Updated on 2025/05/09

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WANG, Jinyun
 
Affiliation
Faculty of Human Sciences, School of Human Sciences
Job title
Assistant Professor(without tenure)
 

Internal Special Research Projects

  • インスリンシグナル分子WDR6を介するオートファジー経路調節とその機能解析

    2024  

     View Summary

    WD repeatprotein 6 (WDR6) は、N末端にグリシン-ヒスチジン、C末端にトリプトファン-アスパラギン酸を配置し、約40~60 アミノ酸のモチーフが4回以上存在する配列であるWDリピートを持つタンパク質である。In vitroにおいてWDR6のノックダウンが、脂質の蓄積を抑制することを⾒出している。しかし、⽣体内においてWDR6 ⽋損が脂肪蓄積に及ぼす影響は、まだ不明な点が多い。本研究では、Hela細胞(ヒト子宮頸がん)、HepG2細胞(ヒト肝がん)、および3T3-L1細胞(マウス前駆脂肪細胞)を用いてCRISPR-Cas9技術によりWdr6をノックアウトし、細胞増殖・脂肪分化・オートファジー関連経路への影響を解析することを目的とする。【⽅法】細胞培養:Hela,HepG2,3T3-L1細胞は、それぞれ適切な条件下(DMEM+10% FBS、37℃、5% CO₂)で培養した。CRISPR-Cas9によるWdr6ノックアウト: Wdr6の特定エクソンに対するgRNAを設計し、Cas9とともに発現ベクターに導入。リポフェクション法を用いて各細胞にトランスフェクションを行い、プルオマイシンで選別することでWdr6遺伝子ノックアウト細胞株を確立した。ノックアウト効率の検証: qPCRを用いてWdr6のmRNA発現を評価して、Wdr6の発現低下を確認した。【細胞増殖能の評価】: CCK-8法により細胞の増殖率を測定。【脂肪分化能の解析(3T3-L1)】: 誘導培地により脂肪分化を誘導し、Oil Red O染色により脂肪滴の形成を観察。【結論】Wdr6をノックアウトした細胞では、いずれの細胞種でも細胞の増殖速度が低下し、3T3-L1細胞では脂肪分化能の著しい低下が確認された。また、ULK1およびp70 S6Kのリン酸化レベルに変化が見られ、Wdr6がオートファジー関連シグナルに関与する可能性が示唆された。ただし、これらの変化の程度や傾向は細胞種によって異なっており、Wdr6の機能が細胞環境に依存する複雑なメカニズムによって制御されている可能性がある。