研究者詳細
2026/04/30 更新
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戦後児童文学
成長物語
"変容する欠如"の児童文学――佐野美津男『ピカピカのぎろちょん』論
原 みなと
文学・語学 ( 237 ) 36 - 48 2023年04月 [査読有り]
「成長物語」の解体と再構成――吉田とし『小説の書き方 一子の創作ノート』論
文学・語学 ( 230 ) 41 - 53 2020年12月 [査読有り]
DOI CiNii
森忠明の長篇におけるアナロジー―― <だっ線>から<仮住まい>へ
児童文学研究 ( 51 ) 91 - 106 2019年03月 [査読有り]
CiNii
自分語りの「層(レイヤー)」――志賀直哉『和解』論
『近代文学 研究と資料』 ( 第2次第9集 ) 116 - 133 2015年03月
1970年前後の児童文学における「変革」の思想と自己批判についての研究
2025年
概要を見る
本研究では、1950年代の童話批判の頃に登場した世代の児童文学作家の理論と実作に、社会の現実を否認する〈革命〉のイメージが書かれていることに着目し、そうした表現を模索した作家として、小沢正とその周辺の作家に焦点を当てて調査した。小沢正は1960年代末における児童文学学者の政治的対立に巻き込まれつつ、表現を模索していた。小沢の言説を整理しつつ、彼の作品には対立を徹底することの必要性を表現する方向性と対立しきることそのものの困難を表現する方向性があり、1970年代がその過渡期であることを明らかにした。小沢は変革を「幻想」の内側にいることを自覚としてとらえ、その方法としてファンタジー文学に着目していた。その変革のイメージは、幻想から抜けだすことから、幻想からの抜け出しがたさを認めたうえでそれと巧みに付き合うことへと変化していく。変化の途上の小沢文学はこれまで、当時の児童文学作家と変革志向を共有しつつも、状況に抗うことの困難を書いたペシミスティックな作風と評価されていたが、そこには既に幻想との関係を模索する人物像が〝ごっこ遊び〟の比喩で語られており、同時に〝遊び〟に喩えることへの躊躇いが書かれてもいた。小沢に関する研究は、彼の代表作のひとつである『はらぺこのオニごっこ』(あかね書房、1969・1)についての作品論を日本児童文学学会第64回研究大会で発表した。戦後の児童文学史は〝政治の季節〟の時代と相対主義の時代に対応する文学の質の変化がしばしば語られてきた。小沢文学における変革のイメージの変化は、二つの時代の差異のみでなく、両者の連続性、あるいは過渡期としての1970年代の特質を、ファンタジーという方法に期待するものの変化として映し出している例である。本研究で得た成果をふまえつつ、政治的対立の中で論じられにくくなった児童文学作家における変革観の変化についての研究を今後も継続していきたい。