Updated on 2026/05/06

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NOGUCHI, Shosuke
 
Affiliation
Faculty of Commerce, School of Commerce
Job title
Assistant Professor(tenure-track)
 

Syllabus

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Internal Special Research Projects

  • 消費者の動学的な購買行動の実証分析

    2025   Kai Liao

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     本研究では、日本の花き卸売市場の取引データを用い、在庫減少の可視化と価格低下が併存する競り下げ方式(マルチユニット・ダッチ・オークション)における消費者の動学的な購買行動を、構造推定の手法を用いて実証的に解明した。 データ分析の結果、消費者は供給が豊富な初期段階では戦略的に購入を先送り(戦略的遅延)し、誰かが購入して在庫が減少した瞬間に品切れリスクを回避するため一斉に購入に走るハーディングを起こしていることを確認した。構造モデルを用いた推定から、買い手間で商品の評価額に関する根源的なコンセンサスが非常に高く、これが互いに牽制し合う激しいチキンレースを引き起こし、高い確率でハーディングが起きていることの裏付けとなった。  推定された需要パラメータを用い、他の販売メカニズムとの反事仮想的なシミュレーションを実施した。その結果、ダッチ・オークションは理論的に効率的な他のオークション方式と比べ、期待収益自体はわずかに(2-3%)劣るものの、収益のボラティリティを大きく抑え、かつ販売スピードを有意に加速させることを明らかにした。さらに、一般的な小売店で用いられる単一価格販売との比較では、最適化された固定価格であっても不可避的に7-16%の売れ残り(廃棄)を生むのに対し、ダッチ・オークションは廃棄をゼロに抑えつつ、7-10%高い収益を実現することが示された。  本研究により、透明性のある在庫と価格の動的提示は、消費者の購入を強力に促進し、売り手にとって「収益の安定化」「販売の迅速化」「廃棄の確実な回避」を同時達成する最適な仕組みであることが証明された。この知見は、花き市場にとどまらず、消費期限のある食料品(スーパーの値引き等)やフラッシュセールスなど、在庫制約と廃棄問題を抱える幅広い小売市場の価格・在庫戦略に応用可能な重要な示唆を提供するものである。