2024/04/30 更新

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シノダ トオル
篠田 徹
所属
社会科学総合学術院 社会科学部
職名
教授
学位
修士

所属学協会

  •  
     
     

    アメリカ学会

  •  
     
     

    比較政治学会

研究分野

  • 政治学

研究キーワード

  • 労働政治

 

論文

  • 岐路に立つ労働運動—共和党の攻勢と労組の戦略論争

    久保文明編『米国民主党—二○○八年政権奪回への課題』日本国際問題研究所    2005年07月

  • いまやサンディカリズムの世紀なのか?—韓国労働運動の風景

    曽根泰教・崔章集編『変動期の日韓政治比較』慶応義塾大学出版会    2004年09月

  • ナショナルセンターの自己変革—AFL−CIOに学ぶ連合改革

    高木郁郎・生活経済政策研究所編『良い社会を創る—二一世紀のアジェンダ』御茶ノ水書房    2003年07月

  • アメリカ—手を取り合い良く生きようとする人たち

    鈴木陽子と共著

    岡澤憲芙・久塚純一『世界の福祉』早稲田大学出版会    2001年

  • よみがえれ労働運動

    山口定・神野直彦編著『2025年日本の構想』岩波書店    2000年10月

  • 久米郁男『日本型労使関係の成功』

    年報行政研究   35  2000年05月

  • 高木郁郎『清水慎三著作集』

    大原社会問題研究所雑誌   497  2000年04月

  • The Reincarnation of 'Trans-Pacific Radicalism': Singing Labor Movement in Japan and the United States

    21st Annual North American Labor History Conference, October 21-23, 1999, Wayne State University, Detroit, US.    1999年10月

  • How Workers Justify Their Cause: Japanese Labor Movement Culture in the 1930s,

    East Asian Studies Conference at the University of Massachusetts Boston   36842  1998年06月

  • 「東方に相似あり—日米中三十年代文学—」

    芦田編『二三十年代中国文学と世界』,東方書店    1998年06月

  • Rengo and Policy Participation: Japanese-style Neo-Corporatism?

    M. Sako and H. Sato eds., Japanese Labour and Management in Transition, London: Routledge    1997年06月

  • Heisei Labour Politics: A Long and Winding Road,

    J. Purnendra and T. Inoguchi eds., Japanese Politics Today, Sydney: Macmillan    1997年06月

  • 「報告書を読まれる労働組合の方へ」

    『ONION2 参加関与型組織としての労働組合の再生 第30回共同意識調査総合報告書—社会心理学者からの提言—』,国際経済労働研究所    1996年06月

  • 「再び“ニワトリからアヒルへ”?−55年体制の崩壊と連合」

    『年報政治学 特集55年体制の崩壊』,岩波書店    1996年06月

  • 「地域労働政治研究序説—いまなぜ地域なのか—」

    『労働調査』   326号  1996年06月

  • 「労働力不足経済下の労組の対応—大手製造業5社労組の事例—」

    『調査研究報告書No.80 総合研究:若年労働力の急減と人的資 源管理—1990-93年の労働市場と労務管理:産業・規模・地域別実態と日米比較—』,日本労働研究機構    1995年06月

  • 「大阪労働者階級の形成—戦後の金属労働者を事例に—」

    早稲田社会科学研究,早稲田大学社会科学学会   35号  1995年06月

  • The Tale of Cain and Abel? :A Study of the Contemporary Japanese Labor Politics,

    Japan Labor Bulletin   Vol.34, No.11  1995年06月

  • 「雇用と規制緩和」

    『季刊自治体学研究』   67号  1995年06月

  • 「先進国のナショナルセンターはいま—連合の機能論議に寄せて—」『労働経済旬報』

    『労働経済旬報』   no.1543  1995年06月

  • 「企業別組合の現代的役割とユニオン・アイデンティティ」

    稲上毅編『成熟社会のなかの企業別組合』,日本労働研究機構    1995年06月

  • 「地域政治における労働政治」

    山梨学院大学行政研究センター編『地方分権と地域政治』,第一法規    1995年06月

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 近現代社会運動のグローバルな拡散のメカニズムに関する思想史的研究

    研究期間:

    2020年04月
    -
    2024年03月
     

     概要を見る

    現代の社会運動の特徴は、世界各地でほぼ同時多発的に、似通った運動が形成される、という点に見られる。このような現象は、SNSなどによってグローバルに拡散することで生まれている一方、歴史上の社会運動は一国内で外部からの影響を受けず自生的に発展したとみられがちである。これに対して本研究は、19世紀以来、同様の現象が見られたことを、アジア・ヨーロッパ・アメリカに焦点を絞り具体的な事例に即して解明し、拡散の要因と各地域におけるさまざまな影響について検討し、歴史上の社会運動の発生メカニズムを解明する

  • 不安定労働の時代における組織労働とデモクラシーに関する比較研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2020年04月
    -
    2023年03月
     

    新川 敏光, 柴田 晃芳, 安 周永, 渡辺 博明, 田中 拓道, 島田 幸典, 荒木 隆人, 篠田 徹, 近藤 正基

     概要を見る

    20世紀デモクラシーのダイナミズムは、階級的分岐を基盤とした政治によってもたらされたが、産業構造の変化とグローバル化によって先進諸国の組織労働は衰退の一途を辿り、それと軌を一にしてリベラル・デモクラシーの危機が叫ばれるようになった。本研究では、このような労働政治の衰退とリベラル・デモクラシーの危機との関係を解明するため、異なる類型の代表例と思われる国々をとりあげ、①政党―組織労働関係の変容、②組織労働の再生戦略、③ポピュリズムへの対応という観点から調査、比較検討を行い、労働政治の変化が、今日のデモクラシーの危機にどのような影響を与えているのかを明らかにし、労働政治の再活性化の可能性を探る

  • コミュニティ・オーガナイジングの理論と実践に関する基礎研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2019年04月
    -
    2023年03月
     

    室田 信一, 石神 圭子, 津富 宏, 篠田 徹, 藤井 敦史, 藤井 博志, 小田川 華子, 渡辺 裕一, 山崎 憲, 竹端 寛, 清水 潤子, 林 大介

     概要を見る

    本研究では理論研究を通して、①コミュニティ・オーガナイジング研究のための枠組みを示し、実証研究を通して、②日本国内におけるコミュニティ・オーガナイジングの実態を明らかにし、海外の養成プログラム調査を通して、③環太平洋圏域におけるコミュニティ・オーガナイジング養成の拡散と日本における養成プログラムのあり方を明らかにする。初年度にあたる2019年度は、コミュニティ・オーガナイジング研究のための枠組みを設定することを目的に、研究会の開催と海外における調査を実施した。また、コミュニティ・オーガナイジング研究の基盤整備のための情報発信源としてポータルサイトを開設し、情報の更新作業を行った。2019年7月に研究会の運営会議を開催し、2019年度の具体的な計画とタスク、役割分担について話し合い、研究会の推進方法について意見交換をおこなった。2019年8月に開催した研究会では、大阪府箕面市にある暮らしづくりネットワーク北芝の池谷啓介さんにお越しいただき、大阪府の旧同和地区におけるコミュニティ・オーガナイジングの実践について議論をおこなった。2019年度の後半に、解放の神学に関する研究会を開催する予定であったが、ゲストスピーカーとの日程調整が難航し、開催に至らなかった。なお、後半はアメリカ、ニューヨーク市およびセントルイス市において調査を実施した。ニューヨーク市では、コミュニティ・オーガナイジングに取り組むNPO(2箇所)においてフィールドワークを実施し、オーガナイザー4名(4団体)にインタビュー調査を実施した。セントルイス市では、コミュニティ・オーガナイジングに取り組むNPOと大学教員にインタビューを実施した。一方、コミュニティ・オーガナイジングの研究および実践に関する情報を日本語で発信するためのポータルサイト(Organizer’s Tool Box, https://co-tool.info/)を2019年12月に立ち上げ、その後も情報の更新をおこなった。本研究では、大きく分けて2つのアウトプットを計画している。一つは、コミュニティ・オーガナイジングの理論や歴史、国内外の動向について広く発信するコミュニティ・オーガナイジング白書の作成である。もう一つは、コミュニティ・オーガナイジングの研究基盤にあたる情報を発信するためのポータルサイトの開設である。一つ目のアウトプットであるコミュニティ・オーガナイジング白書作成にあたり、現在、白書の形式について先行研究の整理をおこなっており、研究会のメンバーで本研究会のアウトプットのイメージを固める段階にある。2019年度は、白書作成に必要な理論的な整理を目的とした研究会が2回しか開催することができなかったため、現在、2019年度に実施したアメリカでの調査結果と、日本で開催した研究会における議論を参考に仮の枠組みを作成し、この枠組みについて研究会のメンバーで検討している。二つ目のアウトプットである、ポータルサイトに関しては、現在、コミュニティ・オーガナイジングに関する書籍と論文のデータベースに加え、コミュニティ・オーガナイジングに取り組む団体や、コミュニティ・オーガナイザーのためのオンラインツールなどの情報を収集している。このサイトはすでに一般に公開されており、利用者のフィードバックに基づいて随時更新作業をおこなっていく。2020年度は当初の計画通り、コミュニティ・オーガナイジング白書の作成に向けて、1)研究枠組みの確定、2)実態把握のための領域横断調査の実施を予定しているが、3)の海外調査委に関しては、新型コロナウイルスの影響から渡航しての調査は困難であると考える。まず、研究枠組みに関しては、6月に第1回目の研究会を開催し、その後、2ヶ月に1回のペースで研究会を開催して、議論を進めていく予定である。すでに予定していた解放の神学に関する研究会、アメリカのコミュニティ・オーガナイジングに関する研究会、ヨーロッパのコミュニティ・オーガナイジングに関する研究会を開催する予定である。実態把握のための領域横断調査に関しては、研究班の調査担当者が中心となり、コミュニティ・オーガナイジングの実践に取り組む現場の人をゲストとして迎えて、研究会を開催する。そこでの議論を参考に、コミュニティ・オーガナイジング白書に実践事例として掲載する。最後に、海外の調査に関してはまだ未定であるが、すでに昨年度から連絡をとっている海外のカウンターパートとオンラインの研究会を開催することも念頭に調整を進めていく予定である

  • 近現代社会運動の国境を越えた相互作用に関する思想史的研究

    研究期間:

    2016年04月
    -
    2020年03月
     

     概要を見る

    今年度は、次年度に向けて中間報告を作成していくことを目標にした。そのために、2016年6月に日本大学で第一回研究会を開催し、各自の研究計画について報告するとともに、ゲストスピーカーを招聘し、その報告を参考にしながら、本科研の目的に沿った今年度の研究の方向性と分担する役割について討議し、確定した。また、次年度には中間報告書により研究成果を発表することで合意し、報告書全体の内容や編集方針に関して検討し、その際、近現代社会運動の平和運動に関する研究分担者を1名加えることについて議論し、次年度には新たな研究分担者を加えることが決まる。7月には早稲田大学で第二回研究会を開催し、前回の研究会で報告ができなかった分担研究者による報告を実施するとともに、その後の進捗状況と、年度計画の進捗状況と達成の見通しについて確認する。他方、研究代表者田中ひかるは国内の研究機関等で史資料調査を実施し、他の研究者より専門的な見地から研究に関する助言を受け、国外での調査を実施するとともに、予算を管理し、全体の組織を統轄した。日本・東アジア担当グループ、ヨーロッパ担当グループは、それぞれの分担領域に関する国内外の研究機関等での史料調査を実施し、また、国内外の学会・研究会等で研究報告を行った。研究分担者関口寛は、国内研究機関での史料調査とともに文献を収集し、研究報告を実施した。研究分担者篠田徹、阿部小涼、マニュエル・ヤンは、国外での史料調査および研究報告を実施した。研究分担者梅森直之は、文献収集と研究報告を実施した。研究分担者崎山直樹、山本明代、山口守、櫻田和也は、国外の研究機関で史料調査と研究報告を実施した。以上の調査および報告に基づいて、次年度の計画を策定した。研究成果の中間報告の公表に向けて作業を進めている。テーマや内容に関してはさらに議論を重ねる必要があるが、次年度より、不足している研究領域「平和運動」に関する研究分担者を一名増やし、中間報告書全体の構成を変更することが決まり、それにともない、次年度には内容やテーマに関して確定することが可能となった。それ以外の資料調査等に関しては順調に進められている。したがって「おおむね順調に進展している」と評価できる。研究の中間報告に相当する報告書の作成と公表を進め、29年度内に発表した上で、国外の研究者からの意見を参考にして、今後の方針についてさらに精緻な議論を行う

  • 東アジアにおける歴史和解のための総合的研究

    研究期間:

    2015年04月
    -
    2019年03月
     

     概要を見る

    1.国際シンポジウムを4回開催。①6月「移行期正義と和解-『<帝国>の慰安婦』をめぐる事態を考える」提題者浅野豊美、朴裕河(世宗大学)、②7月「東アジアの選挙と民主主義」報告者:張智程(京都大学法学研究科・助教)ベ・ヨンミ(立命館大学コリアセンター・研究員)元山仁士郎(国際基督教大学)上地聡子(早稲田大学)司会:野口真弘、アン・ドヒョン(東京大学)、③ 7月「文化と記憶」William Marotti(UCLA)“Dramatic Politics and Political Space: Shinjuku 1968”Christopher Nelson (University of North Carolina) "Iphigenia in the China Sea: The Politics of Memory in Postwar Japan" ④2017年2月、「光州事件と移行期正義」鄭文永(Jeong Moon-young)(5.18紀念財団研究所 研究員)Social Origins of the May Ceremony: between ritual and rebellion、平井新(早稲田大学)移行期正義概念の再検討、コメンテーター:呉豪人(輔仁大学)。2.定例研究会を2回開催。各研究者ならびに班ごとの研究の進捗状況と研究計画について報告と議論を行ったのち、以下の主題について報告と議論を行った。①6月、田嶋美登里(早稲田大学)「西アフリカ、ベニン共和国における「和解発展プロジェクト」をめぐって」、②2017年1月、土佐弘之(神戸大学)「闘技的デモクラシーとしての移行期正義:集合的記憶の脱/再領域化のアイデンティティ・ポリティクスとの関連」。3.研究成果の一部をワセダアジアレビューを通じて公表。4.国際共同研究の進展(マックス・プランク研究所、UCLA)1.国際シンポジウムを当初の予定以上に開催することができ、国際共同研究が順調に進展した。その際、アジアの研究者との研究交流、アメリカ、ヨーロッパの研究者との研究交流が順調に進展し、グローバルな和解研究のハブとなる準備と環境が整ってきたことが最大の成果である。2.定例研究会を通じ、とりわけ、新しくアフリカにおける移行期正義の問題と、移行期正義と国際関係論の理論的な関係についての研究が進展した。その際、田嶋美登里や平井新など若手の研究者が、中心的な役割を果たし、研究をリードした。3.小林聡明による韓国、アメリカにおける史料調査で大きな進展があった。梅森直之によるUCLAの研究者との共同研究に大きな進展があった。最上敏樹によるマックス・プランク研究所ならびにパリ政治学院における共同研究に大きな進展があった。これらの活動により、それぞれの地域の学術機関との共同研究を相互に連携させて進める環境が整い、国際共同研究の幅と密度が高まった。4.『ワセダアジアレビュー』19号において、特集「選挙とレファレンダム」を企画、東アジアの選挙に関して行ったシンポジウム、調査の結果を公表した。また、シンポジウムの開催にあたっては、基本的に公開の原則で実施し、研究成果を広く社会的に還元することに努めた。1.最終年度の成果報告に向けた研究体制を強化する。とりわけ移行期正義論文データベースに関しては、今年度中の仮公開をめざす。2.定例研究会を開催し、個人と班ごとの研究成果報告に向けた準備を進める。3.これまでの国際シンポジウム等で作り上げた国際共同研究のネットワークを、最終年度の研究成果報告のなかにどのように生かしていくかを検討し、その具体的準備を進める。4.東アジアにおける歴史和解のための具体的な提言の最終版の作成に先立ち、そのパイロット版を準備する

  • 日本型福祉・雇用レジームの転換をめぐる集団政治分析

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2010年04月
    -
    2014年03月
     

    宮本 太郎, 坪郷 實, 山口 二郎, 篠田 徹, 山崎 幹根, 空井 護, 田村 哲樹, 田中 拓道, 井手 英策, 吉田 徹, 城下 賢一

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    本研究の主題は、福祉雇用レジームの変容が政治過程の転換をどう引き起こしたか、また政治過程の転換が、逆にいかに福祉雇用レジームの変容を促進したかを明らかにすることである。本研究は、国際比較の視点を交えた制度変容分析、世論調査、団体分析などをとおして、福祉雇用レジームの変容が建設業団体や労働組合の影響力の後退につながり、結果的にこうした団体の調整力に依拠してきた雇用レジームが不安定化していることを示した。同時にいくつかの地域では、NPOなどを交えた新たな集団政治が社会的包摂をすすめていく可能性を見出した

  • 近現代アメリカ社会運動史の再検討-大西洋世界と太平洋世界をつなぐ視点から-

    科学研究費助成事業(大阪教育大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2012年
    -
    2014年
     

     概要を見る

    平成25年度は、次年度開催予定の西洋史学会シンポジウム報告および報告書作成に向けた国外での本調査を中心に研究を進めた。その準備作業として、6月末にアメリカよりManuel Yang氏を招聘し、琉球大学で開催した本年度第1回目の研究会、および、早稲田大学での同氏による講演を通じて、近現代アメリカ社会運動史・移民史、および、アジア太平洋世界の移民と接続したアメリカ近現代社会運動史に関する研究の現状と課題等に関して、貴重な助言・指導、専門的知識の提供を受けた。また、研究会においては研究分担者阿部小涼および崎山直樹らが研究の中間報告を行い、今後の研究計画を提示するとともに、研究会全体に対する提言を行った。以上の準備作業に伴い、国内における資料調査・インタビュー等を実施し、研究に密接に関わる書籍・機材等を購入した。年度前半までに実施した研究成果に基づき、研究代表者田中ひかるおよび研究分担者梅森直之、篠田徹、山口守、崎山直樹、山本明代は、欧米において資料調査を実施した。研究代表者田中ひかるは、11月に明治大学で開催された国際シンポジウム「グローバル・アナーキズムの過去・現在・未来」において、本科研に密接に関わる業務に対して謝金等を支出し、当該シンポジウムにおける研究成果の一部を本科研研究に活用した。以上、11月までの研究報告・指導・助言・専門的知識の提供および調査等の結果を踏まえ、12月初旬、科学研究費研究会「近代ヨーロッパを中心とする空間的移動の実態と移動の論理に関する比較史研究」(研究代表者:北村暁夫)と合同で、第2回目の研究会を日本女子大で開催し、次年度6月に開催される西洋史学会シンポジウムに向けた共同報告会を実施し、研究代表者田中ひかる、研究分担者篠田徹、崎山直樹が報告を行い、これらをふまえ、最終年度に向けた研究計画等を策定した。

  • 自由主義レジームの変容と多様性に関する労働・福祉政治の比較研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2007年
    -
    2009年
     

    新川 敏光, 大嶽 秀夫, 篠田 徹, 阪野 智一, 岡本 英男, 池上 岳彦

     概要を見る

    研究成果は主に三つに分けられる。第一に、エスピング-アンダーセンの類型論を改善したモデルを構築し、そのなかで社会民主主義、保守主義、家族主義モデルがグローバル化、高齢化の圧力のもとで、一定程度「自由主義化」していることを確認した。第二に、自由主義レジームのなかで、アメリカとは異なるカナダ福祉国家の特徴と政治的ダイナミズムを明らかにした。第三に、日本型福祉レジームにおける自由主義化には脱家族化という側面がある点を明らかにした

  • 帝国の遺産と東アジア共同体

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2006年
    -
    2009年
     

    梅森 直之, 毛里 和子, 若田部 昌澄, 本野 英一, 長與 進, 岡本 公一, 工藤 元男, 李 成市, 天児 慧, 坪井 善明, 深川 由起子, 劉 傑, 篠田 徹, 大日方 純夫, 安在 邦夫, 後藤 乾一, 黒田 一雄, 園田 茂人, 平野 健一郎

     概要を見る

    東アジア共同体をめぐる研究に、史料・歴史認識・方法論の面から貢献した。まず、早稲田大学所蔵の旧社会党文書のデータベース化を進め、戦後民主主義思想におけるアジア認識の特質を明らかにした。また、韓国成均館大学と共同で、東アジアにおける歴史認識の共有を主題とする国際シンポジウムを開催し、その報告集を作成した。最後に変動するアジアをとらえるための方法論に関して共同研究を進め、その成果を『アジア学のすすめ』として出版した。

  • 公共・市場・NPOの相互関係とその政策形成へ及ぼす影響に関する国際比較研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2002年
    -
    2004年
     

     概要を見る

    各国のNPOの概念規定について検証しつつ、3年間の調査・研究をまとめた。久塚は、主に、日本とフランスにっいて研究した。(1)日本については、事実上存在している法人格を有しない市民団体から、法人格を有するNP0にまでについてヒアリングを行い、さらに、NPOを管轄している行政にもヒアリングを行った。結果として、日本においては、NPOが政策形成に及ぼす影響は、法人の制度や税制がネックとなり、まだ大きなものとなっていないものの、キーパーソンやネットワーク機能を有するプラザなどが存在している場合は、NPOの機能が発揮され、行政とのパートナーシップが形成されつつあることがわかった。(2)フランスについては、Associationが活動しやすい土壌・制度が整っており、国民の意識調査からも、消費者保護の問題や老親の問題などはAssociationへの期待が高く、公的セクターとの役割の住み分けが形成されていること、Associationが政策形成に大きな役割を果たしていることがわかった。岡沢は、スウェーデンのNPOの概念が、国家の役割との関係で明確なものではないことを前提としつつ、実態として存在している人々の連帯を対象として、EU加盟との関係で進行する市場化に苦慮している現実を歴史的経緯を踏まえて研究した。篠田は、アメリカにおける地域障害者ガバナンスにおけるNP0について、従来、個別研究にとどまっていた分野についての類型化と機能分析を試みた。畑は、メキシコのNPO・NGOについて、市民組織が政治的変容とどのようにかかわっているのかを念頭に置きつつ、福祉レジームと貧困削減政策との関係について研究した。坪郷は、ドイツにおける市民団体が環境問題などざ果たしている役割について研究した。早田は、イギリスにおける都市再生についての議論を整理した。藤井は、第三の道の方向性とNPOとの関係について研究した。
    3年間の調査・研究によって、(1)各国においてすでに存在していた各種の民間団体とNPOのような新しい民間団体との間の緊張関係が異なっていること、(2)そのような緊張関係は、福祉や環境というような個別の政策分野で大きく異なっていること、(3)政策分野ごとの差異は、国が果たすべきと考えられている役割との関係で、歴史的に異なっていること、(4)しかしながら、各国共通に、NPOについては期待が高まっており、それらの今後は、主に、法人にっいての制度と税の制度が鍵を握っているであろう、ということがわかった。

  • 日米独韓における環境政策ネットワークの比較政治学的実証分析

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    1995年
    -
    1997年
     

    辻中 豊, 篠田 徹, 久保 文明, 坪郷 實, 石生 義人

     概要を見る

    筆者たちの研究集団の3年に亘る研究によって、日韓両国において、研究目的にそった実証調査を遂行し、その結果をコードブックの形で整理した。さらに、アメリカ、ドイツでも同じ理論的・実証的枠組みを用いて、同種の実証調査を実施もしくは企画中である。現在までの発見された主要な研究成果は以下の通りである。1)調査対象である大気圏地球環境政策の重要アクターの抽出にあたって、数名程度の情報通である専門家にレフリーを依頼するという方法を用いた。そこでのの評価と実際の調査での調査対象相互による影響力評価の相関係数は日韓ともに0.7以上の値を示しており、対象抽出過程が適切であった事を実証している。2)選出された団体の分類は日本、韓国ともにほとんど類似しており、構成比率の違いは3パーセンテージ・ポイント以内である。つまり、アクターの構成は類似している。3)被調査組織相互による影響力の評価によれば、日本では、突出したアクターはなく、審議会、国際政府間組織、マスメディア、政府官庁、経済団体、政党の順で、ここまでが平均値以上である。国際NGO、NGOほか、政府系シンクタンク、業種別団体は低い。韓国では、全体に影響力の評価点が高く、順位は、マスメディアが突出し、政党、国際政府間組織、政府官庁、審議会の順で、ここまでが平均値以上である。政府系シンクタンク、国際NGO、NGOほか、大企業、業種別団体は低い。韓国では、日本よりマスメディアの力、政治家の力が相対的に強く、また国際組織やNGOの力も日本よりは大きい。4)上記の影響力の評点と情報ネットワークの中心性変数、とくに入次数(他組織から情報交換ありと指摘される数)と影響力評点の相関係数は、0.9近くの数値を示している

  • 55年体制の崩壊

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    1995年
    -
    1996年
     

    岡澤 憲芙, 後 房雄, 篠田 徹, 穴見 明, 田中 愛治, 薮野 祐三, 飯尾 潤, 佐々木 毅

     概要を見る

    近年における日本政治最大の出来事であった1993年の自民党長期政権の終焉を、55年体制の崩壊という観点から、それ以前の政治構造の変化の中でとらえようというのが、本研究の目的であった。研究を進めるにつれ、対象の巨大さが実感されるようになり、そのすべての側面をとらえることは、到底不可能となったが、いくつかの重要な論点に関心を集中することにより、今後の研究の基礎となるべき本格的な研究ができたと考えている。成果としては、1970年代以降の日本政治の構造変動に関して、様々な要素が整理され、構造化されるとともに、世論調査を駆使して、システム・サポートという概念を鍵に、政治変動のエネルギーが蓄積された過程が明らかになった。また自民党下野のメカニズムについて政治的事件の累積過程が整理されるとともに、イタリアにおける政治変動との比較において日本の政党の特質が指摘された。さらにマス・メディアや労働組合などのアクターが果たした役割についても研究が深められるとともに、中央の政治と地方の政治の位相の違いも浮き彫りになった。また変動を導いた理念の変化についても執政機能強化論との関係で論点の整理を行うことができた。このように本研究では55年体制崩壊についての包括的研究として学界に対して、大きな貢献をなしたと自負している

  • 大都市における社会的ネットワ-クの変容と再生-構造調製下の北九州市の事例研究-

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    1988年
    -
    1989年
     

    山崎 克明, 篠田 徹, 村上 芳夫, 久塚 純一, 斉藤 貞之, 藪野 祐三

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    北九州市のネットワ-クの形成について特筆すべきは伝統の根強い残存である。このことは、ネットワ-クの主体、対象、そのあり方等において極めて特徴的である。近年、新たな試みがなされてはいるが、伝統型の残存から、「ネジレ」を生じていることも指摘しうる。具体的に述べれば(1)「企業間ネットワ-ク」については、中小企業における組織技術の鉄依存とタテのネットワ-クの残存(2)「まちづくりネットワ-ク」についてはKEPCのような新たなネットワ-ク形成がみられるものの、北九州市の不況のありようの把握の不正確さ→活性化策のミスマッチ(3)「市民と行政のネットワ-ク」については、伝統型自治会による新しい動きへの阻害(4)「助けるネットワ-ク」については、年長者いこいの家をめぐって高齢者個人の単発的ネットワ-クは形成されはするが、例えば、他の福祉施設との間の社会的ネットワ-クが形成されていない点(5)「女性のネットワ-ク」については、伝統型グル-プが中心を占めていることから、今日的課題の具体的扱い方も伝統的なものとならざるを得ない点(6)従って「雇用をめぐるネットワ-ク」も、雇用の構造にみられる数値以上の課題をかかえている点、等々となる。他方、新興の地域では、区長の役割の変化やキメ細かい行政も展開されつつあることも指摘できる。構造の変容、都像の変容という一般的課題とその担い手、より正確には、それへの参加を許される担い手の意識の「ネジレ」が問題点をより明確にしており、今後は、大都市を構成するより幅広い要素を社会的に組み込んだネットワ-クが追求されることが北九州市におけるネットワ-クの方向性を定めることになろう。都市のかかえる課題は、その課題の正しい認識と把握が基礎をなすのであり、一般化された解決手法は余り有効であるとは感じられない

  • 国際政治経済システムと戦後日本

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    本年度は研究員の全員が論文の執筆に着手した。それぞれのタイトルは次のようである。大嶽、北山、秋月、新川、草野、篠田の6論文は、完成論文である。現在、書物の出版を行うことができるかどうか検討中である。少なくとも各研究員の所属大学の紀要に公表することになっている。研究代表者(村松岐夫)も、これらの論文を通じて述べられていることを要約する論文「戦後における地域政治経済ルールの形成」を執筆中である。東京と大阪の地域経済 北山俊哉大阪における金属労働者と階級意識の形成 篠田 徹東京・大阪における信用金庫 真渕 勝神戸市における交通システムの形成 笠 京子神戸市と神戸第三港湾局 秋月 謙吾自動車産業の発展と名古屋の政治経済 草野 厚電気産業の発展と新潟における開発政治 新川敏光愛媛県における戦後県政と農業政策 北原鉄也国際経済と流通業 大嶽秀

  • 日米独韓における環境政策ネットワークの比較政治学的実証分析

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    平成11年度の研究は、3つの目的をもった。第一に、実証研究の分析のための理論の再検討、第二に、連携する共同研究チームと連絡をとりながら中国、国際機関での調査の企画、予備調査の実施、第三に、100以上の団体、組織を対象とした調査のドイツでの実施である。具体的に成果を述べると、(1)独での1990年代における国内、国際的環境政策の領域の確定。政策争点の種類、政策上の事件の種類を昨年度に行ったパイロットスタディーを兼ねた専門家へのインタビュー調査(15件)と体系的な環境政策関連の文献、雑誌、新聞、統計資料の検討によって行った。(2)米独韓の連携研究遂行者との折衝、会合を1999年7月と2000年3月にもった。(3)ドイツでの対象となる市民社会団体、組織の抽出。(4)実証調査のドイツでの実施。(5)中国では調査可能な地域での調査を、共同研究関連機関が行いパイロット調査とした。当年度は、国際学術共同研究として出発した本研究は最終年度である。並行して行われれ基盤研究とも共同して、ドイツ調査を実施しえた。また中国でも共同研究関係機関を確定(北京大)し、予備調査を行いえた。今後、本格的な比較分析の局面へと移行する。本調査としては、海外の研究者との共同研究打ち合せ、調査実施の打ち合せ、共同分析打ち合せ、海外資料の収集、その分析に研究の力点を置いた

  • 戦時期および戦後初期の労働政策研究

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    本研究の目的は戦時期および戦後初期に賃金政策の形成に大きな貢献をし、賃金問題の権威であった故・金子美雄氏の旧蔵資料を整理し、この期の賃金政策研究を進めることにある。金子資料は主に1939・1980年代をカバーする膨大な資料であり、大変に貴重な資料が多く含まれているが、断片的な物も多く、系統的な整理なしには一般研究者が簡単に活用できる状況にはなっていない。数次に渡るプロジェクトにより、重要資料保存(紙の劣化が激しかった)のためのデジタル化と整理が行なわれた。今回の科研費プロジェクト(H15-16年)においては、資料の活用可能性を第一目標にして、資料整理と重要資料の吟味の作業が行われた。幸いにも、金子氏の直接的な協力者であり、賃金問題の権威である孫田良平氏(元労働省、元四天王寺国際仏教大学教授)の全面的な協力を得て、資料の判読の作業が進んだ。今後の成果発表としては戦時期賃金統制の重要原資料を系統的に選定し、孫田氏に解説をお願いする。解説付きの原資料は報告書の一部としてインターネット上で公開する。戦時期の賃金統制より戦後初期の移行期までの資料は未公開の内部資料を含み、一級の報告書になると思われる。報告書の完成とインターネット上での公開は2005年末を予定している

  • 福祉社会・政策デザインにおける次世代人材育成の国際比較

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    福祉社会・政策デザインにおける次世代人材育成を研究し、その国際比較をおこなった。いずれの国においても移民など国家レベルを超えたグローバルな社会問題を、地域レベル、コミュニティレベルで扱う社会福祉専門職の仕事の重要性が高まり、その養成が急務になっていることが明らかになった

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現在担当している科目

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他学部・他研究科等兼任情報

  • 社会科学総合学術院   大学院社会科学研究科

  • 政治経済学術院   大学院公共経営研究科

  • 政治経済学術院   大学院政治学研究科

  • 附属機関・学校   グローバルエデュケーションセンター

  • 商学学術院   商学部

特定課題制度(学内資金)

  • 現代米国における急進的歴史家のライフヒストリー ―北米における活動的知識人の系譜として―

    2023年  

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    本研究は、一九八〇年代以降登場し、世代を越えて現在もなお活動を続ける現代米国の急進的歴史家(radical historian)、そのなかでも新労働史(new labor history)という分野を開拓し発展させた歴史家達を、北米における活動的知識人(intellectual activist)の一系譜として位置づけ、そのライフヒストリーを現在もなお存命ないし活動する特定の対象者に対するインタビュー等も行い、その登場の経緯や背景、活動の内容や経歴、自身へのふりかえりも含め、世代や社会的集団としての急進的歴史家たちに対する自己評価などを叙述することを主な目的とする。昨年度は急進的歴史家をその一系譜と位置付けた北米における活動的知識人に関し、二次文献を用いながら歴史的なサーベイ研究を行い、活動家的知識人の原集団の形成において、一九世紀前半のニューイングランド地方を中心としたリベラルないしラディカルなキリスト教派、特にクエーカー教徒とユニタリアン教徒達の存在と組織や活動が大きな意義を持ったことを発見し、これらのキリスト教派の奴隷制廃止運動を始めとした様々な平等主義的運動への関与が、活動家的知識人にとって培養器的役割を果たしたことを確認できた。今年度は、急進的歴史家の第二世代に属する活動家の一人であるマカレスター大学の歴史学の前教授で現在ミネソタ州セントポールの労働者階級の居住地に創設したコミュニティセンターで活動するピーター・ラクレフ氏とコンタクトを取り、インタビューに向けての関係性の構築し、また氏の履歴や研究歴、活動歴などを調べ、その内容の把握に努め、今後の聞き取り調査への対応を含め、そのための準備を整え一部聞き取りを終えた。また同じくマサチューセッツ大学ボストン校でレーバー・センターを創設して地域の労働運動の再興に努めた故ジェームズ・グリーン教授が残した資料が同校図書館にあり、同地に赴きその研究を始めた。

  • 現代米国における急進的歴史家のライフヒストリー ―北米における活動的知識人の系譜として―

    2022年  

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    本研究は、一九八〇年代以降登場し、世代を越えて現在もなお活動を続ける現代米国の急進的歴史家(radical historian)、そのなかでも新労働史(new labor history)という分野を開拓し発展させた歴史家達を、北米における活動的知識人(intellectual activist)の一系譜として位置づけ、そのライフヒストリーを現在もなお存命ないし活動する特定の対象者に対するインタビュー等も行いながら、その登場の経緯や背景、活動の内容や経歴、自身へのふりかえりも含め、世代あるいは社会的集団としての急進的歴史家たちに対する自己評価などを叙述することを主な目的とする。昨年度は、まず急進的歴史家をその一系譜と位置付けた北米における活動的知識人について、その歴史的なサーベイ研究を二次文献を用いながら行った。その結果、この活動家的知識人の原集団の形成において、一九世紀前半のニューイングランド地方を中心としたリベラルないしラディカルなキリスト教派、特にクエーカー教徒とユニタリアン教徒達の存在と組織や活動が大きな意義を持ったことを発見した。またこれらのキリスト教派の奴隷制廃止運動を始めとした様々な平等主義的運動への関与が、活動家的知識人にとって培養器的役割を果たしたことも判明した。また上記の諸点について、実際に現地に赴き、歴史博物館や図書館、資料館を訪ね。関係資料を閲覧し、また州周囲の環境等の実地見聞を踏まえ、前述の所見についての確信を深めた。同時に急進的歴史家の第二世代に属する活動家とコンタクトを取り、インタビューに向けての関係性の構築や当事者の履歴や研究歴、活動歴などを調べ、その内容の把握に努め、今後の聞き取り調査への対応を含め、そのための準備を整えた。

  • 包摂的コーポレート・ガバナンスと連帯経済組織の発展に関する経済民主主義論的検討

    2021年  

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    本研究は、包摂的コーポレート・ガバナンスと連帯経済組織の発展に関して、経済民主主義論的な観点から検討を行う基礎的研究である。研究の概要は以下の通りである。本研究は、近年私企業による市場経済と協同組合組織による連帯経済の併存的発展が見られ、また環境的、社会的な側面における包摂的コーポレートガバナンスの取り組みが目立つ流通産業とそこにおける先進事例を取り上げ、実態の把握に努めた。そこで発見された事実として、ヨーロッパでは、従業員の発言機構を企業内で新たに整備する経済民主主義的な試みが顕著であるのに対して、日本は従来からある企業内労働組合の機能の強化拡大がめざされている点が指摘できる。&nbsp;

  • 北米における地域社会主義運動の比較研究

    2020年  

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    本研究は、北米における地域社会主義運動の比較研究を、主として歴史的な視点から行った。その結果発見された主要な点は以下の通りである。第一に、北米における地域社会主義運動は、歴史的にアメリカ合衆国、カナダ、メキシコにまたがるそれであり、これらの三国のその時々の政治経済、社会文化との相互作用を考慮しながら理解されねばならない。第二に、北米における地域社会主義運動は、歴史的に大西洋を挟んでヨーロッパ諸国やアフリカ諸国と太平洋を挟んだアジア太平洋諸国における社会主義運動と多様な関係を有すそれであり、これらの国々のその時々の政治経済、社会文化との相互作用を考慮しながら理解されねばならない。&nbsp;

  • 北米における社会主義をめぐる比較思想史的研究

    2019年  

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    本研究は、北米における社会主義思想の受容の仕方に相違があるのは何故かという疑問から出発した。具体的には地続きのアメリカ合衆国のミネソタ州(一九三〇年代に左派州政府)、ノースダコタ州(一九二〇年代に左派州政府)とカナダのマニトバ州(一九七〇~今日迄複数回左派州政府)、サスカチュアン州(一九四〇~今日迄複数回左派州政府)という大平原の地帯の二〇世紀北米左派王国における社会主義思想の受容様式の差異について考察した。研究成果の一部は、一九年夏にカナダのマニトバ州で開催された北大平原歴史学会において発表した。

  • 産業民主主義と政治民主主義の相乗的連関の比較研究:20世紀中ばの日米を事例に

    2018年  

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    本研究は、産業民主主義と政治民主主義の相乗的連関を、二十世紀半ばの日米の歴史的経験を比較検討することを通じて考察する。本年はその準備作業を行い、以下の点の重要性を確認した。第一に当該研究で主な対象とする米国のニューディール体制と日本の戦後民主主義体制を、産業民主主義と政治民主主義の相乗的連関の好事例として再検討する意義である。第二に第一の文脈において、米国と日本の第一次大戦後の労使関係の発展を見直す必要性である。第三に、当該の時代における両国の労働組合と政党をめぐる制度史、組織史、運動史を、産業民主主義と政治民主主義の連関という視点から再編統合すべきことである。第四に、こうした民主主義の発展を考察する場合、民主主義的実践の日常的な遂行に必要な人材育成と環境形成への注目は欠かせない。以上である。

  • 産業民主主義と政治民主主義の相乗的連関の比較研究:20世紀中ばの日米を事例に

    2018年  

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    本研究は、産業民主主義と政治民主主義の相乗的連関を、二十世紀半ばの日米の歴史的経験を比較検討することを通じて考察する。本年はその準備作業を行い、以下の点の重要性を確認した。第一に当該研究で主な対象とする米国のニューディール体制と日本の戦後民主主義体制を、産業民主主義と政治民主主義の相乗的連関の好事例として再検討する意義である。第二に第一の文脈において、米国と日本の第一次大戦後の労使関係の発展を見直す必要性である。第三に、当該の時代における両国の労働組合と政党をめぐる制度史、組織史、運動史を、産業民主主義と政治民主主義の連関という視点から再編統合すべきことである。第四に、こうした民主主義の発展を考察する場合、民主主義的実践の日常的な遂行に必要な人材育成と環境形成への注目は欠かせない。以上である。

  • 特徴あるローカル・ソーシャルキャピタルによるトランスナショナルな修復的和解の研究

    2017年  

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    本研究は、修復的歴史和解の過程で特定地域が特異な経験をする理由を構造的に分析するため事例研究として、1955年に締結された長崎市と米国ミネソタ州都セントポール市の姉妹都市締結の歴史的経緯を検証し、この日米初の姉妹都市協定が、原爆投下と終戦からわずか10年で、なぜこの両都市で、どのようにして結ばれたのかを考察した。その結果この研究の仮説の一定の妥当性を確認した。すなわち両都市は、長年に亘るトランスナショナルなソーシャルキャピタルの多元的な蓄積を通じて、両国民の歴史的和解への内発的貢献に親和的な径路依存性を高めると同時に、修復的和解行動がより容易となる国内外の政治的機会構造に対応可能な権力資源を増やした。

  • 特徴ある地域のソーシャルキャピタルが媒介するトランスナショナルな修復的和解の研究

    2017年  

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    本研究は、修復的歴史和解の過程で、特定地域が特異な経験をする理由を、構造的に分析するため事例研究として、1955年に締結された長崎市と米国ミネソタ州都セントポール市の姉妹都市締結の歴史的経緯を検証し、この日米初の姉妹都市協定が、原爆投下と終戦からわずか10年のこの時期に、なぜこの両都市で、どのようにして結ばれたのかを考察した。その結果この研究の仮説の一定の妥当性を確認した。すなわち両都市は、長年に亘るトランスナショナルなソーシャルキャピタルの多元的な蓄積を通じて、両国民の歴史的和解への内発的貢献に親和的な径路依存性を高めると同時に、修復的和解行動がより容易となる国内外の政治的機会構造に対応可能な権力資源を増やした。

  • スウェーデンの社会対話に関する基礎的研究

    2016年  

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    【研究目的】本研究では社会対話ないし労使関係の国際比較研究の一環として、スウェーデンの社会対話の現状を把握する基礎作業を試みた。【活動内容】研究会への参加や研究機関、文献施設の訪問調査を通じて国内外の研究者への聞き取りと意見交換を行い、スウェーデンの社会対話の現状把握と日本を含む先進各国との比較に努めた。【研究成果】就労構造の階層分化と階層間移動の限界を前提した階層間均衡を目指した社会対話は依然として耐性を持続していることを確認される一方、その適用範囲の産業的、職能的限定化も明らかになった。【今後の課題】同様の調査を社会対話や労使関係において一定の共通性が見られる北欧、中欧、日本で行うことが必要である。&nbsp;

  • 戦後アメリカのリベラリズムの淵源としての中西部における日系アメリカ人の社会統合

    2015年  

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     本研究では、太平洋戦争中・後のアメリカが、戦争中強制収容した日系アメリカ人を、どのように地域社会に再定住させたか、そしてこの社会包摂の過程が、戦後アメリカ社会のリベラルな体制形成とどのように関係していたかを、ミネソタ州ミネアポリス市の事例で検討した。このため本研究では、ミネソタ歴史協会の一次資料やその他の在米図書館の諸文献を検討し、実情の把握と分析枠組みの検討を行った。 &nbsp;その結果、ミネアポリスやミネソタ州には、当時日系アメリカ人を受け入れることに積極的であった政治的指導者たちと、それを実際に担った社会組織のネットワークが存在したこと、そして日系アメリカ人の再定住の経験やパターンが、その後アフリカ系アメリカ人やアジア系アメリカ人との人種的和解のリハーサルやプロトタイプになり、これを推進した政治的指導者たちがこのリベラルな体制を全国化、国際化したことがわかった。 &nbsp;今後の研究課題は、日系アメリカ人の受け入れに積極的だった政治指導者たちや社会組織のネットワークがどのように登場し、またその後地域や全国、そして固く結びついた日米のリベラルな政治経済、社会文化体制の確立へ向かったかを明らかにすること、そしてこの過程を媒介した日系アメリカ人の歴史的意義を考察することである。&nbsp;

  • 社会労働運動の日米関係史の事例研究―ベトナム戦争を巡る日米運動関係の分析

    2014年   幸田直子

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     この研究は、ベトナム戦争をめぐる日米の社会労働運動の相互関係に注目した。日米の社会労働運動は第二次大戦前後を通じて、共闘や連合等組織間関係を必ずしも発展させてこなかった。これは、そうした関係がよく見られた環大西洋地域の社会労働運動史と比較した場合特徴的である。他方日米を含む環太平洋の社会運動史では、人的関係や運動メディアを通じた情報共有と影響関係の不均衡が目立ち、その分析には従来の組織中心の運動史の手法では不十分である。この研究ではベトナム戦争時の日米の社会労働運動関係を事例に、関連資料を収集し環太平洋型の運動関係史における分析手法の開発を行うための基礎作業を行った。

  • 米国ゼネラル・エレクトリック社マサチューセッツ州リン事業所ストライキの研究

    2013年  

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    本研究「米国ゼネラル・エレクトリック社マサチューセッツ州リン事業所ストライキの研究」は、1945年冬から1946年春にかけて発生した米国史上最大の波状労働争議の中でも最も注目された電機産業でのストライキの一つに注目し、その特徴と意義を検討した。研究は、昨年度中に現地での追加的文献蒐集を含め調査を完了し、その成果として現在、研究計画書で設定した労組の草の根の活動を、階級とジェンダーや職場と地域の交点に焦点を当てながら、そこでの労働者と地域の連帯主義的意識の醸成とそれに貢献した労組主催の日常的娯楽活動とそこでの女性労働者の積極関与を取り上げる論文を英語で執筆している。この論文は戦後米国労働政治の分岐点として多くの議論が蓄積されてきたこの時期の労働争議研究において、従来注目されてこなかった労働運動の連帯行動における文化活動とそこでの女性労働者が果たした役割の重要性を指摘する点で、新たな貢献を行うことを目指す。なおこの論文はこの調査研究を一貫してサポートしてくれたUniversity of Massachusetts Boston, American Studies ProgramのJudith Smith教授にまず提出し、その後英日両語での発表を検討している。以下はその現在執筆中の英語論文の概要である。 "Why and How the 1946 strike of General Electric (GE) Workers at Lynn, Massachusettsu Matters?"PART I: IntroductionSECTION 1: The Picture That Sparked This StudySECTION 2: Labor History and Local History of the 1946 Lynn GE StrikeSECTION 3: Women' Labor History of the 1946 Lynn GE StrikeSECTION 4: What Social Movement History Can Offer to an Interpretation of the 1946 Lynn GE StrikeSECTION 5: The Management History of the 1946 Lynn GE StrikeSECTION 6: My Working HypothesisPART II: GE Workers and Their Local Community Supported Not the Good Company But the Good UnionSECTION 1: The Company's Position during the StrikeSECTION 2: UE AdvertisementSECTION 3: Local Communities Supported UESECTION 4: The Development of Corporatist ManagementSECTION 5: The Relationship between Lynn and GE before the StrikeSECTION 6: The Relationship between Lynn and UE before the StrikePART III. Who Entertained the StrikeSECTION 1: Entertainment and Women Workers on the Front LineSECTION 2: Activities Committee at Local 201SECTION 3: Women's Free Space Crossing Works and CommunitiesSECTION 4: GE's Response after the StrikePART IV: ConclusionSECTION I: SummarySECTION II: Future Questions

  • 東日本大震災の被災地における労働組合の地域組織の役割に関する研究

    2011年  

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    本調査は前半と後半に分かれる。前半は関係者からの聞き取りと文献調査から、東日本大震災の被災地における労働組合の役割に関する研究の方向性を探った。その結果、被災地における応急対応では非営利団体(NPO)の目覚ましい活躍が多数確認され、その中で労働組合も中央団体である連合が全国から多数の組合員をボランティアとして継続的に現地に派遣し、現地組織も瓦礫処理作業を中心にその受け入れ等の調整で重要な役割を担ったことが確認された。その一方震災から時間が経過し、被災地における対応も中長期的な課題に移行するに従い、労働組合を含め非営利団体の対応に限界が見られる様になった。取り分け被災地における最重要課題である雇用の確保は、企業と行政を巻き込んだより包括的な政策対応が必要であり、この点で労働組合は必ずしも有効な働き掛けや関与に成功していない。こうした前半の研究から得られた知見を踏まえ、後半は先ずこうした大量の失業ないし強い雇用不安を打開する地域的な対応に労働組合が関与した事例を国内外に探した。その結果、一九三〇~四〇年代に掛けて米国ルーズベルト政権のニューディール政策の経験に学ぶことが有効ではないかと判断し、米国現地調査を含め、この時期の雇用政策とそこへの労組の関与について文献収集を行った。こうした調査研究を通じて得られた知見の一つは、ニューディール政策が雇用促進局(WPA)等を中心に展開した、地域密着型で文化事業を含めた自発的な中小公共事業の創出を促す積極雇用政策が、今日の被災地にも求められていることである。これに加えて更に発見出来たことは、ニューディール期にはそうした積極雇用政策に呼応する勤労者の地域的組織化に向けて、労使交渉等を通じた労働条件の維持向上に留まらず、職業教育・紹介・斡旋を地域の経済的社会的需要に見合った形で調整する総合的な労働力媒介機構の整備に向けて、コミュニティ・オーガナイジング・モデルと呼ばれる地域活動の有効性が確認されたことである。本研究が発見した最も重要な知見は、今日の被災地における労働組合の地域組織もこのコミュニティ・オーガナイジング・モデルに大いに学ぶべきであるという点にある。

  • 戦後労働運動の地域比較研究

    1995年  

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    本研究は日本の労働政治の地域特性とその変遷について,政治経済構造,産業構造,企業構造,労働組合構造の差異を考慮しながら各地における戦後労働運動の展開過程の分析を通じて,一定の諸類型を析出することを目的とした。 とりわけ本年は,日本労働政治の基層をなす企業別組合の実態理解と近年の地方連合の結成とそこでの民間企業組合の関与実態理解という観点から,まず地方連合3役人事の比較検討を行い,そこで確認された諸パターンから上記観点に関連して重要と思われる地域に注目し,そこでの諸特徴の整理と類型化の基礎作業を,現地調査を集中的に行いながら進めた。 その結果,全国の地方連合でこれまで比較的多くの会長職を歴任している電機,鉄鋼,自動車,金属機械,ゼンキンの4グループに着目し,それら各グループ内で「拠点工場・分工場(電機)」「新型工場・旧型工場(鉄鋼)」「地場有力企業・地場一般企業(金属機械・ゼンキン)」「上位企業・中位企業(自動車)」といったサブ・グループの存在を確認した。 現在はこれらの諸カテゴリーについて,対象地域・企業を限定したケース・スタディを歴史的資料の収集や再インタビューなどとあわせて進めつつある。そしてこれらの作業から前述した地方労働政治の諸類型の析出へと進む予定である。 なお本研究の結果はこれから約1年をめどに,単著としての刊行を予定している。

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