2024/12/27 更新

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トコウ コウジ
都甲 幸治
所属
文学学術院 文学部
職名
教授
学位
修士
 

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 世界文学の時代におけるフィクションの役割に関する総合的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2016年04月
    -
    2020年03月
     

    武田 将明, 小野 正嗣, 都甲 幸治, 久保 昭博

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    最終年度ゆえ、本科研の総括となるイベントを実施した。1)米国ニューヨーク大におけるICCT/NYU Winter Instituteに際し、本科研のメンバー全員(武田、小野、都甲、久保、連携研究者の桑田)で“World Literature as Japanese Literature”というシンポジウムを開催した。これまで得られた世界文学論、フィクション論、翻訳論に関する知見を基に、翻訳を含む近代日本文学において世界文学がいかに受容されたかを議論し、好評だった。2)国際学会「東アジアにおける世界文学の可能性」を東大駒場キャンパスで開催した。前年度に提起された問題(英語圏中心でない世界文学像の探究)に答えるべく、韓国・台湾からもゲストを招いて東アジアという単位で世界文学を考える意義を考察した。3)シンポジウム「現代フィクションの可能性」を東大駒場キャンパスで開催した。ゲーム作家で評論家の山本貴光氏、ゲーム研究・美学の松永伸司氏をお招きし、本科研からは久保と武田が登壇し、ゲームとフィクションという問題意識から、現代におけるフィクションの役割を捉え直した。他にも数多くのシンポジウム、研究会を開催、論文や著書も刊行し、本科研の成果発表に努めた。武田は『イギリス文学と映画』(三修社)に『ロビンソン・クルーソー』の映画アダプテーションに関する論考を寄稿し、文学外のフィクションにも本科研の知見を応用した。小野は大江健三郎『燃えあがる緑の木』に関する単著を刊行し、世界文学としての大江文学について考察した。久保は、フランソワーズ・ラヴォカ(パリ3大学)を代表とするThe International Society for Fiction and Fictionality Studies (I.S.F.F.S)の発足に関わり、アリソン・ジェームズ(シカゴ大学)とともに副代表に就任した。令和元年度が最終年度であるため、記入しない。令和元年度が最終年度であるため、記入しない

 

現在担当している科目

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他学部・他研究科等兼任情報

  • 文学学術院   大学院文学研究科

特定課題制度(学内資金)

  • ドン・デリーロの作品における主体の変容と暴力的に排除不可能な他者との関係の研究

    2004年  

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    まず2004年8月2日から15日まで二週間アメリカに滞在し、資料集めを行った。具体的には、カリフォルニア大学とコロンビア大学を訪れ、関係する論文や著作を調査し収集した。その間、ドン・デリーロの作品に関係する都市や場所も訪れた。ロサンゼルスのワッツ・タワーやニューヨークのグラウンド・ゼロを実際に見て回ったことにより、デリーロ文学の理解が深まった。その後も日本で継続して資料収集と調査を行ってきた。論文の執筆も開始した。その一部は、2005年3月26日、慶應大学三田キャンパスにおける日本アメリカ文学会東京支部例会で、「ゴミとしての世界――ドン・デリーロ『アンダーワールド』をめぐって」と題して学会発表を行った。東京大学、慶應大学、上智大学、中央大学などの優れた研究者たちに多くのコメントをもらい、論点や問題点を明確にすることができた。内容は以下のとおりである。「1953年、ソ連の核実験成功で幕を開けた冷戦時代からの五十年間を描いた『アンダーワールド』で扱われるのは、普段は見えず、言葉で表されることのないものの世界である。犯罪世界、貧困なマイノリティの世界、地下深くに埋められた核のゴミ。自他を明確に分け、敵による汚染を徹底的に封じ込めようとする冷戦的思考は、ありとあらゆるものをゴミとされた世界に放り込もうとする。冷戦後に勝利した多国籍企業もこの思考方法から自由ではない。だが自他の区別は決して自明なものではありえず、自己自身もやがては暴力的にゴミに分類される運命にある。ならば、新しい自己のありかたが模索されるべきであろう。そこでデリーロが導入するのが、ゴミを再編成することによって産み出された芸術である。ゴミを読み替ること産み出される、多孔質でネットワーク的な自己。こうしたものを夢想する力が、真の冷戦後を迎えるためには必要なのだ。」続いて2005年10月15日には北海道における日本アメリカ文学会全国大会で「ケネディ・冷戦・文学――ドン・デリーロ『リブラ』について」と題して発表予定である。なお、当論文は書きあがり次第、日本アメリカ文学会の雑誌に投稿予定である。