2024/04/18 更新

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モリシタ ヒサノリ
森下 壽典
所属
附属機関・学校 高等学院
職名
教諭
学位
修士(文学)

経歴

  • 2015年05月
    -
     

    早稲田大学   比較考古学研究所   研究所員

  • 2015年04月
    -
     

    早稲田大学高等学院   地理歴史科   教諭

  • 2011年04月
    -
    2015年03月

    早稲田大学   比較考古学研究所   招聘研究員

  • 2011年04月
    -
    2015年03月

    東海大学   文学部   非常勤講師

  • 2012年09月
    -
    2014年09月

    早稲田大学   文化構想学部   非常勤講師

  • 2011年04月
    -
    2014年03月

    早稲田大学   文学部   非常勤講師

  • 2008年09月
    -
    2009年08月

    教皇庁立ペルー・カトリック大学   人文学部   加盟研究員

  • 2005年05月
    -
    2008年03月

    早稲田大学   比較考古学研究所   研究員

  • 2005年04月
    -
    2008年03月

    早稲田大学   文学学術院   助手

  • 2001年04月
    -
    2005年03月

    麻布高等学校   社会科   非常勤講師

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学歴

  • 2003年04月
    -
    2011年03月

    早稲田大学大学院   文学研究科 博士後期課程   史学(考古学)専攻  

  • 2000年04月
    -
    2003年03月

    早稲田大学大学院   文学研究科 修士課程   史学(考古学)専攻  

  • 1996年04月
    -
    2000年03月

    早稲田大学   第一文学部   史学科 考古学専修  

所属学協会

  •  
     
     

    全国社会科教育学会

  •  
     
     

    日本社会科教育学会

  •  
     
     

    史学会

  •  
     
     

    歴史学会

  •  
     
     

    産業考古学会

  •  
     
     

    文化資源学会

  •  
     
     

    日本ラテンアメリカ学会

  •  
     
     

    古代アメリカ学会

  •  
     
     

    日本考古学協会

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研究分野

  • 教科教育学、初等中等教育学   歴史教育 / 博物館学   文化資源論 / 史学一般   世界史 / 考古学   Archaeology

研究キーワード

  • 歴史教育

  • 文化資源

  • アンデス史

  • インカ国家

 

論文

書籍等出版物

  • インカ百科事典

    大平, 秀一, 岡本, 年正, 森下, 壽典( 担当: 共訳)

    柊風舎  2024年02月 ISBN: 9784864981064

  • 『文明』特別号2018 日本・エクアドル外交関係樹立100周年記念「エクアドル地震2016」による被災博物館復興支援プロジェクト

    大平秀一東海大学教授責任編集( 担当: 共訳)

    東海大学文明研究所  2019年03月

     概要を見る

    スペイン語論文2編の和訳、日本語論文1編のスペイン語訳を担当。

  • Proyecto arqueológico en la zona de Mullupungo, 2013: Informe preliminar de la excavación

    Shuichi ODAIRA, y, Hisanori, MORISHITA( 担当: 共著)

    Presentado al Instituto Nacional de Patrimonio Cultural en Cuenca, Ecuador  2014年08月

  • 「南米インカ国家における土器生産と文書、民族誌、遺構・遺物」菊池徹夫(編)『比較考古学の新地平』

    森下壽典( 担当: 分担執筆)

    同成社  2010年02月 ISBN: 9784886215093

  • 「インカ国家における「切られた岩」の意味をめぐって」貞末堯司(編)『マヤとインカ 王権の成立と展開』

    森下壽典( 担当: 分担執筆)

    同成社  2005年09月 ISBN: 9784886213280

講演・口頭発表等

  • 歴史教材としての南蛮人燭台 ―物質文化資料の観察と解釈

    森下壽典

    全国社会科教育学会 第70回 全国研究大会(オンライン開催)  

    開催年月:
    2021年10月
    -
    2021年11月
  • 「文明」概念を再考させる授業についての一考察 ー南米アンデス地域の事例を用いた実践から―

    森下壽典

    日本社会科教育学会 第68回全国研究大会   (奈良教育大学)  日本社会科教育学会  

    発表年月: 2018年11月

  • 義経北行伝説の重層性 ―歴史教材化に向けて

    森下壽典

    日本社会科教育学会 第67回全国研究大会   (千葉大学西千葉キャンパス)  日本社会科教育学会  

    発表年月: 2017年09月

  • 古代アメリカに関する高校教育を考える

    多々良穣, 市木尚利, 森下壽典, 石田春彦, 鶴見英成, 渡部森哉

    古代アメリカ学会   (国立民族学博物館) 

    発表年月: 2016年12月

  • エクアドル南部におけるインカ国家の拡大(第2次〜第3次)

    大平秀一, 森下壽典

    古代アメリカ学会第18回研究大会  

    発表年月: 2013年12月

  • インカ土器研究の現状と課題

    森下壽典

    早稲田大学考古学会 第11回研究発表会  

    発表年月: 2005年12月

  • インカ帝国の実像を探る

    森下壽典

    早稲田大学史学会連続講演会   早稲田大学史学会  

    発表年月: 2005年06月

  • アンデス先住民諸社会の世界観 —岩をめぐる意味の相関—

    森下壽典

    早稲田大学史学会大会考古学部会  

    発表年月: 2001年10月

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 桃山文化における南蛮人燭台 -物質資料を用いたグローバルヒストリー教材の開発

    日本学術振興会  科学研究費補助金

    研究期間:

    2017年04月
    -
    2018年03月
     

  • 伝説・神話・物語の文化資源化についての研究 -「所縁の地」形成の視点から

    日本学術振興会  科学研究費補助金

    研究期間:

    2016年04月
    -
    2017年03月
     

  • 南米インカ国家における土器生産についての研究 ―エクアドル南高地コヒタンボ周辺域の考古学的調査

    高梨学術奨励基金  若手研究助成

    研究期間:

    2015年04月
    -
    2016年03月
     

  • エクアドル南部高地コヒタンボ遺跡周辺域の一般調査

    高梨学術奨励基金  若手研究助成

    研究期間:

    2008年04月
    -
    2009年03月
     

  • 考古学的分析手法によるインカ土器の基礎研究 -生産体制復元と編年構築に向けて-

     概要を見る

    昨年度の調査・研究によって、インカ土器、とくにアリバロと称される壺形土器と台付き鍋の成形技法については、先行研究との異同を含めて多くの知見を得ることができた。本年度は、この成果を確認し、またさらなる資料を蓄積するために、8月から9月にかけて南米エクアドル共和国に渡航し、同国南部高地におけるインカ時代の「行政センター」遺跡出土土器の詳細な観察および資料化を継続的に実施した。この結果、基本的に昨年度の知見が再確認されるとともに、土器製作技術における成形以外の点、すなわち焼成などについても、いくつかの観察ポイントを確認することができた。これらの成果の一部は、研究ノートの形でまとめた。一方、学史的研究をふまえて、本課題がテーマとするインカ土器の生産体制復元と編年構築において、土器製作遺跡の調査・研究を将来的に実施することが重要であることが再確認された。そこで本年度は、これまでの断片的な調査によって、インカ時代における土器製作拠点であったと判断されるエクアドル南部高地のコヒタンボ遺跡周辺において、簡易的な一般調査を実施した。これにより、これまで未報告であり、おそらくインカ時代に比定可能な遺構を複数確認することができた。また、同遺跡周辺域では現在でも土器作りが継承されており、製作者に対する聞き取り調査によって、成形技法・成形道具、生地の準備などについて、インカ土器の製作について考察する際にも有益な情報を得ることができた。これら本年度の成果をもとに、現在、本格的な一般調査と、それを基盤とした発掘調査を計画中である

Misc

  • 歴史教材としての南蛮人燭台 ―物質文化資料の観察と解釈

    森下壽典

    全国社会科教育学会 第70回 全国研究大会 発表要旨集録     45  2021年10月

    研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)  

  • 高校教育を対象とした古代アメリカ学会の普及活動

    渡部森哉, 井上幸孝, 多々良穣, 市来尚利, 森下壽典, 石田晴彦, 鶴見英成

    古代アメリカ   第21号 ( 21 ) 103 - 118  2018年12月  [査読有り]

    速報,短報,研究ノート等(学術雑誌)  

    CiNii

  • 「文明」概念を再考させる授業についての一考察 ―南米アンデス地域の事例を用いた実践から―

    森下壽典

    日本社会科教育学会全国大会発表論文集   ( 14 ) 70 - 71  2018年11月

    研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)  

  • 義経北行伝説の重層性 ―歴史教材化に向けて―

    森下壽典

    日本社会科教育学会全国大会発表論文集   ( 13 ) 302 - 303  2017年09月

    研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)  

  • 南米インカ国家における土器生産についての研究 ―エクアドル南高地コヒタンボ周辺域の考古学的調査

    森下壽典

    高梨学術奨励基金年報(平成27年度)     68 - 75  2016年11月

    速報,短報,研究ノート等(大学,研究機関紀要)  

  • エクアドル南部におけるインカ国家の研究 —ムユプンゴ地域の発掘調査(2011)—

    大平秀一, 森下壽典

    古代アメリカ (古代アメリカ学会)   ( 16 ) 31 - 42  2013年12月  [査読有り]

    速報,短報,研究ノート等(学術雑誌)  

    CiNii

  • エクアドル南高地・コヒタンボ遺跡とその周辺

    森下壽典

    古代アメリカ学会 会報   ( 第24号 ) 3 - 5  2008年07月

    その他  

  • 千葉県印旛郡印旛村戸ノ内貝塚第3次発掘調査概報

    高橋龍三郎, 菊地有希子, 森下壽典, 井出浩正, 中門亮太, 根兵皇平, 大網信良, 新海達也

    早稲田大学大学院文学研究科紀要第4分冊   53   61 - 85  2008年02月

    速報,短報,研究ノート等(大学,研究機関紀要)  

    CiNii

  • 中南米の社会 —インカ、マヤ

    森下壽典

    季刊考古学 (雄山閣)   第98号 ( 98 ) 58 - 62  2007年02月

    記事・総説・解説・論説等(商業誌、新聞、ウェブメディア)  

    CiNii

  • 千葉県印旛郡印旛村戸ノ内貝塚第2次発掘調査概報

    高橋龍三郎, 井出浩正, 森下壽典, 米澤雅美, 菅原広史, 中門亮太, 長屋憲慶

    早稲田大学大学院文学研究科紀要第4分冊   52   75 - 95  2007年02月

    速報,短報,研究ノート等(大学,研究機関紀要)  

    CiNii

  • インカ帝国の実像を探る

    森下壽典

    史観   ( 153 ) 128 - 129  2005年09月

    研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)  

  • アンデス先住民諸社会の世界観--岩をめぐる意味の相関

    森下壽典

    史観   146 ( 146 ) 132 - 134  2002年03月

    講演資料等(セミナー,チュートリアル,講習,講義他)  

    CiNii

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担当経験のある科目(授業)

  • 文化財経営論

    早稲田大学文化構想学部  

  • 物質文化論

    早稲田大学文化構想学部  

  • 野外考古学概論

    早稲田大学文学部  

  • 植民地主義と人類学

    早稲田大学文化構想学部  

  • スペイン語

    東海大学文学部  

 

社会貢献活動

  • 「インカ帝国」研究入門 南米アンデス地域における先スペイン期の社会・文化・歴史

    早稲田大学エクステンションセンター 

    2015年09月
    -
    2015年12月

     概要を見る

    全10回の講義を担当

  • 無文字社会の歴史を考える -南米インカ帝国の事例から

    伊勢崎市立四ツ葉学園中等教育学校  第2学年アカデミックキャンプ2015 

    2015年09月
    -
     

  • 「インカ帝国」研究入門 南米アンデス地域における先スペイン期の社会・文化・歴史

    早稲田大学エクステンションセンター 

    2014年09月
    -
    2014年12月

     概要を見る

    全10回の講義を担当

  • 考古学入門Ⅱ インカ、エジプト、朝鮮、中国の考古学の最前線

    早稲田大学エクステンションセンター 

    2011年
    -
    2014年

     概要を見る

    2011年度から2014年度まで、年間全20回の講義のうち、5回分の講師を担当し、南米アンデス地域の事例について講義した。

  • 「インカ帝国」研究入門 南米アンデス地域における先スペイン期の社会・文化・歴史

    2013年09月
    -
    2013年12月

     概要を見る

    全10回の講義を担当

  • 「インカ帝国」研究入門 ―南米アンデス地域における先スペイン期の諸文化とインカ帝国―

    早稲田大学エクステンションセンター 

    2012年10月
    -
    2012年12月

     概要を見る

    全10回の講義を担当

  • アンデスの山奥には空に浮かぶ都市がある?

    週間しゃかぽん第23号(朝日新聞出版) 

    2007年
    -
     

     概要を見る

    子ども向けのマチュピチュについての記事を監修した。

  • 知球アカデミー「マヤとインカ」

    ワールド航空サービス 

    2007年
     
     

     概要を見る

    全4回のうち2回の講義を担当し、インカ帝国について講義した。

  • 考古学入門Ⅱ

    早稲田大学エクステンションセンター 

     概要を見る

    全20回のうち、5回分の講師を担当し、南米アンデス地域の事例について講義した。

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特定課題制度(学内資金)

  • 文化資源を基盤とする歴史教育の構成に関する研究

    2023年  

     概要を見る

    本研究課題は、これまで実施してきた文化資源に関する研究を歴史教育・授業開発へと具体的に結びつける準備の一環と位置づけられる。研究費は、主に基礎的な情報を取得し、記録するために使用した。 とくに、来年度から高等学院において総合的な探究の時間の枠組みとして始まる「考古学と物質文化論・文化資源論」に向けて、授業展開の基盤となる基礎的な研究を進めた。この授業は、私たちの日常を取り囲む無数のモノ(≒物質文化)をキーワードに、考古学的手法やアフォーダンス理論を含めて人間とモノの相互関係について様々に考えるとともに、「資源化」というプロセスに注目しながら、様々なモノやコトが(ときにはニセモノや伝説・神話まで)資源として利用される現状について、諸事例を紹介しながら検討するものである。 一方、本年度は、インカ帝国に関する書籍を英訳する仕事に関係したこともあり、インカ研究における考古資料と文献資料との関係についても、授業開発につなげるという観点から再検討した。資源化とは対象を利用可能な価値があるものとして意味づけていくプロセスに他ならないが、スペイン人征服者たちが記述したクロニカに学術的な価値を見いだし、それらを主たる資料としてインカ帝国のイメージを形成し、またアカデミックな世界でそれが再生産されていくプロセスと、物質文化である考古資料による検証・修正のプロセスは、「考古学と物質文化論・文化資源論」を構成していく上で示唆に富むものでもあった。すなわち、これまでも主張してきたように、こうした学術研究がすすむプロセスを資料提示によって生徒に追体験させることが、歴史教育において批判的思考力を養うために有用であると考える。 本年度の研究成果を踏まえて、来年度以降授業を実践し、その成果をふまえて不断の再検証をおこなっていく。

  • 地域資源の「資源化」に注目した歴史教材の開発に関する研究

    2022年  

     概要を見る

     ジンマーマン(1951『世界の資源と産業』)によって提唱され、自然資源のみならず広く援用されている定義、すなわち、働きかける人間と対象の相互作用の結果として事物が果たしうる機能という資源概念を基盤として、「資源化」のプロセスに注目する/させる授業構成についての研究を目指した。 具体的には、「歴史総合」の授業において、義経北行伝説の資源化を教材とした。これは、これまでも授業実践を積み重ねてきた内容をもとにしたもので、史実と伝説のちがい、文書だけではない史資料の多様性などについて、指導要領の「A歴史のとびら」の「(2)歴史の特質と資料」を構成する授業として有用なテーマとなりうることが再確認できた。

  • 歴史学・考古学研究の営為・成果を基盤とした歴史教育の構成に関する研究

    2021年  

     概要を見る

     本研究課題は、考古学研究に関わりつつ、歴史教育にも携わる立場から、歴史学・考古学研究の実践やその成果を歴史教育に応用する方法や具体例を検討するものであった。 研究の結果、諸研究の背景にある考え方やプロセスそのものを生徒に追体験させるような授業構成が重要であること、生徒の生活世界と研究をつなぐために、各地域の地域資源が重要であることがあらためて確認できた。一方、極端に構成主義的な授業が、歴史不可知論を惹起する可能性があることを含め、授業構成に関する理論的研究も重要であると考えられる。 なお、「南蛮人燭台」については、本研究課題のもとでさらに研究をすすめ、その成果の一部は全国学会において発表した。

  • 文化資源としての遺跡公園についての研究 ー中国・円明園の復元・整備を中心に

    2020年  

     概要を見る

    COVID-19の拡大に伴い、円明園の現地調査を行えなかったので、先行研究や中国の報道などを資料として基礎的な情報を収集した。その成果を整理しておく。円明園は、庭園建築としての評価に加え、愛国心教育の題材ともされてきた。遺跡公園としての整備では、略奪・破壊の記憶をとどめるために修復・保存に反対する主張も繰り返されている。すなわち、円明園は、どこに資源的価値を見出して保存・復元の対象とするのかという問題をめぐり、重要な事例である。さらに円明園を模したテーマパークやレプリカは中国各地にあり、文化資源の真正性の問題についても、有意義な事例と言える。今後、現地調査が可能になり次第、研究を展開していく。

  • 歴史学と歴史教育の関係についての調査・研究

    2019年  

     概要を見る

     近年、歴史教育では、学習の場における生徒の自由な解釈を重視し、必ずしも歴史学研究の成果を重視しない立場がある。そこで本研究課題では、「歴史学研究と歴史教育の関係」を改めて再検討した。まず、中学の歴史教科書、高校世界史の教科書の記述を精査し、また、世界遺産登録で資源化が進む百舌鳥・古市古墳群やその周辺で現地調査を行い、学術研究の成果と歴史教育との関係について、基盤的情報を収集した。一方、「南蛮人燭台」をもちいた中学校での授業実践では、生徒の自由な解釈を求めてそれを基盤としつつ、同時に史資料に基づいた「定説」を提示し、その両者の称揚を試みた。得られた成果は、別途、学会発表などを通じて報告をする。

  • 御来光遥拝の起源・歴史・現在性  ―「伝統」を再考する歴史教材に向けて

    2018年  

     概要を見る

     山岳信仰としての御来光遥拝について調査・研究を実施した。これは、「伝統」として一般に習慣化された御来光遥拝を歴史的に再検討することが、生徒の生活世界から出発して「伝統」を再考させる教材の開発につながると考えるからである。 必ずしも計画通りに調査を進めることはできなかったが、2019年2月には比叡山周辺でフィールドワークを実施し、とくに八王子山に鎮座する日吉大社と、その頂上近くに存在する金大巌(こがねのおおいわ)の現況を確認した。重要なのは、この岩の「テクスチャー」である。つまり、東方を向くこの岩は表面が平滑で、琵琶湖に昇る太陽の光を反射し、それが崇拝の対象となったことが容易に想定されるのである。現在の山岳信仰の原初的形態である古代の磐座信仰と太陽との関係が示唆される事例と言えよう。 現状では、授業開発へと展開するための基礎的な調査が不足しており、今後も調査・研究を継続していく。

  • 文明概念を再考させる歴史教材の開発-南米アンデス地域を事例として

    2018年  

     概要を見る

    本研究は、①これまで実践してきた中学歴史・高校世界史における授業実践の再確認、②一般社会における「文明」概念理解の現状の調査、などの観点から実施された。②については、狭量なナショナリズムと結びつく形で、「文明」概念への理解が著しく偏向している様相が確認され、単に「古代文明」について学ぶことから、「文明」概念そのものを再考させることの重要性が明らかとなった。そこで、研究代表者が行ってきたインカ帝国についての研究成果を参照しつつ、「文明」概念を再考させるための授業開発を目指した。研究成果は、別記の通り、学会にて発表し、忌憚のない意見を頂いた。これを踏まえ、さらに研究・実践を継続していく。

  • 赤煉瓦建築物の文化資源的価値についての研究

    2015年  

     概要を見る

     本研究課題は、文化資源化において、文化資源的価値がどのように見いだされ、価値の高低が測られるのか、とくに1980年代以降、行政・市民活動双方から保存と活用の運動が活発となった赤煉瓦建築物を対象として考察しようとする試みであった。 このため、赤煉瓦建築物の保存・活用運動の嚆矢のひとつとなった北海道江別市の諸施設、さらに舞鶴赤れんがパークを訪れて、情報を収集した。この結果、以前研究を実施したJR川崎駅近くにかつて存在した赤煉瓦倉庫の事例と比較して、歴史的価値や建築的価値に加え、雰囲気や印象といった価値が見いだされ、また町全体やゾーンとしての整備が進められているという差違が明らかとなった。

  • インカ遺跡の比較研究―遺跡データベース作成から―

    2005年  

     概要を見る

     インカ遺跡に関する調査成果は、マイナーな雑誌で概報が公表されるのみであったり、論文中に成果について触れられているだけであったりと、遺跡ごとに報告書としてまとめて刊行されることが必ずしも多くない。 本研究の目的は、インカ遺跡に関するこうした多様な資料を集成し、一定の基準のもとにデータベースを構築することで、今後の比較研究のための基盤を構築することにあった。 このため、日常的な報告書・図録などの収集に加え、夏季には、南米エクアドル共和国におけるインカ遺跡の発掘調査に参加するとともに、あわせて同国で文献収集などを行った。また冬季には、岡山BIZEN中南米美術館など、日本においてインカ遺跡に関する資料を収蔵する美術館・博物館を訪れ、ここでも資料収集に努めた。 このような活動によって得られたインカ遺跡に関する資料から、遺跡平面図、出土遺物、関連文献などを抽出し、FileMaker社のデータベースソフトFileMaker Pro 7を用いてデータベース化を試みた。調査・研究が新たに行われ、その成果が次々と刊行されていく以上、この作業に終着点はなく、今後も継続的にデータベース更新を行ってゆく予定である。 しかし、これまでの作業によって、とくにインカ遺跡より出土した土器については、たとえばウルクスユ多彩色土器と呼ばれる一群がティティカカ湖周辺だけでなく広範な分布域をもつこと、インカ土器の起源としてはこれまで最重要視されてきたキユケ土器に加えルクレ土器の影響も考慮すべきことなど、いくつかの重要な知見を確認することができた。 なお、その成果は下記の通り学会発表で発表し、および翌年度には学術論文の形で公表した。

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