2022/06/28 更新

写真a

スガワラ イクオ
菅原 郁夫
所属
法学学術院 大学院法務研究科
職名
教授

兼担

  • 法学学術院   法学部

  • 法学学術院   大学院法学研究科

学位

  • 博士

 

論文

  • 『裁判員への説得技法:法廷で人の心を動かす心理学』を超えて : 市民のもつ力をどう生かすか?(法と心理学会第15回大会 ワークショップ)

    石崎 千景, 荒川 歩, 菅原 郁夫, 北村 英哉, 四宮 啓, 綿村 英一郎

    法と心理   15 ( 1 ) 68 - 76  2015年

    CiNii

  • キッズ・フォー・キャッシュ:ペンシルバニア州ルザーン郡における司法汚職とその強欲さのストーリー

    マーシャ・レヴィック, 吉岡 すずか, 菅原 郁夫

    比較法学   48 ( 1 ) 139 - 150  2014年06月

    CiNii

  • 民事訴訟利用者調査にあらわれた弁護士評価(松浦好治教授退職記念論文集)

    菅原 郁夫

    名古屋大學法政論集   250   319 - 346  2013年07月

    CiNii

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 民事訴訟利用者調査の経年実施からみる利用者の評価と政策的課題

    研究期間:

    2020年04月
    -
    2024年03月
     

     概要を見る

    本研究は、実際に民事訴訟を利用した当事者に、その利用経験に関する評価を尋ねることにより、日本の民事訴訟手続に対する利用者の評価を明らかにし、民事訴訟制度の機能とその問題点を検証するとともに、そのさらなる改善を図るための経験的・実証的な基礎を得ようとするものである。また、本研究は、2000年以来約5年ごとに過去4回行われてきた同様の調査の5回目の実施を内容とするものであり、本調査により、こうした過去の調査との比較も可能となる。本研究により解明しようとする主要な事項としては、民事訴訟利用者の訴訟利用動機、訴訟関与者に対する評価とその判断構造、制度評価の現状とその評価構造が挙げられる

  • 岡松参太郎を起点とする帝国と植民地における法実務と学知の交錯

    研究期間:

    2018年04月
    -
    2023年03月
     

  • 民事訴訟の意識調査-市民の視点から見た利用しやすさの探求

    研究期間:

    2019年04月
    -
    2022年03月
     

     概要を見る

    本研究の目的は、アンケート調査により市民にとって利用しやすい民事訴訟制度がどのようなものかを問い、利用しやすい民事訴訟あり方を実証的に示すことによって、今後の制度改革・改善のための民事訴訟の理論や実務のあり方を探ることにある。これまでの研究成果によれば、民事訴訟の各側面に関する評価は経年的に高まる傾向がみられたが、反面、訴訟の利用意志は、回をおって低下する傾向が示されている。今回の調査では、この利用意志の改善に向けどのよう施策が必要かといった点などを中心に過去の調査を発展・展開させる形で新たな調査分析を行う。本研究は、アンケート調査により市民にとって利用しやすい民事訴訟制度がどのようなものかを問い、利用しやすい民事訴訟あり方を実証的に示すことによって、今後の制度改革・改善のための民事訴訟の理論や実務のあり方を探るものである。これまでの研究成果によれば、民事訴訟の各側面に関する評価は、一般市民、訴訟経験者ともに経年的に高まる傾向がみられたが、反面、訴訟利用者の訴訟の再利用意志は、回をおって低下する傾向が示されている。今回の調査では、この利用意志の改善に向けどのよう施策が必要かといった点などを中心に過去の調査を発展・展開させる形で新たな調査分析を行う。具体的には、2019年度は、フォーカス・グループインタビューを実施し、より市民視線での調査にするための情報収集を行う。具体的には、訴訟に要する費用や時間、訴訟の再利用意志の低下原因などについてのディスカッションを促し、市民の視点で何が問題かを改めて検討し直す予定である。そして、それらの成果に基づき、調査票の改定等、本調査の準備を行う。ついで、2020年度には、改定された新たな調査票を用い、本調査を実施する。調査手法や調査規模は、これまでの調査と同様の形で行う予定である。そして、最終年度の2021年度にはその本調査の成果のとりまとめを行う予定である。この取りまとめにあたっては、民事訴訟の利用意志の改善に向けどのよう施策が必要かといった点などを中心に、過去の調査を発展・展開させる形で新たな分析を行う予定である。2019年度は、本調査の準備期間にあたるが、本年度の最も重要な課題であった調査票改定のためのフォーカス・グループインタビューは予定通り実施できた。とくに今回新たな試みとして、インターネットを用いてのフォーカス・グループインタビューをおこなったが、概ね期待通りの成果をえることができた。内容としては、訴訟の躊躇要因、訴訟に要する費用と時間の評価、訴訟の再利用意志の低下原因、訴訟制度に対する評価のジェンダー差、訴訟のIT化の方向性についての質問をなしたが、これまでの調査票にない、いくつかの観点を見いだすことができた。当初は、それらの成果を取りまとめ、本年度中に簡易な予備調査を行う予定であったが、その点はまだ実施に至っていない。しかし、上述のようにフォーカス・グループインタビューによる成果があった点を考えるならば、研究計画は概ね順調に進行しているといえる。2020年度は、前年度に行ったグループ・インタビューの成果を踏まえた調査票の改定を行い。年度後半には本調査を実施する予定である。ただし、現状ではコロナウイルスの影響により、社会情勢が混沌としており、調査を実施しても期待した回答数が得られるか不安な面がある。そのため、調査時期に関しては、社会情勢を見極め慎重に判断する予定である。2021年度は、前年度の本調査の成果をとりまとめ、民事訴訟制度の今後の改革改善にむけた提言をなす予定である

  • 民事訴訟利用者調査の経年実施に基づく民事訴訟制度改革の意義の検証

    研究期間:

    2016年04月
    -
    2019年03月
     

     概要を見る

    本研究は,民事訴訟制度研究会が2016年に行った「日本の民事裁判制度についての意識調査」の結果を示すものである 。同調査は,訴訟経験者に実際に訴訟を利用してみて,訴訟手続,裁判官,弁護士,訴訟制度等についてどのような感想を持ったかを尋ねた。同様の調査は2000年に司法制度改革審議会が実施して以降継続して行われているが,2006年および2011年にも今回の調査と同じ手法で実施されている。本研究では、2016年の調査結果のみならず,過去調査結果との比較も含め分析行った。たとえば、今回の調査では,制度評価に若干の改善傾向が見られたが,それに再利用意志の評価が連動していないといった点が示される。本研究は、日本の司法制度改革、とくに民事訴訟に関わる制度改革の効果を、実際に民事訴訟を利用した当事者に、その利用経験に関する評価を尋ねることによって明らかにすることにある。民事訴訟に関しては、平成8 年の法改正に端を発し、周辺制度も含め、多くの改革改善努力がなされてきた。それらの成果を利用者の視点から計測し評価することは、「利用しやすい民事訴訟」の構築にあたっての重要な視点を示す。本研究は、5 年毎に過去3 回わたり行われてきた調査の4 回目にあたり、訴訟手続、裁判官、弁護士の評価、さらには制度評価や当事者の訴訟再利用意思の変化が示され制度改革に当たっての貴重な基礎情報を示している

  • 帝国と植民地法制に関する比較法制史的研究

    研究期間:

    2014年04月
    -
    2018年03月
     

     概要を見る

    本年度は、①台湾・法務部・司法官学院(旧司法官訓練所)が保管する日本統治時代の台中地方法院刑事判決原本仮目録(327冊43,888件)の点検作業を行い、公開用本目録DB原稿の作成に取りかかった。②日本統治時代の花蓮地方法院刑事判決原本(8冊2,067件)の仮目録を完成し点検作業を行った。③台北地方法院刑事判決原本仮目録の公開方法につき、司法官学院・国立台湾大学法律学院等と打合せを行った。④台南地方法院及び司法博物館を訪問し、日本統治時代の裁判記録の現在調査を行った。⑤国立台湾大学社会科学院図書館で戦前期法律書の資料調査蒐集を行った。⑥韓国・最高法院記録所で大韓帝国、光復前及び米軍施政権下の民事判決原本調査を行った。⑦第11回「帝国と植民地法制」研究会(2016年4月23日 早稲田大学)を開催し、Colin Jones「現代法学の一タイプ:満洲国民法編纂と我妻法学」の報告があった。⑧第12回「帝国と植民地法制」研究会(2016年11月19日 早稲田大学)を開催し、Darryl Flaherty 「Public Law, Private Practice: Politics, Profit, and the Legal Profession in Nineteenth-Century Japan」の報告があった。⑨第13回「帝国と植民地法制」研究会(2016年12月17日 早稲田大学)を開催し、太田茂「『三笠宮』上海護衛飛行~あるゼロ戦特攻隊員の証言(補遺)」、浅古弘「〔研究ノート〕朝鮮総督府法院裁判の終焉時期について」、山中至「台湾覆審・高等法院判例にみる条理について」の報告があった。⑩アジア学会(AAS)シアトル大会に参加し、植民地研究について情報収集を行った。⑪国際文書館会議(ICA)ソウル大会に参加し、韓国に於ける光復前公文書の保存状況について情報収集を行った。①「台中地方法院刑事判決原本」の目録点検作業がほぼ計画通りに進捗している。② 韓国・最高法院記録所の民事判決原本調査を行うことができた。平成29年度には、①「台中地方法院刑事判決原本」の公開用の本目録のDB原稿を完成させること、②目録を公開すること、③ 研究会を年4回程度行い、各自の研究成果を論文集にまとめ公刊を目指すことを研究計画の中心としたい

  • 民事訴訟の意識調査(経年)

    研究期間:

    2013年04月
    -
    2016年03月
     

     概要を見る

    本研究は、00、06、11年の3回にわたり実施してきた民事訴訟利用者調査に加え、03、09、13年の3回に実施した一般市民対象の調査の結果を踏まえ、司法制度改革の評価を訴訟制度の利用者と一般市民の両方の視点から計測、検証するのがその意図である。その主立った成果を示すならば、制度評価に関しては、「利用しやすさ」、「法の現状一致度」、「制度の満足度」に関し、03年から13年までの間に評価が有意に上がったのに対し、訴訟の「再利用意思」、「推奨意思」に関しては、逆に有意な低下が見られた。本研究ではこれら調査結果の解釈を模索すると同時に、利用者調査の結果もあわせ、制度改革の効果の検証、評価を試みる

  • 金銭管理のアンケート調査により、多重債務予防のための制度設計の基礎資料とする研究

    研究期間:

    2011年04月
    -
    2014年03月
     

     概要を見る

    金銭管理に関するアンケート調査により、合計3,304名の回答を得ました。(財)民事紛争処理研究基金の助成により実施した同様の調査結果と併せて、総計4,432名の回答を得ました。これは、労働組合や生協の組合員の方を中心とした調査なので、各人・各家庭の平均的な金銭管理について、ある程度の一般的な傾向を知ることができます。この調査結果を分析することによって、金銭管理の問題点を探り、多重債務にならないための予防策について、提言する予定です

  • 紛争解決に関する日米間の比較研究

    科学研究費助成事業(東北大学)  科学研究費助成事業(国際学術研究)

    研究期間:

    1996年
    -
    1998年
     

     概要を見る

    本年度は、まず、下記の2種類の異文化間組織内葛藤の調査を昨年度に引き続き、実施した。(1)アメリカ、カリフォルニア州サンフランシスコ市にある日本人渡米者の会「のびる会」の日本人来談者を対象に、平成9年9月よりアメリカ人上司との組織内葛藤を質問紙調査し、114名より回答を得た。(2)アメリカ、ノースキャロライナ州ダーハム市にあるデューク大学フクアビジネス校に在籍する企業勤務経験のある大学院生を対象に、平成9年11月より、アメリカ人上司との組織内葛藤を質問紙調査した。調査は継続中であるが、現時点での回答者数は74である。いずれの調査においても、調査項目は葛藤対象の属性、葛藤争点、方略選択、目標志向と目標達成、葛藤結果の評価とその影響などで、これらについて自己評定させた。我々はこれらのデータを既に収集した日本国内での日本人どうしの組織内葛藤とを比較し、日本人の紛争解決の特徴を明らかにした。同文化葛藤では日本人の葛藤反応は比較的積極的だったが、異文化環境では回避傾向が顕著になった。これは日本人に限らないことが以前の我々の研究で明らかにされており、マイノリティーとしての立場を反映していると思われる。葛藤関心は個人志向と集団志向に分かれるが、日本人では欧米人と違って、公正関心に集団志向が強いことが特徴である。欧米人では公正は個人的利害を確保する原理であるが、日本人では集団の望ましいあり方を志向するものとして理解されている。本年は、日米の共同研究者がこれまでに得た調査データを独自に分析し、また、知見を交換し合い検討を進めた。それの結果を研究成果報告書として作成・印刷した。

  • 日本人の公正観 : 公正は個人と社会を結ぶ絆か?

    科学研究費助成事業(東北大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    1996年
    -
    1998年
     

     概要を見る

    本研究の目的は政策や制度など社会システムに対するに日本人の判断や評価において公正の果たす役割を明らかにすること、加えて、社会に対する公正感が個人の社会に対する信頼、誇り、愛着など強めるとする公正の絆仮説を検討することである。このために次の3種類、合計4度の調査を行った。(1)全国の有権者から無作為抽出した3,000名に対して、日本の社会システム及び最近の政策に対する意見、国に対する態度などについて郵送法で質問紙調査した。回答者は993名。(2)日本企業従業員に企業組織に対する公正感とその要因を探る調査を2年度に渡って実施。600名に対して質問紙を配布し、最終的に341名から回答を得た。(3)弁護士を通して訴訟経験者に、自分が受けた裁判の過程と結果に対する評価を質問紙で依頼し、94名から回答を得た。これらの結果、人々は国や企業の制度とシステム、あるいは裁判を評価するにあたって、自己利益の観点からだけではなくそれが公正かどうかに強い関心を示した。特に重要なのは手続きの公正さで、これは個人の制度やシステムに対する信頼感とともに社会組織に対する彼らの肯定的態度(同一化、誇り、忠誠心)の強化を促した。西欧の研究者は日本人に公正価値はないと断じてきたが、本研究は、公正が日本人にとっても重要な関心事で、彼らの社会的判断や行動に強い影響を与えることを示した。

  • 実態調査に基づく民事訴訟実務の計量分析

    科学研究費助成事業(一橋大学)  科学研究費助成事業(総合研究(A))

    研究期間:

    1995年
    -
    1997年
     

     概要を見る

    本研究は、民事訴訟法の全面改正がなされ新法の施行を間近に控えた現時点で、改正前の民事訴訟実務の実態を調査して、新法の解釈運用に向けて実践的提言をすると共に、調査結果を客観的データとして保存し分析をすることを直接の目的とするものであるが、同時に、将来予定される全面改正後の実態調査の結果と比較対照することによって、今回の法改正がいかなる意義・効果を有していたかを検証するための、基礎資料を整備することをも目的とするものである。
    具体的には、第一に、東京地裁及び大阪地裁で各350件、札幌・仙台・名古屋・広島・高松・福岡の各地裁で各200件、上記各地裁の多の各簡裁で各100件の訴訟事件を抽出し、訴訟記録に基づいて、当事者及び事件の種類、訴額、各種書面の記載状況、証拠調べの状況(申請、実施数、時期)、終局区分、判決の様式など、詳細にわたるデータを収集し、これを数値化してコンピューターに入力した。第二に、入力データを統計的に処理して、訴訟実務の全国的な傾向や、各地の訴訟実務の特色などを明らかにする分析作業を行った。分析項目は、訴状・答弁書および送達関係、準備手続・付調停・裁判官又は書記官の交替、争点整理期間の状況、弁論兼和解の実施状況、証拠調べ実施状況、和解関係、判決および執行分付与の状況などに及んでいる。

  • 民事訴訟におけるテレビ会議システムによる証人尋問の諸問題

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    本研究では、新民事訴訟法(平成8年6月26日法律第109号)が新たに導入したいわゆるテレビ会議システムによる証人尋問に関し、その機能を検証すべく各種の実証的検討を試みた。具体的には、映像による証人尋問と直接対面での証人尋問との間で実験的に比較を行い、裁判官の心証形成、弁護士の尋問行為、証人の心理的評価にそれぞれどのような差異が生じるのかを検討し、最後に、テレビ会議システムの利用形態一般の将来的展望を試みた。その結果、裁判官の心証形成に関しては、テレビ画面の画質を高品位に保つことによって、テレビ会議システムによる尋問も直接対面型の尋問に匹敵する心証をもたらしうること、また、尋問者や証人の印象評価においても、感情伝達の点においてテレビ会議方式の方が対面方式よりも若干評価が劣るものの、その他の点においては、両尋問方法の間で、大きな評価の開きのないことが確認された。また、テレビ会議システムの一般的研究状況に関し、関連文献の調査では、1996年以降とくにテレビ会議システムの応用に関する研究が増加し、とくにその発展はビジネス、教育、医療といったものが多いが、法律関係の領域においても徐々に研究が増えつつあることが解った。各種領域で開発されたノウハウが法律分野にも応用されるようになることが期待されるところである。以上の研究成果を通じていえることは、テレビ会議システムを用いた証人尋問は、少なくとも事実認定の正確性の側面では、一般に考えられるほど弊害の大きいものではない可能性があり、かつ、用い方如何によっては直接対面型の尋問よりも優れている場面さえあるということであった。その意味で、今後は、テレビ会議システムによる尋問の特性を踏まえた、利用場面に対する細やかな議論もなされて行くべきであろうとの結論に達した

  • 公正の絆理論の検討:政策、制度、組織評価における公正

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    公正の絆仮説とは、組織や集団による決定が公正になされたと知覚することが人々の組織や集団に対する肯定的態度(集団コミットメント)を強めるというものである。本研究では、日本の社会システム、機関、政策、制度などに関する人々の評価と態度を分析することによってこの仮説の検討を試みた。実施した研究は以下の通りである。(a)一般市民を対象とし、郵送調査によって彼らの国に対する態度と政府や行政システムに対する公正評価を検討する研究を3年度にわたって実施した(各年度、調査対象者数は3000人、回答者数は各々930人,872人,772人)。(b)これらの調査の際、同じ対象者たちに、消費者紛争に関する判及び裁判外紛争解決制度の評価と利用実態、公共事業政策の評価と紛争解決方法などに関する調査も併せて実施した。(c)民事訴訟経験者を対象に、訴訟と裁判制度に関する満足度と公正評価の関係を郵送調査によって実施した(200名に依頼し99名から回答を得た)、(d)消費者紛争のための裁判外紛争解決制度をコンピュータによってシミュレートし、手続き的公正の要因と効果を実験的に検討した(大学生120人)、(e)日本企業の従業員を対象に組織内葛藤における争点、方略、結果に関する郵送調査を行った(127社に635部を配布し、149名から回答を得た)。社会的公正感、政府に対する信頼、公共事業政策、裁判制度などに対する回答者の評価は全体として厳しいものであったが、しかし、それらを公正と評価している人は、それらの機関、政策、制度に関して肯定的な態度を抱いていた。また、組織内葛藤においても、特に情報的公正がその建設的解決を促すことが見いだされた。これらの調査や実験による研究結果は組織や集団に対する態度形成において手続き的公正の役割が重要であることを示唆しており、全体として、絆仮説の妥当性を確認するものであった

  • 債務弁済協定調停事件の実情調査とそれに基づく消費者倒産法の立法論的研究

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    本研究では、東京簡裁における事件保存状況が本調査の観点からは必ずしも十分でなく、債務者ごとの完全な処理情報は得られず、また個別事件の状況も事件記録の中に余り記録されていないという限界があった。したがって、本研究分析においては、情報が比較的完全であった大阪簡裁の分析を中核とし、東京簡裁の分析はその補助情報として分析に利用するものとしている。本分析による債務弁済協定調停利用の債務者像は、収入との関連性が強く、個人再生手続の夫婦申立に関する配慮が必要になると見られる。期日については、合意成立の場合は2回以内で終了することが多いのに対し、17条決定の場合は3回以上かかることが多い。今後は、長期の交渉を要するような困難な事件についてはむしろ個人再生が選好され、特定調停に残るのは比較的交渉が容易な事件に限られるものと予想される。借入状況については、当初借入れから申立までの期間は、自営業者の方が定期収入者よりも長い。自営業者は債務の件数も多く、営業継続に係る信用維持との関係で、申立の決断が遅くなり勝ちであることが原因と考えられる。その意味で、給与所得者等再生は早期申立が想定できるが、小規模個人再生については申立が遅くなることが懸念され、対策が必要となる可能性がある。終局状況については、銀行や信販会社は合意成立が多いが、サラ金については17条決定への依存が大きい状況が示されており、弁済計画では、各債務について30万円から40万円であり、これにつき毎月1万円程度を返済し、3年から4年で弁済するのが常態である

  • テレビ会議システムによる法律相談・弁論準備の諸問題

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    本年は、研究計画の最終年度であったことから、残された課題であるテレビ会議システムを用いた法律相談と、3年間の研究のとりまとめを行った。まず前者にっいては、日弁連の法律相談センターの協力を仰ぎ、現在テレビ会議システムを用いた法律相談を実施している岡山弁護士会および青森弁護士会でのヒアリング調査を実施した。その結果、テレビ会議を用いた法律相談では、感情面の伝達に不自由が感じられるものの、その評価には二面性があり、相談者の意図が伝わりにくい反面、弁護士が相談者に対して良い感情を抱いていない場合などには、それを覆い隠すことができるといった評価も聞かれた。全般的な評価としては、遠隔地に実際に赴く、時間と経費の点を考えると、テレビ会議システムを用いることのメリットは大きく、今後積極的な運用を期待する声が大きかった。ただ、複数の相談者がきた場合、全員が一度には写りにくい点、書面の利用にはFAXを併用する必要がある点などの問題点も指摘された。これらの結果からすれば、テレビ会議による法律相談は、技術的障害を克服しつつも、今後積極的に利用されるべきと考えられるが、近時の法律相談の面接技術に関する研究では、相談者と弁護士との信頼関係の形成の重要性が指摘されているが、この面に関して、テレビ会議システムを用いることの影響をさらに検討する必要があろう。3年間を通じての研究成果では、テレビ会議システムを用いた方が、弁論準備および法律相談のいずれに関しても、緊張感や恐怖心が和らぐといった効果が得られるが、反面、態度や性格の評価などに関しては、テレビ会議システムを用いた場合の方が、支障が大きいことが明らかになった。このようなテレビ会議システムの特性はある程度一般的なものであろうが、今後、テレビ会議システムを弁論準備手続や法律相談に用いる場合には、このような特性を十分に理解した形での利用が期待される。弁論準備においても法律相談においても情緒的対立要素の大きなものに関しては、テレビ会議システムの利用は適しない可能性はあるが、反面、貸し金の取り立てや破産事件などの定型的な処理が大部分である事件に関しては、迅速性や経済性の要求などから、テレビ会議システムの一層の利用が期待されるところでもある

  • 統計による民事司法制度の国際比較-データに基づく司法政策研究のための基礎作業として

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    本研究は、各国の司法統計、とくに事件件数、新受、既済事件数、判決、和解数・割合、平均審理期間、事件類型別の事件件数等、上訴率、法曹育成制度、ADRなどについて、各国を比較し、そのデータを分析して、とりわけ、わが国との対比から、わが国司法改革にどのような示唆を与えうるかなどを検討することを目的とした。各国の司法統計は、そのデータの保存に対する意識の差異からか、データ収集方法、項目についてかなりの違いがあり、一般的にわが国の司法統計と比較することは難しいが、特定の項目においては比較検討が有効である。例えば、控訴審における統計では、とくにドイツなどは近年の改正(2001年改正)の原因(手続の遅延、破棄・変更率の高さ)を統計データから読み取ることが可能であり、わが国の控訴審改革にとって一定の指針を与えるものと思われる。イギリスの統計データも司法改革との関連で分析すると興味深い。人口比率などからみてわが国の裁判事件数が他の諸国と比較して極端に少ないことが読み取れる。その原因が国民性なのか、それとも他の原因があるのか、今回の分析データからは明らかにできなかったが、これからの課題でもある。また、新受件数と既済件数との関連など、単独のデータからではなく、裁判所の人的・物的設備からの総合的分析などが必要なことがわかり、この課題についても同様の分析の必要性がある。さらには、司法統計データは、その国々の社会・経済情勢との相関関係をぬきにしては語れず、そのデータの推移の背景を知ることが重要であり、それらの分析もわが国司法改革にとって不可欠のものであることが明らかになった

  • 合衆国ロー・スクールの教育と学生の法意識展開に関する調査研究

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    研究は、合衆国のロースクール学生対象に、その職業志向意識や、社会規範と法にかかわる意識が、ロースクールの教育を受ける中で、どのように影響を受けているのかを明らかにしようとしたものである。合衆国調査はパネル調査として設計され、ワシントンDCにあるジョージ・ワシントン大学ロースクールの学生を対象として、同大学調査研究センターに調査実施を委託して行なった。同大学人的研究局の調査許諾手続を経て、第一次調査は2003年1月に実施された。ワールド・ワイド・ウェブ(WWW)、を用いて、ロースクール在学生600人に調査依頼を行い、243ケースを収集した。回収率は約40%であった。243ケースのうち、男性が約51%、女性が約49%であり、また1年生が約34%、2年生が約38%、3年生が約28%であった。第二次調査は、夏休みのサマージョブやインターンシップの影響をみるため、時間を置いて、2003年10月末〜11月にかけて行なわれた。調査票は調査設計に従い一部の質問を入れ替えて行った。第一次調査協力者に電子メール等で連絡を行い、再度の回答を依頼し、178ケースを収集した。うち、男性が約55%、女性が約46%、またまた1年生が約35%、2年生が約42%、3年生が約23%であった。職業意識については、入学前の希望が大きく変化しないまでも、弁護士職域市場の現実を学ぶにつれ、職業志向自体は弁護士の「標準的」キャリアコースに準じたものになっていることが明らかになった。法意識や社会規範意識については、やはり大きく変化はしないまでも、刑事罰や人権の側面については約10ヶ月で変化がみられるものがあった。今後、2004年度に開校する日本の法科大学院でもパラレルな調査を行い、日米比較調査として展開していく予定である

  • コンピュータ・ネットワークを用いた法学教育の実践、評価システムの創成

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    法学教育自体の研究は、日本では未開拓の分野である。それは、日本の法学部が長く法曹養成を主要な任務としてこなかったからだ。しかし、法科大学院の発足に伴い、法曹技能の基礎を短期間で効率的に教育行うことが急務となった。そのため、本研究は、法律専門家養成用の高度な学習環境の開発研究を行った。その基礎コンセプトは、法学教育の統合的システムの開発である。そのシステムは、3つの主要部分から構成されている。第一は、法学理論教育のための、ツールAPRS(Anonymous Peer Review System)である。これは、学生が提出レポートを相互に評価し匿名で投票するものである。第二は、法学実務技能教育のためのツールDRS((Digital Recording Studio))ならびにSTICS(STream Indexing and Commenting System)である。これは、学生の法曹実務実習映像を記録し、それに対してコメントを付することによって効果的なフィードバックを行うことを可能にするものである。第三は、NLS(Nagoya Law School)シラバスシステムである。これは、名前の通り・、シラバスをインターネットで閲覧可能にする機能を持つが、全科目の基礎情報や教材を網羅的に蓄積する一方、前二者のプラットフォームとしての役割を持っている。そして、本研究は、単に実用的な課題に答えるだけのものではない。本研究が開発したシステムは、法学教育に関するデータの蓄積と分析のためにも役立つものであり、今後の法学教育理論研究の基礎を築くことを可能にするものである

  • 民事訴訟の計量分析(後期調査)

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    本研究は,平成8年の民事訴訟法全面改正の前後における民事訴訟実務の変化を,裁判所記録の調査に基づいて計量的に分析することを目的とする。すでに,法改正前の調査については『民事訴訟の計量分析』(商事法務,2000年)が上梓されており,本研究は,法改正後の民事訴訟実務の調査及び改正前後の調査データの比較を内容としており,これをもって,法改正前後の訴訟実務の比較と法改正効果の客観的検証という本研究の最終的な目的が完結した。調査は,平成16年8月から9月にかけて,全国8カ所の高等裁判所所在地の地方裁判所および簡易裁判所で平成12年に終結した事件を対象とした(地裁事件2,019件,簡裁事件800件)。その後,研究会全員による全体会議での議論のほか,分析・執筆担当者による第一次・第二次分析の報告・検討が重ねられた。また,実務家から示唆を得ることを主たる目的として,民事訴訟法学会関西支部の研究会で報告し,また,分析担当者4名と実務家(裁判官・弁護士)による座談会も行った(判例タイムズ1223号に掲載)。これらの結果を踏まえて,第一次分析・第二次分析双方について,法改正後の民訴実務の全体的な状況の俯瞰と各論的な手続項目の分析がほぼ完了した。詳細は本研究成果(『民事訴訟の計量分析(続)』として刊行予定)に譲るが,法改正の効果は事件類型や地域によって発現の程度が異なること,弁論準備手続の利用態様も一様ではないこと,証拠調べ方法の変容など多くの点で新しい知見が得られた

  • 弁護士過疎地における法的サービス供給の構造-事例調査と大量調査を通じて-

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    本研究は、法的サービス利用にまつわる困難の大きな原因が,法律家の遍在であることから、法的サービスの入手可能性を平等化していくため,法律家を地域社会へ再配置するための現実的な政策基礎資料を得るため,日本の小都市や農山漁村を数カ所選び,(1)法的サービスの供給がどのように行われているかを地域事例調査等の手法により定性的に明らかにするとともに,(2)その同一地域住民が法や法律家に対してどのような価値意識をもつか等を大量調査によって定量的に明らかにしようとするものである.平成15年度には、(1)石見(7月16日〜7月18日)、(2)峰山・宮津(7月23日〜7月25日)、(3)宮古(8月5日〜8日)、(4)石垣(8月19日〜22日)の4地区を訪問し、裁判所、市役所、警察、県民生活センター、司法書士、弁護士等への聞き取り調査を行った。平成16年度に11〜12月に6地域について,無記名郵送方式による調査を実施した.6地域は、沖縄県石垣市、京都府京丹後市の一部(峰山町)、青森県五所川原市、岩手県二戸市、奈良県五條市(和歌山県御坊市の協力が得られなかったための代替地)、長崎県壱岐市である。調査対象数6,000、有効回収数1,783(有効回収率29.7%)であった。平成17年度には、本意識調査の集計をもとに、研究を進めつつ、質的調査の知見を分析、総合することにつとめた。その結果は、平成17年9月に、学術雑誌(『法社会学』)に「司法過疎とその対策」として、公表した。また、石垣市に関する包括的調査の報告が、平成17年度法社会学会学術大会で、本研究に協力した神戸大学大学院学生、吉岡すずかにより、報告された。総じて、事例研究によれば、(1)弁護士の地域への定着により、訴訟、法律相談その他の法的サービスを受ける可能性が高まること、(2)地域に定着する弁護士は、事件の規模の小ささ、事件がこじれていること、地域の正義感覚や文化、裁判所の相対的な中央集中化等に由来して、一定の問題を感じていること等、が明らかになった。大量調査によれば、(1)法意識には、地域による偏差が一見しては見当たらないこと、(2)地域に即した法的サービス提供を望む意識が一般にみられること、等が明らかになった。これらの成果は、公設事務所勤務弁護士を中心に高く評価されている。なお、本研究の成果については、平成18年度法社会学会学術大会(平成18年5月)において、ミニシンポジウムを開催して、報告した。報告者は、研究メンバーより阿部昌樹、大塚浩、実務家として本研究に協力した長岡壽一(弁護士・山形県弁護士会)、矢箆原浩介(司法書士・釧路司法書士会の4名であった。また本研究の成果は、2007年法社会学国際会議(ベルリン)で報告される予定である

  • 民事訴訟制度の意識調査

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    司法制度改革審議会は、平成12年に「国民に利用しやすい民事訴訟制度の在り方」を検討する際の基本的な資料とするために、民事訴訟の利用者を対象とした調査を実施した。今回の意識調査は、そのフォローアップ調査であり、審議会が行えなかった一般市民への意識調査を行うものである。そのため、調査項目も基本的には審議会の民事訴訟利用者調査と同じ構造とし、民事訴訟利用者と民事訴訟の経験を前提としない一般市民の差にあわせ、最低限の調整のみを行った。また、調査対象地に関しても、民事訴訟利用者調査が行われた地裁所在地にあわせた10地区20市町村を選択した。このように基本的な条件を合わせることによって、同一事項につき、民事訴訟利用者と利用経験のない一般市民の民事訴訟制度に対する評価にどのような異同が存在するかが検討された。調査は無記名郵送方式で行い、1273人からの回答があり、回収率31%となった。調査結果の検討は、民事訴訟への期待、弁護士へのアクセス評価、訴訟手続や訴訟関与者(裁判官や弁護士)の評価、訴訟結果の評価、訴訟制度全般に関する評価などの点に関してなされたが、民事訴訟利用者調査の結果を補強する成果や、それとは異なる成果など多くの意味深い発見がなされた。具体的には、民事訴訟への期待に関しては、民事訴訟利用者、一般市民ともに公正な解決求める傾向が強く、一般市民も白黒をはっきりさせることを望んでいることが明らかになった。弁護士へのアクセスに関しては、まだ法律問題を抱えていない一般市民は約8割が弁護士を見つけるのに苦労しそうだとの回答を寄せており、民事訴訟利用者調査とは異なる結果が得られた。手続評価に関しては、一般的には一般市民の評価よりも、民事訴訟利用者の評価が高くなる傾向が見られた。同様の傾向は、弁護士評価に関しても見られた。逆に、裁判官評価に関しては、一般市民の評価が民事訴訟利用者の評価よりも高いものがいくつか存在した。訴訟の結果評価に関しては、民事訴訟利用者の評価と一般市民の評価は概ね一致していたが、裁判結果は常識と一致しているか、といった質問に関しては、一般市民の方がこれを肯定するものがすくなかった。最後に、裁判制度全般に関する評価に関しては、やはり民事訴訟利用者の評価と一般市民の評価は大きく異ならなかった。訴訟制度に対する民事訴訟利用者の評価が低い点に関しては、訴訟では不利な結果にわかったものが裁判制度に否定的な見解をもつ故に、全体の評価が引き下げられる旨の指摘がなされていたが、今回、利害関係のない一般市民の評価においても裁判制度全体に対する満足度は20%程度にとどまっており、評価の低さの原因は敗訴当事者の評価以外にも存在する可能性が示されたといえる

  • 法科大学院教育と学生の法意識展開に関する調査研究

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    多くの法科大学院院生は「進学決意時」の職業希望を法科大学院入学後、教育を受けながらも維持していることがあきらかになった。また、そうした理想は理想として、現実的に予想する際にも約3分の2の院生は理想と現実的予想が一致しており、その一致率は年度を追い、微増する傾向が観察された。本調査が執行された段階では、まだ「弁護士の就職難」といわれる現象はメディアがとりあげるような話題にはなっておらず、現在の院生にこのような調査をした場合にはまた異なった回答がなされるであろう。また、実際に司法修習修了後にどういった職種に就いているのか等の追跡調査が今後求められてくるであろう。抽象度の高い法のイメージについての法意識は短期間では大きく変化しないと考えられる。そのため、多くの項目では経年変化はみられなかった。しかし、二年の間をあけた調査問の比較では、より大きな差がいくつかの項目に観察された。このことは三年間のインテンシヴな法科大学院教育がこうした一般的な法意識、法態度にも影響を及ぼすことを示唆している。法科大学院は大学の枠を越えて多くの他大学出身の院生を受入れており、また、受験生も複数の大学院を受験することが通例である。入学前には受験生は全員が適性試験を受験することが義務づけられ、また大学院終了後も全員が司法試験を受験し、司法修習へと進む。したがって個別大学での調査ではなく、本研究のように大学横断的に法科大学院生のさまざまな状況について調査研究することは重要である

  • 模擬相談者を用いた法律相談面接技術訓練に向けての実証的研究

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    本研究では、法律相談に関する各種文献研究を行うと同時に、従来から組織している模擬相談者のボランティア団体であるCLESS(Community Legal Education Supporting Service)の協力のもと、模擬法律相談、模擬調停を行い、それらをビデオ収録し分析検討をなした。それらの成果に基づき、(1)模擬相談の実施の仕方、(2)フィードバックのあり方、(3)模擬相談者の養成上の問題点などに関して検討を行った。(1)に関しては、模擬相談者の記憶能力等との関係で、実際の相談を全体として再現することにはかなりの困難があり、かなり教育ポイントを絞った簡易な設定にする必要があるとの知見が得られた。(2)に関しては、フィードバックの事例集や表現例集を作ることによって、フィードバックの仕方を訓練する必要があるといった知見が得られた。同時に、こういった問題を解決するためには、模擬相談者のフィードバックを助けるための補助者(オブザーバー)を用いた模擬相談の実施や、シナリオ作成段階での模擬相談者に向けてのガイドラインの作成といった方法が有効であるいった知見も得られた。それらの知見に従い、本研究では、報告書にあるように多くのロールプレイ用のシナリオや、フィードバック事例集、フィードバックのガイドラインを作成した。また、(3)に関しては、模擬相談者を一定数養成するには、やはり現在続けているCLESSのような組織的運動が必要であり、その組織作りが急務であるとの結論に達している

  • 大正・昭和戦前期における民事訴訟の実態的研究(司法統計のデータ化とその分析)

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    本研究は、大正・昭和戦前期における民事訴訟の実態を解明することを目的として、当該期35年分の民事司法統計の数値をデータ化した。入力したデータは、裁判所数、法曹・裁判所職員数、全審級の訴訟件数(新受件数、終局区分別件数、訴訟種類別件数、訴訟期間、訴訟額等)、準備手続・調停手続での処理件数、訴訟種類小項目数等である。入力作業を終了し、(1)大正15年民事訴訟法改正前後の訴訟利用、(2)裁判所・法曹数、(3)訴訟件数の動向、(4)訴訟種類小項目などの分析を行った

  • 法的プロセスに及ぼす認知的・動機的要因の影響―理論的・実証的研究

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    1.犯罪事件に関する情報伝達がその原因に関する推論過程に与える影響を調べた実験的研究をもとに執筆した論文を学術誌に公刊した。2.応報的公正意識と行為者に関する道徳性情報が、犯罪に関する量刑判断、更生可能性、および原因帰属過程に及ぼす影響を調べるための実験的研究を行った。結果は、一般人(大学生)の刑事判断においても、応報的公正の構成要素である意図性、犯罪の違法性、結果の重大性などに影響を受けることを示した。さらに重要なことに、これらの要因の効果を上回って行為者の道徳性が量刑等に大きな影響を与えることを明らかにした。この結果は、厳罰化が進んでいると言われる現在の司法の状況、および世論の影響を考慮する際に重要な示唆を与えるものとなることが予想される。3.企業の違法行為に対する、意図性と責任の判断に関する実験的研究の結果をもとに執筆した論文を学術誌に公刊した。結果は、集団としてのまとまりが強く知覚される企業に対しては、擬人的な意図や動機といった心的状態が知覚され、しかもそれが責任判断へと至ることを示した。企業のガバナンスなどの問題についても多くの示唆を与えるものとなった。4.日本心理学会において、「責任概念を洗い直す」と題じたワークショップを開催した。消費者からの苦情に関する研究、金融商品の勧誘的取引における認知バイアスの可能性とそれに対する民法的解釈の問題、企業の社会的責任などに関する研究発表をもとに、心理学と法学の対話をさらに推進した。5.北海道大GCOE主催のシンポジムにおいて消費者の投資行動に影響を及ぼす認知バイアスの影響の可能性を法学的に議論し、心理学的アプローチの観点を法学の分野に提供することを試みた。6.帰結主義的道徳観に関する批判的検討を継続し、その成果を学術誌に公刊した

  • 民事訴訟制度の意識調査(継続)

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    本研究の目的は、日本の民事訴訟制度に関する一般市民の意識を調査し、先に実施された民事訴訟の利用者調査と比較すること、および2003年に本調査と同様な形で実施された意識調査との経年比較を行うことにより、民事訴訟制度改革のための基礎資料を提供することにある。調査は、全国20都市、各200人合計4000人に対する郵送調査を実施した。回収率は40%を超え、郵送調査としては高い回収率を納めることができた。この調査データと従前の調査データを比較し、分析を行った。分析の内容は、2003年度に行った今回の調査と同じ内容の意識調査および2000年および2006年の民事訴訟利用者調査である。分析の結果、2003年の一般意識調査との経年比較においては、裁判官や訴訟手続に関する評価について、肯定否定の両面に関し極端な評価が減少し、より慎重な評価が増えるなどの精緻化現象が生じている可能性のあるといった興味深い知見が得られたほかに、利用者調査との関係では、従来同様、弁護士評価においては利用者調査が、訴訟手続、裁判官評価においては一般意識調査の方がそれぞれ高いことが確認された

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特定課題研究

  • 民事訴訟利用者調査結果の2次分析

    2019年   山本和彦, 山田文, 垣内秀介

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    本研究では、2016年度科研費研究「民事訴訟利用者調査の経年実施に基づく民事訴訟制度改革の意義の検証」(基盤研究(B)課題番号16H03568)の成果である「2016年民事訴訟利用者調査」の2次分析をおこなった。上記調査の第1次報告書は、『2016年民事訴訟利用者調査』(商事法務2018年)としてすでに出版済みであるが、本研究では、この2016年調査のデータに2006年、2011年に実施された同名の調査データも加え、過去10年間の経年分析などさらに踏み込んだ分析・検討を行った。その2次分析の成果は、『民事訴訟の実像と課題』としてとりまとめられ、現在「研究成果公開促進費」に応募中である。

  • 民事訴訟制度に対する利用者評価の分析(続)

    2018年   山本和彦, 山田文, 垣内秀介, 石田京子

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    本研究は、2006、2011、2016年に実施された民事訴訟利用者調査の結果の2次分析である。成果としては、判決事件と和解事件の比較から、経年的にみて和解当事者の評価の低下傾向がみられること、ジェンダーの視点からは、徐々に女性回答者の比率が増えつつあるが、本調査では制度評価全てに関しては女性の評価が低くなっていること、訴訟結果の履行に関し、判決事件では裁判過程や裁判官の評価が、和解事件では自己の弁護士の評価が任意履行に影響を及ぼす可能性があること、制度に関する評価は、大規模法人の評価が有意に高く、かつ同評価は調査毎に有意に上がっており、改革の成果が大規模法人に顕著に見られること等を見出した。

  • 民事訴訟制度に対する利用者評価の分析

    2017年   山本和彦, 石田京子, 今在慶一朗, 岩崎政孝, 大坪和敏, 岡崎克彦, 垣内秀介, 勅使川原和彦, 西村英樹, 長谷部由起子, 三木浩一, 山田文

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     本研究は、2016年民事訴訟利用者調査の結果を分析し、制度改革のための基礎資料の提示を目的としている。その主な結果として、代理率の増加と依頼時期の前倒し傾向が見られ、訴訟に要する費用に関しては評価の改善がみられ、審理時間評価に関しては、僅かずつ評価が下がっていることが示された。訴訟過程、裁判官、弁護士の評価に関しては、いずれも中間評価が増え、明確な評価が減少するといった共通した変化がみられた。制度全般の評価に関しては、多くの項目で過去の調査と比べ大きな変化はなかったが、制度の満足度に若干の改善がみられた。しかし反面、再利用意志や推奨意志に関しては、2006年調査から一貫した低下傾向が見られた。

  • 弁護士の継続教育支援のための対話型法律エキスパートシステムの構築

    2016年  

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      本研究の目的は、近時の弁護士数の急増により、OJT(On the Job Training)の機会が減り、継続教育の環境劣化が進む弁護士に対し、その自学自習を支援するための法律エキスパート・システムを含む対話型データベースを構築し、若手弁護士の実務能力の向上を援助することにある。具体的には、IMBの人工知能Watson を用い、弁護士実務に必要な情報の集積と実務のための法令情報(判例・法律文献情報等)、実務情報(登記実務情報、損害査定実務情報等)、依頼者情報(依頼者ニーズ、依頼者特性等)を統合化した対話型法律エキスパート・システム構築の可能性を模索した。

  • 民事訴訟における審理上の諸原則の心理学的再検討――直接主義・口頭主義を中心に

    2015年  

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     研究の結果、交互尋問を前提した日本の直接主義は、心理学的にみた場合、当事者が対立的尋問を行うことで、裁判官の有するバイアスを抑制する機能があり、口頭主義に関しても、従来から指摘されてきたメリットに加え、情報提示のコントロールが当事者に留保される結果、裁判官のバイアスを抑制する機能が期待できるといった点が見いだされた。ただし、いずれのメリットも、その機能を発揮させるためには、裁判官と尋問者の問題意識を一致させる工夫が必要となることも示された。 以上、本研究では、日本の直接主義及び口頭主義は、母法のそれとは異なる機能を有していることが示されたが、その点を踏まえた両原則の再定義は今後の課題である。

  • 民事訴訟制度の利用しやすさについての考察

    2012年  

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     民事訴訟法の研究者が中心となり、本研究分担者が代表を務める民事訴訟制度研究会は、2011年8月に民事訴訟利用者調査を実施し、その報告書(民事訴訟制度研究会編『2011年民事訴訟利用者調査』(商事法務 2012年))を2012年12月に発表した。この研究では、そのデータおよび2006年に行われた同様の調査の結果を用い、民事訴訟の利用しやすさについての促進要因に関する分析を行った。 その結果、民事訴訟の利用しやすさに深く関係すると思われる訴訟に要する費用と時間に関しては、2006年から2011年の間に改善が見られることが解った。たとえば、時間と費用の予測の点であるが、時間に関しては、2006年調査の場合,予想がついたものが40.0%で,「全く予想がつかなかった」ものが60.0%であった。今回の調査の方が約6ポイント予想のついた回答者の割合が増えている。また、費用に関しては、2006年調査の回答は,何らかの形で予想が成り立っていたものは51.6%で,全く予想がつかなかったものが48.4%であったのと比較すると,何らかの形で予想のつくものの割合が10ポイント近く増えている。このことが影響したと思われる事柄として、2006年調査と比較した場合,訴訟の原因の生じた時期からの期間は1.8年と2006年の2.4年からかなり短くなっている。 また、こういった変化の背後には、情報源としての弁護士の働きがあるように思われる。たとえば、訴訟前の当事者の行動に関し、弁護士への相談は,2006年調査ではその割合が57.4%であったものが、それに相当する値が、今回は60.2%と増加している。また、これらの予測の情報源に関して、2000年調査と比較した場合、費用では約10ポイント、時間で約50ポイントの上昇が見られる。 また、実際にかかった時間と費用に対する評価においても、時間に関しては、2006年調査と比較した場合,「どちらともいえない」の割合が下がり(2006年:23.8%),「長い」の割合がやや増えている(2006年:41.5%)が、この「長い」の内訳を見た場合,増えたのは「やや長い」(2006年:18.6%,2011年:22.8%)の方で,「長すぎる」の割合はむしろ減少している(2006年:22.9%,2011年:21.4%)。評価に好転傾向が見られるといってよかろう。また、費用においては、総額の評価に関しては,「高い」とするものの割合が43.1%で,2006年調査から5ポイント弱下がっているし(2006年:48.3%)、弁護士費用に関しては同割合が6ポイント下がっている(2006年:40.8%)。 しかし、こういった評価の改善にもかかわらず、制度評価に関しては、2006年調査と比較した場合,「紛争解決の役目」の否定回答の減少(4.5ポイント),「制度の利用しやすさ」の否定回答の減少(3.4ポイント)といった否定回答の減少といった変化は見られたものの、肯定回答の割合に好転が見られたわけではない。むしろ、「裁判制度の満足度」に関しては、肯定回答の減少(3.4ポイント)している。 以上の点からすれば、これまで重点的に改革が試みられてきた民事訴訟に要する時間と費用の点に関して、その改革の成果が確認できたといえよう。しかし、時間や費用の点が訴訟を躊躇させる大きな要因であり、それらに関する情報が提供され、時間と費用に関する評価それ自体が改善されつつあるにもかかわらず、制度に関しては、そういった改善の結果が未だ十分に反映されていないようにもみえる。こういった点の原因解明には、各項目の肯定否定評価の割合のみに拘泥することなく、その評価根拠や構造を推測してみることがより重要である。今後、そのような評価の構造分析を中心に2次分析を進める予定である。 また、こういった民事訴訟の利用者の評価の状況と、訴訟を利用していない一般市民の評価との関係を確認することも重要と思われる。この後者の点に関しては、幸い2013年度科学研究費補助金研究が採用されたので、新たに調査を行い、比較分析を行う予定である。

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現在担当している科目

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