2022/08/11 更新

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ウスイ アキラ
薄井 彰
所属
商学学術院 大学院経営管理研究科
職名
教授

兼担

  • 商学学術院   商学部

  • 政治経済学術院   大学院経済学研究科

学内研究所等

  • 2019年
    -
     

    産業経営研究所   兼任研究所員

学位

  • 修士

 

論文

  • 「発生主義会計と費用収益対応原則の維持:日本の実証的証拠から」

    薄井彰

    『日本会計史学会年報』   ( 36 ) 25 - 32  2018年12月

  • 「経営分析の過去,現在,未来」

    薄井彰

    『経営分析研究』   ( 34 ) 47 - 54  2018年03月

  • 「企業会計基準法の審議過程と会計基準設定機関の設置」(査読有)

    薄井彰

    『日本会計史学会年報』   ( 34 ) 35 - 56  2016年08月

  • 「戦後日本の会計制度、市場、企業」

    薄井彰

    『月刊 資本市場』   ( 369 ) 22 - 30  2016年05月

  • 「会計制度と資本市場」

    薄井彰

    『会計・監査ジャーナル』   26 ( 12 ) 109 - 116  2014年12月

  • 「金融商品会計基準と「その他有価証券」の投資行動」

    薄井彰

    『現代ディスクロージャー研究』   ( 13 ) 117 - 128  2013年10月

  • 「決算短信の情報有用性は過去25年間で低下していたか」

    薄井彰

    『早稲田商学』   ( 434 ) 411 - 427  2013年01月

  • 「IPO市場の価格形成と財務諸表の信頼性」

    薄井彰

    黒川行治編著『実態分析 日本の会計社会-市場の質と利益の質会計社会の変容と市場の論理』(中央経済社)所収     245 - 262  2009年04月

  • 「繰延税金資産の価値関連性」

    薄井彰

    須田一幸編著『会計制度の設計』(白桃書房)所収     234 - 248  2008年02月

  • 「監査の品質とコーポレート・ガバナンス-新規公開市場の実証的証拠-」(査読有)(2007年日本監査研究学会監査研究奨励賞受賞論文)

    薄井彰

    『現代監査』   ( 17 ) 50 - 57  2007年03月

  • 「企業の国際事業展開と利益の価値関連性」(2007年国際会計研究学会賞受賞論文)

    薄井彰

    『国際会計研究学会年報』   ( 17 ) 61 - 74  2007年03月

  • 「会計情報の価値関連性と信頼性について」

    薄井彰

    『會計』   167 ( 5 ) 654 - 669  2005年05月

  • 「新会計基準の設定と株式持ち合い」

    薄井彰, 須田一幸

    須田一幸編著『会計制度改革の実証分析』(同文舘出版)所収     66 - 88  2004年10月

  • 「株式評価における保守的な会計測定の経済的な機能について」(査読有)

    薄井彰

    『金融研究』(日本銀行金融研究所)   23 ( 1 ) 127 - 159  2004年03月

  • 「株主価値とM&A」

    薄井彰

    薄井彰編著『バリュー経営のM&A投資』(中央経済社)所収     71 - 111  2001年05月

  • 「企業評価とファンダメンタル分析」(2001年日本経営分析学会賞(論文の部)受賞論文)

    薄井彰

    『経営分析研究』   ( 17 ) 2 - 8  2001年03月

  • 「クリーンサープラス会計と企業の市場評価モデル」(1999年日本会計研究学会賞受賞論文)

    薄井彰

    『會計』   155 ( 3 ) 394 - 409  1999年03月

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書籍等出版物

  • 『会計制度の経済分析』(2016年第59回日経・経済図書文化賞、2016年第44回日本公認会計士協会学術賞、2016年日本会計研究学会太田・黒澤賞、2016年日本会計史学会賞、2016年日本経営分析学会賞(著書の部)、および2017年日本ディスクロージャー研究学会賞(著書の部)の受賞著書)

    薄井彰著

    中央経済社  2015年09月

  • 『金融サービスと会計』

    薄井彰編著

    中央経済社  2012年01月

  • 『バリュエーションと会計』

    薄井彰編著

    中央経済社  2011年02月

  • 『バリュー経営のM&A投資』

    薄井彰編著

    中央経済社  2001年05月

  • 『国際財務データベース入門』

    大矢知浩司, 薄井彰編著

    日本経済新聞社  1992年06月

受賞

  • 日本ディスクロージャー研究学会賞(著書の部)

    2017年12月   日本ディスクロージャー研究学会  

  • 第59回日経・経済図書文化賞

    2016年11月   日本経済新聞社・日本経済研究センター  

  • 日本経営分析学会賞(著書の部)

    2016年10月   日本経営分析学会  

  • 日本会計史学会賞

    2016年09月   日本会計史学会  

  • 日本会計研究学会太田・黒澤賞

    2016年09月   日本会計研究学会  

  • 第44回日本公認会計士協会学術賞

    2016年07月   日本公認会計士協会  

  • 国際会計研究学会賞

    2007年11月   国際会計研究学会  

  • 日本監査研究学会監査研究奨励賞

    2007年09月   日本監査研究学会  

  • 日本経営分析学会賞(論文の部)

    2001年05月   日本経営分析学会  

  • 日本会計研究学会賞

    1999年09月   日本会計研究学会  

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 会計不正防止のための知識の集積とスピルオーバーによる市場モニタリング制度の構築

    研究期間:

    2019年06月
    -
    2022年03月
     

     概要を見る

    会計不正(財務諸表等の不正表示)は、投資家、規制当局、監査法人その他ステークホルダーにとって重大な問題である。本研究は、組織に集積された知識がアクター(監査人)の強制的交代などにより市場全体にスピルオーバーするメカニズムを解明し、最適モニタリング構築の政策要件を明らかにする。会計不正(財務諸表等の不正表示)は、株主や債権者などの投資家、従業員、取引先、規制当局、税務当局、監査法人、顧客、その他のステークホルダーにとって重大な問題であり、国民経済や資本市場に多大な損失をもたらす。資本市場には、会計不正を防止するためのモニタリング制度やディスクロージャー制度が設置されている。しかしながら、ディスクロージャー制度や株主、銀行、外部監査人、内部統制などによるモニタリング制度が会計不正の防止に機能しているかどうかは、実証的に十分に解明されていない。本研究の目的は、組織や産業組織が会計不正を防止するための知識をどのように集積し、それらを市場全体にスピルオーバーすることによって、最適なモニタリングメカニズムを資本市場に構築する政策要件を明らかにすることである。コーポレートガバナンスの観点から、経営者の機会主義的な行動の抑制、会計不正防止のためのインセンティブ設計およびモニタリングメカニズム構築に関する研究を行っている。また、組織に集積された知識や会計慣行が経営者のディスクロージャー行動や監査人のモニタリング行動などにより市場全体にスピルオーバーするメカニズムを実証的に検証している。さらに、経営者の利益操作の誘因、動機、機会に関して、資本市場の環境、企業の組織環境、報酬契約、上場規制などを調査している。経営者の過度な利益操作は会計不正となる可能性が高い。会計不正の発見に関連して、既存の利益操作発見モデルの識別力を検証している。資本市場環境、企業の組織環境、報酬契約、上場規制の実態を調査するともに、研究データベースの基本設計がおおむね完成したため。資本市場環境、企業の組織環境、報酬契約および上場規制の実態調査を進めるともに、会計不正の実態およびモニタリング制度の効果を調査する

  • AI技術の展開とビッグデータ環境下の情報開示・監査制度に関する理論・実証研究

    研究期間:

    2019年04月
    -
    2022年03月
     

     概要を見る

    本研究の主要な目的は、ステークホルダーによる限られたデータ利用を前提とした従来の実証研究に対して、日本の会計研究の強みである社会的な規範研究の蓄積を踏まえ、ビッグデータ利用を前提とした会計理論の研究枠組みを提唱し、会計制度設計に貢献することである。本研究は、AI技術の展開を踏まえビッグデータ環境下の資本市場論という新たな研究領域を開拓し、会計学、金融経済学および情報サイエンスの専門知識を前提としてビックデータ環境の資本市場設計を総合的な観点から研究する。本研究の主要な目的は、限られたデータ利用を前提とした従来の実証研究に対して、ビッグデータ利用を前提とした会計理論の研究枠組みを提唱し、会計制度設計に貢献することである。また、本研究では、デファクトスタンダード化の要因や構造を分析・総合し、その理解に基づき、制度設計の原理を応用して、社会的に合意されうる望ましい経営・経済データシステムの在り方を提案することを目的とする。会計領域では、世界各国でAIおよびビッグデータに関連して生じている様々な事象に関するデータ収集と分類を行った。また、日本の監査事務所に対するヒアリング調査を実施し、監査法人におけるビッグデータの利用に係る監査技法の準備状況を把握した。さらに、主規制団体である日本公認会計士協会に対するヒアリングも行い、IT委員会における取組みの現状を把握した。ファイナンス領域では、東京証券取引所の株価データを用いて、等金額ポートフォリオを作成し、10年間以上の長期にわたって、投資比率を一定に維持するための自己充足的リバランシングをさまざまなリバランシング・インターバルを設定し、標本数の増大がベータ等の母数推定の精度向上と投資成果の改善に及ぼす影響を推計した。データサイエンス領域では、種々の組合せ最適化問題に対応するため、次世代コンピュータのうち、特にイジングマシンと呼ばれる組合せ最適化処理専用ハードウェアに着目し、それを用いたブラックボックス最適化の新しい手法を提案した。また、提案手法を実問題に適用し、目的関数が陽に与えられない場合の組合せ最適化問題(ブラックボックス組合せ最適化)に対する提案手法の有効性を確認した。さらに、会計およびファイナンスの領域で、ビッグデータが解析可能な環境における意思決定モデルを検討した。計画していたデータおよび文献収集、ならびに監査事務所のヒアリングは、おおむね順調に実施できた。また、大量データの利用と証券投資の成果の関係に関しても一定の推論が得られた。さらに、イジングマシンと呼ばれる組合せ最適化処理専用ハードウェアが対象としてきた問題群は、目的関数が陽に与えられる場合の組合せ最適化問題であったのに対し、本年度提案した手法はその適用範囲を拡大することに成功した。会計領域では、データ収集および文献調査、ならびに監査実務におけるITおよびAIの問題への取り組みの実態調査を進めると同時に、テクノロジー・ドリブンで進められるデファクトスタンダード化の社会倫理および政策過程論における問題点を議論する。ファイナンス領域では、大規模なデータベースを構築し、投資期間と投資成果の関連、ならびに長期の投資戦略を理論的、実証的に調査する。データサイエンスの領域では、ブラックボックス組合せ最適化に対するイジングマシンの利用方法の理論的妥当性、ならびに組合せ最適化処理性能を向上させるため、提案手法における適切なハイパーパラメータチューニングの方法を検討する。また、ビッグデータが解析可能な環境における意思決定モデルの調査を継続する

  • 巨大災害が資本市場に及ぼす影響と会計情報の開示に関する理論的・実証的研究

    研究期間:

    2015年04月
    -
    2018年03月
     

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    本研究は2011年3月11日に発生した東日本大震災とその後の福島第1原子力発電所事故が資産価格付けおよび企業の開示行動に及ぼした影響を説明している。東日本大震災発生後の株式リターンおよびポスト・アーニングス・アナウンスメント・ドリフトを調査する。また、この巨大災害後の経営者業績予想および適時情報開示の特質を分析する。さらに、巨大災害の発生確率が極値分布に従うと仮定して、プライシング・カーネルを導出する

  • 長期財務データによる資本市場行政と会計政策に関する実証的研究

    研究期間:

    2015年04月
    -
    2017年03月
     

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    本研究は、計量的・歴史的アプローチを利用して、第2次世界大戦の戦前と戦後の会計制度の継承性、および資本市場行政における会計政策の機能を説明している。企業価値に関連する情報の観点から、わが国の会計制度は、1950年代から2010年代の60年間、資本市場のインフラストラクチャーの効率化を促進させていた。会計数値は単に事実を記述するだけではなく、保守的な会計測定を通じて、ステークホルダー間の利害の調整に重要な役割を果たしている

  • 経営者による会計政策と報告利益管理に関する研究

    研究期間:

    2013年04月
    -
    2016年03月
     

     概要を見る

    本研究は、第Ⅰ部「AP/EMに関する先行研究の調査」、第Ⅱ部「AP/EM論の構築」、第Ⅲ部「AP/EMに関する実証研究」の3部構成である。まず、第Ⅰ部では、わが国における先行研究と米国を中心とする海外における先行研究についてAP/EMに関する文献を渉猟し、第Ⅱ部および第Ⅲ部への研究の礎を築いた。第Ⅱ部では、AP/EMの理論を構築することを目指した。第Ⅲ部における実証研究では、前述したAP/EMの体系に従って、マクロレベルのAPとミクロレベルのAP/EMについて仮説検証型の実証研究を行った。理論と実証を融合させる形で、わが国におけるAP/EMの実態およびその進むべき方向性を明らかにした

  • 企業会計制度の形成要因と市場および企業への経済的影響に関する実証研究

    研究期間:

    2012年04月
    -
    2015年03月
     

     概要を見る

    この研究は、日本の会計システムの制度的な変革過程を調査している。1950年代から1990年代の日本会計制度は米国の一般に認められた会計原則に強く影響されていた。2000年代から2010年代初頭では国際会計基準審議会が日本の会計制度変革により強い影響力をもっている。実証結果によれば、増大した外国人株式所有は、経営者が適時的情報開示を行うインセンティブにプラスの効果を与えている可能性がある

  • 財務デ-タベ-スの国際比較-国際デ-タベ-スの基本設計をめざして

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    われわれはNEEDS(日本経済新聞社)、COMPUSTATII(米国Standard & Poors'Compustat Service Inc.)、EXSTAT(英国Extel Statistical Service Inc.)という日本、米国、欧州の主要な財務デ-タを会計情報を収集する立場から比較検討し、その特徴と構造を明らかにした。収録項目の特徴として、米国、英国系、欧州大陸(EC会社法統一後)、日本企業の間にはバラツキがある。会計処理方法も国あるいは企業間で多岐にわたっている。特に棚卸資産の評価基準、固定資産の評価基準、減価償却方法のバラツキが大きい。デ-タベ-スの観点から、COMPUSTATIIのように会計数値に加えて、会計処理方法やその組合せをコ-ド化する必要がある。財務デ-タは基本的に会社、期間、項目の3次元の構造をもつ。これらの財務デ-タをリレ-ショナルデ-タベ-スにおとす場合、レコ-ドを検索するためのキ-項目として会社コ-ドと業種コ-ドに加えて、企業の国際投資、資源配分、関係・子会社の活動などの海外戦略を把握するため、国連デ-タベ-スが指向するように、企業間の支配・従属関係を表すキ-を設定し、階層構造的にのデ-タを蓄積する必要がある。各国の情報量にバラツキがあるため、標準フォ-マットの設定は情報量の少ない国のフォ-マットに左右されてしまう。情報量を減少させることなく効率的にデ-タ解析を行うための一つの方向として、各国別の財務デ-タ体系でデ-タベ-スに格納し、各国間や企業間での会計処理の方法をル-ルとして記述し、必要に応じて財務デ-タを調整する。この方向にそい、財務デ-タ等の数値デ-タベ-スと会計処理方法等の知識デ-タベ-スを蓄積し、それらのインタ-フェ-スを備えた国際比較の可能なエキスパ-トシステムを構築を予定している

  • 投資家の私的情報獲得と企業の情報開示戦略に関する理論的実証的研究

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    本研究は、投資家が私的情報をあらかじめ保有している状況において、会計情報の精度が価格の報知性、流動性、ボラティリティといった市場のマイクロストラクチュアに及ぼす影響を検討している。より精度の高い会計情報の公表は、価格の報知性や流動性を高め、ボラティリティを低下させる。地方、私的情報の精度が高いほど、価格の報知性やボラティリティが高くなり、流動性が減少する。この研究で示したノイズ付合理的期待モデルは、会計情報の公表と株価や取引量に関する実証研究に理論的な基礎を提供している。将来収益の高い投資案を持つ企業は、開示コストを負担しても、精度の高い会計情報を自発的に供給する供給するインセンティヴをもつ。私的情報を保有するインサイダーは、流動性の高い株式やノイズ・トレーダーの取引が活発な株式を選好する。また、私的情報が会計情報よりも十分に精緻ならば、インサイダーは精度の高い会計情報を公表する企業の株式を取引しようとする。しかし、会計情報が私的情報より十分に精緻ならば、インサイダーはできる限り精度の低い会計情報を公表する企業の株式を選好する。15EA03:会計規則は、最低水準の情報精度とみなすことができる。一国市場では、会計規則の強化は既存の株主の期待利益を減少させる。統合化されたグローバル市場において、国際会計基準は、ミニマム・スタンダードとして機能する。そこでは、一国市場の場合と同様に、国際会計基準の強化も既存の株主の期待利益を減少させる。より現実的には、完全に統合されていない分断化された市場を前提とすることが必要である。分断化された市場で、グローバルな国際会計基準が投資家に及ぼす影響については、残された課題である

  • 不確実性における企業価値の会計測定と市場評価の整合性に関する理論的・実証的研究

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    利益や株主資本の簿価は,わが国の一般に認められた会計原則に基づいて企業業績を測定した値である。本研究の目的は企業の市場評価(株価)と会計測定値(利益,株主資本簿価)の理論的・実証的な関連性を明らかにすることである。財務諸表上では,株主資本の増加は,当期利益から配当を控除した額に等しい。これはクリーンサープラス関係と呼ばれ,会計の基本的な特徴である。この研究では,クリーンサープラス会計と割引配当モデルの枠組みで,利益と株主資本簿価がドリフト付ランダムウォークモデルあるいは線形トレンドモデルという代表的な時系列モデルで記述できる場合について,実証可能な株式評価モデル(利益モデル,利益-株主資本簿価モデル)が理論的に導かれている。さらに,これらの会計測定値に基づく株式評価モデルを用いて,11349社・年(658社,1980-1998年)という大規模な標本を対象に,利益や株主資本簿価と株価の関連性が検証されている。この結果,当期の株価変動に関して,利益モデルは25.9%,株式資本簿価モデルは33.1%,利益-株主資本簿価によって株価の変動を平均して50.9%(1980年代では31.1%)説明できる。これは業績不振企業の増加に伴い株主資本簿価と株価の関連性が高まったためであると考えられる。損益計算書と貸借対照表の二つの情報システムから,利益や株主資本という集約した情報を互いに補完しながら投資家に提供するという,会計のより本質的な機能が検証されている

  • 連結財務諸表情報と企業価値の関連性に関する理論的・実証的研究

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    本研究は、会計情報と市場の価格形成の関連性を長期的な関連性を実証的に検証し、会計が経済のインフラとして機能するための要件、および、市場を基礎とする会計研究の企業実務への適用を検討している。この研究の目的は、利益、配当や資本などの長期時系列データにもとづいて、個別財務諸表情報と連結財務諸表情報が,どの程度まで企業価値を説明していたかを統計的に検証し、20世紀後半の会計制度を再検討することである。本研究では、配当割引モデルとクリーンサープラス関係のもとで、会計変数の確率過程を特定し、会計情報にもとづく評価モデルを導出している。利益や株主資本簿価と株価(あるいは、株式リターン)の長期的な関連性は失われていないことが確認されている。個別、連結財務諸表情報と株式リターンの関連性は、自由度調整済決定係数でみると、おおよそ5%から20%とのレンジにある。無形固定資産や研究開発費の増大傾向などの要因をコントロールしてもなお、その関連性は低下していると推察できる。投資家は、また、営業キャッシュフローよりもむしろ発生主義会計にもとづく当期利益を重視する傾向にあることが発見された。さらに、業績評価と会計情報、企業グループ戦略としてのM&Aと会計情報の関連性が検証されている。 1990年代に実施された日本企業の企業結合・再編の便益について、イベントスタディーの手法で調査した。その結果、平均すれば、買手企業とターゲット企業の株主は、アナウンスメント時に、それぞれ、統計的に有意な0.9%、4%程度のリターンを獲得している。さらに、企業のグループ戦略に関する会計情報が企業価値と関連することを発見した

  • 企業結合の会計規制が企業行動と市場の株価形成に及ぼす影響に関する理論・実証研究

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    本研究は、(1)投資家が会計情報にもとづいて期待を形成しているかを実証的に検証し、(2)企業が会計測定と認識のタイミングをどのように選択するかを明らかにしている。最初の報告は、最初に、利益と簿価の時系列の株価関連性と損益計算書と貸借対照表の補完的な役割を確認している。1967-2001年の期間に東京証券取引所に上場している531社に対して、利益-簿価(タイムトレンド付き)モデルが株価の水準と変動をよりよく説明していることが明らかになった。次に、1968〜2001年の東京証券取引所上場企業のパネル分析は、(1)収益の成長性の高い企業は、資産評価における保守主義要因より会計利益の認識ラグ要因のほうが会計の保守性に与える影響が大きい、(2)配当政策に関するコンフリクトが大きい企業ほど、保守的な会計を選択する傾向にある、(3)経営者は純資産よりむしろ会計利益を過小に評価する傾向にある、ことを明らかにしている。こららの実証結果は企業結合の会計規制に一つの説明を与えている。対等合併のケースでは、経営のコントロールが確立していないので、ステーク・ホルダー間のコンフリクトが大きいと予想される。コンフリクトがより深刻な対等合併では、純資産を過大評価しない保守的な会計、例えば、持分プーリング法を選択することが望ましい。ただし、持分プーリング法は、利益操作を制限する条件のもとで、適用を認めるべきである

  • 会計基準の形成過程と規制が資本市場に及ぼす影響に関する実証研究

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    日本の会計基準がどのように形成され、会計規制が経営者の意思決定および市場の価格形成に長期的・短期的にどのような影響を与え、資本市場における資源の最適な配分と投資家保護に有効に機能しているかを実証的に明らかにすることを目的とし、3つの研究-戦略的情報開示の実証研究、経営者と株主・債権者の契約関係に関する理論・実証研究および資本市場の価格形成に関する実証研究-を並行的・縦断的に遂行し、次の研究成果が得られた。(1)日本における過去25年の実証的会計研究をレビューし、そのトレンドと特徴を明らかにした。(2)多期間プリンシパル・エイジェント・モデルを用いて分析し、費用・収益対応の原則に従った会計処理が要求される場合、部門管理者にファースト・ベストの投資決定と経常業務に対するファースト・ベストの努力水準を動機づけるには、(純粋な)残余利益のみが目標整合的になり得ることを明らかにした。(3)有価証券の時価評価基準の設定が、企業にベネフィットとコストの両方をもたらすことを明らかにし、会計基準における制度の失敗の可能性を指摘した。(4)企業価値評価における利益情報とキャッシュフロー情報の有用性について分析し、連結キャッシュフロー計算書の公表直後の一般企業と財務悪化企業の企業価値評価において、営業キャッシュフロー情報が当期利益情報より、株価説明力が大きいことが確認された。(5)親子上場企業における決算発表について、利益の情報内容に関する分析および決算発表に対する株価反応の分析の結果、決算発表のタイミングが市場に伝達される情報に重大な影響を与えていることがわかった。(6)株主総会の正常化が観察された企業が公表する業績予想は、正常化以前に公表された業績予想や他の企業が公表した業績予想と比べ、その精度が高いことが確認された。また、業績予想の精度の向上は、利益調整行動の結果ではないことが確認できた

  • 会計規制が財務諸表の品質と企業の利益操作に及ぼす影響に関する理論的・実証的研究

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    このプロジェクトは、1965-2004年の期間における上場企業の大規模なサンプルを利用して、アクルーアルの信頼性(品質)と利益の持続性を調査している。親会社単独利益と株式リターンの関連性の観点からは、利益のアクルーアル部分は、平均して、キャッシュフロー部分に比べて、過大に評価されている。その意味で、利益のアクルーアル部分の信頼性は低い。総アクルーアルを非現金運転資本増分、正味非流動営業資産増分、正味金融資産増分に3区分すると、いずれの情報も、キャッシュフロー部分に比較して過大に評価されている。利益の持続性は年々低下している。非現金運転資本増分と正味非流動営業資産増分の持続性は、それぞれ、キャッシュフロー部分に比べて、平均して低い。持続性の観点からは、非現金運転資本増分と非流動営業資産増分の信頼性は低い。アクルーアルの信頼性の低下は、企業の利益操作に関連するであろう。営業資産、負債の項目を利用した利益操作は、深刻な問題を引きおこしている。会計規制は、財務諸表の最低水準の信頼性を規定するミニマム・スタンダードである。投資家の情報獲得を前提とする市場では、信頼性の高い会計情報は、投資家の情報獲得を促進させるので、効率的な価格形成に貢献する。ただし、政策担当者がより信頼性の高い会計情報を要求するならば、情報コストは社会的に増大する。信頼性の水準はコスト・ベネフィットの観点から決定すべきであろう

  • 会計制度の設計に関する理論研究と実証分析

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    われわれの研究目的は,会計制度のトライアングル体制における問題点を理論的に検討し,それについて実証研究を行い,実証研究の結果に依拠して会計制度の設計を試みることにあった。このような研究を進めるにあたり,われわれは大まかな役割分担を決めた。担当者は,(1)会計の諸問題を理論的に分析し,検証すべき仮説を提示するグループと,(2)提示された仮説の検証可能性を考察し,実証分析により仮説を検証するグループに分けられた。前者のグループから,会計制度の問題として,概念フレームワークと会計基準の個別問題,会社法と資本会計の問題,法人税法の規定と財務会計の関係,および監査における諸問題が指摘され,それぞれを理論的に検討した。それらの問題を解決するために,実証可能な命題を設定し,それぞれについて実証研究を行った。実証研究は,(1)会計制度そのものに関連する研究,(2)損益計算書に関する研究,(2)貸借対照表に関する研究,(4)企業の会計手続き選択に関する研究,(5)内部統制と監査の品質に関する研究に大きく分類される。いずれの実証研究も,現行制度の問題点をピンポイントで把握し,その解決方向を探るため,適切なサンプルとメソドロジーを用いて仮説を検証している。これらの実証研究にもとづき,われわれは会計制度の設計について議論をした。そして9つのテーマを設け,具体的な提言を試みた。それは,(1)会計情報の質的特性に関する提言,(2)特別損益の報告に関する提言,(3)ダーティー・サープラスの計上に関する提言,(4)包括利益の報告に関する提言,(5)連結財務諸表に関する提言,(6)退職給付会計に関する提言,(7)法人税等の会計処理に関する提言,(8)新株予約権の失効に伴う会計処理に関する提言,(9)払込資本と留保利益の区別に関する提言である。以上の研究成果として,須田一幸編著『会計制度の設計』(2008年,白桃書房)が刊行された

  • 会計規制が企業の組織変革とコーポレートガバナンスに及ぼす影響に関する実証研究

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    本研究は、敵対的買収防衛策の導入が株価に及ぼす影響、セグメント情報の価値関連性、および、監査の品質がIPO市場の価格形成に及ぼす影響を検証した。これられの研究成果は、日本経営財務研究学会、国際会計研究学会、日本監査研究学会、およびディスクロージャー研究学会の各年次大会にて報告された。本研究では以下の事実が明らかになった:(1)2005-2006年に買収防衛策を導入した150社のサンプルで、経営者のエントレンチメント効果と株価のマイナス効果の両方が観測された、(2)1998-2005年の14,498社-年のサンプルの事業別と所在地別のセグメント情報の価値関連性を調査した結果、連結グループの範囲、事業の多角化、海外事業の活動を勘案して、市場が連結の利益と株主資本簿価を評価しており、また、海外利益と国内利益が株価と有意に関連性をもつ、(3)2000年から2004年に新規公開した665社のサンプルでは、監査人が財務報告の信頼性を保証するメカニズムはおおむね機能している。本研究の意義は、(1)買収防衛策め株価効果がコーポレートガバナンス・システムに依存することを明らかにした点、(2)株価べースの実証的証拠に基づき、連結財務諸表の企業戦略情報の有用性を検証した点、(3)公認会計士監査が経営者の規律付けを強化することを検証した点である。会計政策担当者は、会計規制が市場の価格形成、企業活動の透明性、市場の参入条件に及ぼす影響を考慮することが重要である

  • 会計社会の変容と市場の論理に関する総合的研究

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    (1) 機関投資家・アナリストの実情、資本市場を非効率にさせる要因は何か、アナリストはどのような財務情報を有用と見るか等についてのインタビュー調査、(2)「利益の質」とは何か、利益マネジメントと利益の質との関係の検討、(3) 新興資本市場を対象に、開示情報の意義、企業の財務報告に対する態度、IR活動の特徴についてのアンケート調査、(4) 経営者の業績予想情報のもつ市場への影響、IPO市場の価格形成に対する監査の貢献についての実証分析、(5) 監査法人の組織文化についてのアンケート調査と実証分析、(6) 公会計制度改革の現状に関する全地方公共団体へのアンケート調査を行い、会計社会の実像を説明する多くの知見を得た

  • グローバル資本市場の財務報告とコーポレートガバナンスに関する理論的・実証的研究

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    金融技術の進展がより進展するにつれて、金融サービスの会計がより複雑になっている。そのため、金融サービスを記述する財務諸表には、多くの見積値と裁量的項目が含まれるようになっている。金融サービスはグローバル市場で展開されているので、国内の法的システムだけでなく国際的な規制の枠組みで、財務情報の質を維持し、企業、銀行、その他金融機関の金融取引活動を監督することが必要である

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講演・口頭発表等

  • 「パネルディスカッション:経営分析の研究および教育の今後」

    薄井彰

    連合大会2018   (日本経済新聞社大阪本社)  日本経営分析学会・日本ディスクロージャー研究学会  

    発表年月: 2018年10月

  • 「パネルディスカッション:わが国の会計、監査、およびディスクロージャーの 在り方」

    薄井彰

    連合大会2018   (日本経済新聞社大阪本社)  日本経営分析学会・日本ディスクロージャー研究学会  

    発表年月: 2018年10月

  • 「日本の会計、監査、およびディスクロージャーの研究とグローバルスタンダード」

    薄井彰  [招待有り]

    連合大会2018   (日本経済新聞社大阪本社)  日本経営分析学会・日本ディスクロージャー研究学会  

    発表年月: 2018年10月

  • 「パネルディスカッション:AI技術の展開とビックデータ環境下の会計・監査のイノベーション」

    薄井彰

    第39回研究大会   (アスティとくしま)  日本公認会計士協会  

    発表年月: 2018年09月

  • 「ディスクロージャーの理論と実証」

    薄井彰  [招待有り]

    第16回研究大会   (法政大学)  日本ディスクロージャー研究学会  

    発表年月: 2017年12月

  • 「発生主義会計と費用収益対応原則の維持:日本の実証的証拠から」

    薄井彰  [招待有り]

    第36大会   (佐賀大学)  日本会計史学会  

    発表年月: 2017年11月

  • 「会計制度の経済分析」

    薄井彰  [招待有り]

    第2回JARDIS Workshop   (北九州市立大学)  日本ディスクロージャー研究学会  

    発表年月: 2017年03月

  • 「戦後日本の会計制度と資本市場」

    薄井彰  [招待有り]

    第33回研究大会   (関西学院大学)  国際会計研究学会  

    発表年月: 2016年08月

  • 「企業会計基準法の審議過程と会計基準設定機関の設置」

    薄井彰

    第34回大会   (大阪経済大学)  日本会計史学会  

    発表年月: 2015年10月

  • 「戦後わが国会計制度の創設過程」

    薄井彰

    第32回大会   (兵庫県立大学)  日本会計史学会  

    発表年月: 2013年10月

  • 「監査人のゴーイング・コンサーン意見に対する株式市場の反応」

    薄井彰, 稲葉喜子

    第31回全国大会   (立命館大学)  日本監査研究学会  

    発表年月: 2008年09月

  • Audit Quality and Corporate Governance: Evidence form Japanese IPO Markets

    Akira Usui  [招待有り]

    2008 Summer International Conference of Korean Accounting Association   (Seorak, South Korea)  Korean Accounting Association  

    発表年月: 2008年06月

  • 「利益公表と株式市場」

    薄井彰  [招待有り]

    第9回全国大会   (大阪市立大学)  ディスクロージャー研究学会  

    発表年月: 2007年11月

  • 「買収防衛策とコーポレート・ガバナンス」

    薄井彰, 岡田晴信

    第30回全国大会   (学習院大学)  日本経営財務研究学会  

    発表年月: 2006年10月

  • 「会計情報の価値関連性と信頼性について」

    薄井彰  [招待有り]

    第52回関東部会   (千葉大学)  日本会計研究学会  

    発表年月: 2004年12月

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特定課題研究

  • 資本市場における会計不正防止メカニズムについて

    2021年  

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    本研究では、資本市場における会計不正の日本の事例について、社会的損失が重大な会計不正事案に関して公認会計士による財務諸表の監査証明の表明プロセス、および企業の内部統制を保証するメカニズムを調査した。さらに、コーポレートガバナンスの観点から、経営者の機会主義的な行動の抑制、企業不正防止のためのインセンティブ設計、経営者報酬、およびモニタリングメカニズム構築の要件を調査した。

  • 監査に利用可能なビッグデータと分析手法に関する調査研究

    2021年  

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    本研究では、監査の質や監査リスクの分析に利用することが可能なビッグデータの種類および分析手法の調査を行った。さらに、過年度の財務データおよび市場価格データ、ならびにテキストデータなどのビッグデータが機械学習等に利用可能な分析手法を調査した。また、監査実務において、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染防止対応のために進展したオンライン化およびリモート化の環境がビックデータ分析に及ぼす影響を調査した。

  • 会計ビッグデータと資本市場の価格形成に関する基礎的研究

    2020年  

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    本研究の目的は、ビッグデータの利用環境の整備の問題に視野を広げて、企業の会計処理及び開示の標準化、ならびに法制度等の整備の問題を検討することである。企業の会計・監査システムはこれまでは比較的少量の情報を管理することに焦点をあててきたが、現在では大量のデータを蓄積し、管理し始めている。ビッグデータのなかでも企業・経済情報および資本市場情報の態様と望ましいデータの在り方を検討した。さらに、2000年初頭からの国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards, IFRS)が日本基準の財務諸表様式に及ぼす影響、ならびにリスクに関する数値情報および文字情報の役割を検討した。

  • ビックデータ時代における資本市場の情報開示及び監査の制度設計と維持:理論と実証

    2018年  

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    本研究では、ビッグデータ利用を前提とした会計理論の研究枠組みを検討した。情報開示および監査の制度は、資本市場の基礎的なインフラストラクチャーであるにもかかわらず、従来型の要約された数値データを基礎としている。伝統的な企業分析でも、年次や四半期の会計数値と市場データを組み合わせたファンダメンタルな指標を利用することが多い。本研究では、ビックデータ環境のもとでの新たな情報開示制度と監査制度を開拓するための基礎的調査を行った。企業会計領域に関しては、ビッグデータに基づいて、会計数値が株式市場の価格形成に及ぼす影響を実証分析した。

  • 開示水準とコーポレートガバナンス環境:自然実験を利用した会計開示制度の経済分析

    2018年  

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    本研究は、グローバリゼーションと金融技術の高度化によって会計制度の基本構造が変容することが会計制度の設計および企業行動に及ぼす影響を歴史的かつ数量的に分析することである。本研究が対象とする会計制度は、利益と資産評価のための情報作成ルール、および利益分配ルールである。本研究では、計量的・歴史的アプローチに基づき、企業構造の変容と会計制度の利害調整機能の関係を調査した。株主、債権者、従業員、経営者の企業所有構造の変容が会計の保守的慣行や報酬契約に及ぼす影響を調査した。

  • コーポレート・ガバナンスが会計制度設計に及ぼす影響に関する実証研究

    2018年  

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    本研究は、コーポレート・ガバナンスの変化が会計制度の設計に及ぼす影響を歴史的かつ数量的に分析することである。本研究が対象とする会計制度は、利益と資産評価のための情報作成ルール、情報開示ルール、企業行動のモニタリングルールおよび利益分配ルールである。コーポレート・ガバナンス環境の改善が企業のモニタリング機能を高めるので、企業は利益についてより高い開示水準を選択すると予想される。本研究では、特に利益の開示水準とコーポレート・ガバナンス環境の関係を調査した。

  • 企業・市場・経済構造の変容が会計制度設計と企業行動に及ぼす影響に関する実証研究

    2017年  

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    本研究の目的は、計量的・歴史的アプローチに基づき、企業・市場・経済構造の変容が会計制度設計と企業行動に及ぼす影響を明らかにすることである。行政・法令データベースの構築方法およびステークホルダーの利害調整に関わる会計制度を調査した。また、企業の配当政策、従業員給付、並びに事業リスクに関するコンフリクトと保守的な会計慣行の関係を調査した。

  • 企業構造の変容が会計制度設計に及ぼす影響に関する実証研究

    2017年  

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    企業の株主配当政策、従業員給付、並びに事業リスクに関するコンフリクトの変化が保守的な会計慣行に及ぼす影響を明らかにした。保守的な会計慣行としては、条件付保守主義(悪い情報を良い情報より早期に公表する会計慣行)と無条件保守主義(自己資本を過大に評価しない会計慣行)を調査した。実証研究の結果、保守的会計が企業のステークホルダーの利害調整に貢献していることが明らかになった。

  • 長期財務データによる会計政策と株価形成に関する実証的研究

    2016年  

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    わが国の会計制度は、1950年代から2010年代の60年間、利益と資本という集約した情報を適時的に開示しており、資本市場のインフラクチャ―として有効に機能していたことが確認された。1950年代以降、売上高情報と利益情報は決算期末までに株価に十分に織り込まれていた。わが国の会計制度は、戦後創設時に当時最新の米国の開示システムを導入したため、高い水準での完成度を達成していた。さらに、決算短信制度はわが国固有な開示制度であり、その業績予想情報の開示が株価形成に重要な役割を果たしていることが確認された。

  • 長期財務データによる資本市場行政と会計政策に関する実証的研究

    2015年  

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    会計基準設定者、そして多くの会計専門家は、会計ルールの強化と適用範囲の拡大は、会計報告の情報内容を改善すると考えている。戦後、日本は、最も厳しい米国の会計ルールを導入し、キャッチアップしてきた。経営者が会計ルールの強化に合意するのは、それが株主、債権者、その他の利害関係者に有用な情報を提供することになると信じるからである。学界、官界、そして実業界は、これまでの会計規制の強化が投資家の意思決定有用性を向上させると信じていた。しかしながら、長期財務データを分析した結果、株価と会計数値の関連性は上昇しているわけではなかったことが明らかになった。

  • 会計制度の変革と株価形成の関連性に関する基礎研究

    2014年  

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    現在、わが国の会計制度は、日本基準、米国基準、IFRSという3つのタイプの会計基準が混在する。本研究では、証券市場の価格形成と企業のディスクロージャー行動について、国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards: IFRS)よりも米国会計基準の影響が強かったレジームとIFRSの影響が増大しているレジームを比較分析した。

  • 会計規則が企業の金融資産投資に及ぼす影響に関する実証研究

    2013年  

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    本研究は、会計規制、特に「金融商品に係る会計基準」(以下、金融商品会計基準という。)の改訂に応じて、企業が金融資産の投資割合を変更するかという点を調査した。有価証券の会計処理は、1999年に企業会計審議会が公表した金融商品会計基準では、(1)売買目的有価証券は時価で評価し、評価差額は損益計算書上、評価損益として計上する、(2)満期保有目的債券は取得原価により評価する、(3)子会社株式および関連会社株式は取得原価により評価する、(4)その他有価証券は時価で評価し、評価差額は貸借対照表上、資本の部に直接計上することになった。さらに、「その他有価証券」の時価評価により、税効果会計上の一時差異が生じるので、税金相当額が繰延税金負債または繰延税金資産に計上された。「その他有価証券」の時価評価は2002年3月期から適用されている。持ち合い株式は長期保有の有価証券であり、「その他有価証券」に分類される。持ち合い株式等の「その他有価証券」のボラティリティーが直接的に貸借対照表に反映することになる。とりわけ、銀行では、「その他有価証券」の公正価値評価が自己資本比率規制(BIS規制)に直接に影響する。日本の銀行は保有株式の価格変動がビジネスリスクに関連するようになった。2001年11月に「銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律」(以下、銀行株式保有制限法という。)が制定され、銀行等は株式保有を自己資本の範囲に制限された。銀行等の株式保有制限条項の施行は当初2004年9月であったが、2006年9月まで延期された。そのため、金融機関は2006年9月までに保有株式が自己資本の範囲に収まるまで売却しなければならなくなった。大規模なサンプルに基づく調査の結果、金融商品会計基準に基づく「その他有価証券」の公正価値評価が銀行株式保有制限法を介して、金融機関と企業の関係の再構築をもたらしたことが明らかになった。

  • 連結財務諸表情報の株式リターンへの長期的な説明力に関する調査研究

    2003年  

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    本研究の目的は、利益,配当や資本などの長期時系列データに基づいて,どの程度まで株式リターンを説明していたかを統計的に検証することである。サンプル企業の選択基準は、(ⅰ) 2001年8月時点で東京証券取引所(1、2部、マザーズ)、大阪証券取引所、名古屋証券取引所、札幌証券取引所、京都証券取引所、福岡証券取引所、ナスダック・ジャパンの上場、あるいは、ジャスダックに店頭公開している、(ⅱ)連結財務諸表を公表、(ⅲ)利益、配当、簿価(株主資本)などの会計データが日本経済新聞社「NEEDS-CD ROM 日経連結財務データ」(2001年8月)で利用可能、(ⅳ)株価が東洋経済新報社「株価CD-ROM2002」で利用可能、(ⅴ)銀行、証券、保険業を除く一般事業会社、である。最終的にこれらの基準をみたす2、729社が抽出された。分析期間は1979年から1999年の20年間である 。サンプル数は、1984年以前では62社(1979年)から100社(1984年)、それ以降では、676社(1985年)から1570社(1999年)である。実証結果から、連結会計情報の有効性は、個別会計情報よりも若干上回るものの、平均して高いとはいえないことが判明した。調査期間では、日本企業の多くが連結グループ経営というよりも親会社中心であったことは否めない。実際、連結企業グループの規模は親会社に比べれば、それほど大きくない。売上高でみれば、連結グループの範囲は、親会社のほぼ1.2倍である。この水準はほとんど変わっていない。2000年3月期以降の新会計基準の導入が連結会計情報の有効性に及ぼす影響については、今後の課題とする。

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海外研究活動

  • 会計とコーポレート・ガバナンスの設計に関する研究

    2009年03月
    -
    2011年03月

    イギリス   オックスフォード大学

 

現在担当している科目

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