Updated on 2026/04/07

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HAYASHI, Kenji
 
Affiliation
Faculty of Letters, Arts and Sciences, School of Humanities and Social Sciences
Job title
Assistant Professor(without tenure)
 

Syllabus

 

Internal Special Research Projects

  • 12世紀から15世紀までのドイツ語圏修道院における書物係の機能とその持続性

    2025  

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    12世紀から15世紀までのドイツ語圏の修道院における書物係の職能とその持続性を指摘するための基盤として、2025年度は、12世紀のベネディクト会系修道院と、アウグスティヌス律修参事会修道院で活動した書物係の職能について分析した。書物係は、12世紀においては単なる書物の管理者というだけではなく、典礼管理者でもあり、また修道院で執り行われる死の儀式(瀕死者の看取り、葬儀、死者追悼)の管理者でもあった。ベ12世紀の南ドイツ地域のベネディクト会系修道院では、男性と女性の共同体が同一の修道院で共住するといういわゆる「二重修道院」という形態をとるものが多くあり、そのような修道院でアルマリウスと呼ばれる書物係が活動していた。これらの「二重修道院」で活動した書物係たちは、各々の修道院を両性の共同体が共住する場所としてだけでなく、修道士、俗人兄弟(修道請願はたてないものの、修道院の中で修道士を模倣して生活する俗人たち)、修道女の三つの信仰集団が共住する場として認識し、それに対応した書物制作・管理、日々の典礼の形式、死の儀式の形式を創出していたことを明らかにし、その成果を京都大学で開催された西洋史読書会大会で報告した。アウグスティヌス律修参事会修道院の書物係については、具体的な分析対象としてシュタイアーマルク州のセッカウ修道院と、この修道院の書物係ベルンハルトが制作した聖務日課書を選択した。これらの聖務日課書は、男性の書物係がセッカウ修道院の女性の参事会員(Chorfrauen)のために作成したものである。これらの聖務日課書は女性たちによって用いられたが、その運用は特定の一人の女性に任され、その女性はおそらく男性の書物係と対応する職能を有していたことを明らかにした。この成果を西洋中世学会の『西洋中世研究』に投稿した。