2026/03/17 更新

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リ カキョウ
李 家橋
所属
附属機関・学校 演劇博物館
職名
助手
 

特定課題制度(学内資金)

  • 元雑劇『竹葉舟』のテキストについての考察

    2025年  

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     元雑劇『竹葉舟』には、元刊本と『元曲選』本の二種類のテキストが存在するが、いずれのテキストにも第四折の套曲の前に他の曲が置かれている。特に元刊本の場合、【節節高】から【柳葉兒】までの八曲はほぼ套曲としての性格を持ち、第四折の套曲の前に配置されることにより、一折内に二つの套曲が現れるという不都合が生じている。 本研究の考察によれば、『竹葉舟』臧本第四折における【村裡迓鼓】から【勝葫蘆】までの四曲は、仙呂【點絳唇】(散誕逍遙)套曲からの借用であることが明らかとなる。元雑劇では、一折につき通常一つの套曲のみが用いられるため、臧本ではこの套曲から四曲だけが選定された。また、その歌唱者は外が扮する列御寇に改められ、すなわち脇役が挿曲を歌う形式が採用されている。これに対し、元刊本第四折の【節節高】から【柳葉兒】までの八曲は、全体としてほぼ一組の套曲と見なすことができる。これら八曲も原作本来の構成ではないが、先行研究が指摘するように商調套曲の一部であり、原作第三折に属すべきものと考えることはできない。むしろ、これら八曲はいずれも仙呂調に属する曲であり、劇団の芸人が散曲から借用し、上演に際して挿唱したものと考えられる。 上記の研究成果は、2026年1月18日に早稲田大学で開催した「中国文学と東アジア漢文学青年学者フォーラム(中国文学与东亚汉文学青年学者论坛)」にて発表した。(発表タイトルは、「元雑劇『竹葉舟』版本考」である。)

  • 元雑劇における南曲についての研究

    2024年  

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    元雑劇における歌唱は、基本的に北曲が用いられているが、現存する作品の中には南曲が挿入されている例も見られる。この現象については先行研究ですでに言及されているものの、現存する元雑劇作品において、南曲が挿入された事例がどれほどあるのかについては、まだ全面的な検証が行われていない。本研究では、先行研究を踏まえ、現存する162種の元雑劇作品をすべて調査した結果、『望江亭』『東坡夢』『蝴蝶夢』『降桑椹』『黄花峪』の5つの作品に、それぞれ【馬鞍児】【月児高】【柳搖金】【青哥児】【駐雲飛】という5種の南曲が挿入されていることを確認した。また、元雑劇に挿入された南曲について、「それは元代の作者によるものではなく、明代の人が後から挿入したものである」と主張する先行研究もある。しかし、本稿では、以下の3点に基づき、元代の舞台上演や作品流布の過程において、元代の人々によって挿入された可能性も十分あると主張する:①元代にはすでに「南北合套」という形式が存在していたこと、②現存する元代の散曲には南曲が含まれていること、③明初の朱有燉による『誠齋雑劇』にも南曲が挿入されていること。したがって、元雑劇における南曲の挿入がすべて明代の人によるものだとは断定できないと考える。この成果は、早稲田大学文学研究科博士学位論文(李家橋『元雑劇の研究』)の一章になっており、2025年9月に提出され、審査を受ける予定である。