2024/04/20 更新

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ツジウチ ノブヒロ
辻内 宣博
所属
商学学術院 商学部
職名
准教授
学位
博士(文学) ( 京都大学 )
修士(文学) ( 京都大学 )
学士(文学) ( 京都大学 )

経歴

  • 2019年04月
    -
    継続中

    東洋大学   文学部   非常勤講師

  • 2018年04月
    -
    継続中

    早稲田大学   商学学術院   准教授

  • 2017年04月
    -
    継続中

    慶應義塾大学   文学部   非常勤講師

  • 2018年04月
    -
    2019年03月

    東洋大学大学院   文学研究科   非常勤講師

  • 2015年04月
    -
    2018年03月

    東洋大学   文学部   准教授

  • 2014年04月
    -
    2015年03月

    神戸女学院大学   文学部   非常勤講師

  • 2012年04月
    -
    2015年03月

    京都大学   文学研究科   助教

  • 2011年09月
    -
    2015年03月

    立命館大学   文学部   非常勤講師

  • 2013年04月
    -
    2014年03月

    大阪体育大学   学習支援室   チューター

  • 2011年04月
    -
    2014年03月

    大阪体育大学   健康福祉学部   非常勤講師

  • 2011年04月
    -
    2012年03月

    福井大学   教育地域科学部   非常勤講師

  • 2011年04月
    -
    2012年03月

    大阪体育大学   学習支援室   チューター

  • 2010年04月
    -
    2011年03月

    京都大学   文学部   非常勤講師

  • 2009年04月
    -
    2009年10月

    Radboud Universiteit Nijmegen   哲学学部   客員研究員

  • 2008年04月
    -
    2009年03月

    神戸女学院大学   文学部   非常勤講師

  • 2007年04月
    -
    2009年03月

    関西大学   文学部   非常勤講師

  • 2007年04月
    -
    2009年03月

    近畿大学豊岡短期大学   通信教育部   非常勤講師

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学歴

  • 2002年04月
    -
    2007年03月

    京都大学大学院   文学研究科   西洋哲学史専修  

  • 1996年04月
    -
    2000年03月

    京都大学   文学部   哲学専修  

委員歴

  • 2023年11月
    -
    継続中

    中世哲学会  編集委員

  • 2019年06月
    -
    継続中

    西洋中世学会  常任委員

  • 2017年11月
    -
    継続中

    中世哲学会  理事

  • 2017年11月
    -
    継続中

    中世哲学会  評議員

  • 2012年12月
    -
    継続中

    中世哲学会  情報システム委員

  • 2018年05月
    -
    2023年05月

    日本哲学会  編集委員

  • 2015年04月
    -
    2018年03月

    中世哲学会  事務局庶務

  • 2011年03月
    -
    2017年03月

    西洋中世学会  事務局員

  • 2006年04月
    -
    2009年03月

    京大中世哲学研究会  編集

  • 2002年04月
    -
    2006年03月

    京大中世哲学研究会  会計

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所属学協会

  •  
     
     

    日本宗教学会

  •  
     
     

    西洋中世学会

  •  
     
     

    日本哲学会

  •  
     
     

    関西哲学会

  •  
     
     

    中世哲学会

  •  
     
     

    京大中世哲学研究会

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研究分野

  • 哲学、倫理学   西洋中世哲学

研究キーワード

  • 西洋哲学史

  • 徳倫理学

  • ビュリダン

  • スコラ哲学

  • 西洋中世哲学

 

論文

  • 政治的な思慮の分析から見る被支配者の位置づけ――トマス・アクィナスとジャン・ビュリダン――

    辻内 宣博

    早稲田大学大学院文学研究科紀要   69   25 - 38  2024年03月

  • 意志の感情という視点――オッカムのウィリアムにおける感情の理論

    辻内 宣博

    西洋中世研究   ( 15 ) 33 - 45  2023年12月

  • トマス・アクィナスにおける絶望と罪の理論

    辻内 宣博

    新キェルケゴール研究   ( 21 ) 45 - 61  2023年05月  [招待有り]

  • 中世スコラ哲学における貨幣論の展開――トマス・アクィナスとジャン・ビュリダン――

    辻内 宣博

    西洋中世研究   ( 13 ) 64 - 78  2021年12月

  • 政治学と倫理学が交錯する地平――トマス・アクィナスとジャン・ビュリダン――

    辻内 宣博

    フィロソフィア   ( 108 ) 73 - 98  2021年02月  [査読有り]  [国内誌]

  • アクィナスにおける人間の知性的魂の見方――「境界」としての人間の知性的魂

    辻内 宣博

    白山哲学   ( 50 ) 39 - 67  2016年02月

  • 不対等な関係における友愛の在処 : ビュリダンの『ニコマコス倫理学問題集』第8巻

    辻内 宣博

    中世哲学研究 : Veritas   30 ( 30 ) 40 - 55  2011年11月  [査読有り]

    CiNii

  • 14世紀における時間と魂との関係 : オッカムとビュリダン

    辻内 宣博

    西洋中世研究   ( 3 ) 151 - 166  2011年  [査読有り]

    CiNii

  • オッカムによる媒体中のスペキエス反駁 : 『命題集註解(レポルタチオ)』第3巻第2問題

    辻内 宣博

    中世哲学研究 : Veritas   29   42 - 65  2010年11月  [査読有り]

    CiNii

  • スペキエスによる認知作用--ビュリダンにおける感覚認識理論

    辻内 宣博

    アルケー   ( 15 ) 94 - 105  2007年  [査読有り]

    CiNii

  • 感覚認識と知性認識の境界線--『デ・アニマ問題集』におけるビュリダンの認識理論

    辻内 宣博

    中世思想研究   ( 48 ) 15 - 34  2006年  [査読有り]

    CiNii

  • 理性と信仰の狭間で : ビュリダンにおける人間の魂を巡る問題

    辻内 宣博

    中世哲学研究 : Veritas   24 ( 24 ) 49 - 68  2005年11月  [査読有り]  [国内誌]

    CiNii

  • アウグスティヌス『告白』11巻の時間論について : distentio animiとaffectioを巡って

    辻内 宣博

    中世哲学研究 : Veritas   23 ( 23 ) 62 - 76  2004年11月  [査読有り]  [国内誌]

    CiNii

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書籍等出版物

  • 「原罪論」の形成と展開 : キリスト教思想における人間観

    上智大学中世思想研究所( 担当: 共著,  担当範囲: 9 オッカムにおける道徳の理論――原罪論を起点として)

    知泉書館  2021年07月 ISBN: 9784862853431

  • フランスの歴史を知るための50章

    中野, 隆生, 加藤, 玄( 担当: 共著,  担当範囲: 12 神学 vs. 哲学――世界の永遠性をめぐる13世紀パリ大学での論争)

    明石書店  2020年05月 ISBN: 9784750350219

  • 西洋中世の正義論 : 哲学史的意味と現代的意義

    山口, 雅広, 藤本, 温( 担当: 共著,  担当範囲: 第10章 すべての徳の基底となる「法の正義」の在り方――トマス・アクィナスとジャン・ビュリダン――)

    晃洋書房  2020年05月 ISBN: 9784771033412

  • 世界哲学史4――中世Ⅱ個人の覚醒

    伊藤, 邦武, 山内, 志朗, 中島, 隆博, 納富, 信留( 担当: 共著,  担当範囲: 第7章 西洋中世哲学の総括としての唯名論)

    筑摩書房  2020年05月 ISBN: 9784480072948

  • 中世の哲学―ケンブリッジ・コンパニオン

    川添 信介( 担当: 共訳,  担当範囲: 第9章 人間の自然本性 ロバート・パスナウ)

    京都大学学術出版会  2012年11月 ISBN: 4876982457

    ASIN

講演・口頭発表等

  • オーベルニュのペトルスにおける政治的な幸福と哲学的な幸福

    辻内 宣博

    第3回倫理学的政治学科研ワークショップ  

    発表年月: 2024年03月

  • 絶望は罪であるか――トマス・アクィナスにおける罪の理論

    辻内 宣博  [招待有り]

    第22回キェルケゴール協会学術大会  

    発表年月: 2022年07月

    開催年月:
    2022年07月
     
     
  • 意志における感情という視点――オッカムのウィリアムにおける感情の理論

    辻内 宣博

    第12回西洋中世学会  

    発表年月: 2020年10月

  • 政治学の部分としての倫理学の在り方――トマス・アクィナスとジャン・ビュリダン

    辻内 宣博  [招待有り]

    2019年度 三田哲学会 哲学倫理学部門  

    発表年月: 2019年10月

  • ニコール・オレームにおける魂の存在論の構図――『デ・アニマ問題集』第2巻および第3巻

    辻内 宣博

    第259回京大中世哲学研究会  

    発表年月: 2019年09月

  • ドゥンス・スコトゥスにおける自然神学と形而上学

    辻内 宣博

    第78回日本宗教学会  

    発表年月: 2019年09月

  • 諸徳の基底となる正義の位相――トマス・アクィナスとジャン・ビュリダン

    辻内 宣博

    第3回正義論ワークショップ  

    発表年月: 2018年12月

  • 人間の幸福はどこで成立するのか――トマス・アクィナスとジャン・ビュリダン

    辻内 宣博  [招待有り]

    早稲田大学哲学会主催講演会  

    発表年月: 2018年12月

  • 神の自由意志の絶対性――オッカムのウィリアムにおける原罪論から

    辻内 宣博

    第67回中世哲学会  

    発表年月: 2018年11月

  • ビュリダンにおける法的正義と個別的正義――トマス・アクィナスとの比較において

    辻内 宣博

    第3回正義論研究会  

    発表年月: 2018年09月

  • オッカムのウィリアムにおける原罪論

    辻内 宣博

    第77回日本宗教学会  

    発表年月: 2018年09月

  • ドゥンス・スコトゥスにおける原罪と倫理

    辻内 宣博  [招待有り]

    上智大学中世思想研究所主催講演会  

    発表年月: 2018年03月

  • ガブリエル・ビールにおける原罪論

    辻内 宣博

    第76回日本宗教学会  

    発表年月: 2017年09月

  • ビュリダンにおける配分的正義と交換的正義の見方

    辻内 宣博

    第2回正義論研究会  

    発表年月: 2017年09月

  • ブリダヌスの正義論

    辻内 宣博

    第1回正義論研究会   (名古屋工業大学) 

    発表年月: 2016年09月

  • ドゥンス・スコトゥスにおける個別的思考――『デ・アニマ問題集』 からの視点

    辻内 宣博

    第246回京大中世哲学研究会  

    発表年月: 2016年07月

  • アクィナスとビュリダンにおける「幸福論」――「人間観」の相違がもたらしたもの

    辻内 宣博

    第25回白山哲学会  

    発表年月: 2015年10月

  • 「幸福」が成立する場所―アクィナスとビュリダンの幸福論

    辻内 宣博

    第67回関西哲学会  

    発表年月: 2014年10月

  • 西洋中世哲学と最後の晩餐

    辻内 宣博

    西洋中世学会2014年度若手交流セミナー「西洋中世学で読み解く『最後の晩餐』」  

    発表年月: 2014年10月

  • 「倫理学」という学問の基本的な枠組み―ビュリダンの『ニコマコス 倫理学問題集』第1巻

    辻内 宣博

    第239回京大中世哲学研究会  

    発表年月: 2014年04月

  • ジャスティン・オークリーによる「徳倫理学」の概念規定とその問題点

    辻内 宣博

    第1回「盛期・後期スコラ哲学の「実践的な知」と現代徳倫理学」研究会  

    発表年月: 2013年09月

  • 社会共同体の中での友愛の在処―ビュリダンの『ニコマコス倫理学問題集』第8巻

    辻内 宣博

    第59回中世哲学会  

    発表年月: 2010年11月

  • 14世紀における時間と魂との関係―オッカムとビュリダン

    辻内 宣博

    第2回西洋中世学会  

    発表年月: 2010年06月

  • 時間の存在論的身分―オッカムとビュリダン

    辻内 宣博

    第211回京大中世哲学研究会  

    発表年月: 2010年05月

  • 思惟という営み―ビュリダンにおける知性認識理論―

    辻内 宣博

    第66回日本哲学会  

    発表年月: 2007年05月

  • スペキエスによる認識作用―ビュリダンにおける感覚認識理論の構図―

    辻内 宣博

    第59回関西哲学会  

    発表年月: 2006年10月

  • スペキエスによる感覚の認知プロセス―ビュリダンの感覚認識理論 の構図―

    辻内 宣博

    第188回京大中世哲学研究会  

    発表年月: 2006年07月

  • 感覚認識と知性認識の境界線―『デ・アニマ問題集』におけるビュ リダンの認識理論―

    辻内 宣博

    第54回中世哲学会  

    発表年月: 2005年10月

  • ヨハネス・ブリダヌスにおける普遍認識について―QDA. III,q.8 を 中心にして―

    辻内 宣博

    第178回京大中世哲学研究会  

    発表年月: 2005年04月

  • アウグスティヌス『告白』11巻における時間論について―affectioとdistentio animi―

    辻内 宣博

    第169回京大中世哲学研究会  

    発表年月: 2003年09月

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 西洋中世スコラ学における「倫理学を内在化する政治学」への批判的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)

    研究期間:

    2021年04月
    -
    2026年03月
     

    辻内 宣博, 御子柴 善之, 山口 雅広, 鈴木 道也, 吉沢 一也, 三重野 清顕, 藤本 温, 川添 信介, 西村 洋平

     概要を見る

    古代哲学については,プラトンにおける「拡大された正義(国制の正義)」と「小さい正義(個人の魂の正義)」との関係を「類似」ではなく「類推」と捉えることによって,倫理学と政治学との結節点を見出す研究の方向性が提示され,また,新プラトン主義における「家/家族」(個人の倫理的問題と政治的問題との中間)の問題を検討することによって,倫理学と政治学が浸透し合う主題としての「友愛」や「正義」の涵養の場の在り方を精査する着眼点が提起された。
    中世については,「政治的なこと」と「市民的なこと」との関係性に関する法学者と哲学者との対立を契機として,法における倫理の内在化を検討する方向性が提示され,また,トマス・アクィナスにおけるカリタス(神愛)論の分析から,特定の共同体に限定されない,世界全体に通底する徳に基づく社会共同体を切り拓く理論的可能性を探求する視点が提起され,さらに,トマス・アクィナスとジャン・ビュリダンにおける学問的知識としての倫理学と政治学の基本的な規定や位置づけの検討に基づいて,どのようなタイプの「倫理学を内在化する政治学」が理論的に構想されているかを探る道が示され,最後に,歴史的な観点からは,ヴァンサン・ド・ボーヴェにおける過去の教父たちのテクストの引用方法,および,写本の広がり方に着目することによって,政治的な統治における倫理や道徳の内在の特性を抽出する着眼点が提起された。
    近代については,カントの『永遠平和のために』における法と道徳との関係性をめぐる問題を検討し,「真の政治家とは何か」という問題意識を土台として検討する方向性が提示され,また,ヘーゲルにおいては,伝統的な共同体主義を継承する面が見られる一方で,同時に,各個人の欲求充足を人間の自然本性とする近代的な人間観も保持されており,その両者をいかに整合的に繋ぎうるかという問題提起が行われた。

  • 14世紀における認識理論の諸相

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)

    研究期間:

    2016年04月
    -
    2021年03月
     

    辻内 宣博

     概要を見る

    「14世紀の認識理論の諸相」を明らかにするために,2019年度は,2018年度から引き続き,ニコール・オレームの認識理論の分析を行いつつ,他方で,神学的な側面から,ドゥンス・スコトゥスの議論を検討した。
    オレームについては,『デ・アニマ問題集』第2巻と第3巻における「人間の魂の存在論」に関する主張を整合的に読み解くことを試みた。その結果,素材の可能状態から引き出された形相としての「知性的魂」という主張を採れないため,厳密な意味では,人間の知性的な魂は身体の形相にはなりえず,その役割を担うのは,人間の感覚的な魂であるという主張が確認された。しかし他方で,神によって「知性的な魂」が注入されることにより,「理性的な」という人間に固有の在り方が実現されるという,ある意味で,典型的なカトリック信仰の立場が導出された。しかしながら,「人間の感覚的魂」と「身体」との複合体について,新たな種の動物という存在論的な身分を確保している点で,他の中世スコラ学者には見られない思考の線を露わにすることができた。
    スコトゥスに関しては,一般形而上学(存在論)と特殊形而上学(神学)との関係の分析を通じて,感覚知覚からしか出発できないわれわれ人間の自然本性的な理性的能力だけからでも,第一存在者としての神の存在が合理的に要請されるということを示し,また,絶対確実にというわけにはいかないにせよ,物質的で観察可能な世界を超えた領域に,われわれの知的で合理的な探求は本来的に開かれていることを示した。そのことから,13世紀のトマス・アクィナスにおいては,アリストテレス主義的な枠組みの範囲内にできる限り留まりつつ,認識理論を構築しているのに対して,14世紀に入ると,さまざまな角度から,とりわけ,神学的な視点を利用する仕方で,アリストテレスの枠組みを崩していく方向性が模索される姿が見てとられた。

  • 西洋中世の「正義論」がもつ哲学史的意味と現代的意義に関する基礎研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)

    研究期間:

    2016年04月
    -
    2019年03月
     

    藤本 温, 山口 雅広, 周藤 多紀, 辻内 宣博, 小川 量子, 吉沢 一也, 大野 岳史, 伊藤 邦武, 矢内 義顯, 松根 伸治, 平野 和歌子

     概要を見る

    本研究では、西洋中世を中心として哲学史的観点から「正義論」を研究して、西洋中世における「正義論」が決して一枚岩ではなく多様な展開があったことを明らかにしようとした。本研究メンバーの専門領域に即して、アウグスティス、アンセルムス、アクィナス、ゴドフロワのフォンテーヌ、スコトゥス、ディンスデールのヨハネス、ビュリダンらの正義論の研究を行い、さらには近現代の哲学者の正義論も適宜、検討の対象とした。本研究メンバーによる個別の論考や学会・研究会発表の他に、2019年2月に『西洋中世の「正義論」がもつ哲学史的意味と現代的意義に関する基礎研究』と題する冊子を作成して研究成果をまとめることができた。

  • 盛期・後期スコラ哲学の「実践的な知」と現代徳倫理学

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)

    研究期間:

    2013年04月
    -
    2016年03月
     

    川添 信介, 山口 雅広, 辻内 宣博, 小川 量子, 藤本 温, 伊藤 邦武, 松根 伸治

     概要を見る

    西洋13世紀以降の盛期・後期スコラ哲学には、キリスト教を基本的な背景としながらも、古代ギリシアのアリストテレスを共通の参照枠とした豊かな倫理思想が展開されていた。本研究はトマス・アクィナス、フォンテーヌのゴドフロワ、ゲントのヘンリクス、ドゥンス・スコトゥス、ビュリダンの倫理学において、認知的機能をも有する「思慮・賢慮(prudentia)」という徳がどのような役割を持っているかを明らかにしようとした。同時に、現代の徳倫理学と中世スコラの倫理思想との関連の一端を解明した。

Misc

  • 神の自由意志の絶対性――オッカムのウィリアムにおける原罪論から――

    辻内 宣博

    『中世思想研究』   ( 61 ) 125 - 134  2019年09月

    その他  

  • 法的正義から見る正義論の基底――トマス・アクィナスとジャン・ビュリダン

    辻内 宣博

    藤本温(研究代表者)『西洋中世の「正義論」がもつ哲学史的意味と現代的意義に関する基礎研究(課題番号 16H03342)平成28~30年度科学研究費補助金(基盤研究B)研究成果報告書』     97 - 108  2019年02月

  • 書評 Kuni SAKAMOTO. (2016) Julius Caesar Scaliger, Renaissance Reformer of Aristotelianism: A Study of His Exotericae Exercitationes, History of Science and Medicine Library Volume 54, Leiden: Brill

    辻内 宣博

    『国際哲学研究』,東洋大学国際哲学研究センター   ( 6 ) 241 - 244  2017年03月

    書評論文,書評,文献紹介等  

  • 新刊紹介 Kuni SAKAMOTO, Julius Caesar Scaliger, Renaissance Reformer of Aristotelianism: A Study of His Exotericae Exercitationes, History of Science and Medicine Library 54, Leiden-Boston, Brill, 2016

    辻内 宣博

    『西洋中世研究』,西洋中世学会   ( 8 ) 286 - 287  2016年12月

    書評論文,書評,文献紹介等  

  • 新刊紹介 Edward Grant, The Nature of Natural Philosophy in the Late Medieval Ages, Studies in Philosophy and the History of Philosophy Volume 52, Washington D.C., Catholic University of America Press, 2010

    辻内 宣博

    『西洋中世研究』,西洋中世学会   ( 4 ) 211  2012年12月

    書評論文,書評,文献紹介等  

  • 新刊紹介 Gyula Klima, John Buridan,Great Medieval Thinker,Oxford etc., Oxford University Press, 2009

    辻内 宣博

    『西洋中世研究』,西洋中世学会   ( 3 ) 193  2011年12月

    書評論文,書評,文献紹介等  

  • 新刊紹介 Robert Pasnau (ed.); Christina van Dyke (assoc. ed.), The Cambridge History of Medieval Philosophy, 2vols., Cambridge, Cambridge University Press, 2009

    辻内 宣博

    『西洋中世研究』,西洋中世学会   ( 2 ) 208 - 209  2010年12月

    書評論文,書評,文献紹介等  

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現在担当している科目

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他学部・他研究科等兼任情報

  • 文学学術院   文学部

  • 文学学術院   大学院文学研究科

学内研究所・附属機関兼任歴

  • 2018年
    -
     

    産業経営研究所   兼任研究所員

特定課題制度(学内資金)

  • 中世スコラ哲学における「第一原理の認識」の諸相

    2023年  

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     本研究では,西洋中世における学問論の根本前提にあたる「第一原理」の認識について,複数のスコラ学者たちの見解を比較検討した。西洋中世スコラにおいては,学問(scientia)は,アリストテレスの『分析論後書』に即して,演繹推論の「結論」として位置づけられている。そして,演繹推論の前提となり出発点となる命題が「第一原理」と呼ばれるのだが,その認識は論証によるのではなく,知性/直知(intellectus)による把捉となる。 この知性/直知による把捉には,大きく二つのタイプが考えられる。一方は,アリストテレスと同様に,感覚からの一般化,つまり,いわゆる帰納推論によって第一原理を知性が捉えるというタイプであり,この立場を鮮明に出しているのが,14世紀の学芸学部の教師であるジャン・ビュリダンであった。他方は,人間の知性(とりわけ,能動知性)に,「第一原理」が神の知性の真理から自然本性的に与えられているというタイプであり,この立場を鮮明に出しているのが,13世紀の神学者であるトマス・アクィナスであった。 このような「第一原理」の認識についての捉え方の違いは,とりわけ,人間の行為を対象とする「実践知」についての興味深い論点を提示することになる。つまり,感覚からの帰納推論によって「第一原理」を捉え,そこから実践的三段論法による実践知の構築を行うスタイルは,「実践知」の真理の在り処を,現実の人間たちの個別具体的な行為の中に見ることになり,いわば実践的真理をその時々の人間たちが形成していく可能性を示唆することになるだろう。他方で,後者の神の真理に由来する「第一原理」の捉え方は,現実の人間たちの行為の根幹に,いわゆる自然法のような絶対的で普遍的な真理の可能性を見ることになり,時代や地域を通底する実践的真理がこの世界にはいわば所与のものとしてすでに与えられている可能性を示唆することになるだろう。

  • 中世スコラ哲学における徳認識論の可能性

    2022年  

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     本研究では、「知識とは正当化された真なる信念である」という知識の古典的定義に関して,この正当化条件をめぐる現代知識論を視野に入れ、徳認識論(徳責任主義)という立場を打ち出したリンダ・ザグゼブスキの理論を、中世スコラ哲学の観点から批判的に検討することを趣旨としていた。 その課題を遂行するために、トマス・アクィナスの罪の理論を精査することにより、正当化されず、真っ当な知識にならない理論モデルの検討を行い、正当な知識とは逆方向からのアプローチを採用した。 その結果、われわれの日常的な実践知において、正誤の要となるのが、(実践的)三段論法の小前提の知をどのように獲得するかという点にあることを析出した。

  • 14世紀スコラ哲学における経済思想に関する基礎研究――ニコール・オレームとジャン・ビュリダンを中心として

    2021年  

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     アリストテレスの貨幣論を嚆矢として,中世スコラ哲学における貨幣をめぐる議論が多様な展開を見せたことを示した。その事例として,当初計画を少し変更し,13世紀のトマス・アクィナスにおける「公正価格論」と14世紀のジャン・ビュリダンにおける「貨幣の分析」と「価値の理論」とを分析した。 その結果,アクィナスの言う「公正価格」は,基本的には,物の価値と一致するものの,損害補填や労働報酬を上乗せしたり,正義の等価性を損なわない限りで,実際の価格に幅をもたせたりすること,さらには,地域や共同体毎の多元性も認められていたことが示された。 他方,ビュリダンにおける「価値の理論」は,「社会的なコミュニケーションと生活維持」を根本的な基盤とし,相互の不足を補い合う「必要性の互助」に依拠して成立する姿を明らかにした。 以上の研究成果は,下記の「研究成果発表実績」にあるとおり,『西洋中世研究』第13号において掲載された。

  • 西洋中世スコラにおける政治と道徳の視点

    2020年  

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    倫理・道徳と政治・法との関係について,「すべての徳の基底となる法の正義」という観点から,トマス・アクィナスとジャン・ビュリダンの理論を比較検討した。その結果,両者の考える「法の正義」は,同じアリストテレスを土台としながらも,かなり異なる相貌を呈することが明らかとなった。アクィナスの場合,神の永遠法から人間の自然法や人定法に至るまで,徹底的に一貫して,「合理性」が要求され,その延長線上に,諸々の徳が位置づけられる。他方,ビュリダンの場合,現実社会で生きる人々の「円滑な人間関係やコミュニケーション」を基底とし,他人を配慮する段階で法の正義が,そして,その実践のなかに諸々の徳が,規定される。

  • 中世スコラ哲学の徳倫理学からの現代徳倫理学への批判的検討

    2019年  

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     アリストテレスは,倫理学と政治学を相互に連関するものと想定する。つまり,「道徳的な政治学(Moral Politics)」である。というのも,徳倫理学は「徳」という性格特性を中心として倫理的な事柄を分析するが,他方で「徳」の内実は,社会共同体の価値規範や法が核となって決定されるからである。 そこで,アリストテレスを受容した中世スコラ学者であるトマス・アクィナスとジャン・ビュリダンにおいて,政治学と倫理学の連関に関する理論的枠組みの抽出を行い,その結果,アクィナスにおいては「合理性」を基軸に据える体系的な関係性が,他方,ビュリダンにおいては「市民的コミュニケーション」を基軸に据える現実的で実際的な関係性が導出された。

  • 西洋中世の社会共同体における正義の在処-ビュリダンの正義論を中心として

    2018年  

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    トマス・アクィナスとジャン・ビュリダンにおける法的正義を形成する基盤を,アリストテレスの『ニコマコス倫理学』への註解や問題集での言明に即して,両者の相違を明らかにした。トマス・アクィナスは,神の知性の中にある永遠法から自然法・人定法へと及ぶ合理性に基づく首尾一貫した正義の体系が形成されており,合理的な法に基づく正義観が打ち立てられているのに対して,ジャン・ビュリダンは,現実社会での人間の在り方に注目して,共同体の成員相互の意志の共有やコミュニケーションに基づく正義観が打ち立てられていることを示した。

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