Updated on 2025/09/17

写真a

 
KIKUNO, Masayuki
 
Affiliation
Faculty of Education and Integrated Arts and Sciences, School of Education
Job title
Professor

Research Experience

  • 2024.04
    -
    Now

    Toyo University

  • 2024.04
    -
    Now

    Waseda University   Faculty of Education and Integrated Arts and Sciences

  • 2023.04
    -
    Now

    Hokkaido University of Education

  • 2024.10
    -
    2025.03

    University of Tsukuba

  • 2023.04
    -
    2024.03

    Waseda University   Faculty of Education and Integrated Arts and Sciences

  • 2016.04
    -
    2023.03

    Associate Professor

  • 2014.04
    -
    2016.03

    Lecturer

  • 2013.04
    -
    2014.09

    Others

  • 2013.04
    -
    2014.03

    Others

  • 2012.04
    -
    2014.03

    Others

  • 2011.04
    -
    2012.03

    Others

  • 2009.04
    -
    2011.03

    Research Assistant

  • 2007.04
    -
    2009.03

    Others

  • 2006.04
    -
    2007.03

    Others

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Committee Memberships

  • 2024.08
    -
    Now

    早稲田大学国語教育学会  事務局・総務

  • 2024.04
    -
    Now

    日本国語教育学会高校部会  運営委員

  • 2023.09
    -
    Now

    国語教育史学会  運営委員

  • 2013.03
    -
    Now

    早稲田大学国文学会  評議員

  • 2014.04
    -
    2023.03

    釧路国語教育研究会  顧問

Professional Memberships

  •  
    -
    2025.03

    軍記と語り物研究会

  •  
    -
    2023.03

    解釈学会

  •  
    -
    2023.03

    北海道教育大学語学文学会

  •  
    -
    2021.03

    日本文学協会

  •  
    -
    2020.03

    横浜国立大学国語教育研究会

  •  
     
     

    日本読書学会

  •  
     
     

    日本国語教育学会

  •  
     
     

    早稲田大学国文学会

  •  
     
     

    早稲田大学国語教育学会

  •  
     
     

    全国大学国語教育学会

  •  
     
     

    国語教育史学会

  •  
     
     

    横浜国立大学国語・日本語教育学会

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Research Areas

  • Education on school subjects and primary/secondary education

Research Interests

  • 教材研究

  • 古典教育

  • 国語教育史

  • 国語科教育学

 

Papers

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Books and Other Publications

  • 実践国語科教育法 : 「楽しく、力のつく」授業の創造

    浅田, 孝紀, 岩崎, 淳, 幸田, 国広, 高山, 実佐, 町田, 守弘,菊野雅之( Part: Joint author, 9章 国語科の評価 pp.103-115)

    学文社  2024.03 ISBN: 9784762032820

  • 文化権力と日本の近代 : 伝統と正統性、その創造と統制・隠滅 = Cultural power and modern Japan : creation, control, manipulation of tradition and legitimacy

    徐, 禎完, 鈴木, 彰, 榊原, 千鶴, 宋, 錫源, 松澤, 俊二, 呉, 佩珍, 李, 鍾淑, 湯本, 優希, Ewijk, Aafke van, 平田, 英夫, 菊野, 雅之

    文学通信  2023.12 ISBN: 9784867660270

  • 国語科教育学研究の成果と展望

    全国大学国語教育学会( Part: Joint author, 歴史研究の成果と展望)

    溪水社  2022.09 ISBN: 9784863276079

  • 全国学力・学習状況調査の問いと教科書教材を結びつけ、授業改善に生かす

    教育出版  2019.08

     View Summary

    道標・2019年・vol39・14-17

  • 子どもの”総合的な能力”の育成と生きる力

    玉井康之, 北海道教育大学釧路校教師教育研究会( Part: Joint author, 総合的な国語力の育成と学力・能力形成)

    北樹出版  2017.03

  • 連載第6回 こうすれば面白い!古典の授業づくり 個性の発揮としての現代語訳/想像力の源泉としての古典―主体的・協働的な学習を通して―

     View Summary

    教育科学国語教育 2月 No795 pp.118-119

  • 連載第5回 こうすれば面白い!古典の授業づくり 言語抵抗のない古典指導へ―視覚情報を援用する―

     View Summary

    教育科学国語教育 2016年 No794 pp.118-119

  • 連載第4回 こうすれば面白い!古典の授業づくり 学習者の問題意識にコミットする教材選択×協働学習で磨く

     View Summary

    教育科学国語教育1月号 No793 2016.1 pp.118-119

  • 連載 第3回 こうすれば面白い!古典の授業づくり 感性と情緒を育む帯単元と学習者の主体性を引き出す歌合

     View Summary

    教育科学国語教育 2015年292号 pp.118-119

  • 連載 第2回 こうすれば面白い!古典の授業づくり 生徒の疑問を比べ読みで解消する

     View Summary

    教育科学国語教育 10月号

  • 連載 第1回 こうすれば面白い!古典の授業づくり 読書で学習者と古典をつなぐ

     View Summary

    教育科学国語教育 2015.10.1 57-10

  • 索引制作協力『平家物語研究大事典』

  • 林和弘著『人間国宝 野村万作の世界』

     View Summary

    早稲田大学国語教育学会『早稲田大学国語教育研究』31

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Presentations

  • 学習指導要領の守破離

    菊野雅之  [Invited]

    第148回全国大学国語教育学会(三重大会)公開講座 

    Presentation date: 2025.06

  • これからの高校国語教育研究会10周年記念例会 講演

     [Invited]

    これからの高校国語教育研究会 

    Presentation date: 2025.05

  • 近代教育における古典教育

    菊野雅之  [Invited]

    古典教育における韓日比較  (早稲田大学早稲田キャンパス14号館407教室)  吉田 文

    Presentation date: 2025.01

    Event date:
    2025.01
    -
     
  • 学習者の言葉の力を育む古典教育を目指して

    菊野雅之  [Invited]

    早稲田大学国語教育学会・国語教育史と実践に学ぶ会 

    Presentation date: 2024.12

  • 指導事項の分析から立ち上げる単元構想ー「言語文化」・「古典探究」を中心にー

     [Invited]

    長野県国語国文学会研究大会 

    Presentation date: 2023.12

  • 学習指導要領の守破離―指導事項を視点とした古典学習における学習目標と学習過程の検討

    菊野雅之  [Invited]

    同志社大学古典教材開発研究センター オンライン 第7回コテキリの会「このゆびとまれ!古典の未来を切り拓く仲間たち」 

    Presentation date: 2023.09

  • 問題意識の醸成と古典教材の再発見

    菊野雅之  [Invited]

    早稲田大学国語教育学会第295回例会 

    Presentation date: 2022.04

  • 国民国家論を離れた地点からの古典学習の構築は可能か 古典学習の機能と教材開発の視点

    菊野雅之  [Invited]

    釧路国語教育学会 国語を学ぶ会 第132回 

    Presentation date: 2022.02

  • 中学校国語科における定期考査作成過程の検討ー全国学力・学習状況調査・高校入試・学習指導要領を土台にしてー

    菊野雅之, 佐々木来望

    全国大学国語教育学会仙台大会  (宮城教育大学)  全国大学国語教育学会

    Presentation date: 2019.10

  • 社会的リソースとしての中等国語読本・女学校国語読本・文法読本データベース作成に向けて

    菊野雅之, 小笠原拓, 信木伸一, 八木雄一郎

    全国大学国語教育学会  (茨城大学)  全国大学国語教育学会

    Presentation date: 2019.06

  • 指導事項を観点とした教材研究の方法論

    国語を学ぶ会  (北海道教育大学釧路校)  釧路国語教育学会

    Presentation date: 2017.10

  • 学習指導要領を読むことを改めて考えるー次期学習指導要領を見据えつつー

     [Invited]

    平成29年度釧路国語教育研究会学習会  釧路国語教育研究会

    Presentation date: 2017.05

  • H27年度の講義のふりかえりー小国法・中国法・高国法・国語表現・国語科教育学特講・免許講習ー

    国語を学ぶ会 

    Presentation date: 2016.03

  • 古典教育はどう展開されるべきか

    国語を学ぶ会 

    Presentation date: 2015.07

  • 「国語を学ぶ会」50回記念大会

    小原俊

    国語を学ぶ会 

    Presentation date: 2015.06

     View Summary

    大会2日目の4つの報告に対する指定討論者として発言を行った。

  • 2014年度 書評を書き書評を読む活動の成果報告

    国語を学ぶ会 

    Presentation date: 2015.05

  • 落合直文『訂正中等国語読本』の編集経緯に関する基礎的研究

    国語を学ぶ会 

    Presentation date: 2015.04

  • 平成27年度「中学校国語科教育法」の講義構想-全国学力・学習状況調査と授業アイディア例をソフトとして活用した指導案作成-

    国語を学ぶ会 

    Presentation date: 2015.03

  • 落合直文『中等国語読本』の各版における教材の文体変遷に見る古典教材観の変容―補訂者森鴎外と萩野由之にもふれつつ

    釧路国語教育学会 

    Presentation date: 2015.01

  • 近代の中等国語読本にみる言文一致体・普通文・古文の関係性ー明治・大正・昭和初期における文体観の変遷と古文教材の関係性序説

    語学文学会  (北海道教育大学札幌駅前サテライト)  北海道教育大学国語グループ

    Presentation date: 2014.10

  • B問題を作成する―単元を貫く言語活動を入れ子にした講義構想―

    釧路国語教育学会 

    Presentation date: 2014.09

  • 評論文を図式化して読む

    釧路国語教育学会 

    Presentation date: 2014.07

  • 「国語表現」の構想と経過報告ー書評を読み、書評を書くー

    釧路国語教育学会 

    Presentation date: 2014.06

  • 言語活動―生徒の主体性の発揮される教室を―

     [Invited]

    埼玉大学国語教育学会 言語活動の充実について(シンポジウム)  (埼玉大学)  埼玉大学国語教育学会

    Presentation date: 2013.12

  • 「扇の的」教材研究―無視される古つわものの言葉、与一を殺す義経―

    さいたま国語教育学会 

    Presentation date: 2013.09

  • 明治中期における古典教育論の確立-大日本教育会国語科研究組合の意見をめぐって-

    全国大学国語教育学会  (筑波大学)  全国大学国語教育学会

    Presentation date: 2012.05

  • 近世と決別した明治教科書制作者新保磐次

    早稲田中世の会  (早稲田大学)  早稲田中世の会

    Presentation date: 2011.03

  • 古典教科書のはじまり-稲垣千穎編『本朝文範』『和文読本』『読本』-

     [Invited]

    棚倉町主催歴史講座講演  (福島県棚倉町)  棚倉町

    Presentation date: 2011.02

  • 教材『平家物語』のはじまり

    全国大学国語教育学会  全国大学国語教育学会

    Presentation date: 2009.10

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Research Projects

  • 読むことの学習における発問の構成要素・成立要因の解明

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    Project Year :

    2025.04
    -
    2029.03
     

    菊野 雅之

  • 大正昭和期古典教育論の実相の解明と中等教科書データーベースの構築に関する基盤研究

    基盤研究(C)

    Project Year :

    2017.04
    -
    2020.03
     

    府川源一郎, 八木雄一郎

  • 柳田国男監修高等学校国語科教科書所収教材の実験的・連携的研究

    基盤研究(C)

    Project Year :

    2015.04
    -
    2018.03
     

  • 学力困難地域における学校・家庭・地域を通じた総合的な学力向上推進方策に関する研究

    基盤研究(B)

    Project Year :

    2016.04
    -
    2017.03
     

  • 言文一致運動の中にみる明治・大正・昭和初期の古典教育論形成過程に関する実証的研究

    若手研究(B)

    Project Year :

    2015.04
    -
    2017.03
     

  • 明治最初期の古典教科書と編者稲垣千穎に関する研究

    日本学術振興会  科研費若手研究(B)

    Project Year :

    2011.04
    -
    2012.03
     

    菊野 雅之

     View Summary

    国語科教育における古典教育は明治最初期においてどのような形で始発したのか。その具体的な様相を明らかにすることが本研究の目標である。その古典教育論の形成の歴史的経緯を整理することを通して,今後の古典教育の議論にとって,必須となる内容を提示することになるはずである。
    H23年度においては,明治期最初の古典教科書編者である稲垣千穎の周辺に焦点を当て,東京師範学校の稲垣の後任にあたる新保磐次ついて調査を進めた。稲垣千穎が近世国学の理念を土台に中古文学を文範として把握したのに対して,新保磐次は,言文一致体としての普通文形成とその普及を目指した。新保磐次の経歴や思想を明らかにしつつ,新保磐次が編集した『日本読本』『中学国文読本』『中学国文史』を精読し,教材がどのような基準によって選抜されていったのかを明らかにした。新保は普通文の文範として,中世近世の和漢混清文を評価し教材化したのである。本調査の成果はすでに日本読書学会『読書科学』へと論文を投稿済であり,査読中の段階にある。
    また,明治期の学習指導要領とも言える中学校教授要目の土台となった大日本教育会国語研究組合の意見の形成について調査を進めた。本来はH24年度に調査する予定となっていが,稲垣の後任新保磐次の教科書編集に大きな影響力を示し,また中学校教授要目への影響力も大きかったことが明らかになるにつれ,より喫緊の課題であると判断した。
    14名の組合員は,普通文教育に尽力した東京師範学校関係者,日本文章会会員,日本文学史編者などで構成され,稲垣千穎のような近世国学派は所属していない。明治中期において普通文教育を大前提とした教材編集の方向が明確に打ち出されることになるのである。この成果は,24年5月に開催される全国大学国語教育学会大会(筑波大学)において,口頭発表することが決定している。

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Misc

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Other

  • 菊野研究室チャンネル配信

    2023.07
    -
    Now

     View Summary

    https://www.youtube.com/channel/UC_shc2dO9EPLDVJiU-ZNACA

 

Syllabus

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Social Activities

  • 早稲田大学国文学会 評議員

    2011.04
    -
    Now

  • 国語科における学習指導要領の着実な実施に向けて 第2回

    釧路教育局 

    2025.02
    -
     

  • 国語科における学習指導要領の着実な実施に向けて 第1回

    釧路教育局 

    2024.09
    -
     

  • 釧路国語教育研究会 顧問

    2014.04
    -
    2023.03

  • 免許更新講習講師

    2019.12
     
     

  • 第72回 北海道国語教育研究大会釧路大会 助言者(2017.10.6)

    (釧路市立鶴野小学校) 

    2017.10
    -
     

  • 第47回 全国小学校国語教育研究大会北海道大会 助言者(2017.10.6)

    (釧路市立鶴野小学校) 

    2017.10
    -
     

  • 早稲田大学国語教育学会 事務局

    2009.04
    -
    2011.03

  • 棚倉町主催歴史講座講演

    2011.02
    -
     

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Sub-affiliation

  • Faculty of Education and Integrated Arts and Sciences   Graduate School of Education

Internal Special Research Projects

  • 古典学習単元開発理論とモデル形成のための国文学研究と教育学研究の融合に関する研究

    2024  

     View Summary

     国語科教育における古典単元の導入のしかけづくり、教材作成と言語活動の工夫について調査を行い、その具体的な単元案の提案を行った。 単元の導入は、単元を通して育ていたい学習者の姿をイメージすることが重要であり、その姿がイメージできることで、どのような導入が効果的かが明らかとなる。和歌の単元の際には、作品から一字を空白にし、その空白には本来どのような言葉が入るのかをクイズ形式で問う導入が考えれる。このように教材提示を工夫することによって、それ以外の表現、言葉を理解し、解釈することが求められ、そこから得られた情報を元に推論を行う必要がある。 ここ数年、古典不要論とそれに抗しようとする動きが活発に見られたが、それらの議論には、古典そのものの議論をしているのか、古典の学習の在り方を議論しているのか、古典に限らず人文学全般を批判しているのかといった様々な論点が存在し、ほとんどその整理も行われないまま議論が進んでしまった感がある。こういった議論を行うためには、互いの土台となる問題意識や知見を共有することが必要となるが、それをなしにしての議論は、少なくとも単元をいかに作るのか、古典の学びとは何かを具体的に論じるための視点の提供には至らない。こういったことに陥らないようにするためには、例えば、学習指導要領に代表される共通の土台を決め、それに基づいて議論するべきだろう。とは言え、学習指導要領の文言をいかに理解し、解釈、批評していくのかといった方法論も必ずしも共有されていないため、その読み方、用語の整理なども行った。

  • 古典学習単元開発理論とモデル形成のための国文学研究と教育学研究の融合に関する研究

    2023  

     View Summary

    古典学習に関する知見の収集・整理とその成果の発信を行った。御手洗靖大氏を招聘し、古文学習、和歌学習と音読との関係、適切な指導のあり方について明らかにした。その活動から、川村裕子氏、兼築信行氏をシンポジストとして招聘し、大規模なシンポジウムを開催し、和歌教材・学習のあり方について検討した。その成果はYoutubeチャンネルとしても公開され、800回近い再生回数となり、大きな反響を呼んでいる。

  • 江戸・明治期の『平家物語』教材および文学史における国学的枠組に関する研究

    2010  

     View Summary

    近代古典教科書のはじまりと考えられる稲垣千穎編『本朝文範』の価値とその限界を論じ、国語教育史研究における重要な起点を明らかにした。編者の稲垣は国学者であり、その文章規範を平安和文に求めた。そのため、編集されている古典は、源氏物語や枕草子に代表される平安和文を文章の手本ととらえた教科書となった。ただ、時代は、多くの事実、情報を伝達するための新しい国語を求めており、和漢混交文にそれを求めるのが時代の流れとなっていた。そのため、新保磐次は、稲垣のような国学的文章観を批判し、中世の和漢混交文を文章規範としてとらえるべきだと唱え、その考えにそった国語教科書を作ることとなった。

  • 「扇の的」教材化における歴史的把握と内容分析、および効果的な発問の開発

    2009  

     View Summary

    2009年度は、「扇の的」を中心とした『平家物語』の教材化の歴史的把握の作業を特に重点的に行った。本研究は、現在の研究水準で行われているようないわゆる教材史とはパースペクティブが異なる。これまではそのほとんどの仕事が太平洋戦争以降の新教育で、古典教育がどのように展開したのかを、明らかにする仕事であった。それは一つ重要な仕事ではあるが、古典教育がどのように発生したのか、という近代国語教育自体の問題と切り離せない問題であることを見落としてきたうらみがある。「近代」・「古典」・「教育」といったキーワードは今後の古典教育研究の水準において外すことができない視点である。古典教育の発生過程をより対象化して探るために、近代以前つまりは近世における『平家物語』の教材化について調査を行った。現在のような古典のアンソロジー型式の教科書などむろんない。そもそも「国語教育」という概念自体が前近代には存在しない。子弟にほどこされた教育の多くは、手習いと素読である。その手習いと素読の教材として『平家物語』の本文が使用されているのである。その最古のものは1600年前後にまでさかのぼることができ、様々な軍記関連の書状を収めた『新板古状揃』が基本的な形として完成し、以後『新板古状揃』を手本とした様々な注釈本が展開していくこととなる。その教育文化は江戸の中頃まで残存したのである。近世における『平家物語』の教材化は、文字(漢字・熟語)の読み書き・書状の文体と型式の学習といった実用的な効果を期待したものであり、近代の『平家物語』に期待されたものとは異なることがここで初めて明らかになるのである。しかし、この明治中期まで残存した『古状揃』という教材は近代国語教育の枠内に収められることはなかったと結論づけてよいだろう。ここには実際的な学力観(書状の読み書き)から近代的教養(国民的教養といってもよい、もちろんこれは近代によって作られたものである)という学力観への視点の変更があったためである。この近世から近代への移行の中で、あるいは言文一致運動という「国語」の変化の中で、『平家物語』は急速にその実用性を失っていき、一方で「国民的な教養」としての、「国民的叙事詩」としての地位を、帝大の「日本文学史」形成の動きと強く連動しつつ獲得していくことになる。現在の『平家物語』教材につながるような教材化は明治30,40年代以降になされている。これは「文学史」の完成と合致するのである。ここでさらに問題となってくるのは、「文学史」形成の態度とはどのようなものだったのかということになるだろう。何を評価し何を評価しなかったのか。それは結局我々がなぜ「古典」を読まなければならないのか(読む必要はあるのか)という根本的かつ現在的な問題について考察することになっていくだろう。