2025/04/04 更新

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ヤマダ ヨシオ
山田 義雄
所属
理工学術院
職名
名誉教授
学位
理学博士 ( 1984年03月 名古屋大学 )
ホームページ

経歴

  • 2019年04月
    -
     

    早稲田大学   理工学術院   名誉教授

  • 2006年04月
    -
    2019年03月

    早稲田大学理工学術院 教授

  • 1992年04月
    -
    2006年03月

    早稲田大学理工学部 教授

  • 1987年04月
    -
    1992年03月

    早稲田大学理工学部 助教授

  • 1977年02月
    -
    1987年03月

    名古屋大学理学部 助手

所属学協会

  •  
     
     

    日本数学会

研究分野

  • 基礎解析学 / 数理解析学

研究キーワード

  • 基礎解析学,大域解析学

 

論文

  • A free boundary problem of nonlinear diffusion equation with positive bistable nonlinearity in high space dimensions III: General case

    Yuki Kaneko, Hiroshi Matsuzawa, Yoshio Yamada

    Discrete and Continuous Dynamical Systems, Series S   17 ( 2 ) 742 - 761  2024年02月  [査読有り]  [国際誌]

    DOI

  • A free boundary problem of nonlinear diffusion equation with positive bistable nonlinearity in high space dimensions II: Asymptotic profiles of solutions and radial terrace solution

    Yuki Kaneko, Hiroshi Matsuzawa, Yoshio Yamada

    Journal de Mathematiques Pures et Appliquees   178   1 - 48  2023年08月  [査読有り]

    DOI

  • A free boundary problem of nonlinear diffusion equation with positive bistable nonlinearity in high space dimensions I : Classification of asymptotic behavior

    Yuki Kaneko, Hiroshi Matsuzawa, Yoshio Yamada

    Discrete and Continuous Dynamical Systems   42 ( 6 ) 2719 - 2719  2022年06月  [査読有り]  [国際誌]

     概要を見る

    <p lang="fr">&lt;p style='text-indent:20px;'&gt;We study a free boundary problem of a reaction-diffusion equation &lt;inline-formula&gt;&lt;tex-math id="M1"&gt;\begin{document}$ u_t = \Delta u+f(u) $\end{document}&lt;/tex-math&gt;&lt;/inline-formula&gt; for &lt;inline-formula&gt;&lt;tex-math id="M2"&gt;\begin{document}$ t&amp;gt;0,\ |x|&amp;lt;h(t) $\end{document}&lt;/tex-math&gt;&lt;/inline-formula&gt; under a radially symmetric environment in &lt;inline-formula&gt;&lt;tex-math id="M3"&gt;\begin{document}$ \mathbb{R}^N $\end{document}&lt;/tex-math&gt;&lt;/inline-formula&gt;. The reaction term &lt;inline-formula&gt;&lt;tex-math id="M4"&gt;\begin{document}$ f $\end{document}&lt;/tex-math&gt;&lt;/inline-formula&gt; has positive bistable nonlinearity, which satisfies &lt;inline-formula&gt;&lt;tex-math id="M5"&gt;\begin{document}$ f(0) = 0 $\end{document}&lt;/tex-math&gt;&lt;/inline-formula&gt; and allows two positive stable equilibrium states and a positive unstable equilibrium state. The problem models the spread of a biological species, where the free boundary represents the spreading front and is governed by a one-phase Stefan condition. We show multiple spreading phenomena in high space dimensions. More precisely the asymptotic behaviors of solutions are classified into four cases: big spreading, small spreading, transition and vanishing, and sufficient conditions for each dynamical behavior are also given. We determine the spreading speed of the spherical surface &lt;inline-formula&gt;&lt;tex-math id="M6"&gt;\begin{document}$ \{x\in \mathbb{R}^N:\ |x| = h(t)\} $\end{document}&lt;/tex-math&gt;&lt;/inline-formula&gt;, which expands to infinity as &lt;inline-formula&gt;&lt;tex-math id="M7"&gt;\begin{document}$ t\to\infty $\end{document}&lt;/tex-math&gt;&lt;/inline-formula&gt;, even when the corresponding semi-wave problem does not admit solutions.&lt;/p&gt;</p>

    DOI

  • Free boundary problem for a reaction-diffusion equation with positive bistable nonlinearity

    Maho Endo, Yuki Kaneko, Yoshio Yamada

    Discrete & Continuous Dynamical Systems - A   40 ( 6 ) 3375 - 3394  2020年  [査読有り]

    DOI

  • Asymptotic Profiles of Solutions and Propagating Terrace for a Free Boundary Problem of Nonlinear Diffusion Equation with Positive Bistable Nonlinearity

    Yuki Kaneko, Hiroshi Matsuzawa, Yoshio Yamada

    SIAM Journal on Mathematical Analysis   52 ( 1 ) 65 - 103  2020年01月  [査読有り]

    DOI

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書籍等出版物

  • 非線形楕円型微分方程式の解析

    山田義雄( 担当: 単著)

    大学院GP数学レクチャーノートシリーズ,東北大学大学院理学研究科  2010年03月

  • Handbook of Differential Equations:Stationary Partial Differential Equations, Vol. 6

    Yoshio Yamada, Michel Chioot

    Elsevier  2008年06月 ISBN: 9780444532411

  • 理工系のための「微分積分Ⅱ」

    鈴木武, 山田義雄, 柴田良弘, 田中和永

    内田老鶴圃  2007年11月 ISBN: 9784753601837

  • 理工系のための「微分積分Ⅰ」

    鈴木武, 山田義雄, 柴田良弘, 田中和永

    内田老鶴圃  2007年04月 ISBN: 9784753601813

講演・口頭発表等

  • 数理生態学に現れるStefan型二相自由境界問題について

    山田義雄

    2024 秋の偏微分方程式セミナー -Workshop on evolution equations and related topicd-  

    発表年月: 2024年09月

    開催年月:
    2024年09月
     
     
  • 反応拡散方程式の自由境界問題とテラス型伝播解

    山田義雄  [招待有り]

    徳島偏微分方程式小研究集会   (徳島大学常三島地区) 

    発表年月: 2022年12月

    開催年月:
    2022年12月
     
     
  • Positive bistable 項を伴う反応拡散方程式の自由境界問題に対する球対称解の漸近挙動

    兼子裕大, 松澤寛, 山田義雄

    日本数学会秋季総合分科会   (北海道大学)  北海道大学  

    発表年月: 2022年09月

    開催年月:
    2022年09月
     
     
  • 数理生態学に現れる Stefan 型自由境界問題について

    山田 義雄  [招待有り]

    東北大学解析セミナー   (東北大学)  東北大学数学教室  

    発表年月: 2020年01月

  • 反応拡散方程式の地うう境界問題に対する球対称解の漸近挙動

    兼子裕大, 松澤寛, 山田義雄

    第45回発展方程式研究会   (日本女子大学目白キャンパス) 

    発表年月: 2019年12月

    開催年月:
    2019年12月
     
     

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 数理生態学に現れる自由境界問題と関連する非線形拡散方程式の研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2019年04月
    -
    2023年03月
     

    山田 義雄

     概要を見る

    反応拡散方程式に対する自由境界問題は、外来生物の侵入現象をモデルに、生物の個体数密度と生息領域の変化を定式化した数理生態学由来の問題であり、活発に研究されている分野である。とくに興味深いのは、時間無限大となるにつれて、自由境界で囲まれた領域が空間全体に拡大し、密度関数が反応項の正値安定平衡点に広義一様収束するような spreading解の漸近解析である。 本研究では正値双安定項と呼ばれる非線形項を伴う問題を取り扱った。この非線形項は二つの正値安定平衡点を持つ関数であり、各安定平衡点に対応する二種類のspreading解をもたらす。空間一次元の場合、spreading解の中には段丘状のプロファイルを持つテラス解と呼ばれるものがあり、時間の経過とともに下層レベルでは小さい方の安定平衡値に近づき、上層レベルでは大きい方の安定平衡値に近づくこと、下層レベルの先端の拡大速度(=自由境界の拡大速度)と上層レベルの先端の拡大速度は異なることが示されていた。
    前年度の研究では高次元空間における自由境界問題を球対称領域に限定、松澤寛氏(神奈川大学)、兼子裕大氏(日本女子大学)との共同研究の結果、下層レベルの拡大速度や解形状は小さい正値平衡点に対応する semi-wave 問題の解が漸近評価を与えること、上層レベルの拡大速度や漸近形状は二つの平衡点を結ぶ進行波解が漸近評価を与えることが調べられた。本年度の目標は一般の状況で解の漸近挙動を解析することである。一方、どんな初期条件の下でも、spreading解については時間の経過とともに自由境界は球面に近づくことが知られていた。したがって、解のプロファイルも球対称関数に漸近収束することが予想される。その証明には、比較原理が有効であるが、優解や劣解を繰り返し構成する、という精妙な解析が必要であり、まだ全体の証明には至っていない。

  • 数理生態学に現れる自由境界問題と反応拡散方程式の研究

    研究期間:

    2016年04月
    -
    2019年03月
     

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    2017年度は反応拡散方程式に対する自由境界問題に取り組んだ。この問題は、数理生態学における外来種の侵入や、生物種の移動をモデルとしている。 空間変数を x, 時間変数を t とし、生物種の生息領域を [0.h(t)], 個体数密度を u(x,t) で表わし、u(t,x) は反応拡散方程式で記述されるとする。また、自由境界 x=h(t) の運動はStefan型境界条件で支配されるとする。(u,h) を未知関数とする、このようなタイプの自由境界問題は2010年に Du-Lin により提起されて以来、活発に研究されてきた。こ自由境界が時間とともに無限に拡がり、生物種が新領域に展開する状態に対応する解を spreading 解と呼ぶ。現在、spreading 解について、自由境界 h(t) の展開速度や u(x,t) の漸近的形状について、詳しい評価を求めることが重要なテーマである。spreading 解 (u,h) について、時間とともに自由境界の速度 h’(t) が一定値 c に近づき、自由境界の近傍において u(x,t) が q(h(t)-x) の形に表されるとすると、(q,c) が満たす sem

  • 変分的手法による非線形楕円型方程式の大域的解析

    研究期間:

    2013年04月
    -
    2017年03月
     

     概要を見る

    非線形スカラーフィールド方程式および非線形楕円型に対する特異摂動問題を中心に研究を行った.特に deformation flow に注目し, 方程式がスケール不変性を持つ場合に適用可能な新たな勾配流の構成法の開発を行った. Pohozaev の等式が重要な役割をはたす非線形スカラーフィールド方程式に対しては, 新しく導入した (PSP) 条件の下での deformation flow が構成できることを示した. (PSP) 条件はよく用いられている Palais-Smale 条件に Pohozaev の等式の効果を取り入れたものであり, そのアイデアの一端は Hirata-Ikoma-Tanaka (2010) に見られるものであるが, L2-制限問題に対して解の多重度を示すことができる等の応用をもつ. また非常によく知られた結果である Berestycki-Lions (1983) の結果等において Pohozaev の等式のはたす役割を明確にすると共に制限問題を経由せず, 比較汎関数を必要としない別証明を与えることを可能にしている.ここで開発された方法は昨年度まで研究を行ってきたある種のプロダクト空間

  • 反応拡散方程式と関連する自由境界問題の研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2012年04月
    -
    2015年03月
     

    山田 義雄, 大谷 光春, 田中 和永, 廣瀬 宗光, 中島 主恵, 竹内 慎吾, 久藤 衡介, 若狭 徹, 大枝 和浩, 兼子 裕大

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    本研究では反応拡散方程式に対する自由境界問題を解析した。この問題は数理生態学における,外来生物などの生物種の侵入・移動をモデルとしており,種の個体数密度とその生息領域が時間とともにどのように変化するかを調べることが目的である。個体数密度は反応拡散方程式で記述され,生息領域の境界(またはその一部)の運動はステファン型の自由境界条件で支配されるとする。このとき種が絶滅に至るか、あるいは生息領域が無限に拡がるとともに種が存続するか, その挙動のメカニズムを理論的に解明できた。また,生息領域が拡大する際の速度はどのように定まるか?などの問題についても詳細な結果を得ることができた

  • 非線形発展方程式及びその周辺分野の総合的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2009年04月
    -
    2013年03月
     

    大谷 光春, 山田 義雄, 田中 和永, 西原 健二, 石井 仁司, 小澤 徹, 小川 卓克, 剣持 信幸, 小池 茂昭, 坂口 茂, 鈴木 貴, 林 仲夫, 井戸川 知之, 石渡 通徳, 赤木 剛朗

     概要を見る

    物理・工学に現れる様々な非線形偏微分方程式(非線形楕円型方程式,非線形拡散方程式,非線形波動方程式,非線形シュレディンガー方程式及びそれらが結合した方程式系)に対して非線形発展方程式論の立場から,非線形関数解析学,実函数論,常微分方程式論,変分法などの手法を用いて総合的な研究を行った

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Misc

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特別研究期間制度(学内資金)

  • 数理科学の諸分野に現れる反応拡散方程式系の解析

    2011年09月
    -
    2012年03月

    オーストラリア   ニューイングランド大学

特定課題制度(学内資金)

  • 数理生態学に現れる自由境界問題の研究

    2015年   兼子 裕大, 松澤 寛

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    &nbsp; We have studied a free boundary problem for a certain class of reaction-diffusion equations. Such a problem models the invasion or migration of a biological species which moves toward a new habitat.&nbsp; The problem has two unknown functions: one is the population density of the species and the other is (a part of ) the boundary of its habitat. The population density is governed by a reaction-diffusion equation and the moving boundary is controlled by Stefan condition.&nbsp; When a reaction term has two stable and positive equilibrium states, some numerical simulations exhibit different large-time behaviors from known ones.&nbsp; We have succeeded in getting various theoretical results such as the classification of asymptotic behaviors of solutions into four patterns and the derivation of speeds of spreading free boundaries as time goes to infinity. These result help us to understand the invasion model from the mathematical view-point.

  • 積分項を伴う反応拡散方程式の研究

    2013年  

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      数理生態学に現れる重要な微分方程式の一つにロジスティック型反応拡散方程式がある.これは生物種の個体数密度 u の変化を記述する方程式で(1) u_t=dΔu+u(a-f(u))の形に記述されるものである.このタイプの方程式の解について興味深いのは、時間的あるいは空間的な非一様性を伴う時空パターンが観測されることである.このようなパターンは生態学的には、棲み分け現象や周期的な個体数変動を意味し、その出現メカニズムを理解することは数学的にも生態学的にも面白いテーマであり、近年活発に研究されている.ただし、従来の研究は(1)のような局所項のみで記述される方程式に限定されていた.しかし、実際の生物の移動・拡散においては、視覚、聴覚の効果が重要な役割を果たすことも多いし、なかには生物種が出す化学物質が影響をもたらすことも多い.このような状況を考慮すると、定式化にあたっては非局所的な相互作用が重要になり、(1) の方程式は(2) u_t=dΔu+u(a-f(u)-k*g(u)), ただし k*g(u)(x)=∫k(x,y)g(u(y))dyの形の、積分項を伴う反応拡散方程式となる. 本研究においては、積分核 k や、相互作用を表す f,g に適当な条件を課し、(2)に境界条件および正値関数の初期条件を設定して考える.この初期値境界値問題に対し、必ず時間大域解が唯一つ存在することを示すことができる.次のテーマは、そのような大域解の時間無限大での漸近挙動を調べることである.一般に、時間無限大での解の漸近挙動には定常問題が密接に関連する.研究成果の一つは、定常問題の正値解を構成する方法として、2通りの方法を開発したことである.一つは分岐理論に基づく基本的な方法で、もう一つは非線形固有値問題ともいうべき、非常に初等的な方法である.また、定常解が安定であるかどうかを判定することは、非定常問題の解の漸近挙動に関わる重要なテーマであるが、有効な一般論がないため、未解決である.本研究では g(u)=bu^2 かつ k が正値核の場合には、正値定常解は安定であることの証明に成功した.これらの結果は2013年5月同済大学(上海)および2013年11月京都大学数理解析研究所での研究集会において講演発表している.

  • 非線形拡散方程式系および関連する界面問題の解析

    2002年  

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    今年度の研究テーマは、次のような準線形拡散項を含む反応拡散方程式系     ∂u/∂t=Δ[(1+αv+γu)u]+uf(u,v), ∂v/∂t=Δ[(1+βu+δv)v]+vg(u,v)      に対する非定常問題の解析である。このシステムは同一領域で生存競争する2種の生物について、棲み分け現象を記述する数理モデルとして、1979年にShigesadaらのグループによって提案されたものである。未知関数 u,v は個体数密度を表わし、非線形拡散項は通常の拡散に加え、個体数密度にも拡散が依存することを意味している。反応項 f,g は u,v 間の相互作用を表し、Lotka‐Volterra型の競合モデルを扱う。このシステムについて、ゼロNeumann境界条件を課すと、初期値境界値問題の時間大域的な解の存在について、従来知られている結果は空間次元が2以下のケースに限られていた。また、空間次元についての制約をはずそうとすると、反応項に関する仮定が必要であった。本年度は R.Lu, P.S.Choi氏らとの共同研究によって、α,γ > 0 の場合、もう一方の方程式の拡散項が線形(β=δ=0)ならば、空間次元や初期データの大きさと無関係に時間大域解が一意的に存在することを示すことができた。うまくいった理由は、システムを準線形放物型方程式と半線形放物型方程式に分解し、それぞれの方程式についての基本解評価とself-diffusion 項をフルに活用して解 u,v のアプリオリ評価が得られた点にある。この方法は δ > 0 のときにも適用することができ、空間次元が5以下の場合に大域解の一意的存在を示すことができた。 以上の結果は[1] Y. S. Choi, R. Lui and Y. Yamada, Existence of global solutions for the Shigesada-Kawasaki-Teramoto model with weak cross-diffusion, to appear in Discrete and Continuous Dynamical Systems.[2] Y. S. Choi, R. Lui and Yoshio Yamada, Existence of global solutions for the Shigesada-Kawasaki-Teramoto model with strongly coupled cross-diffusion, to appear in Discrete and Continuous Dynamical Systems.で発表される予定である。

  • 反応拡散方程式系および関連する界面問題の研究

    2000年  

     概要を見る

     本年度の研究成果は主として次のような2つの未知関数u,vに関する反応拡散方程式系       ∂u/∂t=μΔu+f(u,v), ∂v/∂t=νΔv+g(u,v) in Ω×(0,∞)  Ω: 境界∂Ωで囲まれた領域の正値定常解集合の構造に関するものである。この方程式系は数理生態学分野では、生存競争をしている2種類の生物の個体数密度u,vの変化を記述し、ラプラシアンΔは拡散効果を表す。反応項f,gはu,v間の相互作用を記述し、2種類の生物が競合関係にあるかまたはprey-predator関係にあるかにより関数関係は異なってくる。また、正値定常解は数学的に重要な項であるのみならず、生態学的にも共存解として大きな意味がある。競合モデルについてf,gがLotka-Volterra型の関数として与えられているときは、非常に多くの研究者によって研究されており、例えば正値定常解が存在するための十分条件は広く知られている。しかし、これに反して、解の一意性・非一意性に関する研究は困難を伴い、Dancerらによる研究などいくつかの研究はあるものの十分に満足できるものではない。著者は、数年前から正値定常解の多重性に関する研究に取り組み、いかなる条件下で解が複数個存在しうるか調べている。その結果、拡散係数μ,νをパラメータ空間の点とみなした場合、これらが非常に小さい場合、およびu,v間の相互作用に大きな差があるときにはμ,νが一定の範囲にあるときには正値定常解が2個以上存在することが理論的に明らかになってきた。しかも、空間次元が1のときには、数値解析的にも複数個の解を見出すことができ、解のプロフィールについてもある程度明らかにすることができた。これらの結果は、イタリア・シチリアで開催された「第3回非線形解析学者の国際会議」や日本で開催された「第1回東アジア非線形偏微分方程式シンポジウム」で講演発表した。 なお、秋以降はさらに反応項をより一般化し、f,gがLotka-Volterra 型の以外の関数で与えられるときに定常解集合の構造についてどんな結果が得られるか調べている。たとえば、fがFitzHugh-Nagumo型の3次関数で与えられるとき、正値定常解が存在するための十分条件や、定常解の作る集合の構造も大きく変化することがわかる。このような結果を導くために、現在は分岐理論やコンパクト写像に対する写像度の理論を用いているが、限界もあるため数値実験による解析も視野に入れている。

  • 反応拡散方程式系および関連する楕円型方程式系の解集合の研究

    1999年  

     概要を見る

     本年度の研究成果は Lotka-Volterra 型反応拡散方程式系の正値定常解の研究と sublinear 項を伴う半線形放物型方程式に対する比較定理の研究の2つに大別される。(I) Lotka-Volterra 型の競合モデルに対する反応拡散方程式系の正値定常解は、数理生態学分野においては共存解として大きな意味がある。本研究においては同次ディリクレ境界条件下で共存解が存在するための十分条件を調べるとともに、その一意性・非一意性や安定性について理論的および数値解析的両観点から調べた。とりわけ線形拡散のケースで相互作用の強さを表す係数がある一定の条件をみたすとき、共存解が複数個現れる可能性のあることが明らかになった。より詳しく述べると、2つの拡散係数をパラメータ空間内の点とみなすと、必ず共存解が2個以上現れる範囲のあることを示すことができた。これは、正値定常解の多重性に関する既存の結果に新しい視点を与えるものとなっている。また、空間次元が1の場合に限定すると、相互作用の係数が非常に大きい場合には解の多重性について非常に詳しい情報が得られることも判明してきた。さらに数値解析によって正値定常解を構成するために、従来はいわゆる shooting method を用いてきたが、微妙な解析において精度が低かった。これを改善するために新しい方法として Newton 法を応用したスキームを試みている。(II) sublinear 型の反応項を含む半線形放物型方程式については一般には解の一意性が成立しなくなる。そこで滑らかな関数 f と指数 0<q<1 に対して同次ディリクレ条件のもとで∂u/∂u=Δu+uq+f(u)の形の方程式に対する非負値解を考え、優解と劣解による比較定理を証明することに成功した。この結果、対応する定常問題の正値解の安定性・不安定性に関し有用な情報が得られる。例えば、空間次元が1のときには上記方程式の正値定常解は相平面の方法ですべて構成することができ、各解の形状も明らかになる。比較定理を適用することにより、それぞれの定常解の安定性、より詳しくは漸近安定性や不安定性を調べることができる。

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