本研究の目的は、オランダ植民地期末期のムスリムによる団結運動とその指導者マス・マンスールの活動を分析し、インドネシア・ナショナリズム運動に対してイスラーム運動やムスリム指導者が果たした役割を検討することである。助成期間中は、インドネシア懇話会第4回研究大会において、「マス・マンスール(K. H. Mas Mansoer)の初期活動に関する研究」という題目で研究発表を行った。本発表では、従来の研究で論じられてこなかったムハマディヤ参加以前のマンスールの活動を検討し、後の時代の彼の活動との連関を示した。また、インドネシア国立図書館で文献調査を行い、1920年代に同地で発行された定期刊行物を中心に関連資料を収集した。