Updated on 2024/12/22

Affiliation
Affiliated organization, Waseda University Senior High School
Job title
Teacher (Affiliated Senior High School)
Degree
Doctor of Science ( Waseda University )

Professional Memberships

  •  
     
     

    The Mathematical Society of Japan

Research Areas

  • Mathematical analysis

Research Interests

  • Nolinear Partial Differential Equations

Media Coverage

  • NHK高校講座 数学Ⅰ(9月までの放送分)

    NHK   NHK高校講座 数学Ⅰ(9月までの放送分)  

    2014.10

  • NHK高校講座 数学Ⅰ

    NHK   NHK高校講座 数学Ⅰ  

    2014.04

  • NHK高校講座 数学Ⅰ

    NHK   NHK高校講座 数学Ⅰ  

    2013.04

  • NHK高校講座 数学Ⅰ

    NHK   NHK高校講座 数学Ⅰ  

    2012.04

 

Papers

▼display all

Research Projects

  • 非均質媒質中における反応拡散方程式の遷移層を持つ解の安定性に関する研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    Project Year :

    2010
     
     
     

    浦野 道雄

     View Summary

    現実世界における現象を数理モデルに還元すると,非線形の微分方程式系が得られる場合が多い.得られた微分方程式を数学的に解析することは,現象のメカニズムの解明に対して非常に重要な役割を果たす.
    様々な現象の中でも,本研究で取り扱った反応拡散方程式と呼ばれる微分方程式は,物質の拡散を伴う現象を記述するモデルである.反応拡散方程式に対する数学的研究の対象は多岐に渡るが,本研究では,定常解のパターンおよびその安定性に的を絞って研究を進めることとした.実際に取り扱った方程式は,
    u_t=ε^2(d(x)^2u_x)_x+h(x)^2u(1-u)(u-1/2) (0<x<1,t>0) (E)
    という空間非一様性を伴う1次元の反応拡散方程式である.境界条件としては,斉次ノイマン境界条件を採用した.ここで,εは正のパラメータを表し,d.hは十分滑らかな正値関数である.
    方程式(E)は,εが十分小さいとき,遷移層と呼ばれる特徴的な形状部分を有する定常解を持つことが知られている.本研究においては,遷移層を有する定常解を対象に,その全てのパターンを明らかにするとともに,それらのパターンの安定性について議論した.一般に,解の形状と安定性の間には密接な関係があることが知られており,この関係を明らかにするための研究が盛んに行われている.本研究においても,解のパターンがその安定性に与える影響を明らかにすることが最大の目的であった.
    安定性の議論を行う際には,対応する線形化固有値問題を考え,固有値の振る舞いを調べる方法が一般的である.本研究でもこの方法に倣い,固有値の評価を厳密に行った.対象となる固有値問題の解析にはスツルムリウビル理論が非常に有効であった.
    本研究で得られた成果は,以下の定理に集約される:
    定理.u^εを遷移層を有する(E)の定常解とする.ψ(x)=d(x)h(x)とするとき,次が成立する:
    (i)u^εの持つ遷移層がすべてψの極小点の近傍にあるとき,u^εは安定である.
    (ii)u^εの遷移層がψの極大点の近傍に現れるとき,u^εは不安定である.さらにu^εのモース指数は,極大点の近傍に現れる遷移層の総数以上となる.

 

Social Activities

  • 算数っておもしろい! ~自分で作ろう「計算」の道具~

    西東京市  西東京市連携事業「理科・算数だいすき実験教室」 

    2015.07
     
     

Internal Special Research Projects

  • 高等学校における「微分方程式」をテーマとした数学教育およびその教材に関する研究

    2011  

     View Summary

     本年度は、中高生の学力低下を防ぐため、数学教育の在り方および教材の研究を行った。 学力低下は学習者の意欲不足によるところが大きい。そこで、今年は、学習者の意欲を向上させる教材作りを目的とした研究を行った。特に、先述の教材にふさわしい内容の情報収集に、研究期間のほとんどを費やすこととなった。 教材の題材は微分方程式である。微分方程式は高等学校の学習指導要領の枠組を超える内容だが、高等学校の枠組を超えるからこそ、学習者の知的好奇心をくすぐる可能性が高い。実際、高等学校で学ぶ項目をいくつか組み合わせて使うことで、簡単に解析できる微分方程式もあり、このような問題は、得られた結果も具体的に高校生の理解しやすいものが多い。 このような観点から、いくつかの微分方程式のモデルを選び、高等学校において微分方程式に関する授業を展開した。その中で、適宜、アンケート調査等を行うことで、先述の目的を果たす教材にふさわしい題材の精査を行った。 この授業では、微分方程式の解析に用いる数学の道具の厳密性については敢えて目をつぶり、これらの道具の応用の仕方を身につけさせることに主眼を置いた授業展開をした。数学は学問の性質上、厳密性を重要視するべきものであるが、初学者の段階からそれを要求すると、長い数学のストーリーの中で、自身がどこに立っているのかが分からなくなってしまうケースが多いようである。 前述のような授業展開に対してアンケート調査を行ったところ、「この授業でやりたいことの全体像がつかめた」、「どの部分が厳密性を欠いているのかを提示しながらの授業だったので、いずれそこを自分で埋めようと思った」等、こちらが狙っていたような学習効果があったと判断される。 今年度の研究の成果として、この授業を通して得たアンケート結果およびその後の考察を経て、「高校生のための微分方程式」と題したテキストを作成した。ただ、このようなテキストとして十分な内容を盛り込んだものを作成するには、単年だけではなく中長期的なデータが必要であると感じている。そういった意味で、現段階では改善の余地が多く、今後も継続して、同様の研究を進めたいと考えている。

  • 空間非一様な双安定型反応拡散方程式に現れる遷移層を持つ解のパターンに関する研究

    2009  

     View Summary

     本研究では, 空間非一様性を伴う双安定型反応拡散方程式$$u_t=\varepsilon^2 (d(x)^2u_x)_x+h(x)^2 u(1-u)(u-1/2), \quad 00$$を斉次Neumann境界条件下で取り扱った. ここで$\varepsilon$は正のパラメータ, $d$, $h$は$C^2$-級の正値関数を表す.  一般に拡散は状態を均一化する効果を表すが, 反応拡散方程式においては, 拡散項と反応項の相互作用により, 空間非一様化が促進されることがある. このような現象は「パターン形成」と呼ばれており, 本研究で取り扱う方程式もパターン形成が観測されるようなモデルのひとつである. この方程式の特徴は空間非一様性をもたらす関数が拡散項と反応項の双方に含まれる点である. 空間非一様性は, 観測される現象が不均質な媒質中におけるものであることを表す. また, 反応項は2つの安定な状態を持つ現象を表現する際によく見られる, 双安定性という性質を持つ. これらの性質の相互作用により, この方程式は非常に豊かな解構造を持ち, 特に$\varepsilon$が十分小さいとき, 遷移層と呼ばれる, 空間的に非常に狭い範囲で解の値が劇的に変化する層を持つ解が現れる. このような遷移層は, 他の遷移層からある程度の距離をおいて単独で現れる場合もあれば, 複数の遷移層が束状になってある点の近傍に現れることもある. 前者はsingle-layer, 後者はmulti-layerと呼ばれている.  パターン形成の観点からすると, 遷移層が現れる位置を特定することやその多重性を考察することが非常に重要な課題である. 本研究では遷移層を持つ定常解を対象とし, 遷移層の現れる位置や多重性を空間非一様性を用いて特徴付けすることに成功した. 具体的には, $\varphi(x):=d(x)h(x)$と定義するとき, 遷移層の現れる位置は$\varphi$のクリティカルポイントの近傍に限られることが示された. さらに, multi-layerの現れる場所は, $\varphi$が極大となる点の近傍に限られることも示された.  これらの結果は, 論文誌 Funkcial. Ekvac. や GAKUTO Internat. Ser. Math. Sci. Appl. への掲載が決定している.

  • 反応拡散方程式と関連する非線形楕円型方程式の研究

    2006  

     View Summary

     本年度は, 空間非一様な反応項を持つ反応拡散方程式に現れるパターンに関する研究を重点的に行った.  物理学や数理生態学における相転移現象記述する反応拡散方程式   u_t=ε^2 u_{xx} + u(1-u)(u-a(x)), (x,t)∈(0,1)×(0,∞) に付随する定常問題を斉次Neumann境界条件の下で考える. ここで, aは[0,1]上で00}内の任意のcompact集合上ではu_ε(x)-c(x)=O(ε^{2-η})を満たすものが存在することを, 比較定理を用いることにより証明した. ここでηは十分小さい任意の正定数を表す. この結果については, 早稲田大学高等学院「研究年誌」に掲載されている.