2022/05/17 更新

写真a

カワギシ ノリカズ
川岸 令和
所属
政治経済学術院 政治経済学部
職名
教授

兼担

  • 法学学術院   法学部

  • 商学学術院   商学部

  • 政治経済学術院   大学院政治学研究科

学内研究所等

  • 1989年
    -
     

    現代政治経済研究所   兼任研究員

学歴

  •  
    -
    2004年

    イェール大学   ロー・スクール   J.S.D.プログラム  

  •  
    -
    1993年

    イェール大学   ロー・スクール   LL.M.プログラム  

学位

  • Yale University   J.S.D.

  • イェール大学   J.S.D.

所属学協会

  •  
     
     

    American Political Science Association

  •  
     
     

    アメリカ学会

  •  
     
     

    日本政治学会

  •  
     
     

    政治思想学会

  •  
     
     

    宗教法学会

  •  
     
     

    比較法学会

  •  
     
     

    日米法学会

  •  
     
     

    日本公法学会

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研究分野

  • 公法学

研究キーワード

  • 憲法学

論文

  • Freedom of the Press

    Norikazu Kawagishi

    Rüdiger Wolfrum, Frauke Lachenmann, and Rainer Grote eds., Max Planck Encyclopedia of Comparative Constitutional Law, Oxford University Press on line    2018年10月  [査読有り]

  • 放送の二本立て体制とNHK受信料

    川岸令和

    法学教室   ( 454 ) 52 - 58  2018年07月

  • 比較衡量論――憲法上の権利の理解の深化に向けて

    川岸令和

    山本龍彦・大林啓吾編『違憲審査基準――アメリカ憲法判例の現在』弘文堂     91 - 123  2018年04月

  • 法曹一元的理念の体現――大野正男

    川岸令和

    渡辺康行・木下智史・尾形健編『憲法学からみた最高裁判所裁判官 70年の軌跡』日本評論社     255 - 268  2017年08月

  • 戦後憲法価値の実現――田中二郎

    川岸令和

    渡辺康行・木下智史・尾形健編『憲法学からみた最高裁判所裁判官 70年の軌跡』日本評論社     111 - 124  2017年08月

  • リベラル・デモクラシーと裁判所――違憲審査の活性化に向けて

    川岸令和

    樋口陽一・中島徹・長谷部恭男『憲法の尊厳――奥平憲法学の継承と展開』日本評論社     401 - 424  2017年05月

  • The Judiciary

    Norikazu Kawagishi

       2017年04月  [査読有り]

  • §24

    川岸令和

    長谷部恭男編『注釈日本国憲法(2) 国民の権利及び義務(1)§§10~24』有斐閣     495 - 518  2017年01月

  • §14

    川岸令和

    長谷部恭男編『注釈日本国憲法(2) 国民の権利及び義務(1)§§10~24』有斐閣     161 - 213  2017年01月

  • 立憲主義のディレンマ――アメリカ合衆国の場合

    川岸令和

    駒村圭吾・待鳥 聡史編『「憲法改正」の比較政治学』弘文堂     141 - 169  2016年06月

  • A Note on Privacy

    Norikazu Kawagishi

    Anthony P. Newell & Mark Jewel eds., Language, Economics, and Politics: 12 Perspectives 早稲田大学出版部     107 - 117  2016年04月

  • 選挙資金規制についての一考察――制度と権利の狭間で

    川岸令和

    岡田信弘・笹田栄司・長谷部恭男編『憲法の基底と憲法論――思想・制度・運用――高見勝利先生古稀記念』信山社     439 - 469  2015年05月

  • 情報の自由と震災復興後の民主的意思形成

    川岸令和

    鎌田薫監修・早稲田大学・震災復興研究論集編集委員会編『震災後に考える 東日本大震災と向きあう92の分析と提言』早稲田大学出版部     485 - 496  2015年03月

  • 災害と情報――東日本大震災を契機として

    川岸令和

    鈴木庸夫編『大規模災害と行政活動』日本評論社     69 - 109  2015年03月  [査読有り]

  • Toward a More Responsive Judiciary: Courts and Judicial Power in Japan

    Jiun-rong Yeh & Wen-Chen Chang eds, Asian Courts in Context, Cambridge University Press     77 - 111  2015年01月

  • 災害と情報

    川岸令和

    公法研究   ( 76 ) 171 - 183  2014年10月

  • 嫡出性に基づく法定相続分差別違憲判断

    法学教室 別冊付録 判例セレクト 2013[Ⅰ]   ( 401 ) 3 - 3  2014年02月

  • 集会の自由と市民会館の使用不許可――泉佐野市民会館事件

    川岸令和

    長谷部恭男・石川健治・宍戸常寿編『憲法判例百選Ⅰ[第6版]』有斐閣     182 - 183  2013年11月

  • Japanese Supreme Court: An Introduction

    Norikazu Kawagishi

    National Taiwan University Law Review   8 ( 1 ) 234-244 - 255-258  2013年03月  [査読有り]

  • 情報の自由で豊かな流通に基づく自省的社会へ

    川岸令和

    齋藤純一・川岸令和・今井亮祐『原発政策を考える3つの視点 災害復興の政治経済学を求めて③』早稲田大学出版部     25 - 64  2013年02月

  • 経済的デュー・プロセス条項(1)[Lochner v. New York]

    川岸令和

    樋口範雄・柿嶋美子・浅香吉幹・岩田太編『アメリカ法判例百選』有斐閣     90 - 91  2012年12月

  • ユビキタス時代の表現の自由

    川岸令和

    アメリカ法   2012(1)   21 - 33  2012年12月

  • 身近な表現の自由の擁護のために

    川岸令和

    法律時報   84 ( 5 ) 31 - 35  2012年05月

  • 立憲主義

    川岸令和

    法学セミナー     2 - 4  2012年05月

  • 違憲裁判の影響力――司法に優位についての覚書

    川岸令和

    戸松秀典・野坂泰司編『憲法訴訟の現状分析』有斐閣     90 - 114  2012年03月

  • 表現の事前抑制と検閲――表現の自由の源流、そしてその擁護のために

    川岸令和

    駒村圭吾・鈴木秀美編著『表現の自由Ⅰ――状況へ』尚学社     161 - 196  2011年05月

  • 政権交代――アメリカ合衆国の場合

    川岸令和

    全国憲法研究会編『憲法問題』   ( 22 ) 7 - 20  2011年05月

  • 葛飾区政党ビラ配布事件

    川岸令和

    法学教室 別冊付録 判例セレクト2011[Ⅰ]   ( 365 )  2011年02月

  • 人権擁護法案をめぐる諸問題

    川岸令和

    」齋藤純一編『講座人権論の再定位 第4巻 人権の実現』法律文化社     50 - 80  2011年01月

  • プライバシー権とは何のための権利なのか

    川岸令和

    阪口正二郎編『自由への問い第3巻 公共性 自由が/自由を可能にする秩序』岩波書店     79 - 108  2010年01月

  • 表現の機会を求めて――アクセスが沈黙を呼ぶパラドクスを超えられるか

    川岸令和

    長谷部恭男・中島徹編『憲法の理論を求めて――奥平憲法学の継承と展開』日本評論社     63 - 92  2009年05月

  • 司法権の概念の再構成に向けて

    川岸令和

    法律時報   81 ( 5 ) 69 - 73  2009年05月

  • 刑事裁判とは異なる報道の役割に期待――各社の指針を読んで

    川岸令和

    新聞研究   ( 693 ) 30 - 33  2009年04月

  • 裁判員制度と報道の在り方――憲法の視点から

    川岸令和

    刑事法ジャーナル   ( 15 ) 38 - 44  2009年03月

  • 公物管理権と集会の自由

    川岸令和

    大石眞・石川健治編『憲法の争点』有斐閣     138 - 139  2008年12月

  • 司法情報へのアクセスと裁判員制度――国民主権のために必要な情報の流通

    日本新聞協会『新聞研究』別冊『新聞の公共性と事件報道――裁判員制度、取材源秘匿から考える』     23 - 26  2008年08月

  • 自由で豊かな情報の流れのために――民主社会における新聞の存在基盤

    川岸令和

    日本新聞協会『新聞研究』別冊『新聞の公共性と事件報道――裁判員制度、取材源秘匿から考える』     4 - 8  2008年08月

  • 砂上の楼閣に建つ表現の自由――立川反戦ビラ事件最高裁判決に寄せて

    川岸令和

    法学セミナー   ( 643 ) 4 - 5  2008年07月

  • 執行権と大統領制――単一執行権論と単独主義をめぐって

    川岸令和

    ジュリスト   ( 1356号 ) 66 - 74  2008年05月

  • 表現の自由のジレンマ

    川岸令和

    自由人権協会編『市民的自由の広がり――JCLU人権と60年』新評論     211 - 226  2007年11月

  • 緊急事態と憲法――アメリカ合衆国における議論を参考にして

    川岸令和

    憲法理論研究会編『憲法の変動と改憲問題』敬文堂     89 - 112  2007年10月

  • 国民主権とデモクラシー

    川岸令和

    杉田敦編『岩波講座 憲法3 ネーションと市民』岩波書店     3 - 28  2007年06月

  • The birth of judicial review in Japan

    Norikazu Kawagishi

    ICON-INTERNATIONAL JOURNAL OF CONSTITUTIONAL LAW   5 ( 2 ) 308 - 331  2007年04月  [査読有り]

     概要を見る

    judicial review was introduced to Japan when the current constitution took effect in May 1947; this paper examines how it was institutionalized in the postwar period. Although it was established almost by accident, judicial review has profoundly transformed the Japanese political process. We can recognize the full meaning and potential of judicial review only when we try to understand it in the historical context of Japanese constitutionalism. The old Meiji constitutional regime, which had no provision and practice for judicial review, was based on the concept of the kokutai, a system in which the emperors, in one line unbroken for eternity, held and exercised sovereign power. This orthodoxy prevented the Meiji regime from developing fully its liberal democratic potential. In contrast, the current constitution declares universalistic principles of government. Due respect for the fundamental rights of citizens and the principle of popular sovereignty have transformed politics from a vertical hierarchy to a horizontal relation among equals through mutual persuasion, in which judicial review must be situated. Finally, this paper discusses a lese majeste case that marks Japan having reached, painfully, a new stage of liberal democratization.

    DOI

  • 政党ビラの配布と住居侵入罪の成否

    川岸令和

    法学教室号 別冊付録 判例セレクト2006   ( 318 ) 9 - 9  2007年03月

  • 集会の自由と市民会館の使用不許可――泉佐野市民会館事件

    川岸令和

    高橋和之・長谷部恭男・石川健治編『別冊ジュリスト 憲法判例百選Ⅰ 第5版』有斐閣     178 - 179  2007年02月

  • 表現の自由とその限界

    川岸令和

    芹田健太郎・棟居快行・薬師寺公夫・坂元茂樹編集代表『講座国際人権法2 国際人権規範の形成と展開』信山社     263 - 290  2006年11月

  • 市民的自由としての表現の自由

    川岸令和

    法律時報編集部編『新たな監視社会と市民的自由の現在』日本評論社     12 - 18  2006年10月

  • 表現の自由とその制約——憲法学の立場から

    川岸令和

    国際人権   ( 17 ) 28 - 33  2006年10月

  • 自由なメディアとしての新聞の機能――求められる機能を果たす覚悟はあるか

    川岸令和

    新聞研究   ( 658 ) 18 - 21  2006年05月

  • 地方公共団体による記者クラブへの便宜供与――京都市記者クラブ訴訟

    川岸令和

    堀部政男・長谷部恭男編『別冊ジュリスト メディア判例百選』有斐閣     20 - 21  2005年12月

  • 表現の自由と人格権と――『文春事件』の衝撃

    川岸令和

    藤野寛・斎藤純一編『表現の<リミット>』ナカニシヤ出版     237 - 263  2005年06月

  • The Failure of the Japanese Government to Revolutionize the Constitution

    Norikazu Kawagishi

    The Waseda Journal of Political Science and Economics   ( 359 ) 105 - 134  2005年

  • An Unfinished Constitutional Revolution: Toward a New Understanding of the Constitution of Japan

    Norikazu Kawagishi

    The Waseda Journal of Political Science and Economics   355  2004年

  • The Constitution of Japan: An Unfinished Revolution

    Norikazu Kawagishi

    Yale Law School    2003年11月

  • 憲法と政治思想の対話

    新評論    2002年07月

  • 経済的自由

    川岸令和

    法学教室 有斐閣   260号  2002年05月

  • 公の施設と集会の自由

    川岸令和

    法学セミナー 日本評論社   553号  2001年01月

  • モデル小説と名誉・プライバシー

    川岸令和

    法学セミナー 日本評論社   553号  2001年01月

  • アメリカ合衆国における弾劾制度——クリントン大統領事件を契機として——

    川岸令和

    弾劾裁判所報 裁判官弾劾裁判所事務局編集・発行   2000年号  2000年07月

  • ロナルド・ドゥオーキン著 石山文彦訳 『自由の法——米国憲法の道徳的解釈』(木鐸社、1999年)

    週刊読書人    2000年03月

  • 集会の自由と市民会館の不使用——泉佐野市民会館事件

    川岸令和

    芦部信喜・高橋和之・長谷部恭男編『憲法判例百選Ⅰ』(有斐閣)    2000年

  • 現代立憲主義の一局面——項目別拒否権と権力分立制——

    川岸令和

    早稲田政治経済学雑誌   第341号;331-366頁  2000年01月

  • 現代デモクラシーと熟慮(deliberation)プロセス——現代世論形成の一側面

    川岸令和

    日本マス・コミュニケーション学会1999年度秋季研究発表会ワークショップ    1999年11月

  • 内田満編『現代日本政治小事典』

    ブレーン社    1999年06月

  • 公物管理権と集会の自由

    高橋和之・大石眞編『憲法の争点』第3版 有斐閣   120-121頁  1999年06月

  • インターネット

    法学教室 有斐閣   224号;20-23頁  1999年05月

  • 裁判官と表現の自由—アメリカの経験を通して考える

    川岸令和

    ジュリスト/有斐閣   1150;pp.17-24  1999年02月

  • 国会議員の国会内での名誉毀損的発言と国家賠償責任

    法学教室210号別冊付録判例セレクト'97/有斐閣   210  1998年03月

  • デイヴィット・トレンド編 佐藤正志・飯島昇藏・金田耕一訳者代表 『ラディカル・デモクラシー』

    三嶺書房    1998年

  • 営利的言論の規制と第1修正 Central Hudson Gas & Electric Corp. v. Public Service Commission of New York, 477 U.S. 557(1980)

    憲法訴訟研究会 芦部信喜編 『アメリカ憲法判例』/有斐閣    1998年

  • Freedom of Speech and Its Republican Values: Toward a Deliberative Democracy

    Norikazu Kawagishi

    Waseda Political Studies   XXX pp.53-80  1998年

  • Bruce Ackerman & Neal Katyal, Our Unconventional Founding, 62 U. CHI. L. REV. 475-573(1995)

    アメリカ法/日米法学会   1996-2  1997年03月

  • 金員は言論か?−Buckley v. Valeo事件の上告理由を中心にして

    早稲田政治経済学雑誌/早稲田政治経済学会   329  1997年01月

  • 自由の構成としての憲法−熟慮に基づく討議デモクラシーの可能性−

    早稲田政治経済学雑誌/早稲田政治経済学会   328  1996年10月

  • 匿名の政治文書配布禁止が第一修正に違反するとされた事例−McIntyre v. Ohio Elections Commission, 115 S. Ct. 1511(1995)−

    ジュリスト/有斐閣   1099  1996年10月

  • 言論の自由と熟慮に基づく討議デモクラシー−その予備的考察

    早稲田政治経済学雑誌/早稲田政治経済学会   324  1995年10月

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書籍等出版物

  • 憲法 第4版

    川岸令和, 遠藤美奈, 君塚正臣, 藤井樹也, 高橋義人

    青林書院  2016年03月

  • ジェレミー・ウォルドロン『ヘイト・スピーチという危害』

    谷澤正嗣, 川岸令和共訳

    みすず書房  2015年04月

  • ブルース・アッカマン ジェイムズ・S・フィシュキン 『熟議の日—普通の市民が主権者になるために』

    川岸令和, 谷澤正嗣, 青山豊共訳

    早稲田大学出版部  2014年12月

  • 武田徹・藤田真文・山田健太監修『ジャーナリズム事典』

    小黒純, 川岸令和, 土屋礼子, 林香里, 水島久光, 編集委員

    三省堂  2014年06月

  • 憲法 第3版

    川岸令和, 遠藤美奈, 君塚正臣, 藤井樹也, 高橋義人

    青林書院  2011年11月

  • 立憲主義の政治経済学

    藪下史郎監修, 川岸令和編

    東洋経済新報社  2008年03月

  • 憲法 新版

    川岸令和, 遠藤美奈, 君塚正臣, 藤井樹也, 高橋義人

    青林書院  2005年03月

  • 憲法と政治思想の対話――デモクラシーの広がりと深まりのために――

    川岸令和, 飯島昇藏共編著

    新評論  2002年07月

  • 憲法

    川岸令和, 遠藤美奈, 君塚正臣, 藤井樹也, 高橋義人

    青林書院  2002年04月

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • ポスト真実時代の表現の自由と熟議の可能性ーー虚偽情報を超えて

    研究期間:

    2020年04月
    -
    2023年03月
     

     概要を見る

    研究は、ポスト真実時代に討議され熟慮された意見が社会的意思決定の基礎とされる公共空間の形成を理論的かつ実践的に構想することを目的としている。近時世界的に、自己の嗜好や信条に合わない情報をフェイクとして斥けるポスト真実状況の広がりが顕在化しており、公共の意思決定における熟議の重要性を改めて認識させている。だがこの状況は表現の自由の伝統的な捉え方の帰結でもある。そこで、まず虚偽表現についての憲法上の位置づけを再検討する。その上で、情報の自由な流通の副作用を緩和し、氾濫する情報に意味づけを与える独立したプレスの存在に着目した制度的仕組みを構想する

  • 公開と参加による司法のファンダメンタルズの改革

    研究期間:

    2015年04月
    -
    2019年03月
     

     概要を見る

    公開については、裁判所情報の公開は第三者機関の関与が認められた点に進展があるが、刑事裁判の公開は停滞し、メディアを通じた裁判の公開(裁判のテレビ中継)は改善の余地が大きい。次に参加に関し、最高裁判事の任命権は憲法上、内閣にあるが、専門的・中立的に構成された任命諮問委員会を導入することで、最高裁判事の国民審査が実効化することを示した。また、訴訟に当事者として関与しない個人・団体が意見を表明するアミカスキュリイについて、米・加・独・仏・韓・日を対象としたシンポを開き、憲法裁判における「参加」の重要性を確認した。その成果は2019年度中に北大法学論集で公開される。最高裁が法律の違憲審査に抑制的であることは良く知られている。その理由の一つが、その民主的基盤の弱さである。そこで、任命諮問委員会が複数の判事候補者を理由を付けて選出し、かりに任命権を持つ内閣がこれらの候補者と異なる者を任命する場合には任命理由を公表する制度を設ける。このプロセスから国民は判事に関する情報を得て投票することで(無用の長物と言われる)国民審査は実効化し、最高裁判事の民主的基盤は強化される

  • ポスト3.11における自省的社会の構想--情報の自由の観点から

    研究期間:

    2014年04月
    -
    2017年03月
     

     概要を見る

    本研究は、東日本大震災の経験に基づき、情報の自由で豊富な流通に依拠する自省的な社会の構築をその制度化の観点から探求した。そのような自省的な社会では討議され熟慮された意見が市民の間で広く共有されるが、そうした状態の実現を促進する制度構築のために、複数のメディアが複数主体で併存する状況を維持することの重要性、そして多数決主義とは異なる原理に基づく制度や機関を公共の意思決定過程に組み込むことの不可欠性を解明した。さらに情報の自由な流通の副作用である偏見や憎悪に基づく表現の影響力を表現の禁止ではなく教育や対抗の表現行為で適切に統制する条件を考察した

  • 公共性の総合的規範理論の構築をめざして:経済学、政治学、法学の協同

    研究期間:

    2012年04月
    -
    2015年03月
     

     概要を見る

    本研究課題では、公共性に関わる問題を、判断を形成する際に必要となる情報(効用や権利、プロセスなど)に基づいていくつか検討した。世代間衡平性と不確実性の規範理論では、各世代の主体性と福祉を時間的相互連関の中で再構成することで長期的政策における世代間の利害対立を超越できる。地球環境問題では、人類の絶滅に関わる事象を各世代はくじによって引き当てると見れば、どの世代かによってくじに当たる確率は変化するが、世代は既定の順序でしか生じないから、何らかの政策を選択する第一世代としての我々は後続の世代に対して、特別な責任を有する。また、公共性に基づく行動選択の規範理論では、主体性と福祉の調和条件が重要となる

  • 占領期日本の情報空間-検閲とインテリジェンス

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2011年
    -
    2014年
     

     概要を見る

    三年目である今年度は、二つの国際シンポジウムにて成果報告を行った。まず、2013年7月20-21日には、本科研費により国際シンポジウム「日本と東アジアの検閲史再考」“Reconsidering Censorship History in Japan and East Asia”を、早稲田大学で開催した。山本武利(研究分担者)が「多重的ブラック化装置の中の占領期検閲」、小林聡明(研究協力者)が「韓国における通信検閲体制の歴史的展開」を報告した他、海外からジョナサン・エイブル氏(米国)と何義麟(台湾)を招き、分野を横断した多元的な議論を展開できた。その内容は『Intelligence』14号の特集として発表した。
    2013年9月14-17日には、上海師範大学で開催された「ゾルゲと上海情報戦国際フォーラム」に土屋礼子(研究分担者)山本武利(研究分担者)が参加し、加藤哲朗(研究分担者)が「国際情報戦としてのゾルゲ事件」を報告した。
    この他に、早稲田大学20世紀メディア研究会と合同で、研究分担者及びゲストスピーカーによる公開の研究報告を行った。たとえば、2013年4月には川崎賢子が「GHQ占領政策と文楽」、同5月には土屋礼子(研究分担者)が「占領期の大学生新聞」をそれぞれ発表した。 また、山本武利(研究分担者)が発掘した占領期の検閲者名簿は、NHKの番組「クローズアップ現代:知られざる同胞監視」(2013年11月5日放映)で紹介され反響を呼んだ。さらに名簿をデータベース化し、インターネットで公開すべくウェブサイトの準備を進めた。
    研究分担者は各自、以上の成果発表と並行して、米国国立公文書館、ロックフェラー財団アーカイブ、英国国立公文書館などで資料調査を行い、さらに占領期の検閲とインテリジェンスについて、戦前・戦中期、および冷戦期との関連を明確にしつつ、その実態を解明しつつある。

  • 危機のアメリカ「選挙デモクラシー」:社会経済変化と政治的対応

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2011年
    -
    2014年
     

     概要を見る

    平成25年度の第1の研究活動は,単行書の刊行である。これは2012年の大統領選挙とオバマ政権2期目の最初の3か月間を分析対象にした。しかし,2013年3月から8月まで「財政の崖」問題の回避から連邦債務の引き上げ問題など政党間交渉の展開が激しく,一部の章では何度も原稿が書き換えられた。予定より遅れたものの,同書は平成26年3月に東信堂から『オバマ後のアメリカ政治:2012年大統領選挙と分断された政治の行方』として刊行された。活動の第2は,これまでの研究成果を研究書として刊行するための分担部分の最終報告である。第1回研究会(10月)では,吉野が「『選挙デモクラシー』の仕組みとアメリカ政治」と題して報告した。これは昨年度の報告の改訂版であり,アメリカのデモクラシーは小選挙区制と規律の弱い議会政党という古典的制度によって特徴づけられ,選挙後に政治運営は大統領と議員の交渉に委ねられるものの,しばしば選挙結果が政治を動かすダイナミックなものであることが強調された。第2回研究会(12月)では,中山が「米国における政治的2極分化と対外政策コンセンサスの崩壊」と題して報告した。ここでは,外交政策における冷戦コンセンサスは「外交エスタブリシュメント」と称される超党派グループの存在によって支えられていたものの,イラク戦争後このグループが消滅し,外交政策領域においても2極分化が進んだことが指摘された。第3回研究会(平成26年2月)では,前嶋が「1960年代以降の経済社会変化の様相とメディア」と題して報告した。ここでは,1980年代の政党エリート間対立を契機にメディアと有権者の2極化傾向が進んだことが明らかにされた。

  • 欧米憲法理論のアジアへの導入とその展開―日本・台湾憲法学の比較憲法的研究

    研究期間:

    2009年04月
    -
    2013年03月
     

     概要を見る

    2009 年度に早稲田大学において、2011 年度に国立台湾大学法律学院において、2012 年度に再度早稲田大学において、日台憲法共同研究会を開催したほか、2010 年度と2011 年度に日中共同シンポジウムの開催に協力した。主として日本と台湾における欧米憲法理論の受容と変容について、統治と人権の両分野にわたって多角的に比較検討し、両国の共通性と違いを明らかにしようと試みた。また、台湾と日本の憲法研究者の研究交流の場としても寄与した。各回について、中国語と日本語の2 か国語による報告集を作成した

  • 社会的正義の政治経済学をめざして:経済学・政治学・法学による総合的研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    2006年
    -
    2008年
     

     概要を見る

    社会的正義の基本概念は、今日の社会的問題、公共的問題に解決策を示唆しうるもの、また社会の歴史的・民主的発展に適合的な内実を備えたものであるべき点が明らかにされた。さらに、社会的正義の諸要素間の論理的整合性を追及する一方で、政策理論の基礎を与える組合せを、対象となる財・サービスごとに検討すべきことで合意が得られ、公共財・準公共財・価値財などに関していくつかの試みがなされた。公開性、公正性、接近可能性が重視される一方で、匿名性の処遇については意見が分かれた。

  • トクヴィルと20世紀の政治理論-自由民主主義の形成についての思想史的研究-

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    2006年
    -
    2007年
     

     概要を見る

    本研究の目的は、20世紀の政治理論、特にいわゆる自由民主主義の形成とトクヴィルの政治思想との関連を冷戦の終結と「新たな」資本主義の世界化という今日の状況において再考することを目的としている。すなわち、「新自由主義」の主導する経済のグローバライゼーションは新たな貧困や格差を世界大で意識化させ、アメリカの「帝国化」はアメリカのデモクラシーの見直しを迫り、民主化の課題が自由主義圏を越えて旧社会主義圏はもとより、非西洋の全域に拡がろうとしている。欧米の自由民主主義国においては、共和主義、コミュニタリアニズム、多文化主義、市民社会論といった立場からする自由主義の相対化が試みられ、非西洋地域においては、中国、インドのような経済発展の著しい諸国において経済発展と政治的民主化の跛行性が種々の問題を生み、他方では、ラテンアメリカのいくつかの反米左翼政権に見られるように、アメリカの帝国的支配とグローバライゼーションに対する新たな挑戦がなされている。これら現代の理論的実践的諸問題とトクヴィルの理論や分析との関連を問い、トクヴィルの政治思想そのものの読み直しを試みた。
    以上の問題意識の下に行った2年間の研究を通じて確認された主な知見を以下に列挙する。
    (1)冷戦の終結とソ連社会主義の崩壊は社会主義に対する自由民主主義の勝利を明らかにしたが、アメリカの覇権の下に進むグローバライゼーションは、アメリカ・モデルの世界化をもたらしたわけではなく、それへの種々の反発を生み、宗教勢力の政治的影響力の増大、格差と不平等の拡大、「社会資本」の減衰と公共生活の縮小といった近年のアメリカに際立つ傾向は、トクヴィルのアメリカ観の再考を促している。
    (2)トクヴィルがナポレオンの遺産を念頭に19世紀フランスに発した警告は今日の状況において米国の「軍産複合体」の分析にヒントを与え、20世紀後半以降のアメリカの「帝国化」を考える材料となる。
    (3)今日、非西欧世界に広がる民主化の課題を考察する上で、明治以来の日本の近代化とデモクラシーの問題をトクヴィルの視点から分析することは有益な視座を提供する

  • トクヴィルとデモクラシーの二つのモデル〜米仏政治文化の比較思想史的研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    2004年
    -
    2005年
     

     概要を見る

    本研究の目的は、トクヴィルの政治理論に照らしてフランスとアメリカという近代デモクラシーの二つのモデルを比較し、両国の歴史的発展の中に二つのモデルの対立と相互影響関係の諸相を検証することにある。個別の論点として特に詳しく検討されたのは、トクヴィル以後のフランス人のアメリカ観、20世紀における反米主義の興隆、米仏両国の現代政治哲学におけるトクヴィリアン・モーメントの検出などである。
    2年間の研究を通じて確認された主な知見を以下に列挙する。
    (1)米仏友好関係はアメリカ独立革命時以来の長い歴史を有するが、20世紀に合衆国がヨーロッパに本格的に関与し、超大国に成り上がったことはフランス国民の反発を招き、とりわけ、冷戦はフランス知識人の反米主義を育てることとなった。
    (2)冷戦の終結とソ連社会主義の崩壊は社会主義に対する自由民主主義の勝利を明らかにしたが、アメリカの覇権の下に進むグローバライゼーションは、アメリカ・モデルの世界化をもたらしたわけではなく、それへの種々の反発を生み、ヨーロッパとアメリカの距離を広げ、フランス・モデルの再生をもたらした。
    (3)こうした世界の状況の変容はトクヴィルのデモクラシー論の読み直しを要請している。宗教勢力の政治的影響力の増大、格差と不平等の拡大、「社会資本」の減衰と公共生活の縮小といった近年のアメリカに際立つ傾向は、トクヴィルのアメリカ観の再考を促している。
    (4)フランスに近年著しいトクヴィル復興は、アングロ=サクソン社会に範をとった彼のフランス政治文化批判がフランスの世論にようやく受け入れられたことを示す。しかしトクヴィルのアメリカ批判も今日の歴史的文脈において新たな光を当てられている。今日の米国でトクヴィルが共和主義ないしコミュニテリアンの文脈で語られるのに対し、フランスでは共和主義の自由主義的修正に貢献しているといえよう。
    (5)トクヴィルが一九世紀の歴史状況を背景に指摘したフランス・デモクラシーの問題点や危険の多くは、今日のフランス社会にとってそれほどの脅威ではない。逆にそうした危険から免れていると彼がみた米国についてこそ、今日では深刻な問題となっている。戦争や軍事専制、政府の強大化はその著しい例である。

  • 政治経済学の再構築をめざして:経済学・政治学・法学による理念と制度の総合的研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    2003年
    -
    2005年
     

     概要を見る

    本研究課題を通じてわれわれが得た結論は、おおよそ次のようにまとめられる(1)政治制度・経済制度と経済発展・経済的成果の間には完全な対応関係はないが、民主的政治制度は市場経済を要請する。(2)市場経済の理念は自由と効率性であり、デモクラシーの理念は人格の尊重と公平性である。福祉国家によって両者の理念の両立可能性が追及されたが、実際の両立には厳しい条件が必要である。一般に市場経済の理念とデモクラシーの理念は矛盾し、制度としての市場とデモクラシーも対立する。(3)市場の失敗を克服するために登場した政府もまた失敗する。平等主義的政策はデモクラシーによっては達成できないかもしれない。
    個別の具体的な研究成果は次のようである。(1)政治経済学の方法論に関する考察を経て、政治学・経済学・法学の対話を進めるに当たり、実証理論と規範理論の役割を明確にする必要性を確認した。(2)分配・再分配政策、教育政策の政治的要請は、経済的成果とは無関係に決定され、平等主義的帰結・優先主義的帰結には直結しない。(3)思想史上重要な原理が現実の制度設計とどう結びつくかは、各国の歴史的条件と既存制度の理念との相関関係に依存する。(4)社会契約説の再検討を行うことで、制度設計における社会契約および平等主義の役割を明確にした。(5)社会契約説における現代的課題は、社会制度の契約に埋め込まれた共同性の概念と、公共性やプライバシーなどの今日的理念との整合性である。(6)現代規範理論に対するジョン・ローマーの批判を再検討し、正義原理の導出プロセスとしての「無知のベール」の役割に関する研究を進めた。(6)正義原理の公理的研究は、世代間衡平性の問題に対するマキシミン原理の適用へと応用された。

  • アメリカ憲法判例の総合的分析に基づく憲法訴訟の研究

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    本研究は,アメリカ憲法判例をその発展経緯と問題領域について総合的に分析しつつ,日本の憲法訴訟ないし憲法裁判についての研究を行なうものである。アメリカ憲法判例分析については,合衆国最高裁判所の憲法判例を,日本の憲法裁判にとって有用であるか否かとは関係なく,総合的にとらえる研究姿勢で分析しようとした。もちろん,従来の研究を大いに参考にしつつ,しかし,従来の研究では軽視されたり無視されていたところにも目を向けつつ,合衆国における憲法秩序の形成過程の様相をとらえる努力をしてきた。日本の憲法訴訟研究については,アメリカ憲法判例の研究を進めることにより,日本の憲法訴訟ないし憲法裁判にかかわる新たな問題点や考察点を導きだすことができるとの推測のもとに行った。特に,今日まで,アメリカの憲法判例における裁判法理がよく紹介されてきたにもかかわらず,日本の憲法裁判においてそれがそれほど生かされていないこと,あるいは日本的な様式に変化していることの原因を探ることとした。この二方面からの研究は,大きなテーマであるから,今後も継続して行うべきものであるが,前者の面については,判例集を編集することで成果をまとめることとしており,本研究期間内におけるその作業成果の一端を判例集企画案の形で示すこととした。後者の面については,ジュリスト誌上に発表したものをまとめて収録した

  • 高齢化時代における医療政策―生命倫理と予算制約

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    われわれは、3年間の研究の総決算として、2002年9月16日17日にイタリアのトレヴィーゾの国際ジャック・マリタンインスティチュートで開催された国際研究会議に次の4本の英語論文を提出し、議論に参加した."Political Parties, Variety of Capitalism, and Veto Players in Health Care Retrenchment : Japan in Comparative Perspective"において井戸と眞柄は、福祉のレジームのタイプや政権党のイデオロギーよりもむしろ資本主義の多様性と拒否権プレイヤーの存在とが、福祉切り詰め時代における公的な福祉努力を規定していると主張した."Constitutional Welfare Rights"において川岸は、主要国の福祉への憲法による対応の仕方-無視、社会原則の宣言、社会権の宣言、双方の宣言-と、政府の福祉への支出の割合には、相関性は認められず、社会権の実現には立法部、行政部による裁量判断の要素が極めて広いことがわかると論じた。"Moral Foundations of Welfare Policies"において谷澤と飯島は、人びとの「ニーズ」や「潜在能力」(capabilities)などの概念に着目して、福祉国家の道徳的基礎を検討した.M・イグナティエフ、M・ヌスバウム、R・ドゥオーキン、R・グッディンら、一連のリベラルな理論家の所説を検討しつつ得られた結論は、リベラルな伝統を-個人の自由を第一の政治的価値として追求する立場-を支持するかきり、広範な福祉政策を国家に求める道徳的根拠ないし理由が存在するというものであった."Rethinking Japanese Bioethics"において田中は、日本における生命倫理の展開を現状とをアメリカ合衆国のそれらと比較検討することによって、日本の生命倫理が、近代日本の比較的閉鎖的な医療システムをより開かれたものにするには社会勢力としてはなおも不十分なものとしてきた歴史的諸条件に光を投げかけた

  • 公共性の政治経済学:経済学・政治学・法学の協同による新たな理論構築

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    本研究課題では、人々が集まって公共性を議論するための基盤的条件を原初状態と無知のヴェールに求め、社会契約的アプローチに基づく公共性の議論枠組みとして再構成した。また、公共性の重要な要素である機会の平等と社会的厚生の増大との関連を搾取理論の観点から考察し、労働搾取の経済学的指標化とその公理化を行った。憲法学の立場から公共性の議論の分析枠組みを再確認し、一例として情報漏洩を民主的統制の観点から考察を加えた

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特定課題研究

  • 違憲審査制の比較研究――熟議過程の洗練化の視点から

    2020年  

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    本研究では、討議され熟慮された意見が市民の間に広く共有され、それが共同の意思決定に活かされるようになる仕組みの一つとして違憲審査制に着目する。違憲審査制は、多数決主義的な政治過程の帰結を覆す作用を内包し、裁判所の違憲の判断に対する政治部門の対応を含めて、公共の意思決定全体をより分節的にする可能性を秘めている。それぞれの過程がその特徴を活かせば、公共の意思決定は総体としてそれだけより洗練されたものになりうる。世界的な広がりを見せる政治の裁判化傾向のなかで、今世紀になって少し積極化の兆しを示す日本の最高裁は、日本社会全体の熟議の過程を深化させる可能性を拓いている。

  • 違憲審査制の比較研究-熟議過程の構成要素という視点から

    2019年  

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    本研究は、討議され熟慮された意見が市民の間に広く共有され、それが共同の意思決定に活かされるようになる具体的方策の1つとして、多数派に依拠する政治過程を分節化し熟議を促進する仕組みである違憲審査制に注目する。現代の政治過程は、政党が重要な地位を占め、多かれ少なかれ数に依存する。裁判過程では、原告被告の二項対立という限界はあるが、手続的な枠組みによってより理を尽くした討議が中心となる。違憲審査は多数決主義的な政治過程で得られた結論を覆す効果を伴う。違憲審査権を有する最高裁判所は政治過程の中で政策の促進または拒否の役割を担うことになる。違憲審査の実態と適切な機能の条件を探求した。

  • 違憲審査制の比較研究――熟議過程の構成要素という視点から

    2018年  

     概要を見る

     本研究は、討議され熟慮された意見が市民の間に広く共有され、それが共同の意思決定に活かされるようになる具体的方策の1つとして、多数派に依拠する政治過程を分節化し熟議を促進する仕組みである違憲審査制に注目する。現代の政治過程は、政党が重要な地位を占め、多かれ少なかれ数に依存する。一方、裁判過程では、手続的な枠組みによってより理を尽くした討議が中心となる。しかも、違憲審査は多数決主義的な政治過程の結論を覆す効果を伴う。政治過程と裁判過程が各々に特徴を発揮すれば、分節化された公共の意思決定過程が実現し、より熟慮され洗練された意見が影響するようになる。違憲審査の実態と適切な機能の条件を探求した。

  • 自省的な社会の憲法的構想――プレスの自由を中心に

    2018年  

     概要を見る

     本研究は、情報の豊富で自由な流通がもたらす討議され熟慮された意見が公共の意思決定の基礎とされる自省的な社会の憲法秩序を理論的かつ実践的に構想することを目的としている。インターネットは個人に対多数人への意見表明を可能としており、マスメディア状況下での表現の自由のあり方を根本から変革している。個人の自由な表現機会の価値を失わず、しかし、個人の感情や嗜好ではなく、討議によって熟慮された意見が民主的な意志決定の基盤を形成するための条件は何か。その1つに、氾濫する情報に意味づけを与えるプレスの存在がある。比較憲法的視座から、制度としてのプレスおよび個人の表現の自由との関係について考察を進めた。

  • 自省的な社会の憲法秩序を構想する--表現の自由の視点から

    2017年  

     概要を見る

     本研究は、情報の豊富で自由な流通がもたらす討議され熟慮された意見が公共の意思決定の基礎とされる自省的な社会の憲法秩序を理論的かつ実践的に構想することを目的としている。まずプレスの自由について、比較憲法的な考察を進めた。インターネット時代には専門家としてのジャーナリストのあり方を探求することが必須となる。次にヘイトスピーチ規制については、刑罰による規制よりも対抗言論方式の政策の実施を検討すべきとの考えに至り、その具体化を進めているところである。さらに、自省的な社会の構成には、多数決主義的でない意思決定過程の確保も重要であり、そのひとつの経路として違憲審査制があり、その観点から検討を開始した。

  • アメリカ合衆国憲法の構造と言論の自由-1798年反政府活動取締法を中心に-

    1997年  

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    本研究は、言論の自由を合衆国憲法体制のなかに位置づけて考察するとの立場から、1798年の反政府活動取締法(Sedition Act of 1798)をめぐる論争の検討を通じて、合衆国憲法制定直後の言論の自由のあり様を解明しようとする試みである。 合衆国憲法の制定そのものが「熟慮と選択」に値するとした説得の結果であり、この憲法体制は出発時点から言論の自由と密接に関連していた。本研究の中心的対象である反政府活動取締法は、連邦派と共和派の政治的対立のなかで制定された。それは野党による政権党批判の封殺を狙ったものであり、その目的に沿って執行された。共和派系の新聞関係者を中心に約25名が本法に基づき逮捕され、10名が有罪となった。しかし、結局、1800年の大統領選挙はThomas Jefferson率いる共和派の勝利に帰し、時限法であった本法は失効した。1800年の革命とも呼ばれるこの平和的政権交代を生んだ選挙は、敵対者の言論の抑圧は有権者の説得に寄与しないという教訓を残した。 これら反政府活動取締法をめぐる一連の出来事は、一方で、デモクラシーにおける言論の自由の不可欠性を象徴的に示すものであり、合衆国憲法体制のもとでの、コモン・ロー上の伝統的な言論の自由解釈-言論の自由の保障は事前抑制からの解放だけを意味する-からの離脱の開始点と把握される。つまり、「ヴァジニア決議」や「1800年のレポート」に示されたJames Madisonの人民主権の立場からの言論の自由の擁護論が内包する新規さが鮮明になる。ただし、本紛争は、他方で、合衆国レヴェルでは未だ司法審査制は確立していなかったが故に、第一修正それ自体よりも憲法の構造全体こそが言論の自由の保障に資したことをも明らかにする。すなわち、合衆国政府の権限列挙主義・連邦制・権力分立制等の政治構造が、人民主権論に呼応する形で、言論の自由を擁護するのに与って力があった。まさにフェデラリスト・ペーパーで論じられていたように、「広大な共和国」構想は自由に根ざした公共の空間を維持するの大いに裨益したのであった。Warren Court時代に代表される今世紀のリベラルな言論の自由解釈とは異なった、共和主義的な公的自由としての言論の自由像が浮かび上がってくる。 これまでの研究で得られた以上のような基本的分析枠組みに基づき、William Duane, Thomas Cooper, James Callender等共和派系の新聞編集者が被告人となった具体的事件がどのように推移したのか、今後更に詳細に解明したい。また、触れられることの少ない共和派政権下での同種の政府批判言論がどのように処理されたかについても検討を加えたい。できるだけ近い将来に、本研究の成果を政治経済学雑誌他に発表したいと考えている。

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海外研究活動

  • 情報の自由で豊かな流通に基づく自省的社会の構築に向けて

    2015年04月
    -
    2016年09月

    オランダ王国   アムステルダム大学

  • 表現の自由と熟慮に基づく討議デモクラシーの構成

    2001年09月
    -
    2003年09月

    アメリカ   イェール大学ロースクール

 

現在担当している科目

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