2022/08/17 更新

写真a

フジモリ ヨリアキ
藤森 頼明
所属
政治経済学術院
職名
名誉教授

学位

  • 経済学博士

 

研究キーワード

  • 経済理論

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • -

特定課題研究

  • 産業連関表による日本経済の中期的特性に関する推計

    2000年  

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     本研究は、申請者が1980年代に初めて実用化した資本投資額から資本係数を推計する作業を、詳細な400部門の産業連関表ベースで遂行した。(以下、400部門と言う数字は、概数である。) 基本的な研究作業は次の3段階に分類される。即ち、(1)理論的な模型を組み立てる(2)現実の産業連関表データを一部再処理して、理論模型に沿った計算が行えるように組換える(3)計算を実行して、データベースとしての資本係数を作成する 理論に関する(1)の部分は、Sraffa-Fujimori推計法として、再定式化した。これは、均等利潤率または斉一成長率を最大化した状態をシミュレートして、資本係数を推計する方法であり、繰り返し計算が収束する事が知られている。なお、これに対比して、Marx-Fujimori推計と呼ぶべき、最小均等利潤率を求める繰り返し計算も理論上は可能であるが、これは必ずしも収束しない。研究の理論部分はWaseda Economic Papers等に公表を予定している。 データの組換えに付いては、資本投資行列(データ)が統合部門ベースで公表されているので、それを400部門ベースに按分比例で分割した。しかし、基礎データとしての産業連関表データは部門の構成が年次によって若干異なるので、時系列的な意味での統一性は必ずしも取れていない。 データベースの公表は、homepage等、network経由で公表する事を予定している。

  • マルクスの経済理論に於る計算経済学的特徴

    1999年  

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     本研究では、Marxの経済理論に含まれている次の2点に付いて、その計算理論的特徴を明らかにした。 (1)難解と云われる価値形態論に於て、Marxは貨幣の誕生に到る過程を明らかにしようとした。Marx理論の難解さはその商品同士の関係を明らかにする場合の等号の使用法にある。即ち、Marxの議論では等号が2様の異なる意味で使用されており、一つは代入等号(assignment)、他は比較等号(unification)の意味で使用されている。この区別を明確にすることにより、価値形態論は明解になる。 (2)商品評価の基礎になる価格は、Marxの場合には市場価格ではない。Marxは市場価格が不断に変動するもので有るが故に、分析の記述手段として適当ではないと考えたものと云える。また、Marxの分析は最初から方程式の体系で表現されるという性質のものではない。誰も神の如く事前に方程式を解いて経済行動を行なう訳では無いからである。 Marxは均衡価格として、利潤率均等の生産価格を考えたが、その価格水準の確立していく過程を繰り返し計算の方式で定式化した(転化理論)。近年の研究では、収束した先の均衡解の存在の側面に偏って評価されているが、Marxの方法は収束する繰り返し計算であるから、むしろ算法としての完結性を重視すべきである。ここでのMarxの方法は、素朴な冪乗法による固有値の計算であるが、この点に関連して注目すべきは、その収束速度の速さである。つまり、現実的な側面として、生産価格は多くの経済主体にとって観察が容易な価格比率を与えると云える。 また、生産価格は、資本なり企業の側が要求利潤率を設定して繰り返し再計算する場合と、労働側が賃金率を設定して再計算する場合との計算量や計算時間の比較は興味有る点である。