Updated on 2024/05/03

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NAKANISHI, Nao
 
Affiliation
Faculty of Education and Integrated Arts and Sciences, School of Education
Job title
Assistant Professor(without tenure)
 

Syllabus

 

Internal Special Research Projects

  • ベスタ隕石及びメソシデライト隕石の同位体組成からみる天体ベスタのコアマントル分離

    2023  

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    ベスタ隕石及びメソシデライト隕石の元素・同位体分析により、その起源と進化を議論する事を最終目標に今年度はタングステン同位体分析法の確立を目指した。分析は(1)試料分解とイオン交換樹脂を用いたタングステンの分離工程と(2)表面電離型質量分析装置を用いたタングステン同位体測定工程に大別できる。これらの工程でタングステンが高回収率で分離され、精度よく同位体比が測定されることをタングステン標準溶液、鉄隕石試料を用いてテストした。その結果、(1)の化学処理工程においては、数種類の分離方法を試し、メソシデライト隕石のような鉄ニッケルが多く含まれる試料の場合、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂を組み合わせることでタングステンが効率的に分離できることがわかった。(2)の装置分析の工程ではタングステン測定に最適な装置設定を検討した上で、測定に用いるフィラメント、アクチベータの種類を変えながらタングステンビーム強度が一番高く出るための条件を比較した。その結果、タングステン標準溶液を用いた測定で182W/184W同位体比の繰り返し再現性~5 ppm(2SD)を達成する事が出来た。これら結果を踏まえて、天然試料である化学処理工程を行った鉄隕石試料について測定を行ったところ、参考文献値と誤差の範囲で一致した182W/184W比を得ることができた。