Updated on 2024/12/21

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KITANO, Shuhei
 
Affiliation
Faculty of Science and Engineering, School of Advanced Science and Engineering
Job title
Assistant Professor(non-tenure-track)
 

Syllabus

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Internal Special Research Projects

  • 完全非線形微分積分方程式の粘性解理論

    2023  

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    本研究課題は完全非線形方程式における粘性解の正則性理論である。特に(1)広範な完全非線形方程式に適用できる汎用性の高い解析手法の開発、(2)完全非線形方程式に現れる「臨界性」の考察、特徴や構造の解明を目標として研究を行った。Hongjie Dong 教授(アメリカ・ブラウン大学)との共同研究で完全非線形方程式の中でも単純なPucci方程式について考察を行なった。方程式の劣解に対してCalderon-Zygmund型評価やさらに4階微分に対する楕円型評価、最大値原理と楕円型評価に対する臨界指数の関係性、Lp空間やBorel測度を外力項に含む完全非線形方程式に対する解の存在等の結果を得た。既存の多くの結果がソボレフ指数の端点であるp=1において破綻する一方、今回得られたCalderon-Zygmund型評価はp=1で成り立つという新しい結果を得た。これは、方程式の強い非線形性が解の正則性を良くするように働いたことを表した結果である。また、Lp空間やBorel測度を外力項に含む完全非線形方程式に対する解の存在の証明においても既存の結果は適用できない。実際、完全非線形方程式に対する弱解としてよく扱われる粘性解やLp粘性解は最大値原理に基づいているため解が連続であることが前提となるがBorel測度が方程式に現れる場合、それは期待できない。本研究では独自の解の概念(the largest subsolutionと呼ぶ)を提案し、その性質について考察を行なった。