2022/05/17 更新

写真a

コニシ ヒデキ
小西 秀樹
所属
政治経済学術院 政治経済学部
職名
教授

兼担

  • 政治経済学術院   大学院経済学研究科

  • 政治経済学術院   大学院政治学研究科

学位

  • 東京大学   博士(経済学)

所属学協会

  •  
     
     

    日本経済学会

  •  
     
     

    アメリカ経済学会

 

研究分野

  • 公共経済、労働経済

研究キーワード

  • 公共経済学

  • 公共選択理論

  • 政治経済学

論文

  • The Impact of Tax Concessions on Extraction of Non-Renewable Resources: an Application to Gold Mining in Tanzania

    Hideki Konishi

    Journal of Natural Resources Policy Research   6  2014年  [査読有り]

  • Spending cuts or tax increases? The composition of fiscal adjustments as a signal

    Hideki Konishi

    EUROPEAN ECONOMIC REVIEW   50 ( 6 ) 1441 - 1469  2006年08月  [査読有り]

     概要を見る

    This paper shows that the composition of fiscal adjustments, spending cuts versus tax increases, serves as a signal of the government's degree of collusion with special interests. The politico-economic model of fiscal policies, combining retrospective voting with common-agency-type lobbying, presents undominated separating equilibria and intuitive pooling ones, in both of which fiscal adjustments with sufficiently large spending cuts lead to incumbent reappointment whereas those with only tax increases lead to incumbent defeat. These findings are consistent with the recent empirical evidence of voters behaving as fiscal conservatives. The efficiency-enhancing aspects of the signaling mechanism and the effects of imposing a deficit limit are also analyzed. (c) 2005 Elsevier B.V. All rights reserved.

    DOI

  • Intergovernmental versus intersource emissions trading when firms are noncompliant

    H Konishi

    JOURNAL OF ENVIRONMENTAL ECONOMICS AND MANAGEMENT   49 ( 2 ) 235 - 261  2005年03月  [査読有り]

     概要を見る

    This paper analyzes the relative cost-effectiveness of intergovernmental versus intersource cross-border emissions trading when polluting firms are noncompliant. A special focus is placed on the presence of enforcement costs and the associated credibility problem of governmental monitoring. It is shown that without inspection commitment, the intergovernmental system is more cost-effective because the endorsed flexibility in domestic emission taxation serves as a commitment device for building credibility of monitoring. (C) 2004 Elsevier Inc. All rights reserved.

    DOI

  • Tariffs versus Quotas with Strategic Investment

    Hideki Konishi

    Canadian Journal of Economics   32   72 - 91  1999年  [査読有り]

  • Competition through endogenized tournaments: An interpretation of ''face-to-face'' competition

    H Konishi, M OkunoFujiwara

    JOURNAL OF THE JAPANESE AND INTERNATIONAL ECONOMIES   10 ( 3 ) 199 - 232  1996年09月  [査読有り]

     概要を見る

    This paper presents an alternative solution, called ''face-to-face'' competition, to the hold-up problem of relation-specific investments in the world of incomplete contracts. By inherent multiplicity of equilibria and incentive-compatible equilibrium selection, a tournament among multiple agents is endogenously created in the structure of face-to-face competition to strengthen their investment incentive. This approach also explains, by the reason other than bargaining power and insurance, why typical auto-assemblers in Japan do not vertically integrate a single parts supplier but transact with two potentially competitive suppliers in their developments of new models. J. Japan. Int. Econ., September 1996, 10(3), pp. 199-232. Faculty of Economics, Seikei University; Faculty of Economics, The University of Tokyo; and Faculty of Economics, Hosei University. (C) 1996 Academic Press, Inc.

  • FINAL AND INTERMEDIATE GOODS TAXATION IN AN OLIGOPOLISTIC ECONOMY WITH FREE ENTRY

    H KONISHI

    JOURNAL OF PUBLIC ECONOMICS   42 ( 3 ) 371 - 386  1990年08月  [査読有り]

  • OLIGOPOLISTIC COMPETITION AND ECONOMIC WELFARE - A GENERAL EQUILIBRIUM-ANALYSIS OF ENTRY REGULATION AND TAX-SUBSIDY SCHEMES

    H KONISHI, M OKUNOFUJIWARA, K SUZUMURA

    JOURNAL OF PUBLIC ECONOMICS   42 ( 1 ) 67 - 88  1990年06月  [査読有り]

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書籍等出版物

  • 政府の行動 : アベノミクスの理論分析 : 政治経済学で読み解く

    井堀利宏, 小西秀樹著

    木鐸社  2016年 ISBN: 9784833224956

  • 政治経済学の新潮流

    小西秀樹編

    勁草書房  2012年 ISBN: 9784326302093

  • 《当事者》としていかに危機に向き合うか

    河野勝, ほか] 著

    早稲田大学出版部  2012年 ISBN: 9784657123077

  • 公共選択の経済分析

    小西秀樹

    東京大学出版会  2009年04月 ISBN: 9784130402446

  • International Labor Migration and Economic Development under Increasing Returns to Scale

    Toshihiko Kawagoe, Sueo Sekiguchi( 担当: 分担執筆)

    Institute of South East Asian Studies  1995年

     概要を見る

    International Labor Migration and Economic Development under Increasing Returns to Scale

  • 日本の政治経済システム

    現代経済研究グループ編, 伊藤隆敏, ほか] 執筆

    日本経済新聞社  1990年 ISBN: 4532075130

  • Social Security Reform in Advanced Countries

    Toshihiro Ihori, Toshiaki Tachibanaki( 担当: 分担執筆)

    Routledge 

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    Public Pension Reform and Welfare in an Economy with Adverse Selection

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受賞

  • 第51回 日経・経済図書文化賞(「公共選択の経済分析」)

    2009年11月  

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 官民給与格差の政治経済学的分析

    研究期間:

    2019年04月
    -
    2022年03月
     

     概要を見る

    世界各国で計測されている官民給与格差の所得階層間分布には必ずしも一定のパターンが観察されないが,高所得階層では民間給与の方が高いという公務員ペナルティがしばしば検出される.従来の研究は労働市場を取り巻く諸要因や労働者の選好で官民格差を説明しようとしてきた.欧米では,個別交渉で上層部の公務員の給与が決められることも珍しくない.本研究では,公的事業を運営する公務員CEOと事業を管轄する議会代表者の間での個別賃金交渉に焦点を当てた政治経済学の枠組みで分析し,社会の所得分配や財源調達コストによって官民給与格差の発生を説明する新しい見方を提示する.公務員のトップ(公務員CEOと呼ぶ)が有権者の代表と賃金およびサービスの価格について交渉するモデルを構築し、企業の経営者と交渉する場合に比べると公務員の賃金は高く、サービスの価格は安くなることを示した。しかし、この結果は非現実的であり、むしろ民間CEOの方が公務員CEOよりもはるかに高い所得を得ている。そこで、2つの要素をモデルに導入した。1つは公的なサービスについては設定できる価格の上限がある場合であり、もう1つは賃金交渉を行う有権者の代表(賃金交渉者と呼ぶ)と価格設定を行う有権者の代表(価格設定者と呼ぶ)が異なる場合である。また、公的企業の場合には課税によって賃金支払いを補填するケースもあり得るため、課税の厚生コストも考慮した。以上のモデルによって、次のような命題が導かれた。(1)上限価格が十分に低く課税の厚生コストが十分に大きいならば、公務員CEOの賃金は民間CEOよりも低くなる、(2)価格設定者の所得が賃金交渉者の所得よりも十分に低ければ、公務員CEOの賃金は民間CEOよりも低くなる、さらに(2)のケースでは、(3)課税の厚生コストと公務員CEOの賃金の間には逆U字型の関係があり、課税の厚生コストが上昇すると公務員CEOの賃金も上昇するケースがある。また、どのような個人が賃金交渉者や価格設定者に選出されるかという問題を考察するために、有権者が立候補して選挙で賃金交渉者や価格設定者が選ばれるステージを導入し、戦略的委任の問題を考察した。このゲームの解を構造誘導均衡(Structure-induced equilibrium)によるものとしたとき、(4)有権者間で所得分配が不平等であるほど、公務員CEOの賃金は民間CEOよりも低くなる、ことが明らかになった。これらの研究成果はディスカッションペーパーとしてまとめ、オーストラリア公共選択学会で報告した。すでに論文が完成し、国際学会でも報告、国際ジャーナルへの投稿を行った。できるだけ多くの学会やカンファレンスで報告してフィードバックを得つつ、査読付き国際ジャーナルでの論文の公刊を目指す

  • 財政健全化戦略の政治経済学分析

    研究期間:

    2018年04月
    -
    2021年03月
     

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    本年度は、昨年度の研究課題についてより考察を深めるとともに、以下の課題についても、研究を推進した。(A) 高齢化社会での社会保障歳出需要の実情を検証し、歳出に上限を設定することなどで効率的で公平な歳出改革が可能かどうかを考察し、マクロ指標でみた望ましい財政規律ルールを解明した。(B) 人、資本、情報が移動する状況で生じ得る国際的な不安定性や災害などの外生的リスクに財政面での国際協調がどの程度有効かを理論・実証的に検討し、健全化戦略の国際的な制度設計を考察した。(C)異次元の金融政策で財政ファイナンスが実施されている状況で、財政・金融両政策当局の相互依存関係を動学ゲームで分析することで、金融政策の出口戦略を視野に入れた財政健全化戦略を理論的、実証的に考察した。これらの研究課題について、ある程度具体的な研究成果が得られたものを論文や本の形で公刊した。また、いくつかの国際学会でも研究報告を行って、有益な研究交流を実施し、研究の発展を試みた。そうすることで、(A)(B)(C)の研究課題を考察する上で重要な示唆を得ることができた。とくに、Ihori=McGuire=Nakagawaの共著で公刊した著作International Governance and Risk Managementでは国際協調が必ずしもうまく機能しない状況でリスク対応の安全保障支出について、非協力ゲームでのナッシュ均衡解の性質を包括的に検証することで、持続可能な国際協調のあり方を考察した。こうした分析はグローバル化社会で想定外のリスクが発生するときの持続可能な財政運営や財政制度設計について、重要な示唆を与えるものである。大きく3つの研究課題[政府間財政(A)マクロ財政指標の健全化戦略(B)平時と非常時の財政運営(C)健全化戦略を見据えた財政金融政策の相互依存関係]を想定して研究を進めてきたが、論文や本として公刊する成果がいくつもあり、2019年度の研究課題は順調に進展していると判断できる。また、国際学会での研究成果の報告も数多く行っており、内外の研究者から有益なコメントを得て、それを生かす形で研究を発展させた。この点でもおおむね想定通りの研究成果が得られている。さらに、研究分担者、研究協力者および海外の共同研究者との研究打ち合わせや研究活動の調整も活発に実施しており、この面での研究活動もおおむね順調に進展している。特に、理論面での研究は想定以上に成果を上げている。ただし、マクロ財政指標の効率性に関する実証的な研究課題では、データの収集、整理に少し時間を要しており、この点での研究進捗状況はやや遅れている。昨年度に引き続き、各国財政のマクロデータを活用して、財政赤字累増や財政健全化戦略が民間経済活動にもたらすメリットやコストの程度を定性的、定量的に研究する。そして、政治経済学的な要因を明示的考慮したマクロ動学モデルを活用して、各経済主体や中央銀行、政府間の相互依存関係が財政制度を通じて民間経済活動にどう影響するのかを研究する。また、わが国などにおける政府と民間経済活動の相互依存関係をマクロ財政データに基づいて実証分析し、財政赤字累増、社会保障制度の持続可能性、ソフト予算制約の実態などを検証することで、マクロ指標での財政健全化の包括的戦略を検討する。さらに、複数の経済主体を前提として、ミクロ財政指標の決定メカニズムを理論分析するとともに、社会保障費、地方への交付金、公共事業費、教育費、防衛費など各歳出項目それぞれの経済効果を実証分析し、それらに内在する非効率、不公正さが財政健全化戦略にどう影響するかを研究する。そして、異なる世代間・世代内評価基準のもとでミクロ指標の健全化戦略を定性的、定量的に解析する。研究計画の最終年度である本年度は、こうした研究を総合的に組み合わせることで、各経済主体や利益団体の財政における政治活動と民間経済活動との相互依存関係を踏まえて、ミクロ・マクロの両面で持続可能な財政健全化戦略を包括的に理論・実証分析する。そうすることで、政治経済学の視点で少子高齢化、グローバル化、財政赤字累増社会における望ましい財政健全化戦略を導出するという本研究計画の研究成果をまとめる

  • 純社会支出に焦点を当てた社会保障供給体制の政治経済学的分析

    研究期間:

    2016年04月
    -
    2019年03月
     

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    本研究では,OECDが公開している純社会支出のデータを用いて,社会保障システムの再分配効果について再検討を行った.社会保障システムの再分配効果に関する従来の推計では粗社会支出が用いられてきたが,本研究では政府による社会保障給付への所得課税,租税特別措置などを通じた租税支出,民間ベースでの私的社会給付の供給義務づけなどを考慮した,純社会支出に焦点を当てている.動学的パネル分析の結果,私的社会給付の割合が大きい国ほど社会保障システムの再分配効果が小さく,アメリカなどのいわゆる「隠れた福祉国家」では社会保障システムは統計的に有意な再分配効果がないことが明らかになった.学術的には,これまでほとんど注目されてこなかった純社会支出概念を用いて社会保障システムの再分配効果を,本格的な計量分析によって計測し,いわゆる「隠れた福祉国家」では社会保障制度に再分配効果がほとんど認められないことを明らかにした点に意義がある.社会的には,これからの日本のように高齢化にしたがって民間ベースでの社会保障給付の供給が重要性を増す社会では,分配不平等の抑制という観点からは所得税や消費税を通じた再分配の強化が必要になるということを明らかにした点に意義がある

  • 市民のニーズを反映する制度構築と政策形成の政治経済学

    研究期間:

    2013年05月
    -
    2018年03月
     

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    熟慮を経てから市民のニーズを測定するCASI調査と、熟議を通して市民のニーズを探るミニ・パブリックスを比較分析すると、熟議に基づくミニ・パブリックスよりも、熟慮に基づくCASI調査の方がサンプルの代表性は高く、実施のコストが低い点では好ましい。しかし、本プロジェクトの実験・調査を通して、熟慮だけでは難しいが、熟議を通してこそ達成できる効果もあることが分かった。例えば、事実に対する思い込みの是正においては、熟慮ではなく、熟議の効果が確認できた。したがって、CASI調査(熟慮)とミニ・パブリックス(熟議)のどちらにも利点があることが明らかになり、一概に両者の優劣をつけることはできないといえる

  • 財政金融政策の相互依存関係とその帰結に関する政治経済学的分析

    研究期間:

    2013年04月
    -
    2016年03月
     

     概要を見る

    金融政策と財政政策の相互依存関係のもとで物価水準が決まってくるという「物価水準の財政理論(FTPL)」にもとづいて,なぜ最近の日本では大胆な金融緩和が実施され続けているにもかかわらず物価水準が上昇する明らかな兆しが見えてこないのかという問題を分析した.分析に当たっては,標準的なFTPLと異なり,世代重複モデルをベースとした動学モデルを構築し,国債発行を通じた世代間の政治的対立も考慮に入れた.そして,政治的には高齢化がその原因として考えられ,また財政当局の債務返済先送り体質が金融緩和の効果を減殺している点を明らかにした

  • 集権と分権の政治経済学

    研究期間:

    2010年04月
    -
    2013年03月
     

     概要を見る

    本研究では,公的な意思決定における権限配分のあり方が政策決定にどのような帰結をもたらすかというテーマのもとで,政策担当者が相対的なパフォーマンスによって評価されるときの中央政府・地方政府の間での役割分担,地方政府の行政区域のあり方,利益集団との交渉モデルにもとづく自由貿易協定の締結,原発のような大規模リスクを伴うプロジェクトの管理といった問題を,政治経済学的なフレイムワークによって分析した

  • 東アジア圏の政治経済制度変革と国際相互依存関係

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2009年
    -
    2011年
     

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    本研究では、中国の制度・政策転換と東アジア圏の国際相互依存関係への影響に関わる政治経済学的問題を、財政・金融・産業・環境に焦点を合わせて考究した。財政制度の効率性比較、途上国での望ましい工業汚染規制、企業の株式持合いと政策決定の関係、混合寡占下での公企業の役割、途上国企業の部品の内製・購買の選択を理論的に分析した。中国の社会保障制度の実態、マイクロファイナンスの金融機能を明らかにし、税制の機会均等化効果の日韓台間比較、為替介入政策の市場の効率性への影響分析を行った。

  • 消費税による年金財源の調達と世代間再配分

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    本研究では,世代重複モデルに年金制度を導入した4つのタイプのモデル(開放経済モデル,閉鎖経済モデル,王朝モデル,内生的成長モデル)を用いて,消費税による年金財源調達が世代間に及ぼす経済厚生上の利益・不利益と,全世代を通じた利益・不利益について考察した.消費税による年金財源の調達は,ライフサイクルでみた税負担を,若年期から老年期へとシフトさせる.その結果,利他主義による遺産や贈与が存在しない場合(王朝モデル以外のケース),経済全体の貯蓄を増加させ,資本蓄積を促進する効果を持っている.従って,将来世代は,社会保険料から消費税へ年金財源の調達ベースが切り替わった場合,一般に経済厚生が改善する.しかし,それは同時に,切り替え時の高齢世代に,消費税引き上げによる負担を課すという杜会厚生上のコストを伴っている.賦課方式から積立方式への変更に伴う,いわゆる「二重の負担」とは逆の所得再分配である.本研究の分析では,内生的成長モデル以外の場合では,将来世代の利益は切り替え時の高齢世代の不利益によって相殺されるため,全世代を通じたパレート改善を消費税による年金財源の調達で達成することは不可能であるという結論が得られた.その意味では,消費税シフトは純粋に世代間再分配的であり,効率性改善の効果は望めないといえる.しかし,経済成長率が資本蓄積に依存して加速的に上昇する場合には,高齢世代の不利益を補って余りある利益が将来世代にもたらされる.消費税シフトの是非は,望ましい世代間所得分配のあり方と,経済成長率の決定要因に関する実証分析によって判断されることになる

  • 予算制度と政治の透明性が財政政策におよぼす効果についての研究

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    本研究では,政治経済学の分析枠組みを用いて,財政政策の決定について考察した.第一に,利益集団と投票者の行動を導入した政治経済モデルを開発し,財政再建が行われる政策決定プロセスの理論化を行った.このモデルでは,増税と支出削減を組み合わせた財政再建の構成が政治家と利益集団との癒着の程度を表すシグナルとしての役割を果たし,投票者が政治家のタイプを識別することができるようになる点を明らかにした.第二に,賃金税と消費税で社会保障支出の財源調達を行うケースを想定して,財源調達方法が政治経済的な枠組みのもとでどのように決定されるか,それぞれの財源調達方法が固有に持つ再分配効果の違いに着目して,検討した.そして,高齢化の進んでいない社会では,賃金税のみで社会保障財源が調達される均衡(正確には,構造誘導均衡)だけが存在し,消費税による財源調達が行われることはないが,高齢化が進展すると,複数の構造誘導均衡が現れ,賃金税だけで社会保障財源が調達するケースだけでなく,消費税だけで調達されるケース,両者が併用されて調達されるケースが均衡になることを明らかにした.第三に,現行の厚生年金制度の政治的な存続可能性を実証分析した.具体的には「存続」と「廃止」を二者択一の選択肢とした国民投票で過半数が「存続」を支持するか,将来人口推計や財政再計算のデータを用い,正の残存期間収益を持つ最少年齢(境界年齢)と全有権者の中位年齢を計測して比較した.計測の結果,現行制度は政治的に存続可能と判定されるものの,今後の年金改革では,2025年までに境堺年齢を迎える現在30歳および40歳代の世代の残存期間収益を引き下げないことが重要であることがわかった

  • 互恵性を考慮した仮想市場法(CVM)による地球温暖化対策の経済評価

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    本研究では仮想市場法の改善を目指し、メンタルアカウント(お財布)のフレームを考案し、それがアンカー効果を減少させることを検証し、調査時点での実験者と被験者の関係によって調査回答時間、表明WTP値が異なることを示した。なお東工大の学生の地球温暖化対策に対する支払い意思額は年間13000円であることが判明した

  • 決算審査のフィードバック機能に関する政治経済学的分析

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    財政情報の公開は、有権者や利益団体など政治的アクターの行動や予想を変化させることによって、政府のインセンティブにフィードバックし、その行動や政策選択に影響を与える。本研究では、主として、支出削減か増税かといった財政再建の構成が持つシグナル効果や、政策担当者が退任後の処遇を気にして行動するキャリア・コンサーンズ型の地方政府間競争について検討し、予算の透明化や地方分権といった制度改革がもたらす効率性の改善を分析した

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特定課題研究

  • 公約の役割に関する政治経済学的分析

    2016年  

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    本研究では,いつでも反故にできる公約が為政者の行動をコントロールする上でどのような役割を果たすのか,ゲーム理論の枠組みを用いて分析した.為政者が持つ政権継続の誘因は,有権者が彼らの行動をコントロールするうえで重要な要素である.有権者が現職の再選を認めるかどうかを在任中の実績に依存させて決める実績投票戦略はその有力な手段になることが知られている.だがこの戦略は,少なくとも過半数の有権者が協調して同じ再選規準を採用しなければ機能しない.本研究では,公約が遵守されたかどうかを再選規準にしたとき,有権者が最適な実績投票戦略を選択したときと同じように為政者の行動をコントロールできることを示した.

  • 現代政治経済学のフロンティア

    2013年  

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    本研究では,TPPなどの自由貿易協定が締結されるための条件を,国内における政治家と利益集団間での交渉モデルを用いて政治経済学的に分析した.Grossman and Helpman (American Economic Review, 1995)やOrnelas(Quarterly Journal of Economics, 2005)をはじめとする先行研究では,経済の各産業の利益を代弁する利益集団が政府に政治献金を提供し影響力を行使するモデルを用いて自由貿易協定が成立する条件を考察してきた.彼らのフレイムワークは利益集団間の相対的な政治的影響力に当てられ,政府が各利益集団に対して発揮する交渉力の大きさには考慮が払われていない.これは彼らのモデルが,協力ゲーム理論でいうところのTUゲーム(効用水準が譲渡可能なゲーム)になっているからである.しかし現実には利益集団が政府に提供するのは政治献金以外にも,選挙協力,秘書給与の肩代わり,政策立案のための情報といったものも一般的である.これらは限界効用一定の仮定とは相容れないから,TUゲームとして扱うには問題がある.そこで本研究では,効用が不完全にしか譲渡可能でない(いいかえれば,移転に伴って限界効用が逓減する)交渉ゲームを用いることによって,自由貿易協定締結において政府の国内輸入競争産業に対する交渉力が果たす役割に焦点を当てた分析を行った.本研究では3国から形成される世界経済モデルを構築し,そのうちの2国が自由貿易協定を締結するインセンティブを持つかどうか検討する.その際鍵になるのは,第3国からの輸入に対する関税率(域外関税率)である.自由貿易協定を結んだ当該国は第3国からの輸入については関税を維持することができるから,自由貿易協定締結後も第3国からの輸入が継続する場合には,域外関税によって国内産業を保護することができる点である.本研究における分析結果としては,第1に,相手国の域外関税率を所与とするならば,(もっともらしい条件の下では)政府の交渉力が強いほど自由貿易を締結しやすいことが示された.この結果は,自由貿易協定の実現には政府の強いリーダシップが必要だとする,標準的な見解を裏打ちするものとなっている.直観的な理由は,政府は自由貿易協定の締結に際し,国内輸入産業に対する強い交渉力を背景に政府は域外輸入関税率を十分に引き下げるため,貿易転換効果による関税収入の喪失が少ないからである.しかし第2に,2国が相互に字湯貿易協定を締結するインセンティブをもつかどうかという点になると,結果は逆になる.すなわち,政府の国内輸入産業に対する交渉力が強いほど,むしろ自由貿易協定は締結されにくくなる.これは域外関税率が上記のように低下する結果,各国の輸出産業に自由貿易のメリットが失われるからである.第3に,経済厚生の観点からは,締結後に域外関税率が上昇するならば世界前提の経済厚生が悪化することが示された.逆に低下する場合には,伝統的な関税同盟締結の厚生分析と同じように,貿易創出効果と貿易転換効果のトレードオフが生じることが明らかになった.

  • 集権と分権の政治経済学

    2009年  

     概要を見る

     本研究では,政策担当者が退任後の就職先や報酬を目当てにして政策運営に努力するキャリア・コンサーンズ型の政策形成と,異なる地域での政策成果を比較することで得られる政策担当者のパフォーマンスの情報が政策担当者の能力の評価に影響するヤードスティック競争に焦点を当て,政府の集権化・分権化を巡る政治経済学的な分析を行った.従来の研究では,住民の居住地選択以外に地方政府間での競争を分析する枠組みがなかったが,本研究では,政策の成果に関する情報が他地域にも伝わることが政策担当者間での競争を生み出す源泉になることを明らかにしており,その結果として,ヤードスティック競争の作用する地方分権の方が一般には中央集権よりも各地域の政策担当者に努力誘因を与えることが示された.とはいえ,努力水準は社会的に見て課題になるケースもあり得る. 本研究では,従来の研究では考察されていなかった,次の点を明らかにすることができた.第1に,政策担当者の能力が退任後民間部門でどのように評価されるかによって,集権と分権の相対的な望ましさが影響を受けるということ,第2に,政策運営の努力が地域間の外部効果を持つとき,それが正の外部効果か負の外部効果かによって,集権と分権の相対的な望ましさは違ってくるということ,第3に,集権と分権の中間的な形態である部分統合が最適な統治形態になるケースが生じること,第4に,中央政府と地方政府が共存するような形態が最適な統治形態になるための条件を2つの効果のトレードオフ関係として明らかにしたこと,である.最後の点について具体的には,部分的な地方分権によって「焦点」効果が作用して,政策担当者に政策運営の努力水準を引き上げる誘因が作り出されるが,同時に,「ノイズ拡大」効果が生じパフォーマンスの相対評価が低下するため,政策運営の努力水準を引き下げる誘因がもたらされる.部分的な分権化が,完全な集権化あるいは分権化よりが望ましいかどうかは,2つの効果の相対的な大きさに依存して決まってくる.本研究で得られた成果は英文論文にまとめられ,オーストラリア-アジア公共選択学会およびアーバイン・日本公共政策コンファレンスの国際学会,国際コンファレンスで報告された.また,来年度のヨーロッパ公共選択学会および春季日本経済学会でも報告することが決まっている.

海外研究活動

  • 公共選択理論の研究

    2016年03月
    -
    2018年03月

    アメリカ合衆国   カリフォルニア大学アーバイン校

 

現在担当している科目

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