2024/03/28 更新

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タカダ ケイスケ
高田 圭祐
所属
理工学術院 創造理工学部
職名
助手
 

特定課題制度(学内資金)

  • 『匠明』延臣本の写本に関する研究

    2022年  

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    新たに存在が明らかになった江戸幕府大棟梁平内家に伝わる大工技術書『匠明』の異本について、その写筆者について考察を行った。本史料は奥書から平内家第十代廷臣により記された「廷臣本」であることが明らかであったが、既に知られている「廷臣本」の写本「米野本」や「大島本」のように平内家以外の人物の写筆ではなく、平内家によって作成されたものであると思われる。内容としては明治30年に大島正橘により写筆された異本に近く、廷臣の子政徳が所蔵していた『匠明』の存在があることも含め、廷臣による「廷臣本」原本ではなく、政徳が写筆した「廷臣本」である可能性が高いと結論付けた。今後は筆跡なども含め、検討したい。

  • 木割書における三間社の基準柱間の傾向とその意味

    2021年  

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     中世末期から近世に各大工家によって記された木割書の研究において、神社建築では一間社と鳥居を中心に研究が進められているが、それ以外の神社建築の木割については多く論じられていない。 今年度は木割書における三間社以上の本殿木割において、基準柱間の取り方とその意図について考察を行った。『匠明』や『新編雛形』の二間社や三間社などの規模の大きい本殿の木割について、妻の間を基準寸法とし柱径を決定していることが分かった。これは流造など構造的に妻の間の寸法を制御する必要があること、また権現造社殿では妻の間が外部に出てくることからプロポーションを意識していた結果表の間より重要度が増したと考察をした。