2026/03/11 更新

写真a

サノ タイシ
佐野 大志
所属
理工学術院 先進理工学部
職名
助手
 

特定課題制度(学内資金)

  • Symmetry-Guided Quantization of Black Hole Minisuperspace Containing Matter Fields

    2025年   辻󠄀川信二, 横倉祐貴, Defelice Antonio, Che-Yu Chen

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    本課題では、物質場の存在する静的球対称時空の重力の量子性を、物質場の存在する静的球対称時空に対するミニスーパースペースの観点から考察、議論することを目的とした。物質場の存在する静的球対称時空は、電荷を持ったブラックホールや裸の特異点を持つ時空を古典的には予言するが、これらの時空の特異点が自然に解消し得るかが重要な点である。まず、ブラックホール特異点が古典的には解消しえないことを示唆する研究として、Che-Yuらとともに、Horndeski結合を持った非線形電磁気学において非特異的なブラックホール解は摂動的に不安定であることを示した。この研究結果は国際紙であるPhysical Review Dに掲載された。この研究は摂動的な安定性という、ミニスーパースペースの物理では取り扱えない現実的な視点に着目した研究である。これを踏まえ、自然な特異点解消のシナリオを与えうる量子重力理論の観点から、静的球対称ミニスーパースペースにおけるシュレーディンガー対称性の存在を探った。シュレーディンガー対称性は量子流体の方程式を特徴づける対称性であり、静的球対称ミニスーパースペースにおけるシュレーディンガー対称性の特定は近年提案されている量子重力理論の流体近似による時空の出現の仮説の土壌となり得るものであり、流体に特有な補正を考える土台になりえる。実際に、(i)電磁場と宇宙項を持つミニスーパースペース、(ii)マスレススカラー場を持つミニスーパースペースの二つの系においてシュレーディンガー対称性を見つけた。この結果はarXiveに投稿済みであり、現在国際紙への投稿に向けて査読待ちである。また、この成果は多くの国際、国内学会で発表積みである他、先日のアーリーバード成果報告会では5min.プレゼンコンテストでは優秀賞を受賞した。