Updated on 2024/04/24

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SAGISAKA, Yoshinori
 
Affiliation
Faculty of Science and Engineering
Job title
Professor Emeritus
Degree
工学
Profile
東京都出身。1975年早稲田大学大学院 理工学研究科数理物理学専攻修士卒、日本電信電話公社入社。1986年ATR出向。2001年早稲田大学大学院 国際情報通信研究科教授。早稲田大学「ことばの科学」テーマカレッジ、テーマスタディ、プロジェクト研究所主催。専門は音声言語情報処理(合成、認識、翻訳)、音声科学(韻律、知覚)。関連国際組織(ISCA,ICPhS等)及びJournal(SpCOM, Comp.&Lang.Sp.、Lang. Eng.等)ボードメンバー歴任。

Research Interests

  • パラ言語情報

  • 言語習得

  • 時間知覚

  • 音声翻訳

  • 韻律

  • 音声合成

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Overseas Activities

  • 対話音声の韻律および非母語話者音声の韻律制御のモデル化

    2007.09
    -
    2008.01

    フランス   パリ第3大学 他

    タイ   チュラロンコーン大学

Internal Special Research Projects

  • 非母語音声生成・知覚・習得の計算科学

    2011   中野 美知子, 近藤 眞理子

     View Summary

    本研究では、母語によって異なる第二言語音声の生成・知覚現象を音声科学として理解し、音声言語教育に資するため、第二言語学習者に見られる音声生成の時間制御・知覚特性分析を目的とする。まず、学習者の時間長制御傾向を把握するため、日本人学習者英語音声区分の時間長を解析した。英語教師が学習者英語音声に付与した主観評価得点と、学習者音声と英語母語話者音声に見られる各音声区分の持続時間長の相違に対しての相関分析を行った。この結果、文中の強音節数が1、2、3と増加するにつれて、相関値は、各々0.34、0.49、0.68と上昇することが判明した。これから、英語音声の強勢と弱勢に基づくストレスタイミングの実現が、日本人学習者ではうまくなされておらず、複数のストレス(強音節)を有する音声サンプルほど明確な差異が生じていることが明らかとなり、客観的な測定量で能力差を定量的に評価する上での測定対象に対する配慮が必要であることが判明した。 また、言語による時間長制御の違いが、音素カテゴリの生成・知覚に与える影響を解析するため、促音と非促音、長母音と短母音といった、日本語学習者にとって学習が難しい特殊拍について分析した。韓国人日本語学習者に対し、特殊拍の知覚学習を種々の条件で実験し、学習者毎に学習前後の能力を比較した結果、発話テンポが異なる音声を用いた学習の優位性が示された。また、知覚判断特性の分析により、促音の誤答の傾向と音の大きさを表す感覚尺度であるラウドネスとの相関があることが明らかとなった。この結果により単に音声の時間長比較だけでなく、リズムやタイミングの知覚現象としての詳細解明の必要性が明らかとなった。 さらに、本研究が対象とする母語による違いの分析を可能とするため、第二言語作成と利用に関する共同研究コンソーシアムAESOP(Asian English Speech cOrpus Project)に参加するアジア圏研究者との連携を図り、台湾(新竹市)で国際ワークショップを開催すると共に、日本、中国、ミャンマーを母語とする英語音声コーパスの作成を進めた。また、ネパール、インドネシアといった、新たなAESOP参加国の研究者達と共通音声コーパス作成について準備を開始した。

  • 非母語音声の計算科学 -第二言語発話分析・評価を中心とした科学的解明とモデル化-

    2010   中野 美知子, 近藤 眞理子

     View Summary

    本研究では非母語、特に外国語学習の対象となる第二言語発話音声の分析・評価を中心とした科学的解明を行うため、音声生成制御機構モデル、言語・音声学、音声言語情報処理技術、音声聴知覚、語学教育を統合した「非母語音声」の「計算科学」的研究を行う。これにより、非母語音声の科学的理解、第二言語音声教育への展開を目指す。 まず、学習者音声の自動評価のために、母語話者英語音声と学習者音声の時間制御特性の相違により、学習者英語音声のタイミング制御特性を客観評価する尺度の検討を行った。音声サンプル毎の発話速度のばらつきを吸収する手始めとして、当該比較音素を含む音節長による時間長正規化法を試みた。日本人学習者の英語音声コーパスを用いた実験により、正規化した時間長差異と英語母語話者が与える主観評価との相関が正規化を施さないものに比べて上昇することが判明し、提案した方法の有効性を確認することができた。この実験結果により、音素時間長の制御に関与する要素による更なる精密な正規化を用いた客観尺度の可能性が広がった。 次に、韓国人日本語学習者の特殊拍学習実験を進め、特殊拍提示コンテキストの影響を測定した。この結果、孤立単語と文での提示双方において、学習効果が示されると共に、文を用いた場合の汎化学習傾向も明らかとなった。合わせて、提示コンテキストによる学習難易度の分析も進め、時間長知覚学習へのラウドネスの関与が示唆された。 さらに、以上の個々の研究検討に加え、AESOP(Asian English Speech cOrpus Project)研究コンソーシアムのメンバーとの打ち合わせを持ち、次年度からの本格的研究開始準備のため、昨年度、AESOPメンバーと設計した音声コーパスのテスト収録を行った。日本語を母語とする学生約60名の英語音声を収録し、一部のものについて音声認識技術を用いた音素アラインメントを行い、分析データの準備を進めた。