2024/12/30 更新

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タムラ タツヒサ
田村 達久
所属
法学学術院 法学部
職名
教授
学位
修士

研究分野

  • 公法学
 

論文

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書籍等出版物

  • 法務に強くなる!レベルアップ地方自治法解説

    田村, 達久

    第一法規  2019年07月 ISBN: 9784474063150

  • 行政書士の業務展開 : 早稲田大学GEC校友会支援講座「行政書士実務概論」講義案

    田村, 達久, 早稲田大学校友会行政書士稲門会

    成文堂  2017年09月 ISBN: 9784792392680

  • Law practice 行政法

    亘理, 格, 大貫, 裕之, 田村, 達久, 稲葉, 一将, 日野, 辰哉, 北見, 宏介, 高橋, 信行, 小川, 一茂, 北島, 周作, 福永, 実, 米田, 雅宏

    商事法務  2015年10月 ISBN: 9784785723347

  • 現代行政訴訟の到達点と展望 : 宮崎良夫先生古稀記念論文集

    礒野, 弥生, 甲斐, 素直, 角松, 生史, 古城, 誠, 徳本, 広孝, 人見, 剛, 斎藤, 誠, 高橋, 滋, 横田, 光平, 桑原, 勇進, 田村, 達久, 常岡, 孝好, 中川, 丈久, 山本, 隆司, 岩橋, 健定, 北村, 喜宣, 須藤, 陽子, 三神, 正昭, 木村, 琢麿

    日本評論社  2014年02月 ISBN: 9784535519466

  • 判例ライン行政法

    下山, 憲治, 田村, 達久, 寺, 洋平

    成文堂  2012年09月 ISBN: 9784792305369

  • 地方分権改革の法学分析

    田村, 達久

    敬文堂  2007年10月 ISBN: 9784767001555

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • わが国実定公務員法制の抜本的改革に向けた理論的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)

    研究期間:

    2021年04月
    -
    2025年03月
     

    下井 康史, 稲葉 馨, 植野 妙実子, 松戸 浩, 晴山 一穂, 渡邊 賢, 皆川 宏之, 奥 忠憲, 清水 敏, 田村 達久, 早津 裕貴, 島田 陽一

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    研究初年度(令和3年度)は、日本公務員法の現状分析を中心に行い、適宜、外国法の研究を並行して実施した。それらの成果の一部は、本研究の代表者及び研究協力者を中心メンバーとする研究会(公務員法研究会)で報告され、そこでの意見交換を通じて互いの知見が高められた。
    令和3年度、同公務員法研究会は、オンラインにて4回の研究会を開催した。報告実績は、①清水敏「会計年度任用職員と給与勧告」(令和3年6月12日)、②早津裕貴「「非正規」公務員をめぐる現代的課題」、③下井康史「「非正規」公務員をめぐる法的課題--公法学の観点から--」(同年9月4日)、④稲葉馨「公務員定年制の歴史的一考察」、⑤奥忠憲「フランス公務員参加法における協定法制に関する考察―2021年法改正による法的効力付与を中心に」(同年12月4日)、⑥植野妙実子「経済産業省トランスジェンダートイレ使用措置要求事件・東京高判令和3年5月27日」、⑦渡辺賢「統治機構問題としての公務員の労働基本権・覚書」(令和4年3月5日)である。②と③は、本研究の研究協力者以外の実務家とともに行われ、上記研究会での議論を踏まえて、令和3年11月7日にオンラインで開催された日本労働法学会第138回大会ワークショップ第二部第二会場及び令和4年1月22日にオンラインで開催された関西労働法研究会でも報告された。前者の報告内容の概要は、日本労働法学会誌135号(令和4年)に掲載されることが決定している。
    その他、皆川宏之は、令和3年3月6日の公務員法研究会で「浅口市事件・岡山地倉敷支判平成30年10月31日判時2419号65頁」をテーマとする報告を行っていたところ、その内容は、下井康史のコメントとともに、令和4年度中に季刊労働法誌に掲載の予定である。
    以上のような研究により、現行実定公務員法が抱える問題点の一部を抽出し、抜本的改革の要否の考察が進められた。

  • 経済関係のグローバル化に対応する経済行政法理論の構築

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2020年04月
    -
    2024年03月
     

    岡田 正則, 友岡 史仁, 杉原 丈史, 田村 達久

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    本研究の目的は、国際・国家・地域の各レベルにおける人々や団体の連携を通じた新たな公共的制御のあり方を、経済行政法の面から構想することである。そして本研究は、(1)グローバル化した経済活動に対する主権国家による制御と多元的に構成された国際的な組織や手続による制御との関係および両者の功罪に関し、主要国の理論的到達点を明らかにし、(2)その調査結果に基づき、個別行政領域について日本法との比較検討を行い、(3)E・オストロムの集合的行動領域の規範理論に着目して、“市場でも国家でもない”領域に対応する経済行政法理論の提示を試みる

  • 社会縮小化時代における地方公共団体の企業的活動の方向性と公法的規制理論

    研究期間:

    2020年04月
    -
    2024年03月
     

     概要を見る

    日本の地方公共団体の企業的活動、とりわけ、地方公営企業法に定められた上水道、自動車運送、鉄道等の各事業に係る公営企業活動に焦点を当てて、近時いわれる社会の縮小化という変化を前にして、当該公営企業活動の変容を見据えて、その法制の将来に向けてのあり方及び法理論を、①持続可能性、②地方公共団体の企業的活動による公共サービス提供体制における公共私のベストミックス、③地方公共団体の企業的活動による公共サービス提供体制における経済性・効率性確保のあり方、④地方公共団体の活動という公的活動に関しては常にその保障・確保が要請される実効的な民主的統制のあり方の4つの視角から立体的に考察・探究して明らかにする

  • 大規模災害時に対応した「市民防災」体制の構築に関する研究

    研究期間:

    2019年04月
    -
    2022年03月
     

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    本研究は、学際的な共同研究であり、政治学・行政学・法律学・地理学といった多角的な観点から自治体における「市民防災(civil defense)」の理論化を図るとともに、発生が予測されている大規模災害への対応という喫緊の課題に対する具体的な政策提言を行うものである。具体的には、近年の大規模災害において、住民の主体的な災害対応と、国や自治体、自衛隊・消防等の各行政機関が連携を行う上でどのような障壁・課題があったのかを実証的に検証すると共に、諸外国における「市民防災」の法的・制度的比較を行い、日本への応用可能性の検討する。その上で、災害時において、住民と行政の協働のあり方についての提言をめざす。令和元年度においては、本研究の中心テーマである「市民防災」にかかる先行研究、災害時における「市民防災」についての対応状況などの調査・研究を実施した。日本においては、阪神淡路大震災、東日本大震災を始めとした激甚災害が全国各地を襲っており、国・自治体を通じた防災対策が進められているものの、行政による対応だけでは限界がある。そのために、市民自らが防災時に自助・共助による災害への備え、対応を進めることが求められており、具体的な取り組みが各地で行われている。本研究では、そうした取り組みを「市民防災」(civil defense)と捉え、それらについての国内外の取り組み事例を蓄積し、あわせて自治体が政策として取り組みを行い、大規模災害への対応を準備している事例等を収集した。また、今後日本では、東海地震、東南海地震、南海トラフ地震などの災害が予想されており、大規模な津波が沿岸地域を襲うことが危惧されている。それに対して、国・自治体を通じて、防潮堤の建設や津波避難タワーの整備等が進められているが、それらについての具体的な事例を検証し、あわせてそれについての市民の意識や「市民防災」への自治体の取り組みを検証するために、研究会メンバー全員で浜松市における現地調査を行い、浜松市、静岡県の担当者からヒアリングを実施した。いうまでもなく、日本では、今後もさまざまな災害被害が予想されており、「市民防災」の対応すべき事象も多様である。研究2年度目においては、そうした多様な災害の勃発に対し、どのような「市民防災」体制が求められているのかについて、海外調査などを通じて諸外国の事例なども検討し、最終年度の研究のまとめにむけて、論点整理を重ねていくことを予定している。研究の初年度にあたり、市民防災についての先行研究、理論研究の整理を行い、あわせて日本国内における市民防災の現状について資料収集とヒアリング等の現地調査を実施することを計画した。市民防災については、日本においても消防団や地域防災組織の活動等によって、一定の取り組みが行われ、東日本大震災以降、自治体の政策も強化されてきており、中央政府においても問題意識をもって取り組んでいると見受けられる。しかし、同時に、災害時における市民防災体制が十分に整備されているとは言えない現状もあり、また地域差も散見されるとともに、諸外国に見られるような積極的な取り組みには至っていないと思われる点もある。また、国や自治体による大規模防潮堤や津波避難タワー建設といった対応と、市民防災がどのようにリンクしているのか、また、行政担当部署と市民防災の担い手たる住民組織の連携についても、課題がある。研究初年度においては、そうした実態を把握し、それらについての先行研究、自治体の取り組み事例の収集を行うと共に、それらの実証的な研究のために現地調査を実施し、また参加メンバーの議論を通じて、論点整理行い、次年度に向けた研究計画の精査を行う事ができたと考えている。研究2年度目においては、諸外国における市民防災への取り組みや制度化の状況について調査・研究を進め、日本における市民防災体制の構築・強化に向けた提言に向けて議論を進める。日本における市民防災の体制としては、消防団等の市民防災組織や地域防災組織など、地域の地縁団体等による取り組みが見られるが、諸外国においては、より強固な市民防災への取り組みが存在しているものがある。すでに、本研究に先行する研究では、ニュージーランドやスイスにおけるcivil defenseの取り組みについて調査を実施しているが、今後はそれらについての精査を行い、あわせて他の国における市民防災の取り組みがどのようなものであるかについて、現地調査も含めて実施し、事例の把握に努める。具体的には、今後の研究会における討論の中で調査対象国を決定するが、限られた予算の中なので、現地調査に加え、各国政府のWEB上で公開されているデータや事例研究にも目配りしながら、参照事例を拡大していきたい。ただ、新型コロナ感染拡大の影響で、海外事例調査の実施にはさまざまな困難が予想されることもあり、海外調査実施の時期や方法などについては検討が必要で、海外事例調査が実施できないような状況が生まれた際の代替措置について考えておく必要があると考えている。なお、こうした調査・研究に加え、最終年度の研究のまとめにむけて、市民防災の考え方についての理論的研究を深化し、政策提言に向けて研究の進捗を図るものである

  • 地方公共団体の企業的活動に対する公法的規制の理論とあり方

    研究期間:

    2017年04月
    -
    2021年03月
     

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    日本における今後の地方公共団体における企業的活動に対する公法的規制のあり方・理論を考察するために、交通系地方公営企業(鉄道事業・自動車運送事業)の関係労働組合等の資料等を用いて、当該役務提供に従事する者の処遇を含めた持続的な役務提供体制の維持・構築に係る運用実態及び法制度を検討した。その結果、例えば、当該処遇に関しては、労働法制的側面の課題も同時並行的に検討、考察することが重要かつ不可欠であることが明確となった。同様の諸課題は病院事業についても生じており、後述する公私の最適組み合わせ(ベストミックス)の考究が緊要であることが浮き彫りになった。医療介護総合確保推進法に基づく地域医療構想の策定において、地域医療体制の中核的な役割を担うと考えられている公的病院が民間病院の補完的な機能を営むことが意図され、とりわけ中小規模の公立病院は、地域によっては特定機能(高度医療)に特化しない多機能型の病院へと転換してべきとの認識が民間にも存在することを強く意識した上で、その公法的規制のあり方・理論を考究すべきであることの重要性が明らかとなった。くわえて、ドイツ連邦共和国における企業形態による地方公共団体の公共役務の調達・提供に係る法的問題の理論的考察を行って比較法研究を進めた。この結果、とりわけ公企業形態の選択可否の法的判断基準や、民営化された事業領域の再公営化の可否の法的判断基準を日本の法制の中でも同様にかつ迅速に考究すべきことの重要性も明確となった。これらのことに鑑みれば、今後の日本の「縮小する社会」における公共的諸課題の一つである地方公共団体の企業的活動の持続可能性の維持のあり方を、地方公営企業の性質的類型、つまり、企業的活動の類型毎に、公私又は公共私の最適の組み合わせ(「公共私ベストミックス」)の考えをも参照して継続して研究していかなければならない

  • 大災害時における自治体と自衛隊の連携体制の確立に関する研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2013年04月
    -
    2016年03月
     

    牛山 久仁彦, 伊藤 剛, 幸田 雅治, 田村 達久

     概要を見る

    大規模災害が頻発する日本において、自治体とそれを支援する自衛隊の連携がどのように行われるのかは、極めて重要な課題である。とくに、東日本大震災では、自衛隊の迅速かつ適切な災害派遣や自治体との緊密な連携・協力のあり方が問われることとなった。本研究では、自衛隊の災害派遣をめぐる法制度や諸外国の現状との比較検討を行うと共に、今後も予想される大規模災害に際し、どのような備えが必要なのかを研究したものである

  • 経済規制・監督手法の変動と、それによる行政法体系への影響と再構築

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2010年
    -
    2012年
     

    首藤 重幸, 岡田 正則, 田村 達久, 杉原 丈史

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    先進各国で公益事業の民営化が進められているが、逆に同時に、それに対する行政的経済規制は増大している事実がある。そして、その世界各国での行政的規制方法を分析してみると、規制の公正性の担保と、民営化の進行と意義を維持するために、各国で極めて弾力的な規制手法が採用されていることがわかる。そして、その規制手法の弾力化が、従来の行政法学における硬直的な規制手法の理解に、大きな変革をせまっており、さらに、「経済行政法」という新たな学問領域を生み出す原因となっている。

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Misc

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現在担当している科目

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他学部・他研究科等兼任情報

  • 法学学術院   大学院法務研究科

  • 法学学術院   大学院法学研究科

  • 附属機関・学校   グローバルエデュケーションセンター

学内研究所・附属機関兼任歴

  • 2022年
    -
    2024年

    カーボンニュートラル社会研究教育センター   兼任センター員

  • 2021年
    -
    2025年

    先端技術の法・倫理研究所   プロジェクト研究所所長

特定課題制度(学内資金)

  • 地方公共団体におけるカーボンニュートラルの法と政策

    2023年  

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     日本が2020年秋に宣言した2050年カーボンニュートラル(CN)を実現するためには、公的セクター内においても脱炭素化に向けた全国の地方公共団体の協力・協働が必要不可欠である。ただし、全国の地方公共団体は、その地理的環境、地域の産業構造も一様ではないため、国としては、各地方公共団体が、各地域における民間セクターの状況をも踏まえた多種多様な取組みをその創意・工夫によって進めてもらうことが重要となる。本研究では、ゼロカーボンシティ宣言を行った地方公共団体のうちから、内陸県(つまり非臨海県)である長野県及び臨海県である新潟県の2広域的地方公共団体を選び、それら団体の関係政策等の現状・課題を調査しての実証的研究を遂行した。長野県は「ゼロカーボン戦略」を策定し、これに基づき県内交通、産業、再生可能エネルギー等を軸としてCN政策の遂行とその管理及び成果検討を行いつつ取り組みを継続している。新潟県は、その地理的特性である日本海臨海性を基礎として、既存の掘込港や日本海側最大のコンテナターミナルなどの既存インフラの存在とその利用可能性という利点を活かして、洋上風力発電の政策の遂行を中核としつつ、地域のCN政策を推進するといった特徴を持つ。もっとも、両県の各政策の成果等については、今後の推移を観察しての考察と分析が必要であり、事の性質上、これは将来の課題とせざるをえない。

  • 先端技術の研究・利用・規制に関する公法理論

    2022年  

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     先端技術の社会実装を考えると、リスクコミュニケーションに基づく社会的合意の調達のための公法的手続・制度の整備が必要不可欠となるのはもちろんだが、それ以前の研究段階からの法的ルールの設定という意味での一定の法的規制も重要となる。その下で先端技術の研究を行いうる環境の整備が、むしろ研究者の研究意欲等を守ることにつながる。法的規制は先端技術研究の進展を阻害するとの見解も述べられはするが、例えば、最先端AI開発の少なくとも今後半年間の停止を求める公開書簡が世界規模で出された2023年3月末の事態が示唆するとおり、公法的規制に基づく社会許容性を意識しない先端技術の研究等は社会の最終的な支持を得がたい。

  • 日本の実定公務員法制の抜本的改革に向けた理論的研究

    2021年  

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      「地方自治の本旨の実現に資すること」を終局目的と定める地方公務員法の抜本的改革に向けた理論的検討は、これまでの一連の地方分権推進を踏まえたより一層の地方自治の尊重を念頭に置いて進めなければならないと同時に、日本社会全体の人口の高齢化(自治体行政の2040年問題)と減少の同時進行に鑑みての公共サービス提供体制における公務員の活動の相対的低下とこれを補完する公・共・私のベストミックス体制の構築の必要性にも配意して行わなければならない。前者の観点からは地方公共団体の多様性に配慮した公務員法制への変革のあり方が、後者の観点からは民間労働法制と対比しての公務員法制の独自性の承認やその範囲・程度等が、さらに追究されねばならない。

  • 社会縮小時代における持続可能型自治体行政体制の法理論

    2020年  

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     「行政手続」という用語で包摂されえない、関連の民間手続を含めた行政活動全体におけるデジタル技術の活用を志向する「情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律」が施行される中、第32次地方制度調査会は2020年、具体的な自治体行政体制のあり方の1つとして、「地方行政のデジタル化」を提示した。たしかに、持続可能型自治体行政体制の構築のためにAI、RPA等の先端技術の活用は始まっており、持続可能性及び経済性・効率性確保の両視角からは評価されうる面がある一方、自治体行政における実効的な民主的統制という重要な法学的視角からの批判的分析は一般にいまだ進んでいない。本研究の継続が要請されている。

  • 事前行政手続による行政作用の公正性・透明性確保のための統制法理

    2019年  

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      行政処分に係る理由の提示の機能・趣旨として、行政庁の判断の慎重・合理性担保機能と不服申立便宜機能の2つが学説・判例上において承認されてはきた。しかし、審査請求に対する裁決が行われる前段階において、外部有識者からなる第三者機関たる行政不服審査会等が審査請求に係る法令解釈を含めた審査庁の判断の妥当性を調査審議することが原則とされているため、その視座から事前行政手続を見直してみると、理由提示の説得機能ないし納得機能と呼びうる機能の意義の再評価と行政法理論上の定位が、今後の行政運営の公正性、適正性等をより担保かつ統制するためにも改めて行われることが必要不可欠である。

  • 公私協働型行政運営における公務員法制の法理

    2018年  

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     公私協働型行政運営においては、(地域的)公共的事務・事業の実施にあたって、公=行政=公務員が、そのネットワークという「車輪」の「ハブ(轂)」の役割を担うという従来からの伝統的・典型的な観念にとどまれば、公私協働型行政運営における公務員法制の法理としても、従来的な公正性、政治的中立性等をその中核とする法理を堅持しておけば足りるが、例えば、公立病院事業の現状に鑑みると、公=行政がむしろ、(地域的)公共的事務・事業の一実施主体になるにとどまると評価せざるをえない現象も生じている。公=行政が、そのハブではなく、一実施主体であるような公共的事務・事業の実施のネットワークの拡大を現下の日本の人口減少社会を条件として考えた場合、民間労働法制にも共通する公正労働に係る観念・法理を採り入れたいわば複線型の公務員制度の構築が求められる。

  • 地方財務行政の法的統制制度の日独比較法研究

    2017年  

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     日本における地方公共団体の財務行政(地方財務行政)の適法性・適正性確保を図るのための統制制度たる住民監査請求・住民訴訟制度は、一方で、(1)2017年の地方自治法改正における、①自治体監査委員が法令の規定により行う監査等を行うに当たって従うべき監査基準の制定・公表、及び、②長による内部統制に関する方針(=財務に関する事務等の適正な管理及び執行を確保するための方針)の制定と同方針に基づく必要な体制の整備の各法定義務化(ただし、2020年4月1日施行)によって、他方で、(2)2017年度までの3年度間の準備経過期間を経て2018年度から複式簿記を基本とする統一的な基準に基づいた財務書類を作成する新地方公会計制度が全地方公共団体で運用されることによって、今後その機能的実効性をさらに高めることになろう。もっとも、前記(1)の法的影響の如何の正確な判断・評価は、当該措置の現実の運用を待たねばならないため、本研究の実質的継続によって行わざるをえない。また、前記(2)の措置の準備導入段階での法的影響の如何についても、それが必ずしも明確であるわけではない。しかし、この点に関しては、比較研究対象としたドイツ連邦共和国においては、地方公共団体の行政運営に係る新制御モデル(Neues Steuerungsmodell)という指導構想の下での当該行政運営がここ20年ほど続くなかで、当該構想の重要な構成部分をなす複式簿記制度(Doppik)が導入され、同制度による地方財務行政の法的統制が進んでいる。そこで、当該成果が前記(2)の現状にある日本においても参照されるべきではあるが、ドイツでも新制御モデルに係る総括的検討が最近行われるようになったこと(Bruenig/Schliesky (hrsg.), Kommunale Verwalutungsreform-20 Jahre Neues Steuerungsmodel, 2017)に鑑みると、現在進行の研究動向等を並時的に検討しながらの本研究の内容的深化と実質的継続とが緊要となっている。

  • 地方公共団体の企業的活動に対する公法的規制のあり方と理論

    2016年  

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     地方公共団体の企業的活動の典型である地方公営企業の現在的課題は、たしかに、人口減少等に伴う料金収入の減少や、施設の老朽化に伴う更新需要の増大等へ対処しつつ、経営基盤の強化と財政マネジメントの向上を図ることにある。しかし、地方公共団体の企業的活動全体に係る現代的な諸課題に法的に対処するに当たっては、現下の日本の重要課題である地方創生の実現を想起しても、地域における民間企業活動との各種の連携(公営企業の民営化・民間譲渡や民間活用)をも視野に収めた上で、継続的な実態調査を行い、その結果を基礎として、地方公共団体の企業的活動に対する法的規制のあるべき姿とそのための理論を検討し、構築し直さなければならない。 

  • グローバル化・規制改革の社会における体系的な経済行政法理論の構築

    2015年  

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     日本の地方公営企業法制の現代的展開等に研究の焦点を絞って考察するに、地方公営企業の法的存在意義たる「公共性と企業性の同時並行的追求」を常に念頭に置かなければならないが、人口減少社会・日本における「地方消滅」という問題状況に照らすと、「企業性」=「収益性」の保障は地方公営企業の公共性の確保にとってより一層不可欠の要請となっている。それ故、国でも検討がされている公営企業における経営戦略という行政計画的規制手法の有する法的意義・法的効果の分析、事業の広域化という行政手法及び規制改革に伴う民間活用という手法の各法的意義・効果の分析・検討を深化させることが極めて重要となっている。

  • 経済規制・監督手法の変動と、それによる行政法体系への影響と再構築

    2013年   首藤 重幸, 岡田 正則

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    とりわけドイツやフランスに見られる「経済行政法」という学問体系が日本においても独立した学問体系として成立しうるか、成立させる意義があるかに研究の主たる関心を持ちつつ、それとの比較法的研究を通じた日本経済行政法理論の基礎的研究を進めることとした。ドイツ経済行政法・公経済法の講学体系の検討から着手し、その体系書の検討を行うことを通じて、本研究課題にアプローチすることとした。さしあたっての到達点の概要は次の3点に纏めうる。①ドイツにおいて das besonderes Verwaltungsrecht という科目類型の分類範疇に包括される個別法は、共通化されており、経済行政法の科目もその中に含まれている。経済行政法は、大学における法学学修課程における重点科目(Schwerpunktbereich)となっている(Rolf Stober, Allgemeines Wirtschaftsverwaltungsrecht, 17. Auflage, 2011, S.1)。また、ドイツ連邦共和国は、いうまでもなく、フランス共和国とともに、ヨーロッパ共同体(EC)の原始加盟国であり、ヨーロッパ連合(EU)の主要構成国であることから、ヨーロッパ域内市場の統一を当然の前提とすることになるため、経済行政法を講じるに当たっても、必然的、かつ、不可避的に、関係するヨーロッパ連合法(EU-Unionsrecht)の法制度等への言及、叙述がなされることになり、実際にそのようになっている。②経済行政法に関する学問研究を行うに際して参照されることになる中核的な個別法律として、ドイツ国内法としては、営業法(die Gewerbeordnung)がそれであり、ヨーロッパ連合法との関係では、ヨーロッパ連合支援法規(EU-Beihilfsrecht)がそれであることが明確である。そして、それらを中心として、関連諸法が研究され、体系づけられている。③いわゆる(一般)行政法(das allgemeines Verwaltungsrecht)との関係については、行政行為の理論が経済行政法制に一般的、典型的に見られる監督措置や規整(Regulierung)の法的統制を考察する際に、また、行政行為の職権取消と撤回に関する理論が公経済法の一つと考えられている補助金法・支援法(Subventions- und Beihilferecht)の検討において、それぞれ重要となっているといったように、それら一般行政法理論(日本行政法学流にいえば、行政法総論)が経済行政法学の体系化に当たってもやはりその中核をなしているということが明確となった。このような到達点を一つの基礎としつつ、平成26年度の科研費の基盤研究(B)の申請を行った。そして、その後、本研究遂行の母体となっている早稲田行政法研究会において、我々の研究組織には属していない学外の研究者であって、問題意識を基本的に同じくしつつも、我々とは別個独立して日本経済行政法学の体系化について研究を進めている学者から、その研究過程・成果の一端の報告を受け、問題意識の共有化と学術面での有意義な意見交換をすることができ、このことから我々の今後の研究の方針・進め方をさらに固める上で重要なヒントを得ることができた。

  • 公務員法制の改革と科学的人事行政の将来

    2012年  

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     内閣が平成23年6月3日に国会に提出した国家公務員法等の一部を改正する法律(閣法第74号。以下「23年法案」という。)、国家公務員の労働関係に関する法律案(閣法第75号)、公務員庁設置法案(閣法第76号)、および、国家公務員法等の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(閣法第77号)の4法案(以下「改革関連4法案」という。)等によって意図した、国家公務員制度改革基本法(平成20年法律第68号)に基づく国家公務員制度に係る法制度の改革は、平成25年3月31日時点においても実現していない。改革関連4法案中、科学人事行政の今後のあり方に直接影響を与える改革案は、第三者機関であった人事院の廃止し、その諸権限を、主には使用者機関性を持つ公務員庁に引き継がせつつも、委員長のみが認証官とされ、他の2名の委員は非常勤とされる人事公正委員会に公平審査機能・権限に配分するなど複数の機関へと分散するとするものである。また、幹部職員(この定義は23年法案1条により新設される国家公務員法34条1項6号)も一般職非現業公務員でありながら、その人事行政のみが他の一般職非現業公務員のそれから切り離されて内閣人事局において掌られることとする改革案も同様である。日本国憲法の採用する近代公務員制度の意義・理念の1つに、「科学的人事行政の確立・確保」がある。人事行政の能率、公正の原則と言い換えられうるが、そこにいう「能率」は、たんなる「効率」とか、「迅速性」とか、平たくいってしまえば、「人事のしやすさ」とは全く異なるものであるはずである。当該理念は、現行法制においては、成績主義、人事院制度などの制度に具現化している。高度に複雑化し専門化している現代の人事行政が科学的・客観的に実施されるためには、人事行政機構が人事行政から恣意性・非合理性を排除する適切なものとなっていなければならない。前述の改革案は、現行の法制度に基づくよりも当該理念により親和的であり、それをよりよく実現しうるものなのかが問われるべきであろう。例えば、内閣人事局が掌る幹部人事に関しては、その公正性をいかに担保、確保するかが焦点となる。事務次官等の幹部職にある公務員も一般職公務員であるから、その人権保障はもとより、科学的人事行政の確保が当然要請される。科学的人事行政の確保の理念からすれば、幹部職員の適格性審査の実施要領策定やその審査プロセスに人事公正委員会が実効的に関与しうる仕組みを法令により整備することがその一方策として考えられようが、かかる措置は改革関連4法案には盛り込まれていない。「公務員制度は国民のためにあるという素朴な出発点に立ち返り、公務員自身の人権保障をも考慮しつつ、その将来の方向を探らなければならない」と指摘されて久しいが、改めてこの指摘が念頭に置かれなければなるまい。

  • 地域主権改革下における住民訴訟法理の研究

    2011年  

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     2011(平成23)年5月と8月に、同名(地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律)の、しかし、相異なる内容の2つの法律が公布され(平成23年法律第37号〔第1次一括法〕と平成23年法律第105号〔第2次一括法〕)、また、これに併せて、同年5月には、地方自治法の一部を改正する法律(法律第35号)も公布され、これら諸法律により、地方公共団体への法令等による各種の義務付け・枠付けが廃止あるいは緩和、整理されるなどの所要の見直し、さらには、前記第2次一括法により基礎自治体への権限委譲が行われることとなった。地方公共団体における行政活動への各種の法的規制が緩和されるとともに、法的権限が拡大されることにより、地方公共団体における自己決定、自己責任の範囲も同時に拡大する。したがって、地方公共団体の行政活動に対する法的統制の比重も、法律による事前統制(立法統制)から裁判を通じた法的事後統制(司法統制)へと移らざるをえず、それ故、司法統制の実効性が問われる。住民監査請求制度を含む住民訴訟法制は、地域主権改革下における地方公共団体の行政活動に対する法的事後統制の法的仕組みとして、その実効性がより一層問われることになる。 住民訴訟法制の大改正のなされた2002(平成14)年以後に下された住民訴訟判決だけでも千件は優に超える膨大な数となるため、ここでは次の2点に焦点を絞った形で本研究成果の一端を明らかにするにとどめる。一つは、地方自治法2条14項に定められた最少経費最大効果原則(効率性原則、経済性原則)の観点からする住民訴訟による司法統制の実効性如何であり、もう一つは、地方公共団体の議会の債権放棄議決(地方自治法96条1項10号)の有効性との関係からみる住民訴訟による司法統制の実効性如何である。 前者については、それが行政法原則の一つとして指摘されることがあり、重要な法原則と認識されてきている。このこと、そして、行政改革を念頭に置きつつ、住民訴訟が財務事項の司法統制の法制度であることに鑑みると、最少経費最大効果原則(効率性原則、経済性原則)の観点からする統制は今後さらに厳格にされてしかるべきであると考えるが、従来の裁判例においては、たしかに事案の詳細な検討がなされてはいるが、必ずしも厳格なものとはなっていないように思われる。 後者については、学説上は、住民訴訟上の係争事件となった事案に係る議会の債権放棄議決を無効とする見解が優勢であり、その方向での法制改革も検討されている。私も基本的にそれを無効であると考えるが、高等裁判所のレベルにおいては、有効・無効の判断は分かれている。ただし、2012(平成24)年4月20日および同月23日に最高裁判所の判決が下され、これにより裁判所における統一的な判断が示されることになるとの報道に本報告執筆の最終段階において接することとなったため、本特定課題研究期間自体は終了するものではあるが、今後も本研究自体は継続し、近い将来新たな機会を捉えて、さらなる研究成果を公にしたいと考えている。

  • 第2次地方分権改革による国・自治体関係の変容に関する法学分析

    2009年  

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     地方分権改革推進委員会が改革方策の一連の勧告において一貫して追求してきたことは、「地方政府の確立」である。このためには、行政事務権限、税財政権限などの自治行政権の確立とともに、地方公共団体の条例制定権の拡充という自治立法権の確立が不可欠となる。本研究ではまさにこれらの改革課題の考察、研究を進めてきたところである。ここでは、最終的な総括には当然ながらなお時日を要するので、本研究における重要な柱の1つとしてきた「条例制定権の保障のあり方」に係る報告を記載する。 「義務付け・枠付けの見直しと条例制定権の拡大」に関する改革方策が、第2次勧告(平成20年12月8日)および第3次勧告(平成21年10月7日)の2度にわたって勧告されてきた。とりわけ、第2次勧告では、義務付け・枠付けの対象範囲が整理され、その存置を許容する場合等のメルクマール(判断基準)が設定されたうえで、条例制定権の拡大を図る方向で見直しが提言された。問題は、その提言内容が条例制定権の拡充に真に資するものであるか、である。試みに、地域ごとでの対応が決定的な意味を持つ環境行政分野の法律、具体的には、いわゆる典型7公害の規制に係る法律で検証したところ、必ずしも首肯できる結果は得られなかった。すなわち、法律それ自体によって行われている義務付け・枠付けのうち、法律による直接的なそれらの廃止等が勧告されているものは、規制基準の適用区域の明確化(大防法4②、水濁法3④)、地域・区域の指定(水濁法14の7①、土対法5①・③、騒規法3①、振規法3①、悪防法3)、計画策定(大防法5の2①、水濁法4の3①・14の8①)、各種の公告、公示、公表(大防法5の2⑦・5の3④・15⑤・24、水濁法4の3⑤・4の5④・14の8⑥・16④・17条、土対法5②、騒規法3②・19、振規法3③、悪防法6)、公害の測定(大防法20、水濁法16④、騒規法21の2、振規法19、悪防法11)などである。これらの事項を仮に条例で定めるとすることにより条例制定権の拡充を図ることが、「地方政府の確立」に大きく資するものであるかは、たしかに、環境行政分野という一部の行政分野に係る考察結果ではあるとしても、にわかには肯定しえないであろう。したがって、地方分権改革推進委員会自身が認めているとおり、次のステップである「法定受託事務」における義務付け・枠付けの見直しや、行政立法(政省令)による義務付け・枠付けの見直しが不可欠である。これらの検討を経てはじめて目指すべき「地方政府の確立」の道程が明確になると考える。

  • 日本における統一的行政計画策定手続の法制化に関する研究

    2008年  

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     行政の意思形成過程への国民・住民の参加をいかに法制度化していくかは、現代行政における重要な課題であり続けていること、および、行政計画策定手続制度とともにその課題の一つとされてきた、いわゆる行政立法手続に関する行政手続制度が、意見公募手続制度として、行政手続法(平成5年法律第88号)の平成17年改正によって当該法律のなかに整えられたことに鑑みると、国民・住民の権利利益へ大きな影響を与える行政計画類型(具体的には、土地利用規制関係の計画類型と公共事業実施関係の計画類型の2類型)について、その策定手続法制を研究することは緊要である。両類型に共通して検討されるべきことは、上述した国民・住民の計画策定への参加手続法制のあり方や、行政計画決定をめぐる争訟手続の構築をも考慮した上での事前の策定手続制度のあり方などである。これらの点について敷衍すると、これまでも意見書提出等による国民・住民の意見聴取の措置が策定手続に組み込まれてはいたが、果たして実効的なものとなっていたかには疑問があるところである。国民・住民の早期の権利利益保護の要請が一方に存するものの、行政過程の初期段階での意見申述は、行政の意思形成の公正性、適正性の確保のためのものと観念されるにとどまる虞もある。ただし、この点については、民主制に関する法観念の考察を要することでもあり、さらなる研究が必要である。また、地域の行政主体たる地方公共団体の意見申述についても、それが法的にはあまり重要視されてこなかった恨みがないとはいえない。しかし、国による計画策定手続であれば、国からの地方公共団体の自立性をも重視する現在の地方自治の法理念の下にあっては、そのことは変更を余儀なくされるであろう。ただし、国民・住民の意見との間での比重のかけ方の相違などを反映した策定手続制度をどのように構築するかについては、さらに考察を深めざるをえない。そして、これらのことはすべて、行政計画決定をめぐる争訟手続のあり方へ不可避的に影響を与える。単純に行政計画決定に抗告訴訟の対象性を認める事前手続制度とすればよいわけではない。さらに、土地利用規制関係の計画類型と公共事業実施関係の計画類型の2類型に分けた上での各類型ごとの統一的策定手続の考察が必要ではあるが、都市計画道路など都市計画事業として行われる公共事業計画を念頭に置いた場合などは、両類型の策定手続法制度間の連関をどの段階で、いかなるものとするか決定しなければならない。

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