2024/11/22 更新

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アソウ タカシ
麻生 享志
所属
国際学術院 国際教養学部
職名
教授

所属学協会

  •  
     
     

    日本英語コミュニケーション学会

  •  
     
     

    アメリカ学会

  •  
     
     

    Modern Language Association

  •  
     
     

    日本アメリカ文学会

  •  
     
     

    日本英文学会

 

講演・口頭発表等

  • 『重力の虹』を読む

    佐藤良明, 門林岳史, 武田将明, 麻生享志  [招待有り]

    表象文化論学会  

    発表年月: 2015年07月

    開催年月:
    2015年07月
     
     

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 「アジア系トランスボーダー文学」研究の包括的枠組創成と国際的ネットワーク構築

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2023年04月
    -
    2026年03月
     

    山本 秀行, 巽 孝之, 宇沢 美子, 松本 ユキ, 牧野 理英, 中地 幸, 松永 京子, 大東 和重, 渡辺 真理香, BROOK THOMAS, 古木 圭子, 麻生 享志, 濱田 麻矢, 樋口 大祐

  • ポストモダニズム以降の文化研究―文化翻訳の実践とベトナム系アメリカ文化

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2012年04月
    -
    2016年03月
     

    麻生 享志

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    本研究ではベトナム系アメリカ文化を例に、ポストモダニズム以降の文化翻訳の実践を分析・検証した。その主たる対象は、若くしてアメリカに移民し教育を受けた1.5世代、及びアメリカで生まれ育った二世移民とした。
    彼ら若い世代のつくりだす移民文化は、ベトナム系コミュニティの形成と発展に寄与してきただけでなく、アメリカの主流文化にも影響を与えてきた。いわゆるメルティングポットにおける同化のプロセスではなく、異なる二つの文化をつなぐハイブリッドな文化形成、すなわち文化翻訳のプロセスに寄与しているのが、今日のベトナム系アメリカ文化といえる。

 

現在担当している科目

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他学部・他研究科等兼任情報

  • 附属機関・学校   グローバルエデュケーションセンター

  • 国際学術院   国際コミュニケーション研究科

  • 教育・総合科学学術院   大学院教育学研究科

特定課題制度(学内資金)

  • オーラルヒストリーの重要性と課題ー「物語り」の歴史から見るアメリカ対抗文化

    2023年  

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     オーラルヒストリーという新ジャンルの展開は、近年インターネット・アーカイブの整備と進化によって急速に進む。とくにベトナム戦争を契機に脱越を余儀なくされたベトナム系アメリカ人が作る難民による「語り」の継承は、テキサス工科大学『ヴェトナムセンターとそのアーカイブ』(Vietnam War Center and Archive: VNCA)やカリフォルニア大学アーバイン校『ヴェトナム系アメリカ人オーラルヒストリープロジェクト』(Vietnamese American Oral History Project)として着実に成果を挙げてきた。 一方、アメリカ文学史を顧みれば、このトレンドが文学の「語り」のなかに、すでに一九世紀中庸には芽生えていた可能性がある。例えば、アメリカ文学を代表するハーマン・メルヴィルの大作『白鯨』は、語り手イシュマエルが海上で遭遇する数々の冒険のなかで耳にする、船乗りたちが紡ぐ多くの「語り」から作られた物語であることが指摘される。なかでも、巨大鯨「モビーディック」のセクシュアリティを巡る議論は、作品内での口頭伝承から作られるものだ。 加えて興味深いのは、一九世紀半ばにしてメルヴィルが「モビーディック」を語るにあたり、多言語的な視点からこれを提示している点にある。英語では「モビーディック」ないし「ホワイト・ホエール」は、フランス船籍「薔薇のつぼみ」号の船員には Cachalot Blanche とフランス語の女性名詞で呼ばれる。それは単に言語が複数化していくだけではなく、鯨のセクシュアリティが男性的なものから女性的なものへとずれていくプロセスでもある。 本研究は、伝統的物語にすでに見られる口頭伝承の存在に目を向け、これを現代的な理論的視点から読解する試みである。

  • オーラルヒストリーの重要性と課題ー「物語り」の歴史から見るアメリカ対抗文化

    2022年  

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    ベトナム系難民による自伝的文学を中心とする研究を実施した。主たる対象は、難民1.5世代と呼ばれるベトナム生まれでありながら、戦争が原因でアメリカへ移住し、英語教育を受けた中間世代とアメリカ生まれの難民2世による文学。フィクション作品においても多分に自伝的特徴を備え、伝統的な小説等と比較し「物語り」的色彩が強い。

  • アジア系文化・文学研究におけるオーラルヒステリー: 歴史の伝播と記憶の継承

    2020年  

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    本研究においては、ベトナム系アメリカ人作家 Lan Cao と Harlan Margaret Van Cao の母娘による自伝 Family in Six Tones (2020) を典型的なオーラルヒストリーの書とみなし研究を進めた。Family in Six Tones ではベトナム系難民1.5世代に属する Lanと Harlan が交互に語ることで、親子二世代にわたるベトナム系難民のアメリカでの新生活における内面の葛藤が事実とともに描かれる。刊行当初から注目を集めた一冊ではあったが、折からの新型感染症 COVID-19 の蔓延のため、出版プロモーションはオンラインで行われ、9月、10月に計3回のセミナーが催された。本研究者はこうしたイベントを通じて得られた情報や、作者本人から得た情報を元に、2021年3月27日に開かれたアジア系アメリカ文学会の第142回例会(オンラインにより実施)において、Family in Six Tones に関する報告を行った(「難民母娘の自伝的語り—Lan Cao & Harlan Margaret Van Cao, Family in Six Tones を読む」)。また、Family in Six Tones の日本での出版を目指し、現在翻訳作業に取り組んでいる。

  • アジア系アメリカと音楽―シートミュージックに描かれるアジア人表象とアメリカ文化

    2019年  

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    カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校リサーチ・ライブラリー所蔵のミュージック・シートにおける日本、ならびに日本人表象に関する調査を行った。調査資料は以下の通り:Box Numbers 2, 14, 29, 31, 117, 528, 1077, 1182, 1197, 1312, 1648. また、全米日系人博物館にて、20世紀を通じ現在に至る日系人のアメリカ社会における共同体の形成や社会参画に関する展示等を視察した。視察内容は以下の通り:1)At First Light: The Dawning of Asian Pacific America; 2) Common Ground: The Heart of Community; 3) Fighting for Democracy: Who is the “We” in “We, the People”?

  • アジア系アメリカ運動の展開とトランスパシフィック文化の形成

    2018年  

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    アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス地区における資料調査等Huntington Library にて、1969年に発行されたアジア系アメリカ運動の中心的刊行物 Gidra, vol.1 (1969) を中心とする資料調査を行った。また、 Japanese American National Museum において、第二次世界大戦中の日系人収容に関する展示・資料を視察・閲覧したのに加え、21世紀の新たなる人種とエスニシティの関係を提案する特別展示 hapa me: 15 years of the hapa project を視察した。同時にアジア系アメリカ運動における日系人の役割を考察する資料・文献等の調査を行った。

  • ヴェトナム系アメリカ研究の地政学―トランスパシフィック文化の現在

    2017年  

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     ヴェトナム戦争終結から40年余りを経た現在、ヴェトナム系難民による複合文化形成の試みを、社会的課題や歴史的背景と照らし合わせながら分析・考察した。 [現地調査] カリフォルニア州ウェストミンスター市およびサンタアナ市にて、ヴェトナム戦争記念碑のほか、移民にとっての玄関口でもある群庁舎や今でもヴェトナム語が飛び交う商業地区を視察した(2017年8月)。 [研究発表] 第89回日本英文学会(2017年5月21日於・静岡大学)シンポジウム『自伝(的)文学と人種・エスニシティ―—フィクションとノンフィクションをつなぐ』において、「記憶と歴史―—ラン・カオの『蓮と嵐』を中心に」を発表した。

  • ポストモダニズム以降の文化研究ーヴェトナム系アメリカ文化・文学を例に

    2016年  

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    本研究では、ヴェトナム系アメリカ人作家 Lan Cao (1961-) が 2014年に出版した2作目の小説 The Lotus and the Storm の翻訳・出版作業を通じ、ポストモダニズム以降の文化のあり方をエスニック文学の文脈のなかで考察・分析した。その過程において、2016年8月にカリフォルニア州オレンジ郡ガーデングローブで Cao 本人と面会し、作品執筆の背景等についてインタビューを行った。小説は邦題『蓮と嵐』として2016年12月に東京・彩流社より出版されるに至った。また、同翻訳書に収められた「訳者あとがき」にて、Cao とのインタビューで得られた情報の一部を提供した。

  • トランスコミュナリティー混成文化から成る共同体の未来についての理論研究

    2014年  

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    21世紀において異文化共存を目指す共同体はどのように展開しうるのだろうか。本研究では、Childs が「21世紀型の共同体」と提唱するトランスコミュナリティーという概念に注目し、異文化混成のあり方を分析し、そこで得られた知見を基礎に、今後の文化のあり方を推測することを目的とした。具体的には、Ruth Ozekiの A Tale forthe Time Being (2013) とAimee Phan の The Education of CherryTruong (2012) を例に、太平洋横断的に展開しうるトランスコミュナリティー成立の可能性を考察した。その成果はすでにアジア系アメリカ文学研究会第114回例会にて報告した。

  • アフリカ系アメリカ文化におけるイスラム思想の影響

    2013年  

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     近年、これまで研究対象として見過ごされてきたイスラム思想・文化のアメリカ文化への影響が注目を集めている。この文化的動きの主たる牽引者は、中近東系移民というよりも、むしろ現在10万人を超えるアメリカ・イスラム人口のおよそ四分の一を占めるというアフリカ系アメリカ人である。 例えば、今や若者文化を代表し、アメリカ国内のみならず日本等アジアを含め世界文化に成長したヒップホップだが、アフリカ系を中心とするヒップホップ音楽制作者や映画監督には、イスラム教信者が少なくない。とくに、ムスリム・ラップと呼ばれるヒップホップ音楽は、イスラム布教の媒体として用いられ、都市部に住む若いアフリカ系アメリカ人に強い影響を及ぼしている。 なかでも注目すべきは、Five-Percent Nation と呼ばれるイスラム教グループである。1930年代に Wallace D. Fard Muhammad によりデトロイトで設立された Nation of Islam は、1960年代に入ると Elija Muhammad の下、Malcolm X らいわゆるカリスマ説教師の影響もあり、多くの信者を獲得した。その一人、Clarence Xが NOI を脱退し、Five-Percent Nation を設立したのは1964年のこと。以来、ニューヨーク・ハーレム地区を拠点にその活動を広げ、多くのアフリカ系アメリカ人信者を獲得していく。 このFive-Percent Nation において興味深いのは、その活動が宗教活動に留まらず、ヒップホップを中心とする音楽・芸術活動に波及している点である。アルファベットや数字を象徴的に用いることで、Five-Percent Nation ならではの宗教思想を容易にヒップホップの歌詞に織り込むことに成功したこともあり、Brand Nubian、Wu-Tang Clan、Lakim Shabazzら主流文化からも注目されるラップ・アーティストを多く輩出することになる。 また、俗に「ヒップホップ・ジェネレーション」と呼ばれる公民権運動以降、レーガン政権第一期(1965-84)までに生まれたアフリカ系アメリカ人の間で強い影響力を持つSpike Lee、Sister Souljahらは、映画・文学を通じてアフリカ系アメリカ文化におけるイスラム思想・文化の影響を顕在化させた。特に、Sisiter Souljahの小説 Midnight and the Meaning of Love (2011) は、ニューヨーク、そして日本を舞台に、スーダン出身の Five-Percenter、Midnight と日本人女性Akemi の恋愛・家族関係を軸に、日米間の文化の移動と混成をイスラム文化の浸透を含め展開していく興味深い内容を持つ。 実際、アメリカにおけるイスラム系ヒップホップ文化の展開には、アジア系文化の影響も大きく、Staten Island 出身のWu-Tang Clanは、カンフーを創作的イメージの原動力に活用し、Five-Percent Nation ならではの語彙に加え、東洋的な言語、あるいはコンピューターゲーム等のイメージを活用することで、独特の文化的立ち位置を築くに至っている。 本研究では、20世紀後半にイスラム思想の影響を受けながらアフリカ系ストリート文化として始まったヒップホップ文化を研究するなかで、それが東洋文化をはじめとする更なる異文化との接触を経て21世紀型の新しい混合文化として成長・発展していく様相を確認した。今後は、この独自の展開を見せるアメリカにおけるアフリカ系イスラム文化が、主流文化のなかで如何なる意味を持つのか、そして、他文化へどのような波及的影響を持つのかを考察の対象としたい。

  • ピンチョン作品における「日本」表象と戦後の日米関係

    2003年  

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    本課題採択にあたりすでに受理されていた Terry Caesar との共著論文 "Japan, Creative Masochism, and Transnationality in Vineland" が [アメリカ] Critique: Studies in Contemporary Fiction 誌44巻4号に掲載された (pp. 371-87)。この論文では、Pynchon の作品 Vineland (1990) を例に、アメリカ大衆文化に見られるステレオタイプ化された日本人男性像が戦後の日米関係の中で変容していく様子を、 Takeshi Fumimota とアメリカ人女性 DL Chastain との関係に読み取り、そこから多文化時代における日米協調のあり方を検討した。また、本課題採択直前の 2002年2月に Twentieth-Century Literature Conference (於・University of Louisville) において発表した "Encoding, Decoding, and Re-encoding Japan: The Representation of Japan in Gravity's Rainbow" を論文として成果発表する準備を現在進めている。発表時には、Pynchon 作品に見られる「日本」及び「日本人」表象を中心に文学的な視点から分析を行ったが、準備中の論文では社会・歴史的側面も含め、文化史的な視点からこれを位置づけていく予定である。

  • 「文化」の論理、グローカルな知識:21世紀の文化・文学研究

    2001年  

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     アメリカ作家 Thomas Pynchon (1937- ) の作品における日本 (人) 表象を例に、冷戦期からポスト冷戦期にかけて、よりグローバルな視野を求めて文学/文化が行った異文化表象が、現在どのようなかたちで再受容されるのかを検討した。これは、グローバル化する文化表象の中でステレオタイプ化されがちな異文化表象を再度ローカルなコンテキストに引き戻すことにより、異文化表象に見られる歪曲や文化的偏見を矯正し、さらに個々の文化的特徴を明確化していく試みである。本件では特にGravityユs Rainbow (1973), Vineland (1990) の2作品における日本人女性の表象的欠如を取り上げ、日本文化における男性優位主義が欧米的自由主義やフェミニズム運動を背景とする文学作品のなかで、どのように表現/消費されたのかを分析した。その成果の一部は、すでに2002年2月23日、アメリカ、ケンタッキー州ルイヴィル大学(University of Louisville) で催された第30回 Twentieth-Century LiteratureConference にてJohn Krafft (Miami University) を議長とするパネル メPynchon inAsia/Asia in Pynchonモ にて メEncoding, Decoding, and Re-encoding ヤJapanユ: TheRepresentation of Japan in Gravityユs Rainbowモという表題の下、口頭で発表している。

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