最終年度ゆえ、本科研の総括となるイベントを実施した。1)米国ニューヨーク大におけるICCT/NYU Winter Instituteに際し、本科研のメンバー全員(武田、小野、都甲、久保、連携研究者の桑田)で“World Literature as Japanese Literature”というシンポジウムを開催した。これまで得られた世界文学論、フィクション論、翻訳論に関する知見を基に、翻訳を含む近代日本文学において世界文学がいかに受容されたかを議論し、好評だった。2)国際学会「東アジアにおける世界文学の可能性」を東大駒場キャンパスで開催した。前年度に提起された問題(英語圏中心でない世界文学像の探究)に答えるべく、韓国・台湾からもゲストを招いて東アジアという単位で世界文学を考える意義を考察した。3)シンポジウム「現代フィクションの可能性」を東大駒場キャンパスで開催した。ゲーム作家で評論家の山本貴光氏、ゲーム研究・美学の松永伸司氏をお招きし、本科研からは久保と武田が登壇し、ゲームとフィクションという問題意識から、現代におけるフィクションの役割を捉え直した。他にも数多くのシンポジウム、研究会を開催、論文や著書も刊行し、本科研の成果発表に努めた。武田は『イギリス文学と映画』(三修社)に『ロビンソン・クルーソー』の映画アダプテーションに関する論考を寄稿し、文学外のフィクションにも本科研の知見を応用した。小野は大江健三郎『燃えあがる緑の木』に関する単著を刊行し、世界文学としての大江文学について考察した。久保は、フランソワーズ・ラヴォカ(パリ3大学)を代表とするThe International Society for Fiction and Fictionality Studies (I.S.F.F.S)の発足に関わり、アリソン・ジェームズ(シカゴ大学)とともに副代表に就任した。令和元年度が最終年度であるため、記入しない。令和元年度が最終年度であるため、記入しない