2024/03/29 更新

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フルタ シュンスケ
古田 駿輔
所属
商学学術院 商学部
職名
助手

研究キーワード

  • 経営学/新制度派組織論/正統性/制度的維持/経営組織/中間持株会社/コンテンツ産業/グループ経営

 

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 制度維持の回帰メカニズムの研究:コンテンツ産業を対象として

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)

    研究期間:

    2022年04月
    -
    2025年03月
     

    古田 駿輔

  • ミクロ的基礎付けによる制度維持の新しい理論枠組みの探究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)

    研究期間:

    2021年04月
    -
    2024年03月
     

    金 倫廷, 大月 博司, 古田 駿輔

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    本研究では、相互作用の主体である人間や人間行動に注目したミクロ・ダイナミズムのアプローチを採用し、新制度派組織論とアイデンティティ論の視点から、制度維持メカニズムについての理論モデル構築とその検証を試みる。そこで、研究の効率的に進めるために次の3つの研究課題を設定している。第1にアイデンティティの異質性とサブ制度間の摩擦はどういう関係性を有して いるか、第2にサブ制度間の摩擦がどのようにして新しい制度の定着と維持を妨げるか、第3に不安定な 社会において制度はどのように定着・維持されるかである。
    研究初年度である2021年は、当初の予定通りの理論モデル構築を目指し、個人レベルと組織レベルのアイデンディティと制度の関係に関する丹念な文献レビューと実務家インタビューを実施した。その成果の一部は論文としてまとめられ、2022年9月開催のイギリス経営学会(British Academy of Management)の年次大会BAM2022で報告する予定である。また、同時期開催の日本経営学会第96回大会での報告も決まっており、ピアレビューを通じて理論モデルをさらに洗練させるための準備を進めているところである。

  • 中間持株会社の生起メカニズムの解明:理論的・実証的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)

    研究期間:

    2021年04月
    -
    2024年03月
     

    大月 博司, 金 倫廷, 古田 駿輔

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    わが国においては、業種を超えて純粋持株会社が普及する一方、中間持株会社の現象が徐々に見られるようになった。この現象に着目すると、その生起が必然的性格を持つのか、それとも一時的なものかはまだ不明である。そこで本研究は、中間持株会社の事例を収集・整理することで、当該事例の生起について研究が図られた。まだ業種横断的に議論できるほまでに至ってないが、事実の妥当性を主張できるほどの事例を集積する至った。そして、中間持株会社を採用するケースとそれを廃止するケースがあることが判明した。この点は、研究企画の段階では想定していなかったことであり、その究明も今後の新たな課題として設定することにした。
    そうした中で、本来の課題である①純粋持株会社体制なのに中間持株会社が生起するメカニズムの探求(研究宇代表者)、②中間持株会社体制のグループ経営における正統化のメカニズム探求と変異メカニズムの探求(研究分担者)、③グループ経営としてのコントロール・メカニズムの探求(研究分担者)を進めた。
    その結果、各課題に対する研究レビューを通じて、想定したメカニズムの精緻化が図られた。具体的には、企業業績との間連、企業文化のあり方、グループ本社のパーパス経営の取り組み度合いなどについての見直しである。しかし、純粋持株会社における中間持株会社の必然性については、インタビュー調査がコロナ禍のため十分に行うことができず、まだ合理的な説明のできるモデル構築には至っていない。同じく、正統化のプロセスに変異が見られる現象についての合理的な説明モデルの構築も、変異の程度の測定がまだ妥当生の観点で不十分なため、未達である。さらに、純粋持株会社がどのような意図(求心力と遠心力)で中間持株会社をコントロールするかのメカニズムの構築も未達である。

  • 制度論的アプローチによる組織の長期的存続プロセスの理論的・実証的解明

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 研究活動スタート支援

    研究期間:

    2020年09月
    -
    2022年03月
     

    古田 駿輔

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    2021年度に採択された査読付き論文と2つの学会報告の内容に絞って説明する。
    査読付き論文のテーマは、制度的企業家概念と新制度派組織論に関する論文である。新制度派組織論では制度変革が研究テーマの一つとなっている。制度的企業家は制度変革を説明する要因の一つである。新制度派組織論の理論的発展を考える際、制度的企業家概念を批判的に検討する必要性を認識したため、このテーマについて検討している。
    本論文の主張の一つは、制度維持(Institutional Maintenance)概念に関する理論的解明の必要性を論じたことにある。新制度派組織論では、制度変革などをはじめとした変革や変化に関する議論が中心である一方、既存の制度をいかに維持するのかに関しては十分に解明されていないことを明らかにした。
    一つ目の学会報告(組織学会研究発表大会)では、正統性と維持に関する研究報告である。先行研究では、組織が一度正統性を獲得すると、組織はその正統性を持続させる可能性が想定されてきた。しかし、本報告では、特撮映画「ゴジラ」と東宝株式会社の定性分析を通して、組織が一度獲得した正統性が、時系列的な変化により組織に負の影響をもたらす可能性を提示している。二つ目の学会報告(経営戦略フォーラム)では、制度維持に関する理論的課題を検討している。そして、制度維持のプロセスモデルについても検討を行った。具体的な本学会報告の成果については、今後論文の形で国内学術誌への投稿を目指す。

 

特定課題制度(学内資金)

  • 制度維持の回帰メカニズムの理論的・実証的解明

    2022年  

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     本研究課題の助成を受けて、新制度派組織論において議論されている制度維持の概念を用いて、一度新しい制度に変化したにも関わらず、なぜ既存の制度は維持されているのかに関するメカニズムの解明を行っている。上述のような問題意識で研究を行った先行研究はほとんどないことから、そこにリサーチギャップを見いだしている。そうした状況において、特撮業界を対象として、理論的な考察・検討を行い、メカニズムの構築作業を行った。指導教員との議論だけではなく、経営哲学学会やBritish Academy of Managementでの学会報告を行いながら、制度維持の回帰メカニズムに関する精緻化も行った。回帰メカニズムの新規性を確認でき、論文執筆に向けて動いている。また、制度維持のメカニズムに関する理論研究の論文も執筆しており、近々投稿する予定である。

  • デジタル時代の制度的同型化に関する研究

    2021年  

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     制度的同型化は、長年、新制度派組織論における中心的な概念であり、多くの実証研究が積み重ねられてきた。しかし、制度的同型化はアナログ時代を前提とした同型化現象であり、デジタル時代では組織の同型化現象は異なる可能性がある。この点を踏まえ、本研究の目的はデジタル時代における制度的同型化はアナログ時代の制度的同型化と何が異なっているのかを明らかにすることである。デジタル時代の制度的同型化は社会の不安定を前提としており、従来の実践が再び正統化される可能性がある。この視点はアナログ時代の制度的同型化には見られない組織事象であり、デジタル時代特有の組織事象であることが明らかになった。

  • 中間持株会社の正統化メカニズムの解明:理論的・実証的研究

    2021年   大月博司

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     日本では、純粋持ち株会社において子会社の遠心力と親会社の求心力が交差する中間持株会社が展開されている。だが、中間持株会社がなぜ生起しているのかについて理論的・実証的分析が不十分である。そこで、本研究は、中間持株会社の生起に焦点を当て、中間持株会社の定着の基盤となる正統性に着目してその正統化メカニズムの解明を目的とした。そして、研究方法としては、理論分析と事例分析を行い、中間持株会社がどのように正統化されているのかについてプロセス分析を行った。その結果、集権化から分権化を志向してグループ経営を取り入れたにも関わらず、再び集権化へと移行しつつあることが明らかになった。

  • 製品の存続プロセスの探求ー正統性の観点からー

    2020年  

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     本研究は、「ある組織が存続する一方で、ある組織がなぜ衰退するのか、そしてこの2つにはどのような違いが存在するのか」という問題に取り組むことで、製品の長期的な存続プロセスの解明を研究の目的としている。より具体的には、ポケットモンスターと映画「ゴジラ」シリーズを研究対象として、定性的な分析を行った。分析結果としては、組織が一度獲得した正統性は、その後の正統性の持続プロセスにおいて負の影響を及ぼす逆機能現象が生起する可能性を明らかにした。また、従来の新制度派組織論では、組織が正統性をコントロールできることが前提とされていたが、本研究結果により組織が正統性をコントロールできない側面も確認できた。