 9784864800327

  • セヴェラルネス+ : 事物連鎖と都市・建築・人間

    中谷 礼仁

    鹿島出版会  2011年 ISBN: 9784306045521

  • 近世建築論集

    中谷 礼仁, 中谷ゼミナール

    アセテート  2004年 ISBN: 4902539020

  • 国学・明治・建築家 : 近代「日本国」建築の系譜をめぐって

    中谷 礼仁

    波乗社, 一季出版 (発売)  1993年 ISBN: 490045186X

  • 実況・近代建築史講義

    中谷, 礼仁

    インスクリプト  2020年11月 ISBN: 9784900997820

  • 実況・比較西洋建築史講義

    中谷, 礼仁

    インスクリプト  2020年10月 ISBN: 9784900997837

  • 柱間装置の文化誌 : Transition of Kikugetsutei

    早稲田大学中谷礼仁研究室, 中谷 礼仁, 柱間装置の文化誌, 研究会, 豊島 麻由佳

    窓研究所  2019年

  • ポチョムキン都市

    アドルフ・ロース, 加藤淳訳

    みすず書房  2017年 ISBN: 9784622085676

  • 川添登オーラル・ヒストリー = Oral history interview with Kawazoe Noboru

    川添登, 述, 中谷礼仁, 鷲田めるろインタヴュアー

    日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイヴ  2015年

  • にもかかわらず : 1900-1930

    アドルフ・ロース, 加藤淳訳

    みすず書房  2015年 ISBN: 9784622078876

  • アトリエ・ワンコモナリティーズ : ふるまいの生産

    塚本 由晴, 貝島 桃代, 田中 功起, 中谷 礼仁, 篠原 雅武, 佐々木 啓, 能作 文徳, 東京工業大学塚本由晴研究室, アトリエ・ワン

    LIXIL出版  2014年 ISBN: 9784864800099

  • 「わ」の所在 : 列島に交錯する他者の視線

    磯崎 新, 中谷 礼仁

    岩波書店  2013年 ISBN: 9784000286053

  • 文化系統学への招待 : 文化の進化パターンを探る = An introduction to cultural phylogenetics : an unified framework for studying patterns in cultural evolution

    中尾 央, 三中 信宏, 山田 奨治, 矢野 環, Currie Thomas E, 中谷 礼仁, 板倉 昭二, 田中 純

    勁草書房  2012年 ISBN: 9784326102167

  • 虚空へ向けて : 1897-1900

    アドルフ・ロース著, 中谷礼仁, 北浦千尋編, 加藤淳訳

    アセテート  2012年 ISBN: 9784902539219

  • 廃墟と建築 : 特集

    中谷 礼仁

    太田出版  2008年 ISBN: 9784778311407

  • Round -- Selected writings from Asia

    Norihito Nakatani, Yasushi Zenno, Jagan Shah, et

    acetate  2006年12月 ISBN: 4902539101

  • Factory Transformed / Story of the Great Shanghai Factory Revitalization Workshop

    Norihito Nakatani, Shin Muramatsu, Geoge Kunihiro, etc

    maan publishing  2006年08月 ISBN: 4903515001

  • セヴェラルネス 事物連鎖と人間

    中谷礼仁

    鹿島出版会  2005年12月 ISBN: 4306044602

  • 岩波都市講座 都市の再生を考える 1 都市とは何か

    間宮陽介編, 中谷礼仁他

    岩波書店  2005年03月 ISBN: 4000109731

  • 大正初期・都市型中流住宅の実測調査研究 : 元「清水組」技師長岡本銺太郎自邸を例証として

    中谷 礼仁, 堀 紳一朗

    住宅総合研究財団, 丸善出版事業部 (発売)  1997年 ISBN: 4883310213

  • 建築巨人 伊東忠太

    読売新聞社編

    読売新聞社  1993年07月 ISBN: 9784643930405

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Works(作品等)

  • 甲羅ホテル Bankartにて

    芸術活動 

    2006年03月
    -
     

  • 上海工場跡の再開発の全体計画の国際学生ワークショップ

    その他 

    2005年08月
    -
     

  • 灰塚アースワークでのワークショップでの指導者参加

    その他 

    1998年08月
    -
    2004年08月

  • M邸 東京に残っていた茅葺き民家の現状法規に併せたリノベーション

    芸術活動 

    2004年03月
    -
     

  • 63 大阪長屋の改修

    芸術活動 

    2001年04月
    -
     

講演・口頭発表等

  • Critical Greenism

    Lecture series at central europe, Bulgaria, Hungary, Austria  

    発表年月: 2008年09月

  • new series -- OSAKA-NAGAYA-TOWNHOUSE RENOVATION CASE STUDY

    maan(modern asian architecture network) international conference in Indonesia  

    発表年月: 2003年08月

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • ネパール高地トクチェ村周辺の定住/非定住の研究 高地アジア交易路沿の生存様式解明

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)

    研究期間:

    2020年04月
    -
    2023年03月
     

    中谷 礼仁

  • 国土基盤としての〈千年村〉の研究とその存続のための方法開発

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2014年
    -
    2017年
     

  • 今和次郎『日本の民家』(1922)再訪を通した日本の居住空間・景観の変容調査

    科学研究費助成事業(大阪市立大学)  科学研究費助成事業(萌芽研究)

    研究期間:

    2006年
    -
    2008年
     

     概要を見る

    本研究は、1922年に刊行された今和次郎著『日本の民家』に収録された民家を再訪することによって、その後のおよそ90年にわたる、日本の居住空間・景観の変容を調査分析することを目的としている。平成20年度は4月から6月にかけて、Filemakerというソフトを用いて、平成18年度から継続してきた調査のデジタルデータベースを作成した。また、本年度も継続して、今和次郎の行った民家調査の順番、順路、系列を分析し、大きく3つの実地調査を行った。
    2008年9月1日から9月4日にかけては埼玉県入間郡飯能町、同県秩父市浦山地区、細久保地区、大滝村を調査した。2008年9月15日から9月18日には千葉県勝浦市部原地区、新官地区および、同県長生郡長生村を調査した。また、2009年2月9日から2月12日にかけて、太平洋岸の静岡県御前崎市、愛知県蒲郡市、三重県志摩市を調査した。調査準備として、野帖の読み取り、当時から現在までの地図、航空写真などをまとめ、今和次郎の訪れた民家に対

  • 歴史的連鎖としての現代都市・居住空間の研究〜大阪府下を対象として

    科学研究費助成事業(大阪市立大学)  科学研究費助成事業(萌芽研究)

    研究期間:

    2002年
    -
    2004年
     

     概要を見る

    昨年度は、初年度に大阪府下を対象とした事例分析によって、過去に築かれた都市形態の遺制を現在の都市形態から導き出す都市分析手法を開発した。本年度は、それら過去に築かれた都市的スケールでの平面形態が現在に及ぼす影響を評価し、それら過去の形態を現在の都市・建築づくりに活かす方法をデザイン手法として提示することを目指した。
    それらの成果は雑誌『10+1』の特集記事「先行デザイン宣言」として結実することになった(十二月)。そこでは四つのスケールの異なるデザイン手法と四つの論文、一つの討議が掲載された。主要目的であったデザイン手法の提示では、1.区画整理と過去の都市的形態との矛盾を調停するもの(「区画復元整理」)、2.いわゆるミニ開発を周辺街区に調和させるための手法(「オバケミニ開発」)、3.廃線跡という再利用しにくい都市基盤跡地の再利用計画手法(「建築の浸透圧」)、4.不要となった埋め立て工業地帯そのもののリサイクルの提言(「Fu

  • 東大寺大仏殿明治修理を中心とする、明治期古社寺修理の設計・技術に関する研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(奨励研究(A))

    研究期間:

    1997年
     
     
     

  • 東大寺大仏殿明治修理を中心とする、明治期古社寺修理の設計・技術に関する研究

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Misc

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現在担当している科目

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社会貢献活動

  • ベネチアビエンナーレ建築展キュレーター

    2013年06月
    -
    2013年11月

  • タモリ倶楽部

    タモリ倶楽部 

    2010年01月
    -
     

     概要を見る

    役に立たない機械を作る

特別研究期間制度(学内資金)

  • プレートテクトニクス上の環境と住居形態の研究 日本・東南アジアからギリシャ、ジブラルタルまで

    2013年01月
    -
    2013年09月

    ネパール  

    ギリシャ 他  

    トルコ  

    イラン  

    インド  

他学部・他研究科等兼任情報

  • 附属機関・学校   芸術学校

  • 理工学術院   大学院創造理工学研究科

学内研究所・附属機関兼任歴

  • 2022年
    -
    2024年

    理工学術院総合研究所   兼任研究員

特定課題制度(学内資金)

  • 吉阪隆正在仏日記解読と作品実測による計画分析 後期ル・コルビュジエ研究の一環として

    2021年   藤井由理, 中川武, 白石哲雄, 後藤春彦, 古谷誠章, 斉藤祐子, 池田理哲

     概要を見る

    本研究は、将来的に後期ル・コルビュジエ(1887-1965)の作品計画寸法の復元・理念の抽出と後期ル・コルビュジエの弟子たちのネットワークを復元するための基盤研究としておこなうものである。具体的には早稲田大学名誉教授・建築家吉阪隆正(1917-80)を端緒とし、彼の建築実測調査による計画寸法の復元と、在仏中の日記張を始めとした文献調査から弟子たちの情報を整理することを目的とする。本研究は5ヵ年で遂行する計画であり、コロナ禍の中で実際に遂行できる基礎研究として本特定課題に応募した。結果的に吉阪の在仏中の日記の読み下しの約7割を終えた。ただし手書きによるフランス語の判読や挿入資料は未邦訳であり、今回の成果をベースとして別助成研究に応募し研究内容の継続が採択された。また吉阪帰国直後に設計した住宅作品二件について実測調査を行い、公開可能なものについては日本建築学会にて発表した。

  • 生環境構築史学の実効的展開のための基盤的研究:日英併記編集による交流・発信・実践

    2020年   青井哲人, 松田法子

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    本研究は地球-人間環境の適正化をめざした学際研究活動を、特集形式の WEBzine 媒体を作り、同人(研究遂行者)の検討を元に、リアルタイムに関連研究者に寄稿等を依頼することで研究の活発化、新ジャンルの萌芽的形成を目指す活動である。民間の女性団体にも応募して採択されたが,経費が不足していたので,特に公開用の編集経費にもちいた。日英中併記であり,今後この萌芽的研究の更なる活性化をめざしたい。

  • 生環境構築全史

    2019年   青井, 松田

     概要を見る

    総合的学際的研究を目指した大型基盤研究申請に落選したため、共同研究者と方法論を見直した。その結果、個別研究とWEBでの共同研究発表の場をメインとした合同的学際研究に研究を分割した。個別研究は2020年度から3年間の基盤研究Bに応募し採択された。合同的学際研究については民間助成に積極的に応募し、結果的にサントリー文化財団、窓研究所から助成を得た。その結果、所定の目的を運用する基礎が形成されている。個別研究はネパール、チベットを中心とした高地民族居住研究であるがコロナ禍の影響のもと、本格的研究は未着手であるが、状況が改善次第進められるように、共同研究者との打ち合わせを進めている。合同的学際研究については専用WEBを既に立ち上げ、学際的メンバーからなる編集同人をあつめ、年二回の共同研究の発表をWEBにて行う。英語、中国語を一部併記しており、国際的な反応を期待できる。http://hbh.center/webconference/

  • 地質基盤・社会造形の編年構成を加えた東アジア長期的持続地域の比較研究

    2018年   木下, 松田, 菊地

     概要を見る

    2018年11月に日本側教員学生13名と中国雲南大学の教員学生15名からなる日中共同調査チームで、雲南省の三江併流地域に位置する複数の山地少数民族集落における実地調査を行った。横断山脈を迂回するルートで対象地域周辺の地質地形環境の概観を悉皆的に確認した。また、長期持続集落・千年村研究で構築された方法論は海外においても汎用性があることが確認され、持続の観点から集落を考察する新たな示唆を得た。さらに日中教員によるミニレクチャー、指導層の運営を元に中国学生と日本学生によるワークショップ・セッションが行われ、集落の持続的変容プロセスにおける両国両校の活発的な意見交換が行われ、共同研究調査の方法論が確立された。

  • アドルフ・ロース全著作邦訳とその史的評価1『Trotzdem(1931)』中心に

    2014年   鈴木了二

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    アドルフ・ロース(Adolf Loos, 1870-1933)が残した論考の全邦訳(全3巻)が本研究の第一義である。すでに第1巻は出版済みである。本助成交付期間である2014年度は、著作第二集にあたる『Trotzdem』(Adolf Loos. 1931.)の翻訳を完遂し、著作集第三巻にあたる『Die Potemkinsche Stadt』(Adolf Loos. 1970.)の翻訳を開始した。

  • 自律的生存単位としての「千年村」研究とその存続のための方法開発

    2013年  

     概要を見る

    本研究は、千年以上にわたり、度重なる自然的社会的災害・変化を乗り越えて、生産と生活が持続的に営まれてきた地域を〈千年村〉と称し、その収集、公開、顕彰、研究、交流のためのプラットフォームとして構想され、今後の集落一般の存続へ向けた指針の提供を目指すものである。本助成交付期間(2013年度)は、研究基盤・研究組織の構築と伊豆大島緊急災害に対し、今後の復旧まちづくりへの提言を目的とした実地調査を実施した。これらの成果を以下にまとめ報告としたい。①研究組織体制および研究目的・意義の設定本研究は、2012年度まで木下剛研究室(千葉大学・造園学)、石川初(ランドスケープデザイン)、福島加津也(建築家)、大高隆(写真家)、元永二朗(ウェブデザイン)との共同研究であった。2013年度からは、清水重敦研究室(京都工芸繊維大学・建築/都市史)、上杉和央(京都府立大学・歴史地理学)、菊地暁(京都大学・民俗学)、佐々木葉(早稲田大学・景観工学)、林憲吾(総合地球環境学研究所、建築/都市史)、御船達雄(民家史)を加え、共同研究体制を敷いた。2013年10月11-12日にかけて、京都工芸繊維大学にて、中谷礼仁、木下剛、清水重敦、菊地暁および早稲田大学、千葉大学、京都工芸繊維大学学生による研究会議を実施した。これまでの活動成果から研究目的を明瞭化し、既往制度との棲み分けや社会的な意義について討議を行なった。本助成の一部はこの打ち合わせに関わる旅費(交通費、宿泊費、現地でのレンタカー費)に充てた。②『和名類聚抄』を用いた〈千年村〉データベースの作成および地図上へのプロット全国〈千年村〉収集の基礎作業として、平安期文献『和名類聚抄』記載の古代地名およびその現在地への比定作業を参照し、千年前に集落が存在した可能性のある地域のデータベースを作成した。また、古代地名に比定される現在地の内、大字領域に比定されるものを地図上にプロットした。本助成の一部はこのデータベース作成費に充てた。③土石流災害に伴う伊豆大島元町地区緊急調査と復旧町づくりへの提言2013年10月16日、台風26号により元町地区へ土石流災害が発生した。それに際して、当該地区の被災状況調査を実施した。地形に即した家屋配置や石垣などの伝統的集落構成が土石流を減衰させた可能性があることを指摘し、これらを生かした復旧まちづくりへの提言を行なった。成果は大島町役場へ提出し、今後も参与していく予定である。本助成の一部は調査費(交通費、宿泊費)に充てた。②、③については、本研究プロジェクトのウェブサイト『千年村プロジェクト』(mille-vill.org)にて、2014/4/2より公開を予定している。

  • 19世紀末ウィーン・建築家アドルフ・ロース 未邦訳論稿全邦訳とその史的評価

    2012年  

     概要を見る

    アドルフ・ロース(Adolf Loos, 1870-1933)が残した論考の全邦訳(全3巻)を本研究の第一義とする。本研究は、2009年度より活動をスタートし、2012年3月には、第一集『Ins Leere Gesprochen』(Adolf Loos. 1921.)の完訳版である『虚空へ向けて』(アセテート出版)を出版した。本助成交付期間である2012年度より、著作第二集にあたる『Trotzdem』(Adolf Loos. 1931.)の翻訳に着手した。さらに翻訳活動と並行して日本近代建築史におけるアドルフ・ロースの研究を、基礎研究としておこなった。これらの成果を以下にまとめ報告とする。①著作第二集の邦訳スタート②西洋モダニズム運動の受容過程に関する研究③関連資料の蓄積①著作第二集の邦訳スタート・翻訳作業ロースによる論考のテーマは多岐に渡り、建築史、ウィーン史、ドイツ文学など多角的な視点が必要となるため、2010年度までに翻訳検討組織を結成した。助成期間である2012年度も、それまでの活動体勢を継続し月 2 回の翻訳検討会議を開催、訳文の読み合わせおよび訳注箇所の検討をそれぞれの専門的視点から行った。本助成の一部はこれら翻訳検討会議に関する運営費(翻訳者への謝金、印刷費、録音テープなどの雑費、関連資料購入費)に充てた。・訳注作成ロース論稿の読解に際し、その訳文に対して実証的な裏付けが必要不可欠となった。ロースの論稿には職人の名や地名といった数多くの固有名詞が登場する。しかしながら、現代においては詳細が不明な部分も多く、その批評対象を明瞭にし、論考の真意を正しく捉えるため、当時の資料ならびに文献の入手を行い訳注作成をおこなった。・研究これら未邦訳論稿の読解に伴う研究を、学生の修士論文・卒業論文として三題発表した。以下が、そのリストである。修士論文癸生川まどか「ウィーン20世紀初頭における芸術家の組織化に関する研究―アドルフ・ロースとその批判対象であるウィーン分離派、ウィーン工房との比較を通して―」斉藤亜紀子 「アドルフ・ロースの家具調度による空間計画の研究」原功一   「西洋モダニズム建築の受容過程―「アドルフ・ロース」をとりまく一断面―」卒業論文浦上卓司「アドルフ・ロースのプロダクトデザイン」渡辺周 「パリのアドルフ・ロース―近代ヨーロッパの中央と周縁―」②西洋モダニズム運動の受容過程に関する研究日本近代建築史からみたロースの研究をおこなった。本研究は、日本のモダニズム受容の過程において、ロースがどのようなコンテクストのなかで引用・紹介されてきたのかについて明らかにすることを目的とした。日本の建築系雑誌を通覧し、ロースに関連する資料を収集した。これら収集したロース紹介記事を、時系列に分析し、それら記事の執筆者等を軸に、影響関係明らかにした。これら研究により、ロースの基礎資料収集のみならず、ロース研究に新しい視座を加えることができた。これら一連の研究成果は、2013年度の建築学会大会(北海道)で報告予定である。以下にその論文題目を掲げる。本橋仁「西洋モダニズム運動の受容過程に関する研究 1 ―アドルフ・ロースの日本への紹介―」原功一「西洋モダニズム運動の受容過程に関する研究 2 ―戦前日本におけるアドルフ・ロースの紹介―」③関連資料の蓄積上記①②の活動を進行するにあたり、関連書籍の入手が必須であった。2011年度には本助成を利用し、翻訳対象である『Trotzdem』の初版、また日本国内では入手困難な書籍を随時購入した。また海外文献のみならず、日本においてロースがどのように定着していったのかという受容過程の研究につなげるため、当時の日本で発行された雑誌などを中心に資料収集を進めた。

  • 建築家アドルフ・ロース未邦訳論稿の全邦訳 並びにウィーン世紀末期関連資料の蓄積

    2011年  

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    アドルフ・ロース(Adolf Loos, 1870-1933)が残した論考の全邦訳(全3巻)を本研究の第一義とする。本助成交付期間である2011年度は、著作第一集にあたる『Ins Leere Gesprochen 1897-1900』(Adolf Loos. 1921.)の原語(ドイツ語)からの全邦訳完了とその公開を目標とし、研究を進めた。また、この翻訳活動に伴い、本書所収論考の執筆背景研究と、ロース関連資料の蓄積を行った。①著作第一集の全邦訳および公開・翻訳作業ロースによる論考のテーマは多岐に渡り、建築史、ウィーン史、ドイツ文学など多角的な視点が必要となるため、2010年度までに翻訳検討組織を結成した。助成期間である2011年度は、月 2 回の翻訳検討会議を開催し、訳文の読み合わせおよび訳注箇所の検討をそれぞれの専門的視点から行った。また、2011年8月8~10日には、それまで翻訳した全訳文の再確認、公開に向けての工程確認を目的に二泊三日の合宿を行った。本助成の一部はこれら翻訳検討会議に関する運営費(翻訳者への謝金、印刷費、用紙代、録音テープなどの雑費)に充てた。・訳注作成ロース論稿の読解に際し、その訳文に対して実証的な裏付けが必要不可欠となった。ロースの論稿には職人の名や地名といった数多くの固有名詞が登場する。しかしながら、現代においては詳細が不明な部分も多く、その批評対象を明瞭にし、論考の真意を正しく捉えるため、当時の資料ならびに文献の入手を行い、全260項目の訳注作成を行った。・公開2012年4月、『アドルフ・ロース著作集(1) 虚空へ向けて』(アドルフ・ロース著、加藤淳訳、鈴木了二+中谷礼仁監修、編集出版組織体アセテート)として刊行した。研究成概要の報告についての書類が届いた2月の時点で、すでに印刷の段階にさしかかっており、本助成を受けた旨および課題番号に関する記載は、シールの貼付等により明記することとした。・研究これら未邦訳論稿の読解に伴う研究を、学生の修士論文・卒業論文として三題発表した。②展示会の復元(執筆背景に関する研究)

  • 日本近代,明治期を中心とした伝統大工技術の展開,変質についての調査研究

    1995年  

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    本研究は伝統的な建築技術の特性を踏まえたうえで,なお明治以降の時代的文脈,ならびに日本国内にかかわらずより世界的な場所における日本の伝統建築技術の具体的な展開とその意味を明らかにすることを目的としている。申請者はその基礎的研究として近世からの架構技術が明治以降にも応用展開された領域である規矩術を分析対象とした。規矩術とは,特に納まりが煩雑をきたす軒廻りを曲尺(さしがね)によって把握,計画する技術である。公刊規矩術書が近世末期から流布しはじめ,近代以降を通じ和洋を問わず広く施工者層に流通していた事実は,近世から近代の連続面を考える上で多くの点を示唆するものだからである。 1995年度はまず現存する近世から明治にかけての規矩術書のリストアップならびに収集に努めた。国会図書館発行の『国会図書館蔵書目録明治期第4編』中「建築」の項で該当しうる書籍の約半数(80件程度)を複写した。現在その3割をゼロックスとして,残りをマイクロフィッシュとして整理保管している。 次に収集した上記文献をもとにして,今年度の主眼である規矩術の幕末から明治にかけての変遷過程を整理,分析を行った。それらを巨視的に扱うために,規矩術書の内容をその目次構成を中心として整理分析した。具体的には幕末期規矩術の代表的著作の言及対象を分析しその項目構成を明らかにし,次に明治以降規矩術書に上記項目構成を当てはめて分析し,明治期における規矩術書の構成の変遷を明らかにした。と同時により詳細に分析した場合,扇軒を代表とする特定様式に付随した規矩術の形骸化・多角形割ならびに振れ軒,多角形軒等の西洋建築を含む各種様式を通じて,より応用性の高い項目の普及が,明治以降規矩術を全体的に把握した場合における特徴であることを明らかにした。明治以降規矩術はその形式的継承性を保持しながらも,近代の新しい文脈に対してより実践的な性質を持つようであったように見受けられる。伝統的技術の近代における継承的変質の問題を考える際に規矩術書研究は有効な史的対象であるように思われる。 来年度においてその継承的変質の具体的詳細,あるいはその主体となった著書-規矩術者自体の分析を行う予定である。

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