2025/05/08 更新

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クロダ サトシ
黒田 智
所属
社会科学総合学術院 社会科学部
職名
教授
 

現在担当している科目

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他学部・他研究科等兼任情報

  • 社会科学総合学術院   大学院社会科学研究科

特定課題制度(学内資金)

  • 中近世地域史料調査と〈草の根歴史学〉の構築

    2024年  

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    本研究では、3つのプロジェクトを遂行した。第1に、群馬県中之条町赤岩地区の古文書・文化財調査である。重伝建に指定された同地区に残る手つかずの古文書類の悉皆調査をめざし、3・6月に地区内の各家で予備調査を実施した。このうち関駒三郎家文書の調査と史料目録作成に着手し、①9月11~13日、②12月7~9日、③3月9~11日の3回実施した。調査には、長瀬有輝(中之条町歴史と民俗の博物館ミュゼ学芸員)のご協力をいただき、長谷川裕子(跡見女子大)、野口華世(前橋国際大)、西尾知巳(関東学院大)、高橋傑(慶応義塾高校教諭)、梁瀬大輔(群馬県立女子大)、吉岡由哲(東京国立博物館)のほか、早稲田大学大学院文学研究科院生、中央大学大学院生、早稲田大学社会科学部日本文化史ゼミ学部生、前橋国際大学学部生にもご参加をいただいた。現在、同家文書の3分の2に相当する800点ほどの写真撮影・目録作成を終え、次年度も継続する予定である。第2に、福井県あわら市神宮寺城跡の中世石造物調査である。23年度の調査は雨天により延期し、10月12~14日に調査を実施できた。九千房英之(あわら市郷土歴史資料館館長)との協同にて、吉岡由哲(東京国立博物館)、林亮太(石川県立歴史博物館)、岡野有里香(前田土佐守家資料館)、鈴木彩可(石川県立美術館)、多田明加(一乗谷朝倉氏遺跡資料館)、長谷川裕子(跡見女子大)、野口華世(前橋国際大)のほか、早稲田大学・金沢大学の院生・学部生をふくむ総勢40名とともに野外での計測・撮影・目録作成おこなった。調査では、中世前期にさかのぼる五輪塔をふくむ数百点の中世石像遺物の残欠が新たに確認され、『福井新聞』『県民福井』の新聞各紙で報じられた。第3に、同あわら市願慶寺の史料・文化財調査である。中世吉崎御坊跡に立つ願慶寺については、すでに前科研・特定課題研究で700点余の文化財・史料群を調査済みである。10月に未調査分の補充調査を実施し、8~12月までかけて院生・学部生を中心にこれらの史料目録を整理して、あわら市に提出した。今年度中にあわら市において一括文化財指定のための審議等が行われるとのことで、指定後に史料目録の公開を進める予定である。

  • 中近世真宗寺院の宝物をめぐる文化史

    2023年  

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     吉崎御坊は、15世紀後半に本願寺蓮如が布教の一大拠点として越前北潟湖畔(現福井県あわら市)に建立した寺坊で、かつて多くの真宗門徒が集い、宿坊が立ち並ぶ寺内町を形成していた。この地に残る願慶寺に伝えられた手つかずの文化財や史料群は、吉崎御坊の中世・近世の姿を伝える貴重な手がかりとなる。本研究では、あわら市郷土歴史資料館との協同で、はじめて願慶寺史料の悉皆調査を実施し、700点余ほどの古文書・絵図絵画類を調査・撮影し、およその目録を作成した。次年度以降にむけて、①補助調査等により史料目録を整理・精査した上で公表し、②あわら市郷土歴史資料館にて特別展と講演等を開催、③「嫁脅し肉付きの面」や18世紀の日記類の考察を進めて、学術論文を執筆する予定である。なお、願慶寺調査のほかに、同あわら市神宮寺城跡の中世石造物調査、群馬県中之条町赤岩地区の古文書調査に着手した。ひきつづき地域史料の調査と活用を押しすすめたい。

  • 中近世日本の動物をめぐる歴史図像学的研究

    2009年  

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     「動物の会(仮)」を年4回開催して、定期の研究会として軌道にのせることができた。この研究会には、門脇むつみ氏(城西国際大学)、斉藤研一氏(武蔵大学)、斎藤真麻理氏(国文学研究資料館)に研究分担者としてご参加いただき、美術史・日本史・日本文学の各分野から情報交換と研究発表、今後出版を予定している共著についての話し合いを行なった。これらの成果の一部は、各自が研究論文として公表している。 東京芸術大学大学美術館にて同大学芸術資料館所蔵作品「獣尽図屏風」、「獣太平記」、「花鳥屏風」、「牛馬屏風」の熟覧・写真撮影を行なった。今後は、「獣尽図屏風」を中心に共同研究をすすめ、一般書の刊行をめざす。 国立国会図書館所蔵「十二類合戦絵」、同「獣太平記」の写真入手、東京芸術大学芸術資料館所蔵作品「獣太平記」の調査を行なった。また滋賀県愛荘町秦川山密増坊の龍神伝承、、同豊郷町犬上神社の犬神・忠犬伝承と龍神説話に関する史料収集、現地調査を行なった。本年度は論文「絵画史料論と動物史」を発表。調査成果をふまえ、今後も「十二類合戦絵」の諸本調査と研究を継続しながら、動物の歴史図像学的研究をすすめてゆく予定である。