Internal Special Research Projects
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2024
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本研究は、大学英語授業における学習者の感情とその調整過程に焦点を当て、授業内でのピア・アドバイジング(学習者同士の相談活動)がどのように感情の変容を媒介し、学習への姿勢や自己理解の発達に影響するのかを明らかにすることを目的としている。理論的枠組みとして、社会文化理論(Sociocultural Theory)およびヴィゴツキーの概念perezhivanie(個人が経験を通して意味づける心理過程)を採用した。 2024年度は、大学1年生53名を対象に、1年間にわたり授業後のリフレクションシート、ピア・アドバイジングの録音、自伝的エッセイ、感情調整に関する質問紙を収集し、質的・量的両面から分析を行った。活動別・個人別の分析から、英語使用への不安や自己否定感といったネガティブ感情が、対話や共有経験を通して安心感・自信・充実感へと変化していくプロセスが確認された。また、他者との関わりが感情の受け止め方を変化させ、学習者が自ら感情を調整しようとする意識の形成につながっていた。さらに、教師の支援(質問カードや振り返りコメント)は、感情の言語化や再解釈を促す媒介として機能した。 これらの成果の一部は、2024年の国際学会(AILA、SLTED、ALAA)で発表し、EFL学習者の感情調整に関する新たな知見として報告した。本研究は、感情の発達を学習の中心的要素として捉え直し、言語教育における情意的次元の重要性を示したものである。