2025/05/09 更新

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チェ ウェリン
チェ ウェリン
所属
理工学術院 先進理工学部
職名
助手
 

特定課題制度(学内資金)

  • 生薬からがんオルガノイドお用いて活性化合物の探索

    2024年  

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    本研究では、ヒト膵臓がん細胞(PANC-1)とヒト間葉系幹細胞(UE7T-13)を共培養し、3Dスフェロイドアッセイ系を用いて生薬の抗がん活性を評価した。従来の2D培養系では、がん細胞が本来の微小環境から切り離された単層状態で培養されるため、生体内におけるがん細胞の挙動や薬剤応答を正確に反映できないという課題があった。一方、3D培養系では、細胞間相互作用や腫瘍微小環境をより再現性高く再現することが可能であり、より生理的に近い条件でのスクリーニングが可能となる。本系を用いて、香港で購入した44種類の生薬抽出物をスクリーニングした結果、3種類の生薬がPANC-1細胞の生存率を顕著に低下させることが明らかとなった。これらの生薬に含まれる有効成分を特定するため、現在、生物活性に基づく精製を進めており、化合物の単離および構造解析を行っている。さらに、単離した化合物の作用機序を解明し、新規抗がん剤の開発につなげることを目指している。