2024/10/07 更新

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チョウ ショウゲツ
張 瀟月
所属
商学学術院 商学部
職名
助手
 

特定課題制度(学内資金)

  • 日本のガバナンス構造と決算説明会の情報開示

    2023年  

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     カンファレンス・コールにおける質疑応答セッションは、企業と投資家やアナリストとの間のダイナミックなインタラクションを提供し、先行研究によると、このセッションは他のどのセッションよりも情報量が豊富であることが示されている。特に、経営者のプレゼンテーションやプレスリリースと比較して、質疑応答セッションは市場参加者に新たな洞察や詳細な情報を提供する機会を与えている。また、先行研究に基づくと、カンファレンス・コールは企業の情報開示プラクティスの中心的な要素であり、企業ガバナンスと密接に関連している。企業ガバナンスの質が高ければ高いほど、情報を透明に開示する意欲も高く、結果としてカンファレンス・コールを開催する可能性が増す。これは、企業がステークホルダーに対して責任を果たし、投資家との信頼関係を築くために重要な行動である。機関投資家は、その保有する株式の比率に応じて、企業の決定プロセスに影響を及ぼすことができる。これらの大株主は、企業に対してより多くの情報開示を求めることがあり、これは訴訟リスクの軽減や投資の意思決定の精度向上のためである。したがって、機関投資家の保有比率が高い企業は、これらの要求に応えるためにカンファレンス・コールを頻繁に開催し、その内容も充実させる傾向がある。日本の企業データを用いた分析では、機関投資家の持株比率が高い企業では質疑応答セッションの時間が長く、スクリプトの文字数が多いことが示されている。これは、機関投資家がより多くの情報を求め、そのプロセスに積極的に参加する傾向があることを示唆している。

  • 日本の上場企業における決算説明会の情報開示実態

    2022年  

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    企業のホームページで決算説明会の資料を確認することで,決算説明会の開催方法と公開資料を整理することができた。2018年度までに,通期の決算説明会のプレゼンテーション資料を取得できる企業は増えていたことが分かった。2019年度では,新型コロナウイルスの影響により決算説明会の開催をやめた企業が数十社あったので,2020と2021年度では,通期の決算説明会のプレゼンテーションを配信し,また質疑応答セッションの内容を公開する企業は大幅に増加したことが分かった。パイロットテストとして決算説明会における質疑応答内容が株式市場にどのような影響を与えているかを分析した結果,決算説明会のトーンは株式市場に影響を与えていると示唆された。