2026/04/15 更新

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ワタナベ ルリコ
渡邉 るりこ
所属
理工学術院 創造理工学部
職名
講師(任期付)
 

現在担当している科目

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特定課題制度(学内資金)

  • 作業支援システム構築に向けた作業者状態推定手法の拡張

    2025年  

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     産業分野における人材不足の解消には,従業員の身体的・心理的状態をリアルタイムで捉え,適切な支援を行うシステムの構築が不可欠である.本研究では,ウェアラブルセンサーから得られる生体情報に基づき,作業ミスの予測や集中状態の推定を行い,それに応じた作業支援を提供する手法の提案を目的とした.令和7年度の成果として,従来の異常検知手法を変分オートエンコーダ(VAE)へと拡張し,多角的な状態推定モデルを構築した.これにより,従来の二値的な作業ミス予測に加え,作業者の集中状態を含む複数の内的状態を同時に推定することが可能となった.集中状態の指標としては,特に視線の注視分散に着目し,作業者の認知負荷や注意力の散漫を定量的に評価するアルゴリズムを開発した.推定された作業状態に基づく将来的な適応支援を見据え、リアルタイムで視覚的な補助を行うAR作業支援システムの基礎開発を行った.本システムは,作業手順を現実空間に重畳表示するものであり,今後の推定された作業状態に基づく支援に向けた基盤となる.また,AR支援が作業者に与える影響を評価するため,生体情報に対して解析することで,ARによる情報提示が作業者の認知負荷や集中状態に及ぼす特性を明らかにした. 以上の通り,本研究は生体情報に基づく状態推定手法の構築から,ARを用いた支援システムの試作,生体影響の定量的評価までを体系化した.これは,将来的な生体情報フィードバック型支援システムの実現に向けた重要な基盤技術であり,人間中心の生産システムを構築する上で進展であるといえる.

  • 従業員ウェルビーイングを考慮したリアクティブスタッフスケジューリング手法

    2024年  

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     人材不足を解決するために従業員のモチベーションを高め生産性を向上させるためには,従業員のストレスや満足度を正確に把握し,その状態に適した働き方が可能な労働現場を実現することが重要である.本研究では,ウェアラブルセンサーや業務記録を用いて従業員の身体的・心理的健康状態のモニタリングし,作業中の従業員の状態をリアルタイムで推定することにより各従業員の状態に合わせて業務全体を考慮するリアクティブスタッフスケジューリング手法の提案を目的とした. 令和6年度の成果として,実証実験により生体情報を計測し,従業員の作業状態を推定するための手法が提案された点が挙げられる.実証実験では,セル生産現場を想定したピン刺し作業の実証実験を行い,ウェアラブルセンサを用いて,被験者10名に対して脳血流量・心拍数を計測した.作業状態の中でも業務全体への影響が大きい作業ミスに着目し,予測モデルを構築するとともに,作業ミスが生じる際にどのような負荷がかかっているかを理解するための解釈手法を提案した.作業ミス予測モデルは,異常検知手法であるオートエンコーダを用いて構築し,個人差はあるものの,作業ミスの発生が予測可能となった.解釈手法には,XAIの代表的な手法である統合勾配を拡張することにより,オートエンコーダに適用可能な解釈手法を提案した.提案手法を用いて作業ミスの要因を分類することにより,個人の状態に適した従業員への作業支援が可能となることが示唆された. 本研究では,スタッフスケジューリングにおいて従来考慮される従業員のシフト希望や能力に加えて,今年度の成果により,生体情報から推定される従業員の状態が考慮可能となる点において,進展したといえる.