Updated on 2026/04/04

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OHKI, Hugo
 
Affiliation
Faculty of Science and Engineering, Graduate School of Advanced Science and Engineering
Job title
Research Associate
 

Internal Special Research Projects

  • ヘテロ芳香族化合物の環破壊型官能基化反応の開発

    2025  

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     本研究では、ピラゾロアジン類の開環型ジフルオロ化反応の開発の過程で、ピラゾロアジン類およびイソオキサゾール類などのヘテロ芳香族化合物を基質とする新規開環型ハロゲン化反応の開発に成功した。具体的には、ピラゾロピリジンやイソオキサゾールに対し求電子的クロロ化剤TCCAまたはブロモ化剤DBIを作用させることで、ハロゲン化と同時にN–N結合あるいはN–O結合が選択的に開裂し、第三級ハロゲン化合物を効率的に与えることを見いだした。本反応は、従来の単純な求電子置換型ハロゲン化反応とは異なり、求電子的ハロゲン化に続く環開裂を伴う骨格変換反応である点に特徴がある。また、温和な条件下で反応が進行し、広い基質適用範囲を示すことから、ヘテロ芳香族化合物の新たな分子変換手法として有用であることを明らかにした。 さらに、反応条件の最適化により、クロロ化およびブロモ化のいずれにおいても効率的に進行する反応系を確立し、各種置換基を有する基質に対して良好な収率で開環型ハロゲン化合物を得ることに成功した。また、ホルミル基を有するピラゾロピリジンに対しては、二当量のハロゲン化剤を用いることで、開環型ジハロゲン化体を得ることができた。 現在は本反応を起点として、異なる二種のハロゲン原子を導入した開環型ジハロゲン化体の合成や、ハロゲン原子の反応性の差を利用した官能基化反応など、より多様な開環型官能基化反応の開発へと展開している。 本研究により、先行研究での開環型フッ素化にとどまらず、塩素や臭素を含む多様なハロゲンを導入可能な汎用的手法を確立し、ヘテロ芳香族化合物の骨格変換に新たな指針を与えた。本成果は、国際学術誌Chemistry – A European Journalに掲載されており、有機合成化学および創薬化学における第三級ハロゲン化分子の迅速構築を可能にする手法として、今後の応用が期待される。