2024/04/25 更新

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カシワギ マサヒデ
柏木 雅英
所属
理工学術院 基幹理工学部
職名
教授
学位
博士(工学)
 

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • デジタル解析学の構築

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(新学術領域研究(研究課題提案型))

    研究期間:

    2008年
    -
    2010年
     

    山田 義雄, 高橋 大輔, 松嶋 敏泰, 柏木 雅英, 西田 孝明, 大石 進一

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    本研究グループは離散数学、非線形微分方程式、情報理論、数値計算を専門とするメンバーから成り立っている。デジタル数学に関する基本理論・アイデアの共有と共通の問題意識を養うために「デジタル解析学セミナー」を組織した。このセミナーに離散数学、数理モデリング、情報理論、数値計算などの分野の最前線において活躍中の16名の研究者を講師として招いた。活発な研球討論を行うなかでデジタル解析に対し共通の理解を得るという目的を達成することができた。

  • I.I.D.カオス2値系列に基づくストリーム暗号システム

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    1997年
    -
    1999年
     

    香田 徹, 櫻井 幸一, 大濱 靖匡, 西 哲生, 藤崎 礼志, 柏木 雅英

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    ストリーム暗号システムにおいて理想的な2値の鍵ストリーム系列とは,情報理論でしばしば仮定される独立同分布(以下,i.i.d.(independent and indentically distributed)と略称する)の系列,すなわちベルヌイ試行であり,この具体的生成法の開発がストリーム暗号システムの構築の根幹の問題である.本研究代表者は,既に,カオスを呈するあるクラスの一次元非線形エルゴード写像が,多種類のi.i.d.カオス2値系列を生成し得ることを理論的に明らかにした.本研究では,このi.i.d.カオス2値系列に基づいたストリーム暗号システムを実用化するための種々の問題を検討し,本研究代表者が提案した,一次元非線形エルゴード写像から生成されるカオス2値系列がストリーム暗号システムの鍵ストリームとして有効であることを確認し,また,確率論的立場による暗号強度評価法を検討した

  • 集積回路の超高速化に対応する分布定数・集中定数混在系としての解析手法の研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    1996年
    -
    1997年
     

    西 哲生, 柏木 雅英, 香田 徹

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    (1)本研究に直接関係する従来の多数の研究発表の整理を行ない、現状の解析手法の分析を行なった。(2)分布定数回路の特性インピーダンスZ_0(s)と位相特性θ(s)を有理正実関数近似する必要性を指摘するとともに、有理関数近似の一方法を与え、従来のpade法よりも優れた結果を得た。(3)集中定数素子で終端した多線条分布定数線路に対し、新しい過渡解析法を提案し、その妥当性を数値計算で示した。本方法はFettweisが偏微分方程式のために提案した多変数WDF(ウェーブディジタルフィルタ法)を採用している。この我々の方法は分布・集中混在系の取り扱いの際に生ずる困難さを解決している。(4)誘電体フィルタに対する多線条分布線路素子と集中定数素子混在の新しい等価回路を提案した。この等価回路は抵抗で終端した多線条分布線路素子と集中定数素子の二種類の並列混在系共振区間で交互に継続して得られた回路である。その素子値を理論的解析および実験結果で求めた。新しい等価回路の特性は従来のそれよりも広帯域で一致することを示した。(5)二種類の分布・集中定数素子混在系の共振回路を交互に継続して得られる無損失帯域はしご回路がLCはしご形回路の議論に帰着できることを示した。二種類のLC並列共振回路を交互に継続するはしご回路網構成のための必要十分条件を与えた。(6)有理関数によるミニマクス近似の最大誤差と最小p乗近似(p【greater than or equal】2)のそれの比の理論的下界値を提案し、いくつかの種類の関数に対しいくつかの数値例により、上記の理論値が実際の値にもかなり(7)さらに、回路解析では常に重要な平衡点の解析について、論文もいくつかを発表している。数値計算に関わる誤差を伴わない非負値性の判定法も与えている

  • 非線形現象のしなやかな計算機援用解析に関する研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(一般研究(B))

    研究期間:

    1995年
    -
    1997年
     

    堀内 和夫, 柏木 雅英, 山村 清隆, 大石 進一, 松本 隆, 川瀬 武彦, 神沢 雄智, 遠藤 靖典

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    研究期間の前半においては、基礎理論の確立と計算機援用ソフトウェアの構成要素の作成を目標として進められ、研究計画通りの進展が見られた。具体的には、
    (1)非線形解析の基礎となる不動点定理について、系の不確定性をモデル化したファジィ写像の不動点定理を示した。
    (2)非線形常微分方程式の境界値問題や一般的な非線形作用素方程式の解の数値的な存在検証に適した理論を構築した。これは、Newton法の収束定理を計算機により自動的に検証する方法である。
    (3)C++言語及び有理数演算を実行できるオブジェクト指向言語をもとに、区間演算、自動微分、関数展開などに付随する様々なオブジェクトを柔軟に扱い得るオブジェクト指向ソフトウェアのプロトタイプ3種類構築した。このソフトウェアにおいて、非線形計算解機解析用のソフトウェアライブラリの作成を進めた。
    (4)分岐現象の数値的検証が可能となるような方程式系を拡張することによって、特異点を解消するための理論の構築を進めた。また、構築した理論をサドル-ノード分岐、Hopf分岐、対称性破壊分岐などに適用し、実際にこれらの分岐現象の存在が数値的に検証可能なことを示した。(5)ホモクリニック軌道、ヘテロクリニック軌道の存在を数値的に検証するための一般理論を展開し、実際にホモクリニック分岐の存在検証を、適当な例に対して行った。
    (6)有限次元方程式の有界領域の全ての解の存在を数値的に証明するためのアルゴリズムを作成し、適当な条件下でその有限時間停止性を示した。
    (7)VLSI回路の方程式などセパラブル性を持つ方程式に対し、上記のアルゴリズムを高速化するための手法を開発した。これは、解の存在しない領域を線形計画法を有効に援用して、高速に見出す方法に基づく。
    研究期間の後半においては、前半に確立した理論を、作成した非線形計算解析用のソフトウェアのプロタイプに組み込み、総合化、洗練化することによりしなやかな非線形計算援用解析ソフトウェアシステム実現の組織的研究を行った。具体的には、(1)区間演算ソフトウェアの計算速度を区間演算の精度に応じて可変とし、精度が要求されない場合には超高速に、高い精度が必要な場合にも高速に計算できる方式を確立した。これと自動微分など各種オブジェクトに対する演算時間の高速化をはかり、プロトタイプソフトウェアの高速化及び柔軟化を達成した。
    (2)前半に確立した精度保証付き数値計算技法をプロトタイプソフトウェア上で実現し、各種の具体的な非線形関数方程式に適用して実現性を向上させつつ、有用性を検証した。特に、分岐現象の計算機解析を回路系、化学系の非線形方程式に適用して研究を進めた。
    (3)精度がそれほど要求されない場合の手法と高精度解法を融合し、与えられた精度に応じて、その精度の解を高速に求める手法を確立した。また、その手法をプロトタイプソフトウェア上で実現し、回路方程式を例にとってその解の高速求解が達成されることを検証した。
    (4)以上のような組織的研究を総合して、改めて問題の変更や精度の変更などに柔軟に対応できるしなやかな非線形計算機援用ソフトウェアのプロタイプを作成し、その有用性を回路系の非線形問題に適用して検証した。

  • 非線形システムのモデリングと精度保証付シミュレーション技法に関する研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(一般研究(B))

    研究期間:

    1992年
    -
    1994年
     

    堀内 和夫, 柏木 雅英, 山村 清隆, 大石 進一, 松本 隆, 川瀬 武彦, 遠藤 靖典

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    近年,非線形性を本格的に活用したシステムや技術の研究が飛躍的な発展を遂げている。光ファイバにおけるソリトン通信やニューラルネットワーク,ファジイシステム,アナログVLSIなどがその例である.しかしVLSIに代表されるように,これらの非線形システムは大規模化,高精度化が進み,既存の方法ではもはや解析が不可能で,非線形効果を十分に活用するための効率的なモデリング及びシミュレーション技法の開発が緊急の課題となっている.また,このような非線形システムの計算機援用設計において,計算結果の精度保証を行うことが多くの分野で重要視されている.例えばVLSI設計では,モデリング及びシミュレーションの精度を各プロセスで確認できれば,設計機関とコストを短縮させることが可能となる.本研究では非線形システムのモデリングの精度を考慮し,更にそのモデリングを用いたシミュレーションの精度を保証することによって,非線形システムのシミュレーションプロセス全体の精度保証を行う方法を確立した.同時に,本申請者らが開発した独自の理論を導入することにより,計算速度を向上させ,大規模システムへの適用の可能性を切り開いた.
    本年度は,前年度までに確立した理論,アルゴリズム,及びシステムを更に発展させ,様々な工学的問題に対する実用的解法とするための検討を行った.
    1.昨年度までに開発したファジイ写像によるモデリング理論の有効性をシミュレーションによって確認した.
    2.常微分方程式一般に対する自動的な精度保証技法を開発し,過渡解析における厳密な手法を確立した.
    3.全解探索法で用いられた技法を発展させ,集合値写像の解集合の包み込み技術を開発し,精度保証付きモデリング技法と併せてより厳密なシステム解析技法を与えた.

  • 非線形常微分方程式の精度保証付き数値計算

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    本研究は、計算機自身に数値計算を行うと同時に結果の精度の保証を行わせるという発想に基づく精度保証付き数値計算の分野において、特に非線形常微分方程式の精度保証付き計算の新しい方法を開発することを目的として行なわれたものである。Lohnerが提案した区間解析とTaylor展開を用いる方法について、ベキ級数展開に対する演算を定義することにより新しく捉えなおし,またそれを大幅に改良した方法を構築し,詳細な理論的解析を行うことによりこの方法の有効性を明らかにした。また,本研究の方法は,自動微分法と呼ばれる新しい数値計算法と深い関連があるが,そこで得られた知見を導入することにより更に改良できることを示した。また、この方法を実際に計算機上に実現し、それが用意に実装可能であることを示した。このシステムは高い汎用性を持ち、問題の記述は極めて用意である。更に、特に初期値問題における長時間の積分について、平均値の定理を用いた誤差補償法の導入によって大幅な改良に成功し、実用的問題に対しても適用可能であることを示した。また、本研究で得られたベキ級数に対する演算法は、常微分方程式に限らずより多くの問題に適応可能であることが分かり、それについても検討した。これにより、高次導関数の計算、関数の値域の評価、精度保証付き数値積分が効率的に行なえることが分かった

  • 中級数演算による常微分方程式の精度保証付き数値計算

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    本研究は、計算機自身に数値計算を行うと同時に結果の精度の保証を行わせるという発想に基づく精度保証付き数値計算の分野において、特に非線形常微分方程式の精度保証付き計算の新しい方法を開発することを目的として行なわれたものである。Lohnerが提案した区間解析とTaylor展開を用いる方法について、ベキ級数展開に対する演算を定義することにより新しく捉えなおし,またそれを大幅に改良した方法を構築し、詳細な理論的解析を行うことによりこの方法の有効性を明らかにした。また、この方法を実際に計算機上に実現し、それが用意に実装可能であることを示した。このシステムは高い汎用性を持ち、問題の記述は極めて用意である。更に、特に初期値問題における長時間の積分について、平均値の定理を用いた誤差補償法の導入によって大幅な改良に成功し、実用的問題に対しても適用可能であることを示した。更に、Shooting MethodとKrawczykの方法を組み合わせて2点境界値問題に対しても適用可能であることを示した。また、本研究で得られたベキ級数に対する演算法は、常微分方程式に限らずより多くの問題に適応可能であることが分かり、それについても検討した。これにより、高次導関数の計算、関数の値域の評価、精度保証付き数値積分が効率的に行なえることが分かった

  • 線形計画法を援用した新しい区間演算方式に関する研究

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    計算機自身に数値計算を行うと同時に結果の精度の保証を行わせるという発想とその研究は古くから行われてきた。精度保証付き数値計算と呼ばれるようになったこの分野は、ドイツを中心として近年急速に発展し、今後の数値計算法のあるべき姿として世界的に注目を集めている。区間演算とは、一つの実数値を[下限,上限]のように2つの計算機で表現可能な数で挟んで演算を行う方式であり、計算誤差の把握のみならず一種の集合値演算を行うことが出来、精度保証付き数値計算を支える最も重要な技法の一つである。ところが、一方で評価が悲観的に過ぎ、確かに真の値を含む区間を得られるもののその幅はしばしば非現実的に大きくなってしまうという問題点を抱えている。本研究では、入力変数の線形和をデータメンバとする特殊な演算を定義し、線形計画法を用いることにより区間演算の過大評価の問題を解決し、一般的かつ超高性能な区間演算法を確立した。また、本手法で用いる線形計画法として一般的な単体法を用いた場合、本手法の中で解かれる複数の線形計画問題は共通の制約を数多く持つことから、計算方法を工夫することにより大幅に計算量を削減できることを示した。これにより、線形計画問題の許容解の一頂点を求めるいわゆるPhase-1を完全に省略できる。また、本手法を多くのプログラムに対して素直に適用可能な様に計算機上に実装し、その有効性を確認した。上記のライブラリを用いて、区間演算による値域の評価を基礎とした数多くのアルゴリズムに適用し、その効果を確認した。これにより、理論的には問題なくとも区間演算の過大評価が大き過ぎて実用には難しいと思われていた多くのアルゴリズムが救済されたと考えられる。また、本手法内で使用される線形計画法のアルゴリズム自身の精度保証の問題についても、新たな精度保証付き線形計画法のの開発によって解決することが出来た

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現在担当している科目

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他学部・他研究科等兼任情報

  • 理工学術院   大学院基幹理工学研究科

学内研究所・附属機関兼任歴

  • 2022年
    -
    2024年

    理工学術院総合研究所   兼任研究員