2022/01/28 更新

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タニガワ ヤスヒコ
谷川 寧彦
所属
商学学術院 商学部
職名
教授

兼担

  • 商学学術院   大学院商学研究科

学内研究所等

  • 2019年
    -
     

    産業経営研究所   兼任研究所員

学位

  • Master in Economics

  • 大阪大学   経済学修士

所属学協会

  •  
     
     

    日本ファイナンス学会

  •  
     
     

    日本経済学会

 

研究分野

  • 公共経済、労働経済

研究キーワード

  • ファイナンス、マーケット・マイクロストラクチャー

論文

  • JGBインデックス運用における指数銘柄入替え時のマーケット・インパクト

    谷川 寧彦, 大村 敬一, 山下 隆, 高橋 秀之, 岡野 圭祐

    早稲田商学   ( 435 ) 33 - 69  2013年03月

  • 自社株取得とその消却

    谷川 寧彦

    早稲田商学   ( 431 ) 709 - 730  2012年03月

  • Dividend Policy in Japan: a break in 2004

    Yasuhiko TANIGAWA

    Waseda Business $ Economics Studies   ( 47 ) 67 - 81  2011年

  • M&Aにおける株式持ち合いの意味−経営権が移転する株価レベルは正しいのか-

    谷川 寧彦

    M&Aと企業経営研究会報告書『業界大再編成時代のM&A−敵対的買収の意義を考える』(社)日本経済研究センター   第6章   99 - 120  2007年03月

  • マーケットマイクロストラクチャーの展開

    谷川寧彦

    『みずほ年金レポート』みずほ年金研究所   2006・9/10 ( 69 ) 7 - 16  2006年10月

  • 株主還元のあり方

    谷川寧彦

    日本企業の構造変革研究会報告書『株主圧力の高まりと日本企業の変革』(社)日本経済研究センター   第6章   85 - 110  2006年03月

  • ボラティリティ・スマイルとスプレッド

    谷川寧彦

    早稲田商学   ( 406 ) 173 - 199  2005年12月

  • ランチタイムの取引所外株式取引について

    谷川寧彦

    『ファイナンシャル・レビュー』財務省財務総合政策研究所   Vol.70   29 - 49  2004年03月

  • 再建中企業の証券流通市場の整備に関する研究

    谷川寧彦

    (社)大阪銀行協会   Vol.8   1 - 28  2004年

  • Execution Probabilities of Limit Orders on the Tokyo Stock Exchange

    Omura, K, Y. Tanigawa, J. Uno

    MODSIM 2001 Proceedings   Vol.3   1583 - 1588  2001年

  • 市場間競争とその経済厚生について

    谷川寧彦

    『インベストメント』   Vol.53 ( (2) ) 16 - 38  2000年

  • 日本における転換社債の転換

    谷川寧彦, 古家潤子

    『郵政研究所ディスカッションペーパー』   No.1999-09  1999年12月

  • 転換社債とワラント債による潜在株式の株価への影響

    谷川寧彦, 古家潤子

    『郵政研究所ディスカッションペーパー』   No.1999-05  1999年07月

  • 最近の企業経済学について

    谷川寧彦

    『現代ファイナンス』   No.5   69 - 87  1999年

  • 転換社債市場と株式市場間の裁定機会

    谷川寧彦, 古家潤子

    『郵政研究所ディスカッションペーパー』   No.1998-16  1998年10月

  • 信用取引制度に内在するオプションコスト

    谷川寧彦, 古家潤子

    『郵政研究所ディスカッションペーパー』   No.1998-17  1998年10月

  • 日本の転換社債市場について

    谷川寧彦

    『インベストメント』   Vol.50 ( (2) ) 16 - 45  1997年

  • 転換パズルへの接近−日本の転換社債市場における実証分析−

    谷川寧彦, 西村佳子

    『現代ファイナンス』   No.2   23 - 48  1997年

  • 定額郵便貯金のオプション性評価

    谷川寧彦

    『研究報告書』岡山大学産業経営研究会   Vol.29  1994年

  • 消費データを用いた資産価格の実証分析

    谷川寧彦

    『岡山大学経済学会雑誌』   Vol.25 ( No.3 ) 315 - 332  1994年

  • On Construction of Stochastic Pricing Operator from Asset Market Data

    Yasuhiko Tanigawa

    『岡山大学経済学会雑誌』   Vol.25 ( No.4 ) 315 - 331  1994年

  • 家計の資産選択−保有パターンの計量分析−

    橘木俊詔, 谷川寧彦

    『ファイナンス研究』   Vol.12   1 - 20  1990年

  • An Economic Analysis of Government-owned Financial Institutions

    Y.Tanigawa, K. Ikeo

    The Kyoto University Economic Review   Vol.124   21 - 32  1988年

  • On the Existence of Financial Intermediaries

    Yasuhiko Tanigawa

    The Economic Studies Quarterly (『季刊理論経済学』)   Vol.38 ( (1) ) 61 - 75  1987年

  • On Mutual Share Holding by Corporations

    Yasuhiko Tanigawa

    The Economic Studies Quarterly (『季刊理論経済学』)   Vol.37 ( (4) ) 319 - 335  1986年

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書籍等出版物

  • 会社法における種類株式設計の柔軟化とそのコスト

    谷川寧彦, 久保田安彦

    宮島英昭 編著『企業統治分析のフロンティア』日本評論社  2008年09月

  • 金融工学の経済的意義

    谷川寧彦

    仁科一彦, 小谷眞一, 長井英生編『金融工学』大阪大学出版会  2003年05月

  • 指値注文の執行確率

    宇野淳, 大村敬一, 谷川寧彦

    笹井均・浅野幸弘編『資産運用の最先端理論』日本経済新聞社  2002年

  • マーケット・マイクロストラクチャーと流動性

    谷川寧彦

    齋藤誠・柳川範之編著『流動性の経済学 〜金融市場への新たな視点〜』東洋経済新報社  2002年

  • コーポレート・ガバナンス

    谷川寧彦

    筒井義郎編『金融分析の最先端』東洋経済新報社  2000年07月

  • 生産性ショックのリスク分担と政府貸出し

    谷川寧彦

    小佐野広・本多佑三編著『現代の金融と政策』日本評論社  2000年

  • 転換社債の取引について

    谷川寧彦

    橘木俊詔・筒井義郎編著『日本の資本市場』日本評論社  1996年

  • 家計資産選択のクロスセクション分析−連立方程式アプローチ−

    谷川寧彦, 橘木俊詔

    松浦克己・橘木俊詔編著『金融機能の経済分析』東洋経済新報社  1991年

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 企業の負債構成とその満期構成の分析

    研究期間:

    2017年04月
    -
    2021年03月
     

     概要を見る

    本研究は、非金融企業が行う負債による資金調達とその満期構成、具体的には銀行借入、普通社債、転換社債型新株予約権付き社債、コマーシャル・ペーパーといった負債構成とその満期構成の決定要因を明らかにし、その決定において資金の「価格」である金利とその他の非価格要因の役割を識別することにより、金融市場における価格メカニズムの働きとその限界、および、金利にもとづいた金融政策の有効性を評価することを目指している。本年度は、昨年度作成したデータベースに2018年度データを追加し、過年度に実施した短期負債比率を被説明変数とするパネル分析、社債等の増加を1それ以外を0とするダミー変数を被説明変数とするパネル・ロジット回帰分析の頑健性を確認したところ、推定された係数の有意水準が大きく変わるなど安定していないケースが発見された。そこで機械学習の分析手法を取り入れ、モデル推定に使うデータと予測に使うデータを分けて2/5/10分割による交差検証を行なうとともに、モデル推定に用いたデータに過学習(過剰適合)しないように、複雑なモデル構成にペナルティーを与えるLasso回帰分析を用いてモデル選択を行った。その結果、短期負債比率が時系列上減少している傾向は依然として頑健であり、現金および預金/総資産比率は短期負債比率に対して統計的に有意なマイナス効果を持つが、有形固定資産/総資産比率は統計的に有意なマイナス効果はないという結果が得られた。社債増加ダミーを被説明変数とするLasso ロジット回帰分析では、2分割の交差検証ではパネル・ロジット回帰分析と説明変数の有意性に違いはでなかった。5/10分割の交差検証では推定値を得る収束計算に時間がかかり設定した打ち切り回数上限で止まったケースがいくつか見られたものの、収束した場合はパネル・ロジット回帰分析とおおむね説明変数の有意性に違いがでなかった。今年度行ったデータ分析からは、多種多様な変数(特徴量)と負債構成および負債の満期構成との関係を統計的に明らかにするためには、機械学習分野で使われている手法が有効であるという感触を得た。数値以外の非伝統的なデータも使って深層ニューラルネットによる分析を進めたいが、それには高速な演算処理能力をもつ計算機が必要である。2019年年末より検討を始めたが、新型コロナによる影響で選定が遅れた。強力なGPUを備えた計算機は発注してあり、6月下旬には納品される予定である。CNN、RNNなどの深層ニューラルネットワークを用いた分析(機械学習)を行なって、頑健性の高い分析を行う

  • 金融新商品や取引機会を創出する市場提供活動における市場の失敗とその対処

    研究期間:

    2012年04月
    -
    2015年03月
     

     概要を見る

    金融新商品やその取引機会の提供自体を民間経済主体が利潤動機にもとづいて行う経済活動と見なし,金融システムの脆弱性をもたらすような市場の失敗がそこに見られるかを検証した。日経225オプションという取引所取引が行われているデリバティブについては,オプション価値の16.6倍の負債が内在しており注意が必要ではあるものの,その大きさは日本国債や事業債の残高に比べるとわずかであることがわかった。相対取引により金利スワップを行う誘因が広義の金融機関が持ちうることを確認できた。しかしながら、取引需要の根本要因となる経済主体間の異質性の程度がどのような要因で動いてきているのかについては、今後の分析がまたれる

  • 金融リスクの計量化と統計的推測に関わる諸問題の解明

    研究期間:

    2010年04月
    -
    2013年03月
     

     概要を見る

    金融市場におけるリスク評価が適切でなければ、金融不安は極端な形で顕在化し、結果として生じる信用供与の低下は企業活動や人々の社会経済活動に深刻な影響を与えることとなる。本研究では、特定のモデルに依存しない金融市場リスク指標の開発、リスク指標の予測モデルの構築、高頻度市場データを利用したリスク評価の統計的分析などに関する研究を行い、それぞれ従来の問題点を改善する結果を得た

  • わが国証券市場の機能と投資家の行動バイアス:アンケート調査と実験の融合による研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2005年
    -
    2007年
     

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    証券市場における機関投資家の行動について、伝統的なファナンス理論と矛盾する運用行動を機関投資家の資産運用における行動バイアスとその決定要因をアンケート調査に基づき分析した。調査分析の結果は、わが国機関投資家のファンド・マネージャーの行動バイアスは、組織内部のインセンティブ構造と密接に関連し、ファンド・マネージャーにとっては合理的行動として理解できるが、コグニティブ・バイアスやディスポジション効果も検出され情報の非対称性がもたらす心理的要因も強く働いていることが明らかとなった。一方、ファイナンス実験により、機関投資家と年金基金の間で締結される運用ガイドラインやパフォーマンス評価基準に縛られ、委託者の立場に立った本来の投資判断で行動せず、ガイドラインに整合的で説明責任を果たしやすい行動をとる傾向があることが確認された。複数の評価基準を設定した実験により、現実の制度変更前後で行なった実証分析結果と整合的な現象が再現された。また、機関投資家運用はその規模が大きく、市場の流動性に著しい不均衡を生じることがあるため、短期的な投資スタイルをもつヘッジファンドが流動性供給の役割を果たしているが、こうした短期投資家の行動も市場制度や機関投資家行動の変化によるリスクの増大に敏感に反応し、流動性供給行動の減退により投資家の取引コストに甚大な影響を与える可能性があることが示唆された。証券市場制度の決定にあたって、実験とアンケートを組み合わせた効果測定をする意義が示唆された。

  • 銀行貸出と社債発行ー情報開示と流動性創出のミクロ理論ー

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    本研究では、企業金融における金融仲介機関の持つ情報機能を日本の企業金融の制度的特徴を踏まえて統一的に理解するための模型分析が中心となった。研究においては、戦後1970年代史までの日本の企業金融にみられる三つの定型的事実、すなわち〔1〕銀行貸出しの優位と貸出し市場の不均衡(信用割当て現象)、〔2〕主要企業と主取引銀行の間にみられるメインバンクの関係、及び〔3〕上記のメインバンク関係を含む主要企業グループ内における株式の相互持合い、について以下のような視点で統一的な理解を与えることが出来た。第一に、貸出し市場における信用割当て現象を株式市場も含む企業金融全体の中での情報の非対称性に基づく均衡割当て現象として説明する。企業(=経営者)は、株式調達において道徳的危険による、銀行貸出しにおいての逆選択に基づくAgency Costを支払わねばならず、市場均衡モデルでは、上の二要素を考慮した最適調達比率が存在することが示される。第二に、このような調達比率を、新株発行(道徳的危険の費用を行なう)なしに実現するためには、銀行による株式持合いが一つの解決を与えることを示す。第三に、銀行は上にあげたような静学的にみた最適調達比率を実現するために使われた株式持合いと、巨額の貸出しを背景に経営監視・介入権を非経営者株主から委任され代行することによって、倒産がもたらすのと同様の誘因づけを経営者に対して与えると共に、デフォルトにおける、企業利潤に対する既存の分配ルールの修正(特に賃金カットや人員削減等)を条件に、倒産回避策を提供する。このような経営介入・資金難企業の救済パッケージの組合せは、最終的な倒産申告権を銀行が留保しており、条件次第では実行にコミットすることで、有効に働きうることが示される

  • 日本の転換社債の転換権行使に関する実証研究

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    日本の企業が国内外で発行した転換社債・ワラント債についてデータを収集し,転換行動について本格的な計量分析を行った結果,以下の点が明らかになった。●アメリカン型オプションとしてみた転換社債は,投資家にとって権利行使(転換)が最適とは思われない状況下でも転換が行われている,●転換を行う主体(その理由)として,大口投資家や証券会社(大口の売買がひきおこすマーケット・インパクトを避けるため),および証券会社(引受け幹事獲得など発行市場への影響も考慮しつつ,流動性供給などマーケット・メイクを行う上では,在庫管理上必要となるため)など,一般(大衆)投資家とは違った利害をもつ主体の蓋然性が高い,●売買高が多く転換社債価格もパリティを上回る状況にある転換開始時と,売買高が減少し転換社債価格がパリティ前後にある転換進捗時とでは,転換主体(およびその理由)の蓋然性が異なる-上記2主体のほか,転換という迂回的な方法で投票権としての株式取得をねらうものの蓋然性は,転換進捗時には低いが開始時には無視できない-,アップ率など発行条件が固定的であり,発行時には割当による需給調整がおこっていたと考えらる。これらと多数の投資家に消化(売却)しなければならないというルールとも相俟って,発行直後は盛んに取引されるが1〜2年もすると取引が減少すること,株価に比べ転換社債価格が低すぎるという現象が,バブルの後半から現在に至るまで万遍なく見受けられた。これが本当に無リスクの裁定機会であったかどうかは,株式をショートするコスト,とりわけ追加証拠金のコストをどう評価するかに依存する。追加証拠金のコストの評価モデルを組込んで,裁定機会の有無を検証することを今後の課題としたい

  • 市場の不完備性と資産価格決定に対する証券会社の役割

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    市場集中義務が撤廃され,取引所立会時間外の取引(立会い外)および証券会社や機関投資家が取引所を利用しないで行う取引(取引所外取引)が盛んに利用されるようになった。こうした制度改定により市場参加者は取引する「場」(提供される取引機会)の選択が可能になり,場の提供をめぐった競争が活発になったと広く認識されるようになった。このことに関する経済的含意を,「市場間競争とその経済厚生について」として公表した。聞き取り調査を重ねたところ,立会い外や市場外取引でもっとも典型的な形態は,機関投資家が複数銘柄からなる「バスケット」の一括売買を証券会社相手に行うものであり,売買の相手方となった証券会社は,やがては「取引所」でそのポジションを調整し,立会い外ないし市場外取引によって引き起こされたポジションをもつリスクをいかに避けるかが,重要なテーマであることがわかった。取引所は「一括した」売買注文の機会を提供していないので,投資家がバスケット売買を自ら取引所で行おうとする場合,バスケットを構成する銘柄ごとに個別の注文を出す必要がある。個々の注文が約定(成立)するのかは,こうした個別注文を行う際に重要な関心事である。そこでティックデータ(約定データ)をもとに「指値注文の執行確率」の推定を試み,ディスカッションペーパーとして公表した。企業が発行する証券は,企業が生み出す収益への請求権であると同時に,企業経営者に対する資金提供者がもつガバナンスの手段でもある。このことの含意を展望し,「コーポレートガバナンス」(『金融分析の最先端』第5章)および「最近の企業経済学について」として公表した

  • 信用リスク評価のためのモデリングに関する総合的研究

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    金融・資本市場において信用リスクがどのように評価され,価格付けされているかを明らかにするために,仁科は資産価格決定の基礎理論を厳密に検討した.また,実際の市場における信用リスク評価の典型例として,債券の格付けシステムを理論的に分析した.その結果,信用リスクの評価理論モデルは,少なくとも現在の水準では未完成の部分が多いことと,ファクター構造を利用したモデルが有望であること,ならびに債券の格付けがそれらに反映する可能性があることが判明した.不確実性のもとでの意思決定問題の代表である投資意思決定問題を研究課題として,田畑はインデックス・ファンドの効率的な構成法とその性質について研究を行い,定性的な性質とその性質を利用した構成手順を開発した.とくに,遺伝アルゴリズムを用いて計算の効率化をはかった点と,株価という情報が逐次入手できる状況で,ベイズ理論を用いて逐次的に改定される構成法を導出した.大西はPoisson過程に従いジャンプをする幾何Brown運動に対する最適停止問題を精察した.この種の問題に対して,マルチンゲール論からのアプローチを試みることにより,ある弱い条件のもとでSmooth Pasting Techniqueと呼ばれる手法の正当性を示した.また,これに関連して,幾何Brown運動のインパルス・コントロールの基礎理論ついての研究を開始した.とりわけ,企業の最適配当政策の問題,投資信託におけるキャッシュ・マネージメントの問題,等への応用について,モデル化からそれらの解析的・数値的解法に至るまでのプロセスにおける様々な段階に関して,詳細に渡っての検討を試みた.谷川は,信用リスクが顕在化し企業が債務不履行に陥った場合,具体的な債務の形態によってコーポーレート・ガバナンス上は違いが出ることに注目し,特に経営者の事後的なモラルハザードとの関連を分析した(2000a).また,債務不履行の前触れである手元流動性の不足-株式や現金の需要が,転換社債の転換と密接に関連していることを実証した(1999).証券取引の執行リスクという側面を持つ,株式指値注文の執行確率の推定を行った(2000b).金融市場において観測されるデータは,統計理論や数理ファイナンスの分野で確立された理論が前提としている状況にはないことが多い.大屋は,本研究では実際に確認される欠損値の存在を前提とした統計的推測に関する考察を行った.欠損値を生み出す固有の情報が特定できない場合に関して,従来の統計量ではバイアスが生じることをパネルデータをもちいる際の検定統計量に関して明らかにしている

  • 株式ティック・データによる市場コストの計測

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    この研究の目的は,東京証券取引所に上場している株式の発注および約定を記録したティック・データを分析し,取引される株式の属性,市場取引コストを定めるマーケット・マイクロストラクチャー上の特性,およびマーケット・メーカーとして行動していると考えられる証券会社自己部門の,市場提供ないし流動性提供コストの回収メカニズムを明らかにすることである。成行注文は即時の執行(売買成立)を求めている注文という意味で市場流動性を需要する注文,指値注文は逆に流動性を供給する注文である。指値注文は成行注文に比べて有利な価格(指値)での執行が期待でき,投資家は,それまでの取引状況,現在の指値注文の板状況などを見てどちらの形態で注文するかを選択する。この選択において,注文が有効である期間中に執行される可能性がどれくらいあるかといった,指値注文の執行確率は重要である。50銘柄1ケ月間のデータを用いてこの執行確率を推定した結果を国際学会で報告し,各国の参加者,特に東京と同じマイクロストラクチャーを持つ香港市場の研究者と意見交換を行った(Omura, Tanigawa, Uno[2001],宇野他[2002])。また,上記のようなマイクロストラクチャーと流動性の関係を谷川[2002]として展望した。さらに,証券会社などによる流動性提供が必要となる,大口かつ複数銘柄の一括取引であるバスケット取引について計量分析を行った。これらは,ランチタイム(前場の取引終了後,後場開始前)に前場の価格や取引状況を見て出される注文で,複数の証券会社が価格(ベーシス)を提示して注文獲得競争をする。注文を獲得した証券会社は,顧客との間で成立した約定により形成されたポジションを,その価格リスクを避けるため後場を利用してアンワインドする。バスケットに含まれる銘柄のザラ場における流動性の大きさがバスケット注文獲得競争で提示される価格に大きな影響を及ぼすことが明らかになり,その結果を取りまとめ中である

  • 信用リスクの計量化とその応用に関する総合的研究

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    信用リスクについて市場が評価する場合,最も端的に表れるのは価格の変動を伴った評価水準の下落である.ファイナンス理論ではimplied volatilityをもってその状況を測定出来ることを明らかにしている.そこで,仁科は,今年度もimplied volatilityの計測とその特性を把握することに集中した.田畑は,リスク測度とポートフォリオ選択に関する書籍の執筆に従事したほか,情報トレーダーと非情報トレーダーが共存する金融資産市場における価格形成メカニズムを検討する,いわゆるマーケット・マイクロストラクチャー・モデルに対するゲーム・モデルを構築し,その均衡分析を行った.大西は,金利デリバティブの価格付けとキャリブレーションに関する研究を行った.とりわけ,債券,キャブレット(フロアレット),スワップ,スワップションといった基本的で単純な金利関連資産・契約の市場価格に基づいて,フレクシブル・チューザ・キャップ(フロア),バーミューダ・スワップといった複雑な,いわゆるエキゾチック・デリバティブの価格付けを行うための実用的なフレーワークについて検討した.大屋は,企業の倒産件数のような計数データを取り扱う際に広く利用されているPoisson回帰モデルにおいて,その説明変数として,2値をとるスイッチング変数を持つ従来からのモデルを,一般個の順序付きカテゴリー変数を持つモデルへと拡張し,最尤法による推定方法を提案して,その有効性を検討した.谷川は,昨年度に引き続き,プロスペクト理論をはじめとした「リスク」概念の再検討と,株式指数採用銘柄の入替えなど,株式指数インデックスを追跡する投資手法に固有のリスクに関する投資実務上の認識調査を行った.また,流動性リスクとマイクロストラクチャーとの関連を展望した

  • 株式指数オプションの証券設計に内在する取引費用節約効果と証券会社の市場流動性供給

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    オプションを分析する際には,同じ時刻に観察された原証券価格とオプション価格を用いることが望ましい。日々(終値)データを用いた従来研究に対し,この研究では日経平均225種(NK225)のプットおよびコール・オプションについて,2000年1月から12月の約定(取引)毎の価格を記録したティック・データを用いて,ボラティリティ・スマイルと呼ばれる,マネネス(行使価格と原証券価格の比率)とインプライド・ボラティリティ(IV)との関係を検証し,次の結果を得た。1)日々データによるIVはティック・データによるIVと一致しないことがあり,日々データでは安定したように見える場合もティック・データからみるとかなり不安定な変動が見かけられる。2)取引が,その直前に提示されていた気配のどちら側でおこったかが,IVに有意な影響を及ぼす。3)こうした効果を除いても,ボラティリティ・スマイルは観察される。4)スマイルのラインからかけ離れた大きなIVの値は,原証券(NK225)の変化に対するオプション価格の弾力性が小さなところ(イン・ザ・マネーのオプション)でおこっており,そのときの約定数量は必ずしも大きくない。これらの結果は,a)ボラティリティの変化によってオプション価格が受ける影響度合いは,ニア・ザ・マネー(NTM)のオプションが最も大きく,実際,NTMのオプションの取引高が最も多いこと,b)ボラティリティが変化するときNTMのオプションで最も大きなポジション調整を必要とすること,従って,オプションの取引コストがその種類によって一定ならば,NTMのオプションは取引コストがかかる分だけ割安でなければならないこと,c)オプション自体の取引動機が,原証券のボラテイリティという直接には観察できない変数をめぐった投資間の意見の相違にもとづいていること,といった理論仮説と整合的であることを示す

  • ステークホルダー企業理論の検証

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    企業買収・合併の際に経営者・従業員・債権者などのステークホルダーが各自の利害を主張しあう現実と整合的な企業理論として,企業はステークホルダー間の不完備契約の束であるという着想に基づく企業理論を検討した。予め想定しておらず不完備であったことが顕在化した例として2000年代に行われた株式公開買付け及びその際導入された防衛手段をとりあげて,経営権移動のあり方に関する効率性とステークホルダーとの関係を分析した

  • 株主総還元政策の実証分析

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    主として株主還元の立場から,日本企業の配当・自社株取得・消却に関する総合的な実証分析を行った。外部資金の相対的必要度を示す変数が配当の決定要因として有効で,ライフサイクル仮説が支持されること, 1990年代にとられていた安定配当政策は2004年3月期を境にこれから離脱したこと,自社株取得を決議した機関が株主総会か取締役会かによって,自社株取得と配当との代替性,自社株取得と消却との代替性が正反対であることが明らかになった

  • 上場会社のファイナンス規制の柔軟化をめぐる会社法と証券市場規制の交錯

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    平成時代の商法改正や会社法制定によって、株式会社のファイナンス規制は大幅に緩和されたが、それが株式会社のガバナンス構造や証券市場の効率性に与える影響は過小評価されてはならない。とくにエクィティ型金融商品の過度の柔軟化は、証券市場の機能を低下させるおそれがある。他方、親子会社上場や社債発行における財務制限条項に関する規制のあり方については、今後よりいっそうきめ細かな実証分析が必要である

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特定課題研究

  • 生産活動にもとづく資本資産価格モデルの検証

    2017年  

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    企業による効率的なインプット投入を考慮して、労働力減少が資本資産価格に与える影響を分析した。2017年3月末に東証第一部・第二部上場の非金融企業を対象に、1984年1月以降2017年12月までの決算期データから不完備パネルデータを構築した。「時価総額成長率−10年国債利回り」を被説明変数とし、TOPIXの超過収益率、規模、時価簿価比率、有形固定資産成長率、レバレッジなど標準的な説明変数の他、労働力に関係した変数を用いて固定効果モデルを計測した。正社員数/総資産額比の差分は、有意水準0.1%で正の係数推定値を得た。この結果は、労働力人口減に伴い株式投資収益率が低下することを示しており、政策対応が必要であろう。

  • 記念配当の決定要因

    2016年  

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     東証一部上場の非金融企業の2012年1月から2016年12月までの決算期についてパネルデータを作成し、記念配当実施に関するロジット分析を行った。5年間で得られた8717企業・年サンプルのうち、約20%にあたる1783企業・年が、創立○○周年記念や東証一部上場記念などの記念配当を実施した。固定効果モデルによると、株式時価総額の対数値、株主資本収益率(ROE)、過去5年間の株主資本成長率平均値という変数は、記念配当実施に有意水準5%でプラスの影響を、前年に比べ普通配当を増やしたり自社株買いを行ったりしている場合は有意水準1%でマイナスの影響を与えることがわかった。

  • 市場流動性供給者の行動分析

    2016年  

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     2015年2月から2016年1月までの決算期で記念配当を実施し、これにかかる情報のみを企業サイトで開示した東証一部上場企業50社、及び、この期間以後2016年3月末までの決算期の記念配当に関する新聞記事が掲載された12社を加えた計62社を対象に、情報開示日10日前から10日後の21日間の出来高に対するイベントスタディを行った。新聞記事を伴わないイベントでは、公表日翌日及び翌々日に、この21日間の平均的な出来高に比べて有意水準5%で有意なプラスの出来高増加が認められたが、新聞記事があるイベントでは、公表日翌日及び翌々日に出来高は増加するものの、統計的には有意ではないという結果を得た。

  • 企業の財務政策に事業規模変更が及ぼす影響の検証

    2015年  

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    労働力人口の減少に対応して日本企業は事業内容と規模を変化させてきている。これが資金調達方法にもたらした影響を明らかにするため、2015年3月末で東京証券取引所に上場していた企業(銀行、証券、保険を除く)について、1999年度から2014年度まで16年分のデータを用いて資金調達手段毎にパネル・ロジット分析を行った。その結果、過去5年間の自己資本増加、従業員数増加は増資を行う確率を高めること、設備投資等による投資キャッシュフロー(支出項目のため負値でその絶対値)が大きいと事業債発行の確率が高まること、設備投資/売上高比率、従業員数増加率が高いと長期および短期借入れを行う確率が高まることなどが明らかになった。

  • 日本企業の現金保有要因の分析

    2015年  

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    日本企業の現金等保有額(短期保有有価証券を含む)は、近年増加している。その要因を明らかにするため、2015年3月末で東京証券取引所に上場していた企業(銀行、証券、保険を除く)について、1999年度から2014年度まで16年分の財務データを用いたパネル分析を行った。その結果、設備投資等による投資キャッシュフロー(支出項目のため負値でその絶対値)と、事業債発行と長期借入れを合計した長期資金純調達額(償還額、返済をさしひいたもの)は、現金等保有額を増加させること、現金配当金額が大きい企業は現金等保有額も大きいこと、外国人投資家等の株式保有割合は、現金等保有額と統計的に有意な関係を持っていないことが明らかになった。

  • 株式市場における流動性変動の発生と拡大メカニズム

    2005年  

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     消費財の取引では売り手(生産者)と買い手(消費者)が予め決まっているが,証券取引ではある価格が証券の価値に比べて高すぎると考えた人が売り手となり,低すぎると考えた人が買い手となる。「高すぎる」か「低すぎる」かの判断の差は,(潜在的な)市場参加者間に何らかの違い-例えば,アクセスできる情報内容が違うなど-があって初めてもたらされる。証券市場における流動性は,「買い手」や「売り手」ばかりに偏ることなく,どちらのサイドも,相応の「数量」の取引を望むということによって提供されている。市場参加者間の相違に基づくこうした流動性の説明では,取引が成立し約定価格が市場に知られるということ自体が市場参加者にとって新たな情報源となり,もし何らかの理由によって「間違った」約定価格がつくと,そのことに市場参加者が反応して,大きな注文の流入をよびおこすことがありえる。反対に,そうした「変な」価格に対しては,市場参加者が用心してスプレッドを広げて様子を見るなど,流動性を低める行動に出る可能性もある。 どちらがおこるかを明らかにするため,大阪大学の西條教授を主査とする証券の裁定取引に関する経済実験の一部として,(1)株式の本源的価値である「配当」について正しい値を知っている主体と,ノイズがのった値を知らされた主体とが混在する状況を作り出し,(2)正しい値を知っている主体だけが取引に参加する期間,ノイズがのった値を知らされた主体だけが取引に参加する期間,両方の主体が取引に参加する期間を設定の上,(3)各期間内で何度も約定が成立しうる「ザラバ取引」の場合と,各期間一度だけ約定が成立する「板寄せ取引」の場合とについて,経済実験を行ったところ,次のような結果を得た。ザラバ取引では実験参加者の勘違いなどにより「間違った」価格がつくとそれに引っ張られた約定が起こる傾向があるが,板寄せ取引では理論が予測する「正しい価格」でほぼ約定し,ノイズがあることにより流動性が膨らむということがなかった。

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海外研究活動

  • 民間経済主体間の異質性を失わせない方策について

    2013年03月
    -
    2015年03月

    アイスランド   アイスランド大学

    イタリア   ボッコーニ商科大学

    イタリア   フェデリコ二世ナポリ大学

 

現在担当している科目

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