研究者詳細
2023/12/04 更新
基本情報
研究活動
共同研究・競争的資金等の研究課題
社会貢献活動・その他
特定課題制度(学内資金)
戦争責任観念と戦後補償問題に関する日独比較
科学研究費助成事業(関西大学) 科学研究費助成事業(一般研究(B))
新民事訴訟法における文書提出義務について
2001年
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平成10年1月1日から施行された新民事訴訟法は、証拠収集方法の拡充を主要改正点の一つとし、文書提出義務に関して、従来の限定的義務を廃してこれを一般義務化した。時あたかも、新民事訴訟法施行後、バブル崩壊に伴う変額保険訴訟が多発し、貸出稟議書の提出義務に関する下級審判例が続出し、肯定説に立つ判例と否定説を採る判例とが対立していたところ、最高裁判所は原則として否定説に依るべきことをあきらかにした(最決平11・11・12民集53巻8号1787頁)。しかし、この最高裁判例後においても貸出稟議書の提出義務を肯定する判例もみられる。本研究は、新民事訴訟法下の文書提出義務に関する判例をほぼ網羅的に取り上げて、「判例理論」を紹介・検討し、学説と対置しつつその問題点を明らかにすることを目的としたものである。 研究計画に従い、判例および判例研究などの関連資料を収集し、資料整理ノートを作成して、「新民事訴訟法における文書提出義務」と題する論文の執筆にとりかかった。現在、約50頁ほど執筆したところである。成果物提出期限内に完成公表する予定である。 なお、司法制度改革審議会意見書は、証拠収集手続の一層の拡充を求めているが(同意見書16頁)、これを受けて法制審議会民事・人事訴訟法部会は、2001年9月以降、民事訴訟法の関係条項の改正のための審議を続けてきたが、私は同部会委員として、その審議に加わっていることを付記しておく。