Updated on 2024/04/18

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TSUJI, Yoshimasa
 
Affiliation
Faculty of Social Sciences
Job title
Professor Emeritus
Degree
Doctor of Econimics ( The University of Tokyo )

Professional Memberships

  •  
     
     

    比較経済学会

  •  
     
     

    日本社会政策学会

  •  
     
     

    AAASS

  •  
     
     

    BASSEES

Research Areas

  • Economic policy

Research Interests

  • 経済政策(含経済事情)

 

Books and Other Publications

  • Петербургская историческая школа

    Изд. Нестор  2004

  • Октябрьская революция и фабзавкомы. Ч. 4.

    Издательство С.петербургского гос. университета  2002

  • 現代ロシア経済論

    岩波書店  2001

  • Октябрьская революция и фабзавкомы. Ч. 3.

    С.Петербургский Институт истории РАН  2001

Research Projects

  • 日露の労働の比較研究

    国際共同研究

    Project Year :

    1998
    -
     
     

  • Comparative study of Russian and Japanese Labour

    International Joint Research Projects

    Project Year :

    1998
    -
     
     

  • 現代ロシアの生活と労働

  • Life and Labour in Today's Russia

Misc

  • ロシア連邦労働法典

    出版社未定    1999

  • ロシヤ国家財政と金融経済の崩壊1

    早稲田社会科学研究,早稲田大学社会科学学会   58  1999

  • 経済危機後のロシア経済

    比較経済体制学会会報   36巻  1999

  • 現代ロシアの賃金諸形態

    北海道大学スラブ研究センター、文部省科学研究費補助金重点領域研究成果報告集    1997

  • Petrogradskij Sovet Professional'nykh Sojuzov v 1917 g.

    Izd.Tret'ja Rossija, ss.260. Sankt-Peterburg    1997

  • 現代ロシアにおける個人所得統計

    経済構造と経済循環の変化に関する実証的分析/北海道大学スラブ研究センター   1  1996

  • 現代ロシアにおける個人所得統計

    北海道大学スラブ研究センター『ロシアの人口・労働統計』 26‐35    1996

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Overseas Activities

  • 現代ロシア企業の競争力の研究

    2001.08
    -
    2002.07

    ロシア   連邦保安局、ペテルブルグ大学

Internal Special Research Projects

  • 活力あるロシア民営企業の研究

    2002  

     View Summary

    当初の研究対象はロシアにおけるスモールビジネス(SB)の設立動向とそのパフォーマンスの調査であった。SBについては早くも1994年に小企業支援委員会が設立され、国家による保護と育成が公的に確認された。 1995年には小企業支援法が制定され、小企業に対するさまざまな保護育成策の根拠となった。2001年には小企業に対し課税を簡素化する法律が通過した。しかしながら、今までのところロシアにおけるSBは期待されたほど成長していない。その原因は企業活動に対する許認可制度(すべての業種について事細かい規定がある)、面倒な法人登記制度などだけにあるわけではない。実際,90年代に登場したSBのかなりの大部分は大企業が政府や地方政府から援助を得たり,節税するために設立したものであるといわれているし、許認可や登記については専門の代行屋がすぐさま登場しているからである。SBといえどもそれなりの原始的蓄積を必要とするし、経常的支出のためには銀行からの支援が不可欠であるが,これは今なお絶望的に不足している。調査の過程で新たに着目するに至ったのは「法人格なき個人企業」であった。個人による経済活動の自由は90年代の初めから合法的であったが,行政による対応は全くなかったため、たとえば国家統計委員会の調査対象からは2000年まですっぽり抜け落ちたままであった。2003年1月現在、全ロシアの小売業における小企業の比重は51%、小売業における小企業の数は約140万とされている。全産業では法人のSBは88万だが、個人企業を含めると550万に達する。法人のSBはむしろ減少傾向にあるのに対し,個人企業は猛烈な勢いで成長しつつある。それはロシアの街角に林立するおびただしい数のキオスク、次々と建設される屋根つきの市場,個人商店をみれば一目瞭然である。従来、いまだに改革以前の経済水準に復帰できていないという主張がまことしやかに唱えられているが,自由経済になって解放された個人の経済活動がまったく計算外に置かれており、この分野の比重が増えるにつれ、あたかも売上高や雇用者数が減少したかのような外観をていしたからである。個人企業は小売業だけでなく、歯医者・美容院といった隆盛しているサービス産業を支えており、国家的支援や金融インフラの整備なしに力強く成長している。しかしながら、製造業における個人企業の成長はいまだ極端に未発達(食品加工のような消費者に近いところに限定される)である。製造業でのSBの可能性は小さいので,当面は小売業とサービス産業(情報産業,不動産業などを含む)という急成長中の産業に注目していきたい。なお、法人格なき個人企業にも大きな企業が存在することを指摘したい。

  • 経済危機下のロシア経済の研究

    2000  

     View Summary

     1998年のロシア経済の破綻による平価切下げは、従来の過剰な製品輸入体質を是正し、多くの分野での国産品代替を呼び起こし、所得の向上と生活の安定をもたらした。しかし、外国からの直接投資が依然微弱で企業社会の近代化が遅れたままになっている。この前近代性をソビエト時代からの連続性という視点で根拠づけることに成功した。ロシアへの出張1. 1999年8月--9月(25日間) ロシア科学アカデミー経済研究所での研究交流が中心。統計資料を中心に収集2. 1999年11月--12月(50日間)  モスクワ大学経済学部労働経済学講座に在籍。同僚との研究交流のほか、労働省労働研究所、同生活水準研究所などでの研究大会に参加。3. 2000年3月--4月(22日間)  経済研究所の他、ペテルブルグの統計委員会などで地域経済および労働市場関連の統計資料の収集と意見交換4. 2000年8月--9月(20日間)  前年とほぼ同じ5. 2000年11月--2001年1月(50日間)   前年とほぼ同じ。モスクワ経済大学校での研究大会(テーマ「企業の社会貢献」)に参加。日系企業数社との接触により、日本人から見たロシア企業の問題点について意見交換6. 2001年3月(18日間)   経済研究所で地域経済(モスクワ、ペテルブルグ)におけるスモールビジネスおよび職業別労働市場の調査動向について資料収集。またロシア科学アカデミー人口研究所にN.M.Rimashevskaja教授をたずね、貧困世帯についての過去40年間における連続的変化について意見交換をした。7. 1999年10--11月(15日間)   モスクワ大学経済学部の同僚R. P. Kolosova教授を早稲田大学に招き、日本経済および日本の労働経済とロシアのそれとの比較研究をテーマとして資料収集のお手伝いと意見交換。

  • 現代ロシアの生活水準の推計

    1998  

     View Summary

     当初の研究目的は、ロシア経済分析において企業及び個人の所得が脱税および横領目的で著しく不透明になっているから、比較的信頼できるデータからそれらを推計することを主題としており、実際にデータが確保でき、また実地でそれらを検証できるという条件下で「モスクワ市民の所得と消費支出の推移」に絞り込むことにしていた。 昨年度の研究において達成された大きな前進は、モスク大学経済学部に交換研究員として派遣され、モスクワにある生活水準と労働報酬に関わる研究機関と協力関係を樹立し、ロシアの研究機関によって行われている各種のfield workの成果および研究成果の現段階での水準を漏れなく取得できたことである。 具体的に言えば、統計の一次資料の提供者として1)モスクワ市統計局生活水準調査課2)労働省付属生活水準研究所3)人材派遣会社BLM-Consortを確保できた。また、モスクワ以外ではペテルブルグの市統計局集計課の協力も得、データのすそのを広げることができた。 これらの資料をから見て取ることで、従来のロシア連邦国家統計局の「全国社会・経済状況」という全国レベルの資料では窺い知ることの出来ないことが多々発見された。その内とくに重要な項目は1. 市民は平均して30%程度正規の勤務先以外から所得を得ている。2. 最も裕福な10%及び20%の人々の所得の伸びが著しい。3. 1998年8月の経済危機以降、最も貧しい40%の人々の暮らしぶりはさして変化しなかったが、中間層である上位20percentileから40percentileの人々の購買力及び消費支出が激減した。4. 経済危機は1998年1月には下げどまり、予想された大量失業も生まれず、中間層の生活水準の相対的後退をもたらしたにとどまった。5. 経済的に最も貧しい階層も含め、極小所得水準での生活維持機構がそれなりに有効に働いているので、大量餓死が生ずる危険性はない。ただし、そうしたsafety netから外れた人々に対する個別的救済が今後の課題である。

  • ロシア民営企業の賃金管理

    1997  

     View Summary

    [資料収集の状況] 賃金動向のデータとして着目していたのは、一般労働者向けの週間求人誌で、Triza が外資系企業のマネージャー・高級秘書に集中しているのに対し、これらは自動車修理工・建築工事の管理者・出版者の営業要員といった普通の労働者の雇用条件を知る上で非常に貴重な情報をもたらすはずであったが、入手は順調にいかなかった。そこで、整理・分析の対象となった資料の大半は国家統計局およびモスクワ市統計局が作成したデータとなった。これらについては、最初から電子化されているものが多々あったが、それらのデータのformatの解析に成功した。[主要な発見]今年度における統計的データを入手し、情報をupdateしたということに限ろう。1997年7月のデータでは、所得に占める労働報酬の割合は前年の18%から15%に低下し、外貨販売収入は17%から28%へ増加し、企業家のその他の収入は59%から54%へ低下している。 1. 1993年以降徴税制度が活動を始めるや、脱税行為が一般化し、生産統計・所得統計の両者が「公式申告分」を表すに過ぎなくなった。 2. 企業間取引では、バーター方式による脱税、労働報酬では「業務委託」という脱法行為(労働賃金だと、所得税の他、各種の社会保険金を支払わなくてはならない)が蔓延した。 しかし、モスクワ市統計局の所得統計(集計値)を世帯生活調査によるデータと付き合わせると、「ヤミ給与が家計では単なる賃金収入とされており、しかもそれほど多くなく、その他の収入は年金を別にするとネグリジブルである」という結論が出てくる。これは社会のごく一部の人々のヤミ収入が統計を歪めているためであると推測される。[今後の研究課題] モスクワの求人誌 Rabota segodnja と Priglashaem na raboty とを恒常的に入手する経路が研究期間の最後になってできたので、これら求人誌に掲載されている求人広告を労働市場の分析に役立つようにするために、どのような方法で加工すべきかを最初に打ち立て、次にその成果を出していきたい。これにより、モスクワ市統計局が集計した労働統計に対する有力な別解釈ができるかもしれない。

  • ロシア民営企業の賃金管理

    1996  

     View Summary

     I. 給与と租税公課 1996年は通算4度ロシアを訪れ、精力的に資料を収集し、各方面の実務担当者と面談したが、賃金実務(労働法、租税法、簿記)の知識が絶対的に不足していることを痛感した。法令のコンメンタールだけでなく、当局の通達や書簡など実務レベルでの文献資料で勉強し直し、『現代ロシアの賃金形態』という題目で北大スラブ研究センターから出版した。 II. ヤミ経済とヤミ給与 ヤミ給与の跋扈と国民所得統計の歪曲の原因は、1. 徴税側の経験が脱税側の経験に追い付かない、2. 徴税統計と一般統計とが一体化しているために、客観的な統計が得られない、3. 生産統計が中心であるため、サービス産業中心の現況にそぐわない、という点にあると考えられる。 正確に現代ロシアの給与水準の実態を把握するには、既存の資料では1. 統計局によるヤミ給与の調査、ヤミ経済の調査、零細企業調査 2. 家計調査 の利用が考えられるが、私は、特に高級輸入食品の消費高と価格動向に着目したい。従来の統計は全部の平均なので、貧困層の消費パターンからのバイアスがかかり、市場化・民営化の成果の享受者である上流中流の生活者が別の階級社会を構成しているという現実に即していない。 III. ロシア連邦労働法典の効力 民営化の開始以降は賃金水準および労働条件全般について各企業の自主裁量に任されることになり、法的規範の効力が失われたかの感があった。しかし、民営企業における賃金決定のメカニズムそのものには、国営企業の職務職階表による格差付の方法が圧倒的な影響を与えていることが分かった。これは従来の賃金決定に代る方法が見つからないからと言うよりは、国営企業の側からする競争条件の同一化要請に行政が応えているために規制が多々残存しているからである。これに踏まえ、『ロシア連邦労働法典』の翻訳も行なった。