2024/10/07 更新

写真a

ムラオカ イサオ
村岡 功
所属
スポーツ科学学術院
職名
名誉教授
 

特別研究期間制度(学内資金)

  • カバディおよび高地トレーニングに関する研究

    2012年09月
    -
    2013年09月

    インド   コルカタ・ウェストベンガル・カバディ協会

    スペイン   グラナダ・シエラネバダ高地トレーニング基地

特定課題制度(学内資金)

  • 水素による酸化ストレスの軽減は筋肥大を抑制するか

    2014年  

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     本研究の目的は、水素発生剤を用いて行う水素摂取が一過性持久運動時の酸化ストレスおよびその関連指標に及ぼす影響を明らかにすることであった。本研究では若齢ラットを対象とし、実験1では中強度運動を行わせ、実験2では低強度長時間運動を行わせた。その結果、実験1実験2ともに酸化ストレス指標であるTBARSの上昇は観察されなかった。一方で、実験1では血漿IL-6、上腕三頭筋のSOD活性およびHSP70が上昇した。しかし、実験2では全ての項目において差は見られなかった。今後は、TBARSが確実に上昇する運動プロトコルを確立するとともに、他の酸化ストレス指標についても併せて検討を行う必要があると言える。

  • オープンウォータースイミング選手のスイミングフォームの特徴について

    2012年  

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    【結果概要】 本研究課題について、以下の4つの実験を行った。 実験1では、男子ライフセーバー13名を対象に、流水槽において、50mを35秒のペースで、クロール泳とヘッドアップ(HU)泳を行わせた。これらのスイミングフォームを泳者の左右側方からビデオカメラで撮影することにより、左右のストローク頻度(SR)、ストローク長(SL)、1ストロークの局面時間比率、IdC(Index of coordination=腕の協調性)を算出し、比較した。その結果、HU泳では前方確認をするために片方の手でストレッチ局面時間比率を多くし、もう片方の手で推進するために推進局面時間比率を多くしており、その結果、左右非対称な腕の協調性を示し、ストローク頻度を高くして泳いでいることが明らかとなった。本実験結果は水泳水中運動学会2012年次大会でポスター発表を行った。今後、Journal of Sports Scienceに投稿予定である。 実験2では、男子ライフセーバー10名を対象に、50m室内プールで全力泳、80%全力泳、50%全力泳をクロール泳、HU泳の各2種類の泳ぎ方で行わせた。これらのスイミングフォームを水中カメラ2台、水上カメラ2台で撮影することにより、スイミングフォームの特徴を明らかにした。本実験において80% HU泳を行った際の手部の軌跡については、左右で異なる軌跡を示した。右手は入水後、グライド動作を行うことで、ヘッドアップを行いやすくしており、一方左手では、入水後すぐに後方に手を移動させ、効率良く推進力を生む手部の動きを行っていた。これらの結果については、第8回Active Life国際シンポジウムでポスター発表を行った。また、80%クロール泳を行った際の手部の軌跡と比較すると、HU泳における手部の軌跡は、右手のSLが有意に長く、左手のSLが有意に短いという結果であった。これらの結果については、European College of Sport Scienceでポスター発表を行う予定である。それ以外の試技については現在データ分析中であり、全データ分析終了後、Journal of Sports Scienceに投稿予定である。 実験3では、男子ライフセーバー10名を対象に、被験者の手部に圧力センサーを装着し、流水槽で実験2と同様に全力泳、80%全力泳、50%全力泳をクロール、ヘッドアップの各2種類の泳ぎ方で行わせた。これらのスイミングフォームを泳者の左右側方からビデオカメラで撮影することにより、1ストローク中の推進力変動を明らかにする実験を行った。実験は全て終了し、現在データ解析中である。分析が終了後、国際学会での発表、論文投稿をする予定である。 実験4では、男子ライフセーバー10名を対象に、被験者の左右の上腕二頭筋・三頭筋、大胸筋、尺側手根屈筋に防水筋電計を装着し、実験2と同様に50m室内プールで全力泳、80%全力泳、50%全力泳をクロール、ヘッドアップの各2種類の泳ぎ方で行わせた。これらのスイミングフォームを水中カメラ2台、水上カメラ2台で撮影し、筋電図を測定することにより、各スイミングフォームの筋活動を明らかにする実験を行った。実験は全て終了し、現在データ解析中である。分析が終了後、国際学会での発表、論文投稿をする予定である。

  • 介護予防運動プログラムを円滑に運営・普及するためのガイドラインの作成

    2008年   中村 好男, 岡 浩一朗

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    本研究の目的は、介護予防普及プログラムへの参加を促す効果的な広報媒体について検討することであった。対象者は、介護予防の普及プログラムに参加した高齢者670名であった。プログラムは、大規模講演会(1回)と、小規模講演会(2回)および自由参加型(3回)であり、広報には、区報、町会・自治会回覧板、会場のチラシ、ポスター、民生委員の紹介、老人クラブの紹介、在宅介護支援センターの紹介、知人の紹介、その他の9つの広報媒体を使用した。広報活動は、全区域を対象とした広域広報地域と、小規模講演会および自由参加型では、徒歩圏域(半径1㎞)を重点広報地域と設定した。調査は、プログラム参加者に自記式質問票を配布し、属性(年齢、性別)と、プログラムの情報を入手した9つの広報媒体について選択形式で回答を得た。分析は、一元配置分散分析およびχ2検定により行なった。結果として、プログラム参加者が利用した広報媒体は、区報が38%と最も多く、次いで老人クラブが18%であり、全ての項目において区報の割合が高かった。また、町会・自治会回覧板や老人クラブ、知人の紹介などの地域組織による広報も有効な広報媒体であった。プログラムの形態別にみると、大規模講演会は老人クラブの紹介と知人の紹介、小規模講演会は町会・自治会回覧板、自由参加型は会場のチラシが、プログラムへの参加を促進する広報媒体として有効であることがわかった。性別でみると、男性は印刷物、女性は人的コミュニケーションによる広報媒体が有効であることが示唆された。重点広報地域と広域広報の比較については、重点広報地域で地域組織、広域広報で印刷物と人的コミュニケーションが有効な広報媒体であることが示唆された。本研究の結果から、普及活動には対象者(市場)の細分化と、プロモーションには市場に適した広報媒体の分析が必要であると思われた。

  • 高地トレーニングの効果における個人差の成因となる遺伝子多型に関する研究

    2005年  

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     スポーツの分野において、高地トレーニングはパフォーマンス改善のための科学的なトレーニング方法であると注目されている。しかしながら、その効果が現れ易い人(レスポンダー)と現れ難い人(ノンレスポンダー)が存在することから、この個人差の成因を明らかにすることが急務の課題となっている。我々はこれまで、この個人差が急性低酸素刺激に対する換気応答(HVR)の感受性や、低酸素室居住後のエリスロポエチン(EPO)濃度の上昇の度合いと、関わっている可能性を明らかにしてきた。一方、最近ではこの問題を遺伝子多型との関連で検討しようとする研究が行われてきている。しかしながら、遺伝子多型とHVRやEPO濃度との関連を検討した報告はみられない。そこで本研究では、HVRやEPO濃度上昇率とHIF-1遺伝子多型との関連性を検討することを目的とした。 被験者は健康的な一般成人男性15名であり、実験の実施に先立ち、実験の目的・方法や実験に参加することによって生じる危険性等を文書によって十分に説明し、被験者の自由意思による実験参加への同意を文書により得た。低酸素室への滞在は、被験者を酸素濃度15.4%(2500m相当高度)、室温24℃、湿度50%に設定した常圧低酸素室に12時間滞在させることで行った。測定項目は、HIF-1における遺伝子多型、低酸素室滞在前後の血清EPO濃度、滞在前のHVRであり、それぞれの結果から遺伝子多型とHVRあるいはEPO濃度との関連性を比較した。 その結果、低酸素室12時間滞在後のEPO濃度は、滞在前の19.4±3.0mIUから後の30.2±+6.5mIUへと有意に上昇した。一方、HVRとEPO上昇度との間には有意な相関関係は見られなかったが、HIF-1の遺伝子多型は15名中1例で認められ、この1例は低酸素刺激に対する換気応答が鈍い3例のうちの一人であった。このことはHIF-1の遺伝子多型がレスポンダーを知る手がかりとなる可能性を示唆するものであるが、このことを明らかにするためには、今後さらに例数を増やして検討することが必要であるように思われた。

  • 低酸素トレーニングの効果における個人差の成因となる遺伝子多型に関する研究

    2004年  

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     高地環境に滞在してトレーニングは低地や平地で行う”リビングハイ・トレーニングロウ(LHTL)”法は、新しい高地トレーニング法として注目されるようになっている。また、この種のトレーニングは主に持久的能力を向上させると考えられてきたが、最近では短距離種目への適用についても検討されるようになってきている。われわれはこのことにいち早く注目し、一昨年には、陸上競技短距離選手を対象とした7日間のLHTLの影響を検討した。その結果、30秒間超最大運動時のパフォーマンスが有意に向上することを観察している。しかしながら、さらに滞在期間を短縮した場合の効果については不明であることから、本研究では、水泳短距離選手を対象として3日間のLHTLの影響を検討することとした。 被験者は水泳競技短距離種目を専門とする男子大学生9名であった。被験者を酸素濃度15.4%の低酸素室に1日10時間、3日間に亘って滞在させる一方で、トレーニングは平地のプールで行わせた。滞在前と滞在1泊後にエリスロポエチン(EPO)濃度を、3日間の滞在前後に急性低酸素換気応答(HVR)の測定とパフォーマンステストを実施した。パフォーマンステストは30秒間の超最大自転車運動とし、運動時のピークパワー、平均パワーおよび最大酸素負債量を測定した。その結果、1日の低酸素室滞在によりEPO濃度は有意に上昇した。一方、滞在前後でのHVRに有意な変化はみられなかった。また、パフォーマンステスト時のピークパワー、平均パワーおよび最大酸素負債量にも有意な変化はみられなかった。これらの結果は、水泳短距離選手を対象とした3日間の短期間LHTLでは、パフォーマンスに対して効果的に作用する可能性は低いことを示唆するものである。なお、今回、助成費が50万円であったため、科研費(500万円)の申請で予定した個人差の成因となる遺伝子多型の解析を行うことはできなかったが、今後、この点に関する取り組みが必要であるように思われる。キーワード:リビングハイ・トレーニングロウ、エリスロポエチン、水泳短距離選手

  • 持久的およびスプリント的パフォーマンスに及ぼす低酸素環境居住の影響

    2003年  

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    【目的】 従来の高地トレーニングに代わる新たな方法として、”Living High, Training Low(LH-TL)”法が注目されている。また、同様の目的で、低酸素室に滞在し平地でトレーニングすることも行われている。我々はこれまでに、一般成人男性を対象として常圧低酸素室滞在による影響について検討を行い、低酸素刺激に対する換気応答(HVR)の亢進と、赤血球新生を刺激する点で効果的であるという結果を得ている。しかしながら、本来のこの種のトレーニングの目的として、競技者を対象とした検討が重要であるが、これまで競技レベルの高い競技者についての検討は少ないのが現状である。 一方で、高地滞在や低酸素室滞在の初期段階においては、酸素不足により有気的代謝機能が抑制され、それを補うために無気的代謝機能が亢進すると予想することもできる。事実、近年、低酸素室滞在により400m走タイムが有意に改善することや、4分間運動時のピークパワーおよび平均パワーや最大酸素借が向上したとの報告もみられている。 そこで本研究では、低酸素室滞在と平地でのトレーニング(LH-TL)が、(1)陸上競技長距離選手の生理・生化学的応答および持久的能力に及ぼす影響、および(2)陸上競技短距離選手の生理・生化学的応答およびスプリント能力に及ぼす影響を検討することとした。【方法】(実験1)陸上競技長距離種目を専門とする男子大学性12名(VO2max;69.0±4.3ml/kg/分)を、実験(LH)群と対照(LC)群に分け、両群とも通常の平地でのトレーニングを行う一方で、LH群は高度2,500m相当(酸素濃度15.4%)に設定した常圧低酸素室に1日10時間、10日間連続して滞在した。実験期間前後および期間中に血液性状を分析し、赤血球数、網状赤血球数、Hb濃度および血清EPO濃度を求めた。また、低酸素室滞在中に動脈血酸素飽和度(SpO2)を、低酸素室滞在前、滞在3日後、10日後および滞在終了1週間後にHVRを測定した。さらに、漸増運動負荷テストを低酸素室滞在前、滞在終了直後および1週間後に行い、酸素摂取量(VO2)と血中乳酸濃度を測定した。 (実験2)陸上競技短距離種目を専門とする男子大学生12名を、実験(SH)群と対照(SC)群とに分け、両群とも通常の平地でのトレーニングを行う一方で、SH群は高度2,500m相当(酸素濃度15.4%)に設定した常圧低酸素室に1日10時間、7日間連続して滞在した。実験期間前後および終了1週間後に血液性状を分析し、赤血球数、網状赤血球数、白血球数、Hb濃度、Hct値、血清EPO濃度およびCK値を求めた。また、自転車エルゴメータを用いた超最大運動テスト(ウィンゲートテスト)を低酸素室滞在前、滞在終了直後および1週間後に行い、ピークパワー、平均パワー、血中乳酸濃度および酸素負債量を測定した。【結果】(実験1)SpO2は低酸素室への入室により94%前後に有意に低下した。また、睡眠時はより顕著に低下したが、滞在日数に伴い低下の度合が少なくなる傾向がみられた。血清EPO濃度は、滞在1日目に滞在前値の約1.6倍へと有意に上昇した。さらに、赤血球数およびHb濃度に変化はみられなかったが、網状赤血球数は滞在10日目に有意に上昇したが、滞在終了1週間後には前値に戻った。HVRは低酸素室滞在に伴い有意に向上し、滞在終了1週間後も滞在直後よりは低下する傾向はみられたものの、滞在前と比較して有意に高値を示した。漸増運動負荷テストにおいて、分速320m(91%Vo2max)走行時のVO2に変化はみられなかったが、血中乳酸濃度はLH群でのみ滞在後に有意に低値を示した。しかし、最大運動時のVO2および血中乳酸濃度には、両群とも滞在前と比較して有意な変化はみられず、連続運動時間(パフォーマンス)についても、有意な変化はみられなかった。 (実験2)SH群の血清EPOは、7日間の低酸素室滞在により有意に上昇し、その上昇は滞在終了1週間後においても維持された。また、SH群の網状赤血球数は滞在終了1週間後に有意な上昇を示していた。30秒間の全力ペダリング運動において、最大パワーに変化はみられなかったが、SH群の平均パワーは、滞在直後および滞在1週間後に有意な増加を示した。また、SH群における運動後の血中乳酸濃度は、滞在後に有意な低値を示す傾向にあった一方で、酸素負債量については滞在後に増加する傾向にあった。また、運動中および運動後における過剰CO2排出量については、SH群において滞在直後および1週間後に有意な増加がみられた。【結論】以上の結果から、長距離選手においても、10日間のLH-TL法によって一般健常成人と同様に、赤血球新生への刺激とHVRに対しての効果が得られ、低酸素暴露に伴う適応がみられると考えられた。また、最大下運動時の血中乳酸濃度を低下させる可能性が示唆された。 一方、短距離選手においては、7日間のLH-TL法によって、平均パワーに有意な向上がみられ、さらに、酸素負債量の上昇傾向と過剰CO2排出量の有意な上昇がみられ、これらのことから、LH-TL法は無気的解糖系に影響を及ぼし、スプリント能力を向上させると思われた。

  • 健康増進を目的としたフィットネスファームの創生に関する研究

    2000年   宮内 孝知, 中村 好男

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     本研究で創生しようとするフィットネス・ファームとは、「農作物の生育(「健康増進」に該当)に及ぼす土壌や肥料(「介入」に該当)の影響を調べるための実験農場」を念頭に置いた命名である。具体的には、健康増進に関わる様々なプログラムを早稲田大学所沢キャンパスを中心として実施し、地域住民に対して参加者を募り、同時に、社会調査の手法を駆使して「応募した人/しない人」の特徴を推計する。つまり、「どのような人が参加し、どのような人が参加しないのか」という特徴を明らかにする、これがフィットネスファームの第一の機能である。第二の機能は、「各々のプログラム(介入)が当人の健康状態あるいはライフスタイルをどのように改善するのか」についての検証である。そして、そこに参加した人がその後どのように運動を継続し、どのようなライフスタイル・健康状態を保持していくのかを観察・調査することによって、そのプログラムの社会的意義を評定するのが、第三の機能である。 本特定課題研究助成を受けて、1999年度には各種フィットネスプログラムを実施し、参加者の特徴を分析した(第一機能)。その結果、①男性対女性の割合が1:2で、②50以上が半数を占め、③女性では主婦、男性では無職と、④比較的平日の自由時間が多いという特徴が抽出された。また、健康・体力及び運動・スポーツについての意識と実態を、市民と比較すると①健康・体力に、食生活や運動・スポーツの実践で注意を払いながらも、②いまだ運動不足と感じており、③定期的にウオ―キング、軽い体操、ハイキングを、④健康・体力つくりと運動不足という意識から実践している点が特徴的であった。 次に、それらの参加者のうちウオーキングプログラムへの参加者を対象としてフォローアップを行い、その後のライフスタイル改善と定着への効果について検証した。その結果、プログラム参加群の日常活動量(日歩数)の平均値は有意に向上するものの、必ずしも全ての人が同様の効果を獲得するわけではなく、「運動やスポーツ」を自身の健康戦略として認識することが、日常生活活動量の増加・保持に影響していることが分かった。 このフィットネスファームは、中高年期の健康意識・身体活動習慣やその後の疾患率などにどのように影響を及ぼすのかを検証するという観点から、単に「地域研究」という枠を超えて広く通用する理論モデルを構築する可能性を有するものであると期待できる。

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