2025/05/08 更新

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ハラ カズヒロ
原 和弘
所属
商学学術院 商学部
職名
准教授
 

現在担当している科目

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学内研究所・附属機関兼任歴

  • 2023年
    -
    2059年

    産業経営研究所   兼任研究所員

特定課題制度(学内資金)

  • 戦略的確率的選択行動の研究

    2024年   Marcel Prado

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    本研究は意思決定における確率的選択を、ゲーム理論的な戦略(特に進化的に安定な戦略ESS)として捉え直し、その特徴づけや既存モデルとの比較を通じて、戦略的意思決定と限定合理性の関係解明を目指すものである。研究を進める中でESSとしての確率的選択の特徴づけにおいて数理的な困難に直面した。それと同時に、戦略的状況下での選択を考える上で、プレイヤーが膨大な選択肢の中から実際に考慮する範囲をどのように限定しているのか、という限定合理性の基本的な側面を形式化する必要性が強く認識された。このため、研究の焦点を当初の確率的選択の分析から、より基礎的で普遍的な現象である「考慮集合の小ささ」の形式化へと移行した。この「小ささ」を厳密に扱うため、「小さい集合」の数学的概念を用い、常に選択結果が全体集合の一部に留まるような選択行動を表す「小さい選択対応 (Small Choice)」を新たに定義した。その数学的な特徴付けを行い、構造を明らかにするとともに、この枠組みを選好最大化、逐次的選択、単調閾値表現、類似性に基づく誤りといった主要な意思決定モデルに適用し、「小ささ」が各モデルのパラメータ(選好構造、効用関数の値域、類似性の範囲など)とどう関連するかを分析した。これらの研究成果は論文「Small Choice」としてまとめた。

  • 戦略的確率的選択行動の研究

    2023年   Marcel Prado

     概要を見る

    本研究は戦略的な確率的選択行動を理論的に研究するものである。戦略的な確率的選択行動をゲームにおける混合戦略均衡として説明するモデルについて考察し、そうしたモデルが選択行動のデータに課す制約条件を明らかにすることを目的にしている。本年度に得られた研究成果は以下の通りである。研究に値するモデルが複数考えられたがその中でも均衡概念として進化的安定な戦略を用いるものについて考察することにした。進化的安定な戦略はプレイヤーが2人の対称なゲームの対称な均衡概念だから、それを記述するのに必要なのはプレイヤーの戦略の集合とその集合上の確率分布である。この枠組みは確率的選択の枠組みと数学的には同じものなので、当該モデルに関して得られる結果は2人対称ゲームにも直ちに適用できる。このように当該モデルは応用範囲が広いという利点がある。このモデルに関して、観察される確率分布がフルサポートであるという追加的な条件を仮定した場合の特徴付けを与えた。今後は追加的な条件を仮定しない場合の特徴付けの導出を目指す。また得られた特徴付けを用いて既存の確率的選択のモデルが進化的に安定であるかを明らかにする。