2024/12/30 更新

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ナカジマ クニヒコ
中島 国彦
所属
文学学術院
職名
名誉教授
学位
博士(文学) ( 1996年06月 早稲田大学 )
(BLANK) ( Waseda University )

経歴

  • 2016年04月
    -
    継続中

    早稲田大学   名誉教授

  • 1984年
    -
    2016年

    早稲田大学文学部教授(2004年より早稲田大学文学学術院教授と呼称変更)

  • 1984年
    -
     

    - Waseda University, Professor

  • 1979年
    -
    1984年

    早稲田大学文学部助教授

  • 1979年
    -
    1984年

    早稲田大学

  • 1976年
    -
    1979年

    早稲田大学文学部専任講師

  • 1976年
    -
    1979年

    早稲田大学

  • 1972年
    -
    1976年

    早稲田大学文学部助手

  • 1972年
    -
    1976年

    早稲田大学

  • 1970年
    -
    1972年

    早稲田大学系属早稲田実業学校教諭

  • 1970年
    -
    1972年

    S(]E87C7[)jitsu High School, Teacher

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学歴

  • 1970年04月
    -
    1973年03月

    早稲田大学大学院   文学研究科   日本文学専攻博士課程  

  •  
    -
    1973年

    早稲田大学  

  • 1968年04月
    -
    1970年03月

    早稲田大学大学院   文学研究科   日本文学専攻修士課程  

  • 1964年04月
    -
    1968年03月

    早稲田大学   第一文学部   文学科国文学専修  

  •  
    -
    1968年

    早稲田大学  

委員歴

  • 2017年06月
    -
    継続中

    森鷗外記念会  理事

  • 2011年06月
    -
    継続中

    日本近代文学館  専務理事

  • 1990年06月
    -
    2017年06月

    森鴎外記念会  評議員

  • 2010年12月
    -
    2012年12月

    早稲田大学国文学会  代表理事

  • 2010年04月
    -
    2012年03月

    日本近代文学会  代表理事

  • 1999年10月
    -
    2011年06月

    日本近代文学館  常務理事

  • 1998年06月
    -
    1999年10月

    日本近代文学館  理事

  • 1978年10月
    -
    1980年10月

    日本文学協会  会務委員

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所属学協会

  •  
     
     

    日本比較文学会

  •  
     
     

    昭和文学会

  •  
     
     

    Société Fransaise des Etudes Japonaises(フランス日本研究学会)

  •  
     
     

    森鴎外記念会

  •  
     
     

    明治美術学会

  •  
     
     

    早稲田大学国語教育学会

  •  
     
     

    早稲田大学国文学会

  •  
     
     

    日本文学協会

  •  
     
     

    日本近代文学会

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研究分野

  • 日本文学

研究キーワード

  • 国文学

受賞

  • やまなし文学賞(評論・研究部門)

    1995年  

 

書籍等出版物

  • 漱石の地図帳 歩く・見る・読む

    中島 国彦( 担当: 単著)

    大修館書店  2018年07月

  • 定本漱石全集 彼岸過迄

    中島 国彦( 担当: その他)

    岩波書店  2017年06月

  • 漱石の愛した絵はがき

    中島 国彦( 担当: 共編者(共編著者))

    岩波書店  2016年09月

  • 『木下尚江資料集』第2集 (全166頁)

    早稲田大学国際日本文学・文化研究所  2012年

  • 『木下尚江資料集』第1集 (全96頁)

    早稲田大学国際日本文学・文化研究所  2010年

  • 新日本古典文学大系明治篇 明治名作集(共著)

    岩波書店  2009年

  • 文藝時評大系 明治篇(全15巻)(編集)

    ゆまに書房  2006年

  • 現代文学名作選(編集)

    明治書院  2003年

  • 編年体大正文学全集・大正元年(編著)

    ゆまに書房  2000年

  • 夏目漱石の手紙(共著)

    大修館書店  1994年

  • 近代文学にみる感受性

    筑摩書房  1994年

  • 荷風全集 全30巻(編集)

    岩波書店  1992年

  • 明治文学全集 別巻・総索引

    筑摩書房  1989年

  • 日本文学研究資料新集 石川啄木と北原白秋(編著)

    有精堂  1989年

  • 日本文学アルバム23 永井荷風(編著)

    新潮社  1985年

  • 白秋全集 全40巻(編集)

    岩波書店  1984年

  • 日本文学研究資料叢書 島崎藤村Ⅱ(編著)

    有精堂  1983年

  • 夏目漱石遺墨集第二巻(編著)

    求龍堂  1979年

  • 日本近代文学大系22 近松秋江集(編集・注釈)

    角川書店  1974年

  • 日本文学研究資料叢書 永井荷風(編著)

    有精堂  1971年

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 「土地の想像力」を生み出す近代文学の「風景表象」の空間構成

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2015年04月
    -
    2018年03月
     

    中島 国彦

     概要を見る

    新しい日本近代文学の分析のためには、従来の「主義」「派」による整理は有効ではない。文学者がどういう「風景」にどのように対峙したかを考えつつ、描かれた「場所」が喚起する独特な世界を跡付けることが大切である。夏目漱石の描く「東京」の「風景」は、主として明治・大正の「山の手」だが、さまざまな「場所」が作品を立体的に支えている。漱石は、作品の中で、「東京」とともに生きたと言える。
    そうした視点から、漱石の作品を分析し、「坂と台地のドラマ」「山の手と下町」「現実と想像の場所」などいくつかの方法で、その魅力を明らかにした。漱石とゆかりの正岡子規の営為にも眼を向け、さらに堀辰雄の体験をも合わせて考えた。

  • 下層社会の表象を焦点とした近代文学における「風景表象」の体系

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2010年
    -
    2012年
     

    中島 国彦

     概要を見る

    日本近代の文学と美術との相関に留意しながら、文学作品に描かれた自然や都市、さまざまな風景を「風景表象」としてとらえ、その近代における変遷、いくつかの典型的な事例における特色を分析し、ひいてはそうした見方を支える精神のありかたを歴史的に明らかにした。また、風景を描く文体、表現の特色をも考察した。中でも、明治中期の都市貧民窟を描いた松原岩五郎、足尾鉱毒問題で活躍した木下尚江・田中正造、明治大正の東京を描いた森鴎外・永井荷風・小川未明などの作品については、詳細な分析を加えた。あわせて、京都という場所を踏まえた文章を辿り、その成果を論文・著書のかたちで公表した。

  • 近代文学に描かれた「風景表象」の精神史的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2007年
    -
    2008年
     

    中島 国彦

     概要を見る

    日本近代の文学と美術との相関に留意しながら、文学作品に描かれた自然や都市、さまざまな風景を「風景表象」としてとらえ、その近代における変遷、いくつかの典型的な事例における特色を分析し、ひいてはそうした見方を支える精神のありかたを歴史的に明らかにした。あわせて、風景を描く文体、表現の特色をも考察した。中でも、明治中期の都市貧民窟を描いた松原岩五郎、小諸の自然を描いた島崎藤村、明治大正の東京を描いた永井荷風などの作品については、詳細な分析を加えて、論文・著書のかたちで公表した。

  • 文学と美術の相関からみた「風景表象」の体系的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2005年
    -
    2006年
     

    中島 国彦

     概要を見る

    本研究は、二年間の計画で始めたものであるが、その出発に当たって、(1)「風景表象」の概念を明確に位置付けること、(2)日本の近代文学における典型的な「風景表象」の実例を、具体的な作家・作品を挙げつつ意味付けること、という二つの大きな課題が存在していた。研究に当たっては、(1)のともすると観念的な議論に終わってしまうものを極力排し、(2)の個個の作家・作品の分析に力を注いだ。
    具体的な事例の中にこそ、後にまとめうる実相が存在すると考えたからである。「風景表象」は、実際の風景・自然に文学者がどう接したかが問題であり、そのために、2005年には伊豆地方を、2006年には三重県松阪や奈良地方の実地踏査を試みた。今回の研究の新しい成果は、以下の点である。
    (1)近代文学の出発期における風景への接し方においては、それを言葉で表現する時には既成の表現技法・措辞の影響が顕著であり、特に宮崎湖処子などは漢文脈と洋文脈の狭間において模索する姿が顕著に見られる。
    (2)水野葉舟の小品文は、これまで以上に注目されなければならない。文学性は必ずしも高くはないが、それは近代文学の成熟期の実相でもあったのであり、そこから近代文学表現史の課題が浮き彫りに出来る。今回、未発表の葉舟の大正期の日記を翻刻紹介出来たのは、大きな成果である。
    (3)風景の「闇」は、明治・大正・昭和をトータルに見る時、大きな手がかりになるファクターである。永井荷風・水野葉舟・梶井基次郎の「闇」をたどって、新しい文学史も可能になるはずである。
    (4)堀辰雄の描く「風景表象」は、昭和期において特徴的であり、伝統と新しい西洋との狭間でその文学活動を試みた堀にとって、基本的な問題である。
    本研究は、さらに日本近代の思想史的なパースペクティヴを導入することで、さらに展開可能である。

  • 近代日本文学にみる自然描写の系譜

  • 近代日本文学と美術との相関

  • 日本近代文学における自然描写

  • 日本近代文学と美術

  • Nature in Moderne Japanese Literature

  • Modern Japanese Literature and Fine Arts

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Misc

  • 子規随筆の意味するもの -『明治卅三年十月十五日記事』の周辺-

    中島 国彦

    早稲田大学大学院文学研究科紀要. 第3分冊, 日本語日本文学 演劇映像学 美術史学 表象・メディア論 現代文芸   61   一七 - 二九  2016年02月

    CiNii

  • 書評 安藤宏著『近代小説の表現機構』

    中島 国彦

    国語と国文学   90 ( 9 ) 70 - 75  2013年09月

    CiNii

  • 木下尚江と田中正造、一九一〇年まで : 新資料・木下尚江宛田中正造書簡の紹介

    中島 国彦

    早稲田大学大学院文学研究科紀要. 第3分冊   58   21 - 37  2012年

    CiNii

  • 作家出発期の小川未明--ラフカディオ・ハーンとの関わりから

    中島 国彦

    国文学研究   164   1 - 14  2011年06月

    CiNii

  • 明治二十九年十一月の木下尚江―論説草稿の翻刻と分析―

    早稲田大学大学院文学研究科紀要/早稲田大学大学院文学研究科   55-3   3 - 12  2010年

  • 水野葉舟・佐藤春夫・永井荷風をつなぐもの―「植物表象」をめぐる一九二〇年代の芸術状況

    比較文学年誌/早稲田大学比較文学研究室   46   1 - 12  2010年

  • さまざまな植物形象から―荷風と佐藤春夫をつなぐもの―

    「春夫の観た永井荷風」展図録/佐藤春夫記念館     3 - 4  2010年

  • 三枚の原稿用紙―太宰治「走ラヌ名馬」の行方―

    太宰治研究/和泉書院   18   25 - 30  2010年

  • 逍遥と『早稲田文学』が目指したもの

    美濃加茂市民ミュージアム紀要/美濃加茂市民ミュージアム   ( 8 ) 1 - 13  2009年

  • 都市美論への道―『日和下駄』成立前夜

    文学/岩波書店   10 ( 2 ) 17 - 30  2009年

  • 解説

    佐藤春夫『小説永井荷風伝他三篇』(岩波文庫)/岩波書店     299 - 311  2009年

  • 日記にみる水野葉舟の内面告白と自然への凝視―『下蛇窪日記』(大正六年九月~大正七年五月』の翻刻と考察―

    日本近代文学館年誌 資料探索/日本近代文学館   ( 5 ) 70 - 82  2009年

  • 「自然」を見つめる心、「風景」を描く言葉―漱石『思ひ出す事など』を出発点に―

    国文学研究/早稲田大学国文学会   ( 159 ) 12 - 22  2009年

  • 『寒玉集』時代の虚子写生文―その問題点と可能性と

    国文学解釈と鑑賞/至文堂・ぎょうせい   74 ( 11 ) 42 - 48  2009年

  • Claudel et la litterature moderne japonaise―La lecture de L’Annonce faite a Marie par Hori Tatsuo

    Traditions et transformations dans le theatre en France et au Japon du 15 au 20 siecle     115 - 122  2008年

  • 近代文学にみる「秋」の風景表象―島崎藤村『千曲川のスケッチ』を中心に―

    早稲田大学大学院文学研究科紀要/早稲田大学大学院文学研究科   ( 53 ) 3 - 14  2008年

  • 野口冨士男『わが荷風』の基底―東京という場所への眼―

    野口冨士男文庫/l越谷市立図書館   ( 10 ) 4 - 5  2008年

  • ナポリの有島武郎―ヨーロッパ体験の位相―

    高原文庫/軽井沢高原文庫   ( 23 ) 29 - 33  2008年

  • シンポジウム・新しい文化学の構築に向けて

    新しい文化学の構築に向けて―創立125周年記念講演会・シンポジウム記録―/早稲田大学文学学術院     38 - 45  2008年

  • Claudel et la litterature moderne japonaise―La lecture de L’Annonce faite a Marie par Hori Tatsuo

    Traditions et transformations dans le theatre en France et au Japon du 15 au 20 siecle     115 - 122  2008年

  • シンポジウム・『新楽劇論』を読む

    坪内逍遥没後七十年シンポジウム記録/早稲田大学演劇博物館・演劇研究センター     1 - 18  2007年

  • 『帰省』の「風景表象」からみた宮崎湖処子の出発―柳宗元とアーヴィングとの間―

    比較文学年誌/早稲田大学比較文学研究室   ( 43 ) 1 - 10  2007年

  • 解説・ある知性の誕生―和辻哲郎の出発

    和辻哲郎『偶像再興・面とペルソナ』(講談社文芸文庫)/講談社     273 - 296  2007年

  • 「文藝時評」への一視点―ゆまに書房『文藝時評大系』の編集に参加して―

    中島 国彦

    日本近代文学/日本近代文学会   76 ( 76 ) 257 - 263  2007年

    CiNii

  • 日本橋という名の「風景」

    日本橋トポグラフィ事典・本編/たる出版     713 - 721  2007年

  • 解説・丹羽文雄

    丹羽文雄『鮎 母の日 妻』(講談社文芸文庫)/講談社     271 - 286  2006年

  • 丹羽文雄作品を新しい読者に

    IN・POCKET/講談社   24 ( 1 ) 212 - 213  2006年

  • 堀辰雄のクローデル受容―『マリヤへのお告げ』の影響を中心に―

    比較文学年誌/早稲田大学比較文学研究室   ( 42 ) 53 - 64  2006年

  • 解説―明治期における「文藝時評」の位置

    文藝時評大系 明治篇 別巻(索引)/ゆまに書房     3 - 18  2006年

  • 「闇」への眼、「闇」の造型―水野葉舟から見た近代の「風景表象」―

    国文学研究/早稲田大学国文学会   ( 149 ) 68 - 77  2006年

  • 書評・漱石作品を通した「小説言語」への豊かな証明―高橋英夫『洋燈の孤影』

    図書新聞   ( 2789 )  2006年

  • 日記にみる水野葉舟の日常とその表現意識―『下蛇窪日記』(大正七年八月~十月)の翻刻と考察―

    中島 国彦

    日本近代文学館年誌 資料探索/日本近代文学館   ( 2 ) 27 - 39  2006年

    CiNii

  • 漱石と新しい「人間」

    文藝春秋・特別版(12月臨時増刊号)「夏目漱石と明治日本」   82 ( 16 ) 126 - 129  2006年

  • 『古寺巡礼』と『大和路・信濃路』をつなぐもの―堀辰雄「大和路」ノートの検証を中心に―

    中島 国彦

    日本近代文学/日本近代文学会   72 ( 72 ) 163 - 176  2005年

    CiNii

  • 《書評》『パリ1900年・日本人留学生の交流―「パンテオン会雑誌」資料と研究』

    文学/岩波書店   6 ( 3 ) 200 - 206  2005年

  • 近代小説の中の風景―文学者は自然をどう描いたか(仏文も併載)

    CAHIERS/アルザス日本学研究所   ( 1 ) 75 - 82  2004年

  • あとがき

    早稲田大学大学院文学研究科紀要・別冊(2003年度) 伝統と革新(早稲田大学文学部創設100周年記念国際シンポジウム・記念講演の記録)    2004年

  • ジャン=ジャック・オリガス著『物と眼 明治文学論集』

    比較文学年誌/早稲田大学比較文学研究室   ( 40 ) 163 - 166  2004年

  • 於菟吉変化―多情の人

    雪之丞変化プログラム/明治座    2004年

  • 自筆原稿で読むスリリングな体験―夏目漱石原稿『道草』刊行に寄せて

    日本近代文学館/日本近代文学館   199  2004年

  • 懐かしい人―ジャン‐ジャック・オリガス氏の思い出

    中島 国彦

    日本近代文学/日本近代文学会   70 ( 70 ) 102 - 108  2004年

    CiNii

  • 「古代美への憧れ」とは何か―堀辰雄・奈良大和・『古寺巡礼』―

    国学院雑誌   105 ( 11 ) 152 - 161  2004年

  • 手紙にみる言葉への信頼 ほか

    愛の手紙 友人・師弟篇/青土社    2003年

  • 朝の歌―歌・音楽の視点から

    国文学/学燈社   48 ( 13 ) 22 - 26  2003年

  • 「朝日文芸欄」にみる「文学」意識―漱石と森田草平たちとの間―

    中島 国彦

    国語と国文学/至文堂   80 ( 11 ) 45 - 54  2003年

    CiNii

  • 東京 矢代幸雄

    芥川龍之介新辞典/翰林書房    2003年

  • 子規とベースボール

    新鐘(シリーズ5・早稲田に聞け!スポーツ)/早稲田大学学生部   ( 69 )  2003年

  • 田村俊子から岡田八千代へ ほか

    愛の手紙/青土社    2002年

  • 文芸批評家としての高田早苗

    高田早苗の総合的研究/早稲田大学大学史資料センター    2002年

  • 近代の時間と空間―永井荷風、島崎藤村、横光利一の場合―

    パリ第七大学東洋言語文化学部日本大学語科主催国際シンポジウム「日本文学の現在―時間、空間、言語をめぐって―」    2002年

  • 近代小説のなかの風景―文学者は自然をどう描いたか―

    Centre d'Etudes Japonaises d'Alsace(アルザス日本学研究所)    2002年

  • 「ハムレット」と日本の近代文学―明治期の「ハムレット」移入から浮かび上がるもの―

    「ハムレット」への旅立ち/早稲田大学出版部    2001年

  • ある「花痴」の肖像

    定本佐藤春夫全集 月報23    2000年

  • 反(アンチ)・漱石?

    文学/岩波書店   1 ( 2 )  2000年

  • 二科展の出発、春夫の出発―その背後に隠されているもの

    国文学/学燈社   45 ( 8 ) 58 - 64  2000年

  • 緊急避難の構造―文学史を見据える一つの見方

    繍/早稲田大学文学研究科日本文学専攻近代文学研究室   11  1999年

  • 文学界の新風と秋聲-『春光』の周辺-

    徳田秋聲全集/八木書店   3  1999年

  • 「愛撫」の位置―1930年の梶井基次郎一面

    解釈と鑑賞/至文堂   64 ( 6 ) 143 - 146  1999年

  • 中原中也と童謡の時代

    中原中也研究   4  1999年

  • 「大東京繁盛記」解説

    大東京繁盛記/毎日新聞社    1999年

  • 夏目漱石解説

    「時を超えて―漱石・芥川・川端―」展図録/日本近代文学館    1998年

  • 内田道雄著『夏目漱石「明暗」まで』―漱石研究の推移を体現した重厚な作家像

    漱石研究/翰林書房   10   207 - 210  1998年

  • 文学史へのアプローチ―「文学史」という問題、「文学史」を考慮した作品分析

    別冊国文学/学燈社   51   45 - 58  1998年

  • 『吾輩は猫である』の猫には何故名前がないのか

    AERA Mook「漱石」がわかる。/朝日新聞社    1998年

  • 三冊の荷風評論をどう読むか―論者の個性を逆証明するもの―江藤淳『荷風散策―紅茶のあとさき』、川本三郎『荷風と東京「断腸亭日乗」私注』、菅野昭正『永井荷風巡礼』

    文学/岩波書店   8 ( 1 ) 194 - 199  1997年

  • 『新しい人よ眼ざめよ』―ある実体化の軌跡

    国文学/学燈社   42 ( 3 ) 100 - 106  1997年

  • マイクロフィッシュ版 明治期刊行物集成 文学・言語編 完成記念シンポジウム 「明治」の本・人・出版社

    早稲田大学図書館紀要   44  1997年

  • 『荷風全集』の風貌と荷風像―元版全集から新版全集まで

    中島 国彦

    ユリイカ/青土社   29 ( 3 ) 164 - 169  1997年

    CiNii

  • 「桑の実」解説

    鈴木三重吉「桑の実」/岩波文庫    1997年

  • 江藤淳・代表作ガイド、収録文解説

    群像日本の作家・江藤淳/小学館    1997年

  • 「お佐代さんは」が手に入れたもの―『安井夫人』の表現構造―

    森鴎外研究/和泉書院   9  1997年

  • 風景の変容―画家大下藤次郎と詩人三好達治をつなぐもの

    早稲田大学大学院文学研究科紀要 第三分冊/早稲田大学大学院文学研究科   41   3 - 17  1996年

  • 「一本の道」の周辺―斎藤茂吉における「生命」認識

    「生命」で読む20世紀日本文芸/至文堂    1996年

  • 明治期紀行文の文学表現―小島烏水の昇仙峡紀行を中心に―

    資料と研究/山梨県立文学館   1  1996年

  • 「藤の花」連作の周辺―一九〇一年春の正岡子規―

    日本現代詩歌研究/日本現代詩歌文学館   2   81 - 96  1996年

  • 藁屋根・郊外・水彩画―『三四郎』の一節から―

    迷羊のゆくえ―漱石と近代(熊坂敦子編)/翰林書房    1996年

  • 作家案内―大江健三郎 ある思考様式の軌跡

    大江健三郎『僕が本当に若かった頃』(講談社文芸文庫)/講談社    1996年

  • 「生の充足」の構造―ゲーテ・ブラームス・堀辰雄

    解釈と鑑賞/至文堂   61 ( 9 ) 48 - 53  1996年

  • 自然の再発見

    岩波講座 日本文学史 第11巻 変革期の文学Ⅲ/岩波書店    1996年

  • 器物を見る眼―井上靖の美術批評と初期短篇

    井上靖/至文堂    1996年

  • 禅と近代文学―漱石とその周辺を中心に

    仏教文学講座第2巻/勉誠出版    1995年

  • 内的生命としての自然―自然観の変容から見た大正文学の出発―

    大正生命主義と現代(鈴木貞美編)/河出書房新社    1995年

  • やまなし文学賞(研究評論部門)

       1995年

  • 白秋童謡への一視点

    日本の児童文学3日本児童文学史を問い直す 表現史の視点から(日本児童文学会編)/東京書籍     83 - 106  1995年

  • 古雑誌の口絵を見る眼

    日本近代文学/日本近代文学会   53  1995年

  • 「自然」への眼、「写生」の認識―文学史の中の子規の「写生」論

    和歌文学講座第9巻/勉誠出版    1994年

  • 作家案内―佐藤春夫

    佐藤春夫『車塵集・ほるとがる文』(講談社文芸文庫)/講談社    1994年

  • 漱石日記梶井基次郎日記

    日本「日記」総覧/新人物往来社    1994年

  • 「昔の夢」の内実

    坪内逍遥 翻刻と研究 小説外務大臣(逍遥研究会編)/双文社出版     121 - 142  1994年

  • 藁屋根とヌーボー式と―『三四郎』と本郷文化圏―

    漱石研究/翰林書房   2  1994年

  • 漱石全集第7巻 彼岸過迄

    岩波書店    1994年

  • 永井荷風「新帰朝者の日記」―漱石作品を補助線とした照明

    国文学/学燈社   39 ( 7 ) 59 - 65  1994年

  • 『世紀末と漱石』を読む

    文学/岩波書店   5 ( 3 ) 157 - 161  1994年

  • 『三四郎』と恋愛『それから』と新聞『門』と宗教『彼岸過迄』と市電『こころ』と山の手『道草』と家

    太陽/平凡社   398  1994年

  • 佐藤泰正著作集1『漱石以後1』

    国文学/学燈社   39 ( 10 )  1994年

  • 近代文学にみる感受性

    筑摩書房    1994年

  • 網野義紘著『荷風文学とその周辺』

    立教大学日本文学   73  1994年

  • 生命への凝視―茂吉・ロダン・ゴッホ

    早稲田文学(早稲田文学会)/講談社   201   52 - 62  1993年

  • 『墨東綺譚』における秩序と混沌

    日本近代文学/日本近代文学会   48   122 - 134  1993年

  • 文豪たちが歩いた風景

    東京人/都市出版    1993年

  • 新聞の紙面から―『彼岸過迄』連載開始前後

    漱石研究/翰林書房   1  1993年

  • 藤村文学紀行

    群像日本の作家4 島崎藤村/小学館     187 - 195  1992年

  • 西洋の呪縛―近代作家の留学体験とその形象

    日本文学史を読む/至文堂   5  1992年

  • 『ゴッホの手紙』―「恐ろしい様な透視力」とは何か

    国文学/学燈社   57 ( 6 ) 128 - 131  1992年

  • 小道具としての西欧芸術―帰朝直後の荷風と啄木との接点―

    文学/岩波書店   3;3(夏号)   23 - 35  1992年

  • 若き日の朔太郎と「情調」--音楽との関わりを手がかりとして (萩原朔太郎--詩と詩語と<特集>)

    中島 国彦

    国文学 解釈と教材の研究   34 ( 7 ) p76 - 82  1989年06月

    CiNii

  • 漱石と美術 (夏目漱石を読むための研究事典<特集>) -- (漱石研究の現在)

    中島 国彦

    国文学 解釈と教材の研究   32 ( 6 ) p49  1987年05月

    CiNii

  • 叢話・人間・かたち--「下谷叢話」への一視点 (永井荷風の世界<特集>) -- (作品研究)

    中島 国彦

    国文学解釈と鑑賞   49 ( 4 ) p81 - 85  1984年03月

    CiNii

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特別研究期間制度(学内資金)

  • 日本の近代文学者と西欧芸術

    2002年04月
    -
    2003年03月

    フランス   パリ第7大学・国立東洋言語文化研究所

特定課題制度(学内資金)

  • 自然・都市の反映としての「風景表象」からみた近代文学の空間構成の構築

    2014年  

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     この数年、「風景表象」という用語を用いながら、近代作家が描く自然描写の系譜を探究して来たが、そうした研究系列の中で、今年度は東京や京都といった都市のみならず、郊外の自然や避暑地の自然なども念頭に置きつつ、特異な例をいくつか取り上げて、資料収集、実地踏査を行い、論文や講演の形でその成果を公表した。 本年は、さらに「場所の想像力」「土地の想像力」という概念を導入し、「風景表象」の一つ一つがかけがえのない意味合いを持ち、その総合が文学の流れを作ると指摘したいと考えた。田山花袋・近松秋江・堀辰雄の作品を中心に分析、典型的な「風景表象」を実地踏査を背景に意味付け、近代文学総体の理解に結び付けようとした。

  • 都市空間及び自然環境の変容からみた、「風景表象」を軸とする新しい文学史の構想

    2013年  

     概要を見る

     本研究は、「風景表象」という概念を軸にこの数年継続してきた科学研究費補助金「基盤(C)」による研究の延長であり、新たな展開を期した計画で続けているものである。日本近代の文学者の作品の中にみられる「風景表象」を追跡してきたが、東京のような典型的な都会の風景のみならず、最近特に注目されている自然形象、近年の災害によっても脚光を浴びている流動的な自然の光景にも眼を向けることで、新たな文学史の構想をねらったものである。 東京という都市のみならず、典型的な「風景表象」は、例えば奈良・大和の古代の面影を残す風景にも特色がみられる。今年度はまずそうした典型を、古代の大和に求め、その文学的形象を達成した堀辰雄の昭和10年代の営為を分析した。論文化したのは、小品『古墳』という作品であり、それが書かれた背景、作者がよりどころとした資料、その表現の特色、その時代的な意味などを考えた。 明治という時代においては、自然は科学技術の発展により脅かされ、いろいろな問題が生じた。足尾鉱毒問題は、その典型であろう。そこで、従来歴史的資料としてしか考えられなかった田中正造の文章、特にその日記などの表現を、一人の人間の営為ととらえ、その言葉の世界から生まれてくる意味を分析した。幸い、「文学学術院所蔵木下尚江資料」の整理も進めており、そこに含まれている正造の尚江宛書簡の解読を進めていたので、その二つをリンクさせ、新しい問題提起を試みた。その過程で見えてきたのが、「場所の想像力」という概念で、それを全面に押し出すことにより、新たな文学像が形成されるのではないかと主張した。 東京の「風景表象」の分析も続けているが、更に京都の「風景表象」にも眼を向け、「場所の想像力」の発現の仕方を考えた。その材料として選んだのが、大正時代に京都に滞在した経験を持つ作家の近松秋江である。『黒髪』連作は、名作であるが、その作品世界を「場所」の観点から分析した達成は、そう多くない。本年度試みた実地踏査を背景にして、『黒髪』連作の「場所」の持つ作品上の機能を跡付け、文学史的意味を再確認することを目指した。 その他、将来に向かって論文化するための実地踏査を心がけている。済んでいる場所としては、岡山県勝山、長野県小諸、千葉県印旛沼などがあり、機会を見て論文化して報告したい。

  • 文学学術院所蔵「木下尚江資料」の最終整理・データベース化と、尚江文学の総合的研究

    2013年  

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     早稲田大学の資金援助で実施されている「文学学術院所蔵木下尚江資料」の整理・公開は、現在最終段階に来ている。教文館版『木下尚江全集』に未収録の資料の整理を進めて来たが、その大半は整理を終え、『木下尚江資料集』第1集(2010・2、早稲田大学国際日本文学・文化研究所)、第2集(2012・3、同)、第3集(2013・2、同)に翻刻紹介した。全集を補う資料として歓迎されている。その他の資料のうち、尚江の自筆ではないが、尚江の演説の速記が残されており、尚江の演説のさまがうかがわれる資料なので、活字化を達成した。更に、尚江自筆ではあるが、田中正造の伝記執筆のための資料メモが数百枚残っており、こうした資料は整理が困難であり、デジタル撮影した画像をそのまま公開したほうがいいケースでもあるので、そのような処理で、画像データベースに追加して公開する準備をしている。現在、解題の執筆中である。 その他、残された資料の大部分をデジタル撮影し、画像の整理を試みている。中には、稿本のままで伝わった資料(アメリカの文献の翻訳)もあるが、尚江の自筆ではなく、どうしてそうした資料が伝わったかはわからない。現在まで、その出典を突き止めており、なんのためにそうした翻訳が存在するのかの実態を今後解明していきたい。 今回特に力を入れたのが、尚江に宛てて書かれた田中正造の書簡の意味付けである。まず書簡を翻刻し(正造の字は特徴があり、判読困難のものも多い)、正造と尚江の関係の分析に、方向を向けた。おのずと田中正造の明治末から大正初めの治水行脚の内実を分析することにもなり、田中正造論としてもある達成が見られたと考えている。今後もさらに追及したいと思っている。 今後の計画としては、完成間際の、「文学学術院所蔵木下尚江資料」の総目録の刊行がある。番号順に整理され、どうしたらその全貌が理解出来るかを検討中である。2014年中には、何とか刊行にこぎつけたい。

  • 文学学術院所蔵「木下尚江資料」の整理・データベース化を通した木下尚江の業績の検証

    2012年  

     概要を見る

     文学学術院には、かつて木下尚江の遺族木下正造氏から譲っていただいた自筆資料類がある。その「木下尚江資料」の整理・公開には、かつて柳田泉教授・稲垣達郎教授らが当たってきたが、その多くは未整理のままになっていた。教文館版『木下尚江全集』には、2002年までに整理された資料が活字化されて翻刻されたが、まだ多くの未発表資料が存在する。2009年以降申請者を中心にその整理が集中して行なわれ、その作業は《重点領域研究》国際日本文学・文化研究所に受け継がれ、翻刻紹介の形での『木下尚江資料集』の刊行、文学学術院ホームページ上の画像データベース作成が実現した。まず、ホームページでの公開を前提としたデジタル画像の製作を試み、研究協力者の支援を得て、2009年9月までにデジタル画像の製作を実施し、約400コマを完成した。年度末までに、受け入れ資料のうち未発表の「論説草稿」の部分を、大学院文学研究科の博士課程院生を含めたチームを作って翻刻、それに解題を付す作業を行った。『木下尚江資料集』96ページがそれである。更に2年目は、「論説演説草稿・詩歌草稿」を整理、『資料集』第2集は、166ページの大冊となった。画像データベースも、第2次公開された。その過程で、各資料の史的意味の分析を行い、その一端は、申請者の執筆した論文の形でまとめた。 2012年度に「特定課題A」の採択を受けて、残りの資料から未発表の「書簡」を翻刻し、画像データベースに追加する作業を行った。年月日を確定するのは難しい作業だったが、ほぼ紹介できたと思っている。2013年2月に刊行した『資料集』第3集は、46ページであるが、すべて全集未収録の新資料であり、尚江研究に大いに役立つものと信じている。 懸案は、尚江自筆の資料であっても、断片の集積で、『資料集』での翻刻が困難なものの扱い、更に尚江が努力した、知友田中正造・島田三郎関係の収集資料の紹介である。田中正造の尚江宛書簡については、『資料集』の形でなく、申請者の論文の中で紹介する形とし、今年度は前半部分を執筆した。2013年度に、後半を翻刻紹介する。また、尚江が大きな影響を受けた政治家島田三郎に関係する資料のうち、「先生最後の憂ひ」と題する演説が、速記のまま未発表であることがわかり、その紹介を予定している(2013年6月)。演説の巧みな尚江だが、これまで演説要旨や、その草稿メモは残されていたが、肉声をそのまま伝える演説速記は今回初めて紹介される。この調査研究で、そうした資料の存在を確認し、公表できるのは、尚江研究にとってもありがたいことと思う。将来に備え、資料のデジカメでの撮影を進めたので、そうした資料の翻刻紹介を今後も続けていきたいと考えている。

  • 近代文学における「風景表象」と文体の相関

    2009年  

     概要を見る

     「風景表象」という概念を使って、日本の近代文学に含まれる問題を考察して来ているが、その理論的根拠を確立するための西洋文献の収集、これまでの研究動向の把握に改めて心がけた。論文化された具体的なテーマとしては、まず、①大正期の作家水野葉舟の日記の分析、②それと同時期の佐藤春夫・永井荷風の「風景表象」としての植物への眼の考察、が挙げられる。この2点を論文化しつつ、さらに多くの文学者の営為を視野に入れた研究を心がけた。 ①日本近代文学館が所蔵する大正期の水野葉舟の日記を閲覧する機会を得たので、その一部を翻刻しつつ、そこに含まれた問題を跡付けた。とくに注意したのは、日記にうかがわれる東京郊外の自然への文学者への眼である。そこには、友人高村光太郎を経由してロダンの芸術論の投影が感じられ、それは「mouvement」というキーワードに如実に現われている。作品をあまり発表しなくなった葉舟だが、その背景に新たな文学動向の吸収や自己の内面への凝視が存在し、それが断片的に書かれた当時の日記にうかがえることを分析した。 ②大正半ば、1920年前後には、何人もの文学者に共通する芸術体験・表現の模索がうかがえる。①を発展させる過程で、それが文学者の「植物表象」とも言える、植物への関心・造形にあることに気づき、その点を分析した。従来の作家別・文学史的記述ではうかがえない時代の芸術環境を跡付けるのは、この研究の要点の一つである。今回、葉舟を経由し、永井荷風・佐藤春夫のなかに、同じ芸術的感性、その表現構造が見られることを論証した。今年度に、その芸術環境の一つとして「植物表象」とでも言いうる概念を定立出来たのは成果と考えている。 そのほか、今後の科研費申請に連動した、将来論文化できるテーマの準備を進めて、資料の収集に当たった。

  • 文学学術院所蔵「木下尚江資料」の整理およびデータベース化に関する基礎的研究

    2009年  

     概要を見る

     文学学術院には、かつて木下尚江の遺族木下正造氏から譲っていただいた自筆資料類がある。その「木下尚江資料」の整理・公開には、かつて柳田泉教授・稲垣達郎教授らが当たってきたが、その多くは未整理のままになっていた。教文館版『木下尚江全集』には、2002年までに整理された資料が活字化されて翻刻されたが、その他の資料については、まだ多くの未発表資料が存在する。今回それの整理を集中して行い、可能な範囲で翻刻紹介しようというのが、この研究プロジェクトの内容である。 まず、ホームページでの公開を前提としたデジタル画像の製作を試み、整理された部分からファイルに挿入し、翻刻して小冊子の形で公開を試みた。研究協力者の支援を得て、2009年9月までにデジタル画像の製作を実施し、約400コマを完成した。年度末までに、受け入れ資料のうち未発表の「論説草稿」の部分を、大学院文学研究科の博士課程院生を含めたチームを作って翻刻、それに解題を付す作業を行った。その過程で、各資料の史的意味の分析を行い、その一端は、論文の形でまとめた。今回紹介したものは、明治20年代後半の論説の草稿で、それは上京するまでの時期に郷里信州で盛んな言論活動をした時のものである。それぞれの資料は、執筆時期があいまいなものが多く、編年には困難が生じている。今後は、資料の内容を吟味しつつ、更なる意味づけを行って生きたいと考えている。文学部ホームページでの公開に関しては、文学学術院のサーバーの変更計画に関連して、2009年度中の公開が不可能になり、次年度以降に持ち越された。 この計画は、幸い単年度で終わることなく、重点領域研究「世界と共創する新しい日本文学・日本文化研究」(2009年11月採択)に引き継がれ、プロジェクト研究所「早稲田大学国際日本文学・文化研究所」の活動と重なり、来年度以降も継続することになっている。デジタル化の作業、その翻刻としての資料集の刊行、ホームページ上での公開、こうした流れが出来たことは、この研究費を使った作業がさらに飛躍することを示していると思う。

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