Internal Special Research Projects
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ゲーミングシミュレーションのリファインメント支援のための方法論の開発
2024 菊地剛正, 國上真章, 寺野隆雄
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本研究の成果として、外部環境から得られる多様なフィードバックを受け、従来の単なるバグ修正や操作性改善のメンテナンスを超え、ゲームシミュレーションの根幹であるコンセプトやモデルを含む基本仕様の大幅な再構築(アップグレード)を体系的に支援する階層型フレームワークが提案された点が挙げられる。従来のライフサイクルでは、リリース後の問題解決に留まる傾向があったが、本フレームワークは、コンセプト層、モデル層、インターフェース層、オペレーション層の各レイヤーにおいて、外部からの新たな知見、理論、シナリオ追加といった要求に対して柔軟かつ迅速な仕様変更を可能とする仕組みを提供する。具体例として、従来複数プレイヤー向けに設計されたクロスカルチュラル・コミュニケーションゲーム「BARNGA」を、単一プレイヤー環境でも運用できるよう、エージェントの導入とNetLogoによるデジタル実装を通じて再設計した事例が示され、外部環境からのフィードバックに基づいたアップグレードの有効性が議論された。 一方、残された課題としては、提案フレームワークの各レイヤーで操作されるプロセスの具体的な実装方法や、エージェントの行動ロジックの最適化、さらにはリアルタイムで変化する外部要因への適応能力の向上が求められる。加えて、本フレームワークの有用性を実証するための実験的検証が十分でなく、教育、企業研修、医療シミュレーションなど他分野への応用可能性についても、今後の詳細な検討と実証が必要である。これらの課題に対して、さらなる実証実験や理論的検討を重ねることで、より実用的で柔軟なシミュレーション設計手法としての確立が期待される。
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