2026/03/04 更新

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ヨシイ カズトシ
吉井 一駿
所属
理工学術院 国際情報通信研究センター
職名
研究助手
 

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 短波通信品質の安定化のための電離圏電子密度プロファイル推定に関する研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2023年04月
    -
    2027年03月
     

    吉井 一駿, 嶋本 薫

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    本研究では電離圏電子密度プロファイル推定の時間分解能向上により電離層フェージングの低減を実現することを目的に研究開発を実施している。令和5年度は当初の計画の通り、研究開発項目(a)「対流圏・電離圏統合全球モデルによる電波伝搬シミュレーションシステムの構築」及び、研究開発項目(c)「実システムへの適用検討」について研究開発を行った。
    研究開発項目(a)では、レイトレーシング法を用いた電波伝搬シミュレータを開発した。さらに対流圏・電離圏モデルを適用することで地球上の任意の地点から計算が可能な電波伝搬シミュレーションシステムを構築した。このシミュレーションシステムは令和6年度以降に研究開発を行う電子密度プロファイル推定手法の開発基盤として活用する。
    研究開発項目(c)では、国際短波通信を用いた電離圏観測システムの一部として、グローバルな電離圏状態を把握することを目的とした短波通信の観測システムの構築を行った。アマチュア無線のデジタルモードの一種であるFT8を対象として観測することで送受信点の位置情報を自動的に収集できる他、伝搬に適さない経路を推定することが可能となった。さらに、開発したFT8の受信ソフトウェアを全世界に公開・配布することで交信データの収集を進めている。電離圏電子密度プロファイルは季節や時間帯などの要因により周期的に変動することが知られている。短波通信の観測データの蓄積は、本研究で推定を目指す電子密度プロファイルの時間・空間分解能について検討を進めるための基礎データとなり得る。
    以上の研究成果をそれぞれとりまとめ、国際学会・国内学会で成果発表を行った。

 

現在担当している科目

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特定課題制度(学内資金)

  • 短波帯の通信品質の安定化のための位相制御手法に関する研究

    2022年  

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    短波帯の電波は電離層による反射により長距離を伝搬することから多様な分野で活用されているが、伝搬中に電離層の影響を受けることから通信品質が安定しない。通信品質が安定すれば、長距離を低遅延かつ中継を要さずに通信できる短波通信のメリットを一層活用することができる。本研究では短波帯の通信品質を安定化させることを目的に、送信局で動的な位相制御を行うことで電離層フェージングを抑制する手法について提案した。提案手法では送信局はフィードバック情報を基に位相制御を行うため、必要な更新間隔などの具体的な要件を定める必要がある。電離層の変動をシミュレーションに組み込み、フィードバックの詳細について検討を行った。

  • 電離層フェージング抑制のための電力制御手法に関する研究

    2022年  

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    短波通信は電離層反射により広域に伝搬するため国際通信などの長距離通信に広く用いられている。電離層は長距離間の短波帯の通信を可能とする一方で、受信レベルが一時的に落ち込む電離層フェージングの原因ともなる。電離層フェージングの抑制にはいくつかの手法が考えられるが、本研究では送信局側での電力制御によるフェージングの低減に焦点を当て、電力制御アルゴリズムの開発やフィードバック情報の更新頻度の検討を含め多角的な研究開発を行った。提案手法の実現のためにはフェージングの発生間隔や深さを推定する必要がある。実際の短波通信の電力レベルを観測してデータを蓄積し、統計的な解析と提案手法への適用の検討を行った。

  • 電離圏電子密度プロファイル推定に関する研究

    2021年   嶋本 薫

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    電離層フェージングは電離層状態の変動を原因のひとつとして発生し短波帯の通信品質に影響を与える。電離圏電子密度プロファイルがリアルタイムに推定できれば送信局における適切な位相・電力制御によりこれらのフェージングを低減可能なことがこれまでの研究により示されているが、従来の推定手法ではリアルタイム性に課題が残る。これまで提案してきたフェージング低減手法では短波の伝搬経路上の電子密度プロファイルが得られれば十分な制御を行えることから、伝搬経路近傍における電離層状態推定の高時間分解能化の実現を目標として理論的側面からの検討やシミュレータの構築を含む多角的な研究を行った。