2024/04/29 更新

写真a

ハヤミズ ケンゴ
速水 建吾
所属
商学学術院 商学部
職名
助手
 

特定課題制度(学内資金)

  • サービスロボットのデザインが消費者行動に及ぼす影響に関する定量的研究

    2023年  

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     今日、サービスロボットはヘルスケアからレストランに至るまで、多様なサービス領域で活用されており、サービスロボットに対する消費者の認知や態度を明らかにすることは、学術的にも実務的にも重要である。本研究の目的は、サービスロボットに対する消費者の態度に、ロボットの外見的なデザインが及ぼす影響を検討することである。特にサービスロボットのキュートネスと消費者の協力的な態度の関係に着目した。先行研究ではキュートネス知覚の高まりは、消費者の共感や向社会的行動を促進するとされる。したがって本研究では、キュートネスが高く知覚される幼児と類似した外見的特徴をもつサービスロボットは消費者の協力意向を高めると予測した。オンライン実験の結果、キュートネスが高いロボットは、キュートネスが低いロボットと比較して、サービス提供時に消費者の協力意向が高まる傾向にあることが確認された。 さらに調査や文献レビューによって、サービスロボットのデザインとロボットに対する態度の関係をより深く検討するには、サービスロボットを利用する企業の組織要因も考慮する必要があることが明らかになった。とりわけ消費者の企業規模知覚は消費者の意思決定に強く影響する重要な組織要因である。そのため、企業規模知覚が消費者のサービスロボットに対する態度にどのように影響するかを調査した。オンライン実験を実施した結果、大規模と認識された企業のサービスロボットに対し、消費者はより好意的な態度を示すことを確認した。また企業規模知覚がサービスロボットの態度に与える影響は、パフォーマンス期待によって媒介されることも確認した。今後の研究では企業規模知覚をはじめとする組織要因がサービスロボットのデザインとどのように相互作用し、サービスロボットに対する消費者態度に影響を及ぼすのか検討する必要がある。