2024/04/27 更新

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オオタ エレナ
太田 英伶奈
所属
文学学術院 文学部
職名
助教
学位
MSc ( 2016年11月 University of Edinburgh, School of History, Classics and Archaeology )
博士(文学) ( 2024年02月 早稲田大学 )
プロフィール

詳細なプロフィール及び業績は研究者のみに公開しております。

学歴

  • 2017年04月
    -
    2023年03月

    早稲田大学   大学院文学研究科   美術史学コース博士後期課程  

  • 2015年09月
    -
    2016年09月

    University of Edinburgh   School of History, Classics and Archaeology   MSc Late Antique, Islamic and Byzantine Studies  

  • 2014年04月
    -
    2015年03月

    早稲田大学   大学院文学研究科   美術史学コース修士課程  

  • 2010年04月
    -
    2014年03月

    早稲田大学   文学部   考古学コース  

研究分野

  • 美術史   ビザンティン、死生観、終末論

受賞

  • 日本学術振興会「育志賞」

    2023年03月   日本学術振興会   中期ビザンティン美術から⾒る死⽣観――『私審判』と『最後の審判』を中⼼に――  

    受賞者: 太田 英伶奈

  • 早稲田大学美術史学会賞

    2022年07月   早稲田大学美術史学会   ‘A Fig Tree with an Axe Put at its Root: Eschatological Representation in a Byzantine Psalter (cod. Dionysiou 65)’, Mediterraneus: Annual Report of the Collegium mediterranistarum(『地中海学研究』)44, pp. 31–47.  

    受賞者: 太田 英伶奈

 

論文

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Misc

 

特定課題制度(学内資金)

  • 死者を追悼するビザンティン写本――パリ74番制作動機・用途特定の試み

    2023年  

     概要を見る

     本研究計画ではパリ国立図書館が所蔵するギリシア語74番写本(11世紀、以下パリ74番)がコンスタンティノポリスの亡きストゥディオス修道院長を追悼するために制作された可能性を、以下の3項目から検証する。即ち、①献呈図における人物の動作、②献呈銘文における発話主、そして③献呈銘文における死の婉曲表現である。2023年度は項目②および③を検証する予定であったが、項目①の検証に使用する研究材料が思いの外早く揃えられたため、予定を変更して項目①を検証した。  ビザンティンの献呈図では現実の人間である献呈者が聖なる存在に物体を奉る構図が通例であるにも関わらず、パリ74番では聖なる存在である福音書記者が献呈者であるストゥディオス修道院長に物体を授与する献呈図が3回繰り返される。つまり、通常の献呈図とは献呈者と被献呈者の役割が逆転しているのである。このような「逆転」した構図を持つ献呈図が他にもないか調べたところ、パリ74番とほぼ同時期の11世紀後半から12世紀前半にかけて3作例(うち1作例は現存せず、文献上でのみ記録される)存在することが判明した。しかも、これら3作例は全て皇帝の注文による作であった。したがって、「逆転」の献呈図は本来皇帝にのみ使用が許された図像であったと云える。この成果を2024年3月19日に台湾中央研究院にて開催されたAFOMEDI 2024Conferenceにて報告した。 項目①のみを検証した限りでは、パリ74番が世を去ったストゥディオス修道院長を偲んで制作された可能性はむしろ遠ざかったように思える。というのも、皇帝専用の図像である「逆転」の献呈図が引用されたのは、このストゥディオス修道院長の権威を効果的に示すためであり、本人が生前に指示して描かせた可能性も充分考えられるからである。2024年度も引き続き同じ研究計画を特定課題研究費助成のもと進め、項目②および③を検証する予定である。