2024/12/21 更新

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オオタ エレナ
太田 英伶奈
所属
文学学術院 文学部
職名
助教
学位
MSc ( 2016年11月 University of Edinburgh, School of History, Classics and Archaeology )
博士(文学) ( 2024年02月 早稲田大学 )
プロフィール

詳細なプロフィール及び業績は研究者のみに公開しております。

学歴

  • 2017年04月
    -
    2023年03月

    早稲田大学   大学院文学研究科   美術史学コース博士後期課程  

  • 2015年09月
    -
    2016年09月

    University of Edinburgh   School of History, Classics and Archaeology   MSc Late Antique, Islamic and Byzantine Studies  

  • 2014年04月
    -
    2015年03月

    早稲田大学   大学院文学研究科   美術史学コース修士課程  

  • 2010年04月
    -
    2014年03月

    早稲田大学   文学部   考古学コース  

研究分野

  • 美術史   ビザンティン、死生観、終末論

受賞

  • 日本学術振興会「育志賞」

    2023年03月   日本学術振興会   中期ビザンティン美術から⾒る死⽣観――『私審判』と『最後の審判』を中⼼に――  

    受賞者: 太田 英伶奈

  • 早稲田大学美術史学会賞

    2022年07月   早稲田大学美術史学会   ‘A Fig Tree with an Axe Put at its Root: Eschatological Representation in a Byzantine Psalter (cod. Dionysiou 65)’, Mediterraneus: Annual Report of the Collegium mediterranistarum(『地中海学研究』)44, pp. 31–47.  

    受賞者: 太田 英伶奈

 

論文

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書籍等出版物

  • Byzantine Silk on the Silk Roads

    Clarke, Sarah E. Braddock, Yamanaka Kondo, Ryoko( 担当: 共編者(共編著者),  担当範囲: Collections of Museums, Cathedrals and Churches (Chap. 10))

    Bloomsbury  2022年09月 ISBN: 9781350103740

  • 戦争と文化遺産 : イラク戦争による文化遺産の破壊

    江添, 誠, 間舎, 裕生, 国士舘大学イラク古代文化研究所( 担当: 共訳,  担当範囲: 19世紀から2003年に至るまでの合法的・非合法的なイラクにおける古物の獲得(第4章)」、「2003年4月のイラク博物館略奪の背景(第5章)」)

    [出版者不明],白峰社  2021年03月 ISBN: 9784938859350

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 死者を追悼するビザンティン写本――パリ74番制作動機・用途特定の試み

    早稲田大学  特定課題研究

    研究期間:

    2024年04月
    -
    2025年03月
     

  • ビザンティン建築における西欧性:画像認識を用いた他分野協働型アプローチ

    公益財団法人 鹿島学術振興財団  一般研究助成

    研究期間:

    2024年04月
    -
    2025年03月
     

    樋口 諒, 村田 光司, 武田 一文, 太田 英伶奈, 堀田 一弘, Perdikoulias, Panagiotis, Condorelli, Francesca

  • 死者を追悼するビザンティン写本――パリ74番制作動機・用途特定の試み

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2023年08月
    -
    2025年03月
     

    太田 英伶奈

  • 死者を追悼するビザンティン写本――パリ74番制作動機・用途特定の試み

    早稲田大学  特定課題研究

    研究期間:

    2023年04月
    -
    2024年03月
     

  • 三次元アーカイブズの構築によるギリシャ・ラコニア地域聖堂群の研究資源化と社会的機能の解明に向けた多分野協働型研究

    公益財団法人 鹿島学術振興財団  一般研究助成

    研究期間:

    2022年04月
    -
    2024年03月
     

    村田 光司, 樋口 諒, 武田 一文, 太田 英伶奈

  • 研究史料としての建築の三次元学術編集モデル作成の試み:ギリシャ、ラコニア地方の教会建築遺構を対象として

    公益財団法人 大幸財団  第10回人文・社会科学系学術研究助成

    研究期間:

    2021年10月
    -
    2023年03月
     

    樋口 諒, 村田 光司, 武田 一文, 太田 英伶奈

  • 盛期ビザンティン美術から見る死生観――「私審判」と「最後の審判」を中心に――

    日本学術振興会  若手研究者海外挑戦プログラム

    研究期間:

    2022年06月
    -
    2022年09月
     

    太田 英伶奈

  • コムニノス朝期ビザンティン美術における終末観――審判と天国・地獄の表現を中心に――

    公益財団法人 日本科学協会  笹川科学研究助成

    研究期間:

    2021年04月
    -
    2022年02月
     

    太田 英伶奈

  • 死者を記念するビザンティンの挿絵入り写本

    公益財団法人 鹿島美術財団  鹿島美術財団「美術に関する調査研究」助成

    研究期間:

    2020年05月
    -
    2021年11月
     

    太田 英伶奈

  • ビザンティン写本挿絵における貴族詩篇の研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費

    研究期間:

    2018年04月
    -
    2020年03月
     

    太田 英伶奈

     概要を見る

    本年度は現存する貴族詩篇74作例のうちアトス山ディオニシウ修道院65番写本(12世紀前半)に焦点を絞って研究活動を行った。当写本に注目した理由は、名前の判明している写本のパトロンたる人物が死者として描かれる特異な挿絵を持ち、写本制作の動機や工房を解明する手がかりが他の作例より多かろうと推測したためである。
    2019年5月には、ディオニシウ65番の冒頭の挿絵群の大部を占める「サバス(写本のパトロン)の審判と救済サイクル」を構成する3枚6場面の挿絵に関する論考を「死を想うための挿絵――ビザンティン詩篇写本(ディオニシウ65番)に見られる審判と救済――」と題して『WASEDA RILAS JOURNAL』第7号に投稿した。これらの挿絵に描かれているのは死の直後に起きる私審判と世の終末の日に起こる最終審判の両方であり、その2つを無事に掻い潜って天国で永遠の生に与るというパトロンの理想を表し、これを実現するためにパトロンは挿絵を見て自らの死後を観想したものである、と結論づけた。
    続いて、2019年3月に日本ビザンツ学会第17回大会で行った口頭発表「ディオニシウ65番の挿絵について ――聖母予型と注文主の救済――」の内容を推敲したものを、同年6月に美学会機関紙『美学』第255号に投稿した。この論文はディオニシウ65番の冒頭の挿絵サイクルの掉尾を飾る3枚の挿絵が挿絵サイクル内で担う機能について、予型論という視座から考察を加えたものである。挿絵中でソロモンが持つ箴言31章29節の文言と、次葉のダヴィデが持つ詩篇44篇11節の文言が、同時期の聖堂装飾における類例に鑑みて、受胎告知の予型を示唆していると考えた。こうした研究の結果、当写本の挿絵はサバスが死後の運命を観想し、聖母に救済を願うための装置であると推測できる。

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Misc

  • 僕の背きの罪は赦されよ――オフリド、スヴェータ・ソフィヤ聖堂エクソ・ナルテクス ギャラリーの装飾プログラム――

    太田 英伶奈

    地中海学会月報   460   6 - 6  2023年07月

    研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)  

  • ベルティノーロの『湖の聖母』イコン

    太田 英伶奈

    地中海学会月報   435   5 - 5  2020年

    その他  

 

特定課題制度(学内資金)

  • 死者を追悼するビザンティン写本――パリ74番制作動機・用途特定の試み

    2023年  

     概要を見る

     本研究計画ではパリ国立図書館が所蔵するギリシア語74番写本(11世紀、以下パリ74番)がコンスタンティノポリスの亡きストゥディオス修道院長を追悼するために制作された可能性を、以下の3項目から検証する。即ち、①献呈図における人物の動作、②献呈銘文における発話主、そして③献呈銘文における死の婉曲表現である。2023年度は項目②および③を検証する予定であったが、項目①の検証に使用する研究材料が思いの外早く揃えられたため、予定を変更して項目①を検証した。  ビザンティンの献呈図では現実の人間である献呈者が聖なる存在に物体を奉る構図が通例であるにも関わらず、パリ74番では聖なる存在である福音書記者が献呈者であるストゥディオス修道院長に物体を授与する献呈図が3回繰り返される。つまり、通常の献呈図とは献呈者と被献呈者の役割が逆転しているのである。このような「逆転」した構図を持つ献呈図が他にもないか調べたところ、パリ74番とほぼ同時期の11世紀後半から12世紀前半にかけて3作例(うち1作例は現存せず、文献上でのみ記録される)存在することが判明した。しかも、これら3作例は全て皇帝の注文による作であった。したがって、「逆転」の献呈図は本来皇帝にのみ使用が許された図像であったと云える。この成果を2024年3月19日に台湾中央研究院にて開催されたAFOMEDI 2024Conferenceにて報告した。 項目①のみを検証した限りでは、パリ74番が世を去ったストゥディオス修道院長を偲んで制作された可能性はむしろ遠ざかったように思える。というのも、皇帝専用の図像である「逆転」の献呈図が引用されたのは、このストゥディオス修道院長の権威を効果的に示すためであり、本人が生前に指示して描かせた可能性も充分考えられるからである。2024年度も引き続き同じ研究計画を特定課題研究費助成のもと進め、項目②および③を検証する予定である。