研究者詳細
2025/05/08 更新
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国際社会における日本の発展の経験(E)
大学院アジア太平洋研究科
2025年 春クォーター
国際学術院 大学院アジア太平洋研究科
「依存」をめぐる自他集団のイメージ――「外国人労働者」と「雇用主」の関係をもとに
2024年 坂入悦子
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本研究は、「依存」をめぐる社会集団イメージについての先行研究をもとに、日本における外国人労働者と日本人上司・同僚の関係性について調査・検討した。「イメージ理論(Alexander et al., 1999)」をもとにした先行研究では、国際関係(e.g.,日米関係)において、マジョリティー集団がマイノリティー集団に対して「依存」していると認識している場合、マイノリティー集団が経験する差別や被害を正当化につながる傾向がある一方、マイノリティー集団が自集団に対して「依存」イメージを抱いている場合、そうした正当化の傾向は見られなかった(Aikawa, 2021)。本研究では、先行研究の結果が他の依存関係にもあてはまるかどうか検討するため、日本における「外国人労働者」と日本人上司・同僚の関係性に着目した。本研究は、地元の労働人口が減り、技能実習生などの外国人労働者が増加する中国地方(岡山県・広島県)における外国人労働者と、外国人労働者を雇用する企業に勤める日本人を対象にオンラインアンケートを実施した。現時点で収集されたデータを分析した結果、日本人上司・同僚(n = 50)の間では、外国人労働者に対する「依存」イメージは、彼らが経験する労働被害を正当化する傾向につながっていたが、外国人労働者(n = 45、日本滞在歴平均 =4.89年)が自身を依存イメージでみる場合、そうした傾向は見られなかった。一方で、先行研究との違いも見られた。つまり、先行研究では、マイノリティー集団がマジョリティー集団との関係を協力的で平等であるとするイメージが自集団の経験する被害の正当化につながっていた一方、本研究では、外国人労働者が日本人上司・同僚との関係を対立的であると認識している場合、そうした正当化の傾向がみられた。本研究の結果は、国際学術誌において発表する予定である。
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